魔法少女リリカルなのは~愛、恐いなぁ~   作:極麗霊夢

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第五話 なのはの新しい友達は図書館の常連らしい

「「あ」」

 

「ん?」

 

 二人のすずかが声を揃えて、何事かと振り向くと二人はキラキラと光の粒子を散らしながら消えていった。

 原因は何かとステイタスを見直すと、どうやらすずか達は一時契約だったらしく、今、漸くその契約が切れた所らしい。

 再度、召喚出来るみたいだけど、すずかが邪魔物が居なくなって清々したと笑顔で言ってたので、再度の召喚はしないことにしておく。

 まぁ、考えてみればとんでもな切り札が二枚増えて、私に損はない。

 

「……さて、次はだいぶ後回しにした騎士さまの様子でも見てこようか」

 

「え、シングちゃん、あのゴミに何か用でもあるの?」

 

 ゴミって……なんだろう日に日にすずかの人間性が壊れていってるような…………そうでもなかったね。

 

「うん、まぁ、私と同種の特典持ちだけど、誰かを喚んで脱出してなかったから、どうしたのかなって」

 

 可能性としてはアザバール内で対処が出来てないか、取り上げた剣がないと召喚出来ないかかな。

 ちなみに円卓の女騎士達はすずか達が座へと送還したらしい。

 私としてはどうでもいいけど、世に蔓延る踏み台転生者にとってはザマァ展開なのだろう。

 

 というわけで、アザバールの閉鎖空間。

 エルの一部が鎖となってイケメン騎士さまを拘束してる。

 見る人が見れば、いただきますとかごちそうさまでしたとか言われる事、間違いなしなシチュエーションだ。

 

「くっ……」

 

「君らの襲撃を受けて一週間くらいかな?」

 

「なんの、用だ!」

 

「まだ威勢が良いとは驚いた。 流石は聖なる天の騎士団の長サマ」

 

「僕は……悪には、屈しないっ!!」

 

 言い切る瞬間、牢と言うよりアザバールが揺らいだ。

 原因は私の前に居る恋人と母さんだ。

 私達と彼の間にある半透明のバリアに、愛に生きる存在が壁ドンよろしくな()い一撃が見舞われたのだ。

 そりゃあ、アザバールも揺らぐ。

 ちなみに私も愛に生きてるけど、出来ないが『圧』を放つことは出来る。

 

「悪? 私の恋人が?」

 

「虫ならいざ知らず、うちの子を悪呼ばわりとは許せませんね」

 

「っ!」

 

 ぼんやりと、バリアに反射して見えるすずかと母さんの目はアカかった。

 あの目はたまに私に向けられる事がある。

 それは、やはり心配掛けたり、ヤキモチ妬かれたりだが、怒りや殺意はない。

 それを向けられる聖天の騎士団の長は、死を覚悟しなければならないほどだろう事は想像に容易い。

 私もすずかやステラを倒すべき悪だとか言われたら……

 

 ギリ……

 

「その辺にしておけ。 アザバールが悲鳴をあげている」

 

 肩にポンと手を置かれて、ハッとする。

 見れば母さんやすずかは勿論、後ろに控えてるクーフーリン達が私に注目し、騎士団長は顔を青ざめていた。

 

「ンンッ……とりあえず君の誤解を解こうか」

 

「ご、誤解?」

 

「そう、誤解だ。 君は私達が交戦してる騎士がボロクソにやられて、一方的な蹂躙を私達がしてると判断したんだろうが、なんてことない、、、襲われたのは私達だ」

 

「なんだって!?」

 

「証拠なら後で見せよう。 そもそも彼女らは闇の書の……わかるか? ベルカの技術者が開発した夜天の書をその主達が改悪していった結果災厄の魔導書となった闇の書の守護騎士……ヴォルケンリッターだ」

 

「……っ!」

 

 私の言葉にゴクリと生唾を飲み、目を見開く騎士団長。

 というか、いい加減名前を知りたい。

 

「さらに詳しく説明したいとこだが、私達が悪でないと理解したらそろそろ名前を教えてくれ……」

 

「あ、ああ、僕はイーサー。 イーサー=ペンドラクル」

 

「ありがとう。 私はシング。 そして君から見て左が私の母さん」

 

「母さん!?」

 

「右が私の恋人の月村すずか」

 

「こいびと!? え、でも、じょせ」

 

「後ろの右からエルキドゥ、クーフーリン、ナイチンゲール、加藤段蔵、風魔小太郎、百貌のハサン…………………………以下略で、この可愛いのが私の前世の娘だ! 手を出したら私達が全力でお相手しよう!!」

 

 ギュッとステラを抱きしめながら、イーサーに宣誓する。

 こういう爽やか系に限って、いつの間にか大切な人を掠め取って行くのだ。

 しかも、質が悪いことに申し訳なさそうにしながら譲らないときた。

 全く油断も隙もない。

 

「むすっ! まてまて、ちょっと待って!」

 

「そうよ、待ちなさいなシング。 私の娘を以下略とかないんじゃない?」

 

「え、僕はどちらでも構わないよ。 正義の味方とか興味ないし、関わりたくないからねぇ」

 

