魔法少女リリカルなのは~愛、恐いなぁ~   作:極麗霊夢

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一応、原作1話目は出来てますが、無印を書き終えてから順次投稿します。
とりあえず原作前の話が6話です。


第五話 干渉したい過激派転生者

 愛だ!

 

 突然何をと思う者も居るだろう。 だがしかし! あえて! そう、あえて言うならばわしに足りないものは愛よ。 先だっての二度目の試練の時、わしはハートフル・フィンガーを放とうとしたが、とある事情によりそれが出来んなんだ。

 その事情とは愛を持って世界を正しき方向へ導く証たる『キング・オブ・ハート』のソレが出現しなかった事だ。

 そう、愛!! 確かにわしは今現在愛で世界を導くなどという考えで動いとらん。 じゃが、総督の母君から言うにそれは甘えではないかと、この座覇修司思い知らされた。

 愛を持って世界を正しき導く証等なくとも、愛を持って総督に忠を尽くせばハートフル・フィンガーを放てるというモノ。

 それを聞いてわしは愕然とした。 もちろん、わしの愚かさにだ。

 母君の言葉はわしの胸に、心に! 魂に!! 深く、深く、、、深く突き刺さり、わしは総督を前にして震えてる。

 何に? 当然! 告白! 宣誓! そう愛の忠を貫くため!! 羞恥を捨て、否! この羞恥(かんじょう)すら総督を思わんが為に沸き上がるモノ!! 羞恥(ソレ)を捨てるなど言語道断!! ならばなればこそ!! 羞恥すらも慈しみわしの愛で包む!! 弟子に出来て師匠であるわしが出来ないことはない!! さぁ、行くぞ! 言うぞ!! 我が愛!!!

 

「総督!! 前世から勿論の事! 前々世から今世、来世までいや末世に至るまでわしは総督の事を!! 愛してる!! 好きじゃ!! 轟け! わしの総督への熱い愛!!」

 

 わしの気が! 魔力が!! 高鳴り、溢れる光の柱となりて天を貫いた時、わしの手の甲にキングの姿がない『キング・オブ・ハート』が顕れた。

 

「今こそ魅せる時!! ハートフル・フィンガァアアアーーーーッ!!!」

 

 わしの手からピンク色の気の手が天へとうち上がるのを見て、わしはここにザハとしてでなく、勿論東方不敗たるシュウジ・クロスとしてでもなく座覇修司として完成した事を確信した。

 

「その愛、その忠、見事です。 今の貴方ならば娘を任せられます。 くれぐれも娘に集る虫になりませぬよう……それと、娘に集る虫は……」

 

「我が拳を持って粉砕させます」

 

「よろしい」

 

「……………………………………………………頭おかしいよ」

 

 

 ☆

 

 

 癒しだ!

 

 突然何をと思うもの人も居るかもしれない。 だけど聞いて! 私に足りないものそれは癒し! 圧倒的なまでの癒しなの!! 先ほど熱烈な愛の告白紛いななんか変な宣言を受けて、私のお腹はキリキリ軋んでるの!! 癒しがほしい……抱き締めれて、かつ私も抱き締めてきて良い子良い子と頭を撫でてくる母性というか姉性(しせい)?溢れる癒しがほしい。

 確かに愛は欲しいけど、あんなぐいぐい来る愛はもはやネタにしかならない……誰が私の人生はネタか!! こんな人生計画を立てた奴が居たらぶん殴ってやりたい。

 被害妄想でしかないけど、私の人生が物語として二次創作小説の無料サイトに晒されてたら、その作者を亡き者にしてくれるっ!! とにかく癒しだ! 私は今! 猛烈に癒しをほっしている!! 応えろ!! 我がほぼ無尽蔵な魔力ッ!!!!!

