亜種聖杯戦争 ~God's penalty~ 作:あいますく
「さて、パトロールの時間か?」
俺は椅子から立ち上がり、伸びをした。
「お疲れの様でしたら今日は休まれてもいいのですが…」
「ただ疲れたってだけで休んでたらヒーローにはなれないよ。」
「別にヒーローになりたい訳では…」
「さ、行こうか。」
「あ、待ってくださーい!」
バーサーカーがいるらしい場所は避けて見回りをしている。
本来なら危険なバーサーカーを優先的に片付けるのがいいのだが、院都さんによるとかなり危険なサーヴァントらしい。
相応の準備をしなければ勝てない。
「…!マスター下がって!」
「いるのか!?」
「この魔力…ランサー…?」
「然り。ランサーとはこの俺である。」
セイバーの前に立ち塞がったのは、鎧を着た大男であった。
その手には長い槍が握られている。
「その甲冑…同郷の者ですね。」
「確かに。その衣は日の本特有のものであるな。」
「もしかしたら生前剣を交えたかもしれませんね。」
「否。それはない。俺は槍使いであるからな。」
「そうですか。私も槍の心得はありますよ?」
「面白い。我が槍の一閃を見て同じことが言えるかな?」
二人の間に静寂が流れている。
ランサーが槍を目にも止まらぬ速さで突き出した。
セイバーはそれが見えていた様にその刀で矛先をいなした。
それでもセイバーは後ろに吹き飛ばされた。
「くっ!」
「ほう。なかなかやるな。流石はセイバー。しかし、短い。なんと短い刀であるか。たとえ5尺あっても我が武勇には足らん。」
「5尺の刀…?人一人分の長さの刀なんて扱えるわけがないだろ!」
「マスター、その刀は確かに存在します。そして、ランサーの真名も見えてきました。」
「それでは、容赦をする必要も無いな。まあ、マスターに宝具の使用を禁じられている故、本気は出せないがな。」
「ランサー。その真名に恥じない戦いを期待したい。」
「もちろんだ。」
「では…いざ!」
セイバーは飛び、斬りかかった。
「何!?」
ランサーはその異端な剣技に一瞬遅れてしまった。
セイバーはその隙を逃さなかった。
「ぐっ…!なんだその剣法は…?」
「摺り足では空飛ぶ鳥は狩れませんから。」
「ふっ…ふははは!面白い!だからこそ倒し甲斐がある!」
ランサーは長槍を見せつけた。
「セイバーのマスター。お前は5尺の刀は扱えないと言ったな。この槍はどれほどの長さと見る?」
「…4.5mが槍の平均的な長さだったか。」
「この槍は2丈。6mだ。高々5尺の刀を振り回せないはずがないだろう。」
「ランサー。いつまで自慢話を続けるつもり?」
ビルの裏から女性が出てきた。
「おお、すまない。心高ぶる戦いであったため。」
俺は既に院都さんから情報をもらっていた。
「ランサーのマスター。弥栄美玲だな?」
「ええ。その通りよ。」
「何故教会が聖杯を欲しがる?」
「三須華大学に取られてはまずいからよ。」
「なるほどな。」
闇の中から声が響いた。
「そしてこの僕こそが!アーチャーのマスター!真木涅虚!ここに三騎士が揃った!さあ戦おうではないか!」
「どこだ!どこにいる!」
俺がそういうと、屋根の上から弓矢が飛んできた。
「上か。セイバー!気をつけろ!」
「わかっています!」
そういった矢先、二発目が飛んできた。
「ランサー。セイバーを倒しなさい。そうすれば我々の勝利が見えるわ。」
「…なるべくなら一騎打ちが良かったのだが…まあ仕方あるまい。許せ、セイバー。」
「お気になさらず、私も生前は集団で戦っていましたから。」
すると空に光り輝く四角いものが飛んでいた。
「あれは…UFO…?」
「マスター…あれは恐らく…」
突如四角いものはこちらへ飛んできた。
そしてそれは疾風より早く、アーチャーを轢いた。
「ぐぁ…!」
アーチャーが落ちてきた。その姿は狩人のようであり、手にはクロスボウを持っていた。
しかし、ここにいる全ての者は四角い飛行物体に気を取られていた。
「やあ、こんな所で宝具を使うことになるとはね。」
そこから降りてきたのは、ライダーと永治先輩だった。