亜種聖杯戦争 ~God's penalty~ 作:あいますく
朝
「おはようございます。マスター。」
「おはよう…セイバー。」
寝ぼけた目でスマホを見るとメールが1通届いていた。
それは院都さんからのメッセージだった。
from 院都さん
キャスターが動きました。
明日の朝に研究室へ来てください。
くれぐれも学生達に見つからないようお願いします。
「とうとうキャスターが動いたみたいだ。」
「キャスターが…!?」
「やっぱり何かを仕込んでいたのか…?」
俺は今日有給を使った。
大学の裏からこっそりと中に入り、院都さんの研究室に入った。
「滝原さん。朝早くすみません。」
「いえ…永治先輩はまだ来てないんですね。」
「あ、いえ。永治さんは何かする事があるらしいので後日来てもらいます。」
「なるほど…」
「そして肝心のキャスターの行動ですが…」
夜中、院都さんが研究室にいると、誰かがドアをノックした。
怪しく思ってアサシンを向かわせたところ、キャスターと名乗ったらしい。
院都さんは外に出た。
「キャスターが何の用ですか。」
キャスターは色黒の美男子だったらしい。
「怖い顔をしないでよ。僕は研究の末とある事実に思い至ったってだけさ。」
「何です?それは。」
「7騎のサーヴァントが一つの場所に集まらないと聖杯は現れないってことだ。」
「!?」
「僕がこの事を君たちに教えようとしたらマスターに止められちゃってねぇ。邪魔だったから殺したんだ。」
「…」
「僕は君にセイバーとライダーに伝えて欲しいんだ。聖杯の召喚は3日後、いや、もう2日後になるのか。その時に行う。紅藍市民ホールに来てくれ。」
「待て!7騎揃わないと聖杯が出ないなんてあべこべだ!」
「当然だろう?これは『亜種聖杯戦争』なんだから。イレギュラーにイレギュラーが重なった。ただそれだけさ。」
そう言ってキャスターは立ち去った。
「…7騎揃わないと聖杯が現れない…」
「明らかに罠です。しかし、嘘だとも言いきれない。」
「…どうするつもりですか?」
「私は行くつもりです。あなた方が来なくとも。」
「…わかりました。俺も行きます。」
「…あと2日あります。セイバーとゆっくり話し合うといい。」
そう言うと、院都さんは講義があるからと部屋を後にした。
私は滝原さんに言っていないことがある。
アサシンにすら伝えていない。
あの時、キャスターは私にだけ聞こえるように伝えてきた。
「成すべきことを為せ。」
キャスターは何をしなければならないか知っているのだ。
そして私も、成すべきことを知っていたのだった。