亜種聖杯戦争 ~God's penalty~ 作:あいますく
「…どうだ?絶望したか?絶望しろよ!もう叶わない。聖杯は我が元に!」
「それは、叶わぬ。」
老父は地上へ降り、告げた。
あの白髪は血に染まり、戦車を引く馬は既に落ち、今はあの顔のない蝙蝠のような羽を持つ怪物に引かれていた。
「ノーデンス…」
「前回は貴様を逃がしてしまったが、今回は逃がさん。」
「…クソっ!」
キャスターは地を叩いた。大地にヒビが入り、世界が崩れていく。
そしてルルイエと呼ばれた海底都市から月面へと帰ってきた。
「…こうなれば…」
キャスターは背中に羽を生やし、空高くへと飛び去った。
「逃がすな!ナイトゴーント!」
先程まで戦車を引いていた怪物たちが一斉に追いかける。
しかし、キャスターの魔術の前に、1匹、また1匹と落ちていく。
「セイバー!第二宝具だ!」
「わかりました!」
「ライダー!
「了解!」
2騎のサーヴァントは飛び出した。
しかし、この場に残ったサーヴァントがいる。
「ルーラー!なぜ行かないんだ!」
永治先輩は怒鳴る。
「…やつが召喚した“怪物”なら私は介入できる。しかし、あれは正当な
ルーラーは空高く飛ぶ3騎のサーヴァントを見つめる。
空高く、地上のマスターが見えなくなるほど高く。
キャスターは急に止まり、セイバーとライダーに向かって話した。
「なあ、聖杯がどこにあるか、知ってるか?」
セイバーは答える。
「そんなこと、どうだっていいでしょう。」
キャスターは笑う。
「どうだっていい…?本気で言ってるのか?何のために聖杯戦争に来たんだ?」
セイバーは押し黙る。
ライダーが代わりに答える。
「それを言うならお前もだ。キャスター。聖杯にかける望みはなんだ?」
「世界の再掌握だと前も言ったはずだが?」
「なら、なぜここで怪物を産み続けている?固有結界を解いて召喚すれば良かったじゃないか。」
「それは…」
「それはできなかった。何故か。その答えはただ一つ。」
「お前は、この世界じゃないと生きていけないんだろう?」
その一言は、キャスターにとって図星だった。
「一時的に
「…い。」
「お前はバーサーカーに言っていたな。自分を恐れるものがいなければ存在できないと。」
「…るさ…い…」
「それはお前にも言えることじゃないのか?
「うるさい!うるさい!」
キャスターは初めて、それこそ、『生まれて初めて』ここまで怒りを顕にした。
「そうさ。僕の本当の望みは受肉だ。僕には定まった体がないからね。忘れられるのも早い。だが、受肉してしまえばミームだけの存在じゃなくなる!そうすれば“生まれる”!紙の上にしか存在できない僕が!」
キャスターは宇宙を指さした。
「手っ取り早く決着をつけよう。」
少し補足
Q,ルーラーが介入できないなら幻夢郷(固有結界内)のルーラーであるキャスターが現実世界の聖杯戦争に介入できるのはおかしくない?
A,幻夢郷のルーラーなので幻夢郷のサーヴァント(怪物)の聖杯戦争に介入はできないが、現実世界のサーヴァントを一時的に「この世界を滅ぼす存在」と認識させることで現実世界の聖杯戦争に介入している。
そのため、幻夢郷の存在のノーデンスに対して直接攻撃することができない。
逆に、現実世界のルーラーは、幻夢郷のルーラー=現実世界のキャスターなので現実世界のサーヴァント同士が戦う時に介入できない。
また、どうでもいいが、現実世界の聖杯戦争と幻夢郷の聖杯戦争で奪いあっている聖杯は同じもの。