「か、母さん、、シングさんにそんな事言ったらダメ、だよ?」

 

「違う! 僕が言いたいのは……」

 

 またも収拾がつかなくなろうとした瞬間、またアザバールが揺らいだ。

 今度は大きく。

 立ち上がったイーサーが揺れで尻もちつくほどに……。

 

「喧しい」

 

「我らがマスターが困ることを毎度の如くやってるから省略されるんだよ。 少しは学習しなよ」

 

「拙者は座覇殿を差し置いて紹介された事に申し訳なく」

 

「いやいや、小太郎殿も総督の為に頑張られてるので、序列や紹介の順番、略されたされてないは気にしていません」

 

「逆に段蔵は……段蔵めは主様に粗相ばかり……」

 

「段蔵はそのままでいいのって、本当に収拾つかなくなりそう」

 

 とにかくと、イーサーに私達は思ってるほど悪でない事を教えて、私は聖剣をイーサーに返却して釈放した。

 

「先に襲ったのに何の罰もなしに釈放してくれてありがとう」

 

「別に……ま、私は正義の味方とは程遠い存在ではあるけれど、私と君は言うなれば同類。 なら、少しは他と差別化したいのさ」

 

「うん、でも……ありがとう」

 

 二度目の感謝の言葉と同時に、イーサーは転移で私達の前から消えた。

 

「…………………………ふっ同、類……か」

 

 私の前で攻撃魔法ではないけれども、転移魔法で立ち去る……か。

 

「次は容赦しないっ!」

 

 別に奴が私を差し置いて召喚と召喚した後のオプション魔法以外の魔法を使った事に怒ってはない。 ああ、羨ましくもないとも! 私には恋人も娘も居るんだからな!!

 

 

 ☆

 

 

 

 さて、捕らえていたイーサーの誤解を解いて、次は闇の書の連中だ。

 いい加減、狙われ続けるのも面倒なのでこっちから襲撃して闇の書関連の諸々を解決していこう。

 

「と言うわけで、最近行動が怪しいなのは」

 

「なのはちゃん、隠し事はためにならないよ?」

 

「え? え? な、なに? なんのこと!?」

 

 とは言っても詳しい住所が原作に出てるわけもなし、設定集とかキャラマテとやらに載ってるかもしれないけど、そんなの見てもないし、見たとしても覚えてない。

 ならどうする? 当然、知ってる人に聞けばいいし、私達の中で八神はやてについて知る可能性があるのはアリサとなのは。

 そしてそのなのはは、ここ最近休みの日何処かに用事があるらしく、アリサとは全く遊べてないとのこと。

 つまりはなのはにはここ以外で友達が出来て、その子の家に遊びに行ってる可能性が高いし、なのはの性格が15%明るくなり、日常におけるツッコミのキレが段違いに上がってる。

 その他にも成績向上、無駄知識の量も数%上がってる。

 これらを踏まえて、、、

 

「最近、なのはは図書館をよく利用し、勉強も苦にならない程度には好きになった。 つまりは図書館で友達が出来た」

 

「水臭いぉ、なのはちゃん。 紹介……してくれるよね?」

 

「は、はやてちゃんはふ、普通の女の子だよ……」

 

 震えた声で言うなのは。

 うん、普通なら普通でいいし、普通じゃなくても闇の書の主でなければそれでいい。

 

 と、私が言ってもなんの説得力もなさそうだ。

 まぁ、数少ない未来の親友フェイト嬢をマザコンにして親友とは違った形になってしまったけど、そこはほら友達が原作よりも増えたから許してほしい……原作とか教えてないけど。

 

「と、とにかく、はやてちゃんは普通なのー!!」

 

 ダーッとやけに速い逃げ足で、なのはは私達から逃げた。

 

「どうする? シングちゃん」

 

「まぁ、監視くらいはするよ。 本当にただの人かもしれないし……とりあえずは小太郎」

 

(は! ここに……)

 

「なのはに着いてって」

 

(承知!)

 

 バッと影に潜みバッとなのはを追いかけた小太郎。

 流石は草の者と言ったところかな。

 

「段蔵」

 

(御側に……)

 

「他に闇の書の主に相応しい歪な魔力を持った人を探してきて」

 

(了承にござる)

 

 小太郎同様に段蔵も同じ動きで私から離れる。

 こう、忍者を従えてて一番感動するのってこういう所だよね!

 

「ハサン」

 

(なんなりと……)

 

「守護騎士共を草の根を分けてでも探し出せ」

 

(我らが百の貌を持つハサンめにお任せを!)

 

 ウゾウゾ、ズババババと私の影が弾けて、あとはただの私の影が残る。

 うん、こういうの格好いいわ。

 

《やぁ! 此方でも探すかい?》

 

《アザバールの目を使ってもいいが、今回は従者に任せる》

 

《了解した。 ま、無いとは思うけど僕の知識を御所望ならいつでも呼んでくれたまえ。 プレシア女史共々駆け付けるよ》

 

《ありがとう、Dr.ジェイル・スカリエッティ》




シング「ネタはあがってるんですよ? なぁのはさん!」

なのは「やめてーはやてちゃんは違うのー」
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