 

 瞬間、光の柱が天を貫き、柱が消えて現れたのは緑のフード付きのコート? 服? を着た少女だった。

 

「んー……むにゃむにゃ……おお! はれ? ここ、どこ? まぁ、いいか。 ……すぅすぅ」

 

 少し起きて驚いてまた寝た。 なんだろう? この生き物は……。

 

 と、私はマスター権限として、今召喚したであろう少女のステータスを見る。

 だけど見てたステータスは全てが目を疑うものばかりで、さらに英霊というか人間という種族じゃないことにも驚いた。

 彼女の名前はフェゴール。

 種族は魔族。

 そのステータスの殆んどはランクA以上であり、人物紹介欄をマジマジと見れば、怠惰の魔王にして魔壊神トリリオンを討伐した魔界の英雄にして、大魔王へと昇格した存在というのがわかった。

 恐らく、というか絶対これは座覇くんと融合したマスター・アジアと同類サーヴァントで、他の作品のキャラクターだ。

 それに王族や神霊を召喚出来なかったのに召喚出来たのは、転生特典で王族や神霊達を解放した影響で、召喚可能になったためだ。

 

 とりあえず眠るフェゴールの側に寄ってぎゅっと抱きしめてみる。

 抱きしめた時にフェゴールがおー……と言ってたけど、起きる様子がないので、そのまま顔をフェゴールに(うず)めて目を閉じる。

 

 すやぁ……

 

 

 ★

 

 

 親戚の叔父さんが私とシングちゃんを誘拐した日から一週間。

 シングちゃんと全然遊べてない。

 あの誘拐事件からシングちゃんとは友達になって、別れるときに後日私の家に行くと言ってくれたシングちゃん。

 誘拐された次の日は自分の部屋で今日来るかもしれないとクッキーとジュース用意して待ってたけど来なかった。

 その次の日、まぁ、誘拐された次の日はないよね!って自分に言い聞かせながら、今度は玄関より近いリビングでクッキーとジュースを用意して待ってたけど来ない。

 その次の日、保護者さんが過保護になってて外出させてくれなかったんだよ ーーでも幼稚園には来てたけど、会話できなかったーー!と自分に言い聞かせて、玄関の前で猫と遊びながら待ってたーーちょっとファリンに引かれたーーけど、来ない!

 そのまた次の日、そう住所がわからなかったんだ、そうだよ、そもそも住所教えてなかったし!と言い聞かせて、幼稚園で勇気を出して話し掛けたそのついでに住所も教えた。 今度こそ遊びに来てくれるはず!! と張り切ってたらバイオリンのお稽古で、夜遅くに帰ってきたらお姉ちゃんにシングちゃんが遊びに来てくれたと教えられて、落ち込んだけど私の推理は間違ってなかったとガッツポーズした。

 そのまた次の日、シングちゃんは幼稚園に居たし、バイオリンのお稽古がないと言ったーーでも来れるかわからないって言ってたーーし、本当はいけないけど、ファリンにシングちゃんの監視を頼んだからもう大丈夫ぶ!と部屋でクッキーとジュースを用意して、あと猫達も集めてネコネコ天国にして待ってたら、顔を青ざめたファリンからシングちゃんはまた誘拐されたと告げられて、私の目の前が真っ暗になった。

 次の日、目が覚めた私は事情をファリンから詳しく聞いたお姉ちゃんにシングちゃんの事を聞くと、なんでもシングちゃんは誘拐されそうになってるお嬢様っぽい女の子を助けようとして、一緒に拐われたとか……私の時といいなんでシングちゃんはこうも男前なのか頭が痛いけど、そこがシングちゃんの良いとこだもんね。

 なんか大事な事を忘れてる気がするけど……。

 それでお姉ちゃんの話によればシングちゃんが連れ去られたはずの港で、大きな爆発が起きて半壊したが数分目を離した隙に元の状態に戻ったらしいけど、港よりもシングちゃんがどうなったのか知りたかったから、お姉ちゃんにシングちゃんがどうなったかを聞いたーーその時のお姉ちゃんはドン引きしてたーーら、シングちゃんは自分の家でシングちゃんのお母さんに抱きしめられてたとのこと。 良かった無事で……。

