亜種聖杯戦争 ~God's penalty~   作:あいますく

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28話 結末。

「マスター、下がって。」

その場の全員が、目を覚ました少年を見ていた。

「…」

少年はムクリと起き上がり、周りを見渡す。

「ああ、そういうことか。」

その声は、凪城立海のものではなかった。

そして、ニャルラトホテプのものでもない。

「すまないね…ニャルラトホテプが勝手な行動をとったようだ。」

少年は改めて、深々と頭を垂れる。

「我が名はキャスター。その真名をラヴクラフト。」

「ラヴクラフト!?」

確かに、彼はラヴクラフトと言った。

ルーラーは問を投げた。

「…一つ、いいですか。なぜあなたはニャルラトホテプをその身に宿らせたのですか?」

「…この少年は、自らの血と肉を触媒として私を呼んだ。しかし、私にはこの死にゆく少年は見捨てられなかった。だから『千の貌を持つ者(ニャルラトホテプ)』ならば、彼に適応し、擬似サーヴァントとして延命できるだろうと考えた。そして、聖杯により彼を蘇らせる。それが私の願いだった。」

ラヴクラフトは天を仰ぐ。

「まさか、ニャルラトホテプに意思が宿るとは…本当に申し訳ないことをした。」

「…もう…霊器が限界か…最期に一つ、聞いてくれ。セイバー。聖杯戦争の勝者よ。」

「なんでしょう。」

セイバーは前に出る。少年の姿の彼に目線を合わせる。

「…聖杯は…いや、聖杯の欠片はもうない。あいつは神格を召喚するのに使い切ってしまったんだ…すまない…」

「…いいえ。あなたが謝る必要はありません。」

続いて、俺たちの方を向き、伝えた。

「君たちも…危ない目に遭わせてしまったね…迷惑ついでで申し訳ないんだが、この子の、いや、この戦争で死んだマスターの埋葬を頼めるか?」

俺は反射的に答えた。

「もちろんだ。安心して還るといい。」

それを聞くと、無邪気に笑い、

「ああ、ありがとう。これで少しは償えたかな…」

少年は気を失った、いや、死んだのだ。

 

亜種聖杯戦争はここに終結した。

 

俺たちは遺体を運び出し、大学へと向かった。

 

空は白み始めていた。たった一晩しか経っていなかった。

 

ルーラー、セイバーはそれぞれアーチャーのマスター、バーサーカーのマスターの遺体を連れてきた。

 

俺がセイバーを召喚した場所。

そこに4人の遺体を埋葬した。

 

沈痛な時間が流れる。

 

ルーラーが静寂を破る。

「それでは、我々も座に戻りましょう。」

セイバーはこちらを向き、伝えた。

「マスター、これまでありがとうございました。本当に、私にとっては最高のマスターでした!」

「…初めは、何が何だかわからなかった。でも、いつもお前に助けてもらった。俺こそ、ありがとう。また、会えるかな?」

セイバーはそれを聞くとキョトンとし、笑った。

「私とまた会うと、また命を危険に晒すことになるんですよ?フフッ。でも、私も、再び聖杯戦争に呼ばれるなら、また共に戦いたいですね。」

 

英霊の座への退去が始まる。

「マスター、本当にありがとうございました!」

「ああ。ありがとう!さようなら!」

ルーラー、セイバーは消えた。

 

 

こうして、俺達の戦いは終わった。

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