亜種聖杯戦争 ~God's penalty~   作:あいますく

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16話 真名解放

紅藍市民ホール

そこには3人のマスターがいた。

俺、凪城、弥栄。

院都さんはどこにもいなかった。

しかし、そこにいるサーヴァントは

セイバー、ランサー、アサシンであった。

「…キャスターはみんなを呼んだはずだよね?」

凪城は悲しそうに言いながら壇上に上がった。

「ライダーは来ないぞ。」

俺は彼に言った。

「マスターは遅れてくるって。」

アサシンは不安げに言った。

「アーチャーも来ないみたいね。そういうあなたのバーサーカーも来ていないようだけど?」

「…」

凪城は突然向こうを向き、黙り込んだ。

「しかし、キャスターもいないのか…」

「マスター、お気をつけください。何か魔術を仕掛けてあるかもしれません。」

セイバーは周囲を警戒している。

 

数分後、凪城が突然笑い出した。

「何を言っているんだ…ハハハ!バーサーカー!お前は本当に消えたいらしいな!いいだろう。そこまで言うなら我が贄となるがいい!」

振り返った凪城の右頬にはさっきまでなかった令呪があった。

「な…そんな…」

弥栄は何かに気づいた様だった。

「なんだ…あれは…」

凪城は呟いた。

 

「宝具解放。」

 

突如、市民ホールは開けた空間へと変貌した。

しかし、それは存在自体が忌むべき空間であった。

見たこともない化け物が辺り一面に存在していた。

その中にはキャスターのマスターの家で見たあの怪物もいた。

 

「そんな…凪城君が…()()()()()()()()()…?」

「その通り。しかし、そうではない。」

凪城はみるみる姿を変えていく。

その姿は色黒の美少年へと変貌した。

「改めて名乗ろう。我が真名はラヴクラフト。しかし、そうではないもの。」

「どういうことだ?」

ランサーは凄んだ。

「そも、少年はラヴクラフトを喚んだ。しかし、ラヴクラフトはとあることに気づいた。自らが恐れ、慄いた『神』という存在を降臨させることも可能ではないかということに。」

一息置いて、彼はこう言い放った。

「我が諱はニャルラトホテプ。千の貌を持つ無貌の王。そして我がクラスはこの宝具『我が理想の幻夢郷(ラヴクラフト・ドリームランド)』の中ではルーラーとして顕現する。」

「ルーラー…?なんだそれは?」

「セイバーのマスター。一時休戦としましょう。ルーラーはあらゆるサーヴァントを止めることが出来る絶対的権限を持つわ。」

「残念ながらこの世界に来たサーヴァントを支配することは出来ない。でも、ここにいる怪物達は違う。こいつらはみんなサーヴァントだ。」

彼は右頬の令呪を輝かせた。

「令呪を持ってかの男の生み出した怪物共に告げる!この世界にあってはならないものを駆逐せよ!」

大号令。まさにそれは殺戮の大号令なのだ。

醜い巨大な蛙のようなものは叫び、羽を持つ甲殻類のような生命体はハサミを鳴らし、1枚の羽の龍のようなものは雄叫びをあげた。

 

「狂気の幕開けだ。」

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