亜種聖杯戦争 ~God's penalty~   作:あいますく

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23話 運命の決断

それは光だった。

希望と絶望を反転させる光。

「門は、開けり。」

声とともに、光の中から何者かが現れた。

天翔ける馬に引かれた戦車(チャリオット)に乗る白髪の老父。

彼はキャスターを見下ろし、次に崩れながらも進む魔王(アザトース)を睨みつけた。

「なぜ…なぜ貴様がここにいる!?」

キャスターは恐怖に声を震わせた。

「それは私の宝具で呼んだからだ。」

ルーラーが代わりに、あの銀の鍵を見せつけながら答える。

「私の宝具、湧水の奇跡(ミラキュリオス・デスティニー)は、“抑止力”として最適なものを絶望的な状況で“発生”させる。」

「そんな…ありえない…銀の鍵がなんでこんなところに…いや、鍵があってもあれに繋がるなんて…くそっ!」

キャスターはそう言うと魔王に向き直り叫んだ。

「おお!我らが王よ!御身を持って忌まわしき旧神(エルダーゴッド)を無きものに!再び世界を我らがものに!」

それを聞いてか、それとも、あの老父を見つけたからか、魔王は俺たちではなく、老父を狙っていた。

「アあぁあアあァああァァあァ!」

その触手は確実に老父を捉えた。

しかし、老父は片腕で触手を掴んでいた。

「そこの民よ。こやつはここで止める。その神は任せたぞ。」

そう言うと老父は戦車を全速力で走らせ、魔王を宇宙(そら)高くに押し出す。

 

「あのノーデンス(クソジジイ)め…!」

キャスターは焦っていた。

「こうなれば…!」

キャスターは詠唱する。

「止める!」

ライダーが飛び出し、短剣を振り下ろす。

しかし、見えない壁に斬撃が阻まれる。

「この…!」

「ライダー!下がれ!」

永治先輩が叫ぶと同時にライダーは飛び退いた。

 

キャスターは黒い魔力の弾をその指から発射した。

それはライダーの横をぎりぎりで掠めた。

 

しかし、その弾丸が弥栄に飛んでゆくのが見えた。

「危ない!マスター!」

ランサーはその射線上に立ち、庇った。

「ランサー!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!」

背中に直撃したキャスターの魔術はランサーの背中を真っ黒の炭のように焼け焦げさせた。

そして、ランサーは膝をついてしまった。

「そんな…ランサー!」

「今だ!」

弥栄がランサーに駆け寄った瞬間、キャスターは腕を触手へと変貌させ弥栄を引き寄せた。

「マスター…!」

ランサーは息も絶え絶えではあるが、槍をきっと握りしめ、立ち上がった。

キャスターはランサーに向かって叫んだ。

「ランサー!この女を助けたければ…」

キャスターは深く息を吸い、

「自害しろ、ランサー。」

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