亜種聖杯戦争 ~God's penalty~ 作:あいますく
俺たちは再び大学の院都さんの部屋に帰ってきた。
「…バーサーカーとキャスターが手を組んでいて、ランサーとアーチャーとは対立、そして私たちとも対立していると考えられますね。」
「…バーサーカーのマスターは本当のことを言っているんだろうか。」
「確かに滝原さんの言う通り、あの言葉が真実であるという証拠はありません。ですが、少なくともバーサーカーとランサーの間に亀裂があるというのはアサシンが見ています。」
俺はふと、とあることを口にした。
「そう言えば、バーサーカーがマスターに異常なほど怯えてなかったか?」
「…あの子がバーサーカーを脅している…というのは考えにくいですね。そんなことをしたらバーサーカーはマスターを殺しているはずです。」
「もしかしたら余程の願い事があるのかも…」
「なら、他のマスターと再契約すればいいだけです。それこそ彼女は桁違いに強い。一騎打ちで勝てない相手はいないでしょうし。」
「…ってなるとやっぱり不自然だ…」
俺達が唸っている横で、サーヴァントはサーヴァント同士、話し合っていた。
「サムライはチビって聞いてたけどセイバーは背が高いよね。」
「まあ確かに私はかなり背が高い方でしたね。」
「それに立ち振る舞いが美しい!流石はサムライだね!」
「美しいだなんて…ありがとうございます。」
「…アサシン。キャスターのマスターについてだけどなにか特徴とかなかったかい?」
「うーん。敢えていうなら魔術によって殺されたって感じじゃなかったってことかな。」
「普通に殺されたってことか?」
「…普通では無いね。例えるなら巨大な岩に押しつぶされたような感じだよ。もちろん近くにそんなものは無かった。」
「なるほど…」
ずっと何かを考えていた永治先輩は唐突に口を開いた。
「そうだ。キャスターのマスターの家ならキャスターの工房になっていてもおかしくない。なのに強い魔力を感じなかった。工房になっていないってことは、最初から別の場所にあるか、工房を作ってなかったってことになる。」
「工房を作ってないならこれまで何をしていたのかって話になりますね。」
「つまり、キャスターは最初からマスターを見限っていた可能性が高いな。あの家は工房にするには最適だった。」
「…なら何故最初にマスターを殺さず今殺したのでしょう?」
「…そうなるよな…」
再びマスター達の間に沈黙が流れた。
俺たちは1度解散して、後日また調査の報告をすることに決めた。
「…久しぶりの家って感じだな…」
「そうですね。1日も開けていないのに。」
俺はベッドに倒れ込んだ。
セイバーは何かを考えているようだ。
「どうした?何か考え事か?」
「い、いえ。ただ…」
セイバーは黙り込んでしまった。
「言いにくいことなのか?」
「いえ。私は…」
少し悩んだ後、セイバーは口を開いた。
「私はあの少年がサーヴァントのように感じたんです。」