 その次の日、シングちゃんは誘拐されたばかりだからか家で大人しくしてるって、ファリンが監視から帰ってきて教えてくれた。

 そして今日、昨日の私の愚かさと無能さに嘆いた。

 なんで、私は昨日シングちゃんのお見舞いに行かなかったのかっ!! 友達を誘拐されて怖い思いをしたシングちゃんを心配せず、卑しくも自分の欲を満たすだけしかシングちゃんを見てなかった。

 それの何処が友達か!! 友達とは真の友達とは、その人の身に危機が迫った時、自分の命すらも惜しまず捧げる存在のはず!! そう! シングちゃんが誘拐されたと知ったとき気絶じゃなく助けにいかないといけない!! それが友達っ!!

 

「お姉ちゃん!!」

 

「!? な、なに? すずか」

 

「私、シングちゃんの友達に相応しい女性になるっ!!」

 

「そ、そう……どう頑張るかわかんないけど頑張って、ね?」

 

「うん! 頑張る!!」

 

 待っててね! シングちゃん!!

 

 

 ☆

 

 

 ぞくり。

 

 また誰か病んだ。 願わくば、私に関係のない人でありますよう、神様よろしくお願いします。

 

「主殿、すずか殿が何やら堕ちた目で主殿に相応しい友達になるために頑張るみたいです」

 

「シット!!」

 

 糞食らえ、ゴッド!!

 

 

 ★

 

 

 誘拐されたと思ったら公園で警察に保護された。

 いくら説明しても子供のたわ言だと思われて信じてもらえないし、私の名前を呼んで勝手に巻添えくらった子をいくら探しても見つからないし、、、

 

「あーーーもう!! なんなのよーーーーーっ!!!」

 

 私を苛立たせる白いアイツ!! 次見掛けたらただじゃおかないんだから!!!

 

 

 ☆

 

 

『やかましいわ!』

 

「ははっワロス」

 

 今、家のテレビで芸人のコント見てます。

 

 うん、現実逃避だ。 最近、キャラ崩壊が激しくてついつい現実逃避してしまう。 でもしょうがないと思う。

 誰しも病んだ友達とか、病んでる部下や自称兵器、母さんの相手とか私の精神は瀕死です。 まともなのと言えば百貌さんと小太郎くんくらいなもので、段蔵さんはドジっ娘ぽくてほっこり。

 最近召喚したフェゴールだって毎日だらけて寝てるけど、私の癒しとしての役割を果たしてる。 ステイタスが規格外だけど……。

 

「今、戻った」

 

「おかえりー。 座覇くんどうだった?」

 

「あとは身体が成長しきれば全盛期以上になるはずだ。 東方不敗とはよく言ったもんだ。 敗けなしというのもあながち嘘じゃねぇみてぇだしな」

 

「最強の一角だったからね」

 

「へぇ……そいつはおもしれぇ」

 

「最強……か……うん、いいね」

 

 私の言葉にリボンに変容してたエルも加わって、クーフーリンさんとエルは邪悪な表情を浮かべた。

 

「んー、二人は座覇くん嫌い?」

 

「いや、強い奴は好きだぜ」

 

「キミを守れる道具は多い方がより良い」

 

 ……………………今日もうちの護衛は最高に頭がおかしいです。

 

 

 ☆

 

 

 さてさてそんなこんなで、時が過ぎていき。

 

「まだ二日しか経っていません、総督」

 

 過ぎさせてよ……もうお腹いっぱいなんだって。

 なんだって公園に、なのは少女を集団で囲う心が大きなオトモダチが居るのさ。

 

 え、助けなきゃダメ?

 

 ちらりと座覇くんを見る。

 

「どうかされましたかな?」

 

 私とはちょっと違うけど男で、転生者で、原作知識がなく、主人公バリの補正がついてそうな主人公にとっての強敵……。

 

「座覇くん、あの子を助けてあげなさい」

 

「しかし、わしには総督をお守りするという使命が……」

 

「ザハ、二度は言わすな」

 

「はっ!」

 

 凄みを効かせた私の命令に座覇くんは、残像を残してなのは少女を助けにいった。

 わかってる。

 これはただの先伸ばしであり、私と彼女は決して他人になりえないことくらいはわかってるのだ。

 座覇くんと友達になれば、私も友達になるし、今を無視してもいずれはすずかちゃん経由で友達になる。

 その時、バニングス嬢が私を覚えてたら、報復を受けそうな気がする。

 いや、私は生きる! 何を置いても!!

 

 

 夜。

 転生者に呼び出された。

 用件はただ一つ、調子に乗るなモブ。

 私と座覇くんを呼んだ連中に、特典消失した転生者も居るが彼らよりも上に居る転生者を見てみると、それはそれは素晴らしい魔力の持ち主だ。

 私と比べるのは可哀相だからあんまり詳しく言えないけど。

 

「お前ら、いい加減目障りなんだよ」

 

「此処で痛い目にあいたくないなら、オレらの攻略キャラから手を引くとギアスロールに誓ってもらうぜ?」

 

 攻略キャラ……ねぇ。

 私達は別にすずかちゃん、なのは少女を原作組と言った括りはするけど、あんな恋愛ゲームを攻略するキャラクターなんて括った事はない。

 

「はぁ、人を自分を飾るためのモノと認識してる奴らに目障りとか言われたら、アレだな……不快だ」

 

「我々は我々のルールに従って動いてる! そのルールを守らず好き勝手するのは悪だ! 悪いがお前達を我々の正義の下、粛正させてもらう!!」

 

「正義? ハッ! 正義と今言ったのか? 貴様らが? 他者の能力で粋がってた貴様らが!!」

 

「誰だ!?」

 

 恐らく転生して自意識と貰った特典をある程度扱えるようになったであろう某正義の味方くんは、腰のベルトに無理矢理吊るしてた夫婦剣の干将莫耶を抜いて、私の後ろに居る存在を睨むが、そんなことをすると……。

 

「戯け! 誰の赦しで我を見るどころか睨んでいる!! フェイカーを視界に入れるのも度しがたいというに、よもやフェイカーの贋作……いや、贋作すら烏滸がましい出来損ない風情が、この我を睨み、反抗的な言葉遣いをするとはなぁ!! 貴様らの不敬此処に極まったか?」

 

「な!?」

 

「バカ、な……」

 

「そんな……」

 

「なんで、此処にあいつが……」

 

 闇夜であっても輝くその黄金の鎧は、その尊顔を照らして他の転生者達を驚かせた。

 そりゃそうだ。

 何せ、自分達の目の前に絶対に逃げられない裁定者が居るのだから……。

 

「う、嘘だ……こんなこと……そ、そうだ。 に」

 

「それ以上言うなよ? そう考えるだけでも万死に値するのだ。 言葉として出したら、我とてどうなるかわからんぞ」

 

「っ!!」

 

 にせ者、同じ転生者と口にしようとしたのか、某正義の味方くんは裁定者の警告に口を閉ざす。

 

「そうさなぁ……とりあえずはそこの不出来な品々には塵となってもらう。 光栄に思えよ出来損ない。 本来であればゴミ掃除に我が宝物庫は開かんのだが、もう限界なのでな……塵となって失せよ。 我が審美眼が腐れ落ちるわ」

 

 一瞬だった。

 黄金の波紋が拡がり、大砲のような砲音が聞こえたと思ったら、私達の前に居た転生者達は屍すら残さずに消え失せた。

 文字通り塵となって……。

 

「あとは任せた。 我はこれから世界を漫遊する故、我を喚ぶ事のないように、な」

 

「ええ、助かりました。 ありがとうございます人類の裁定者様」

 

「ふんっ」

 

 こうして組織だった転生者は消え、あとは隠れて機会を伺ってる連中だけとなった。

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