性格濃いめの女子が戦国BASARAにトリップした場合。   作:藤 都斗

5 / 25
こわいこわい

 

 

 

 娘が掠われて数週間が経った。

 その間、政宗様はずっと機嫌が悪い。

 

 それもそうだ。

 折角見付けた自分好みの玩具を取り上げられ何処か遠くに隠されて仕舞ったようなもの…。

 

 上杉の忍も厄介な事をしてくれたものだ。

 

 お陰でその苛立ちは八つ当たりとして全て俺達家臣の方へ向いている。

 これではいけないと忍衆にあの娘の行方を探させているが…今の所情報は無い。

 

 あの後の政宗様は上杉殿にめちゃくちゃガン飛ばして物凄いキレていらっしゃった。

 その際必死で止めたのは俺だ。

 

 しかし上杉殿は気にも止めずニコニコとされまるで政宗様の方が悪いとでも言うような言葉を告げた。

 

 まァ…図星だから仕方が無いのだが。

 

 その後、帰還したくのいちに、政宗様が喧嘩を売り、暫く戦った後に娘をどうしたのかと聞けば、何と言う事か、森に置いて来たと言い切った。

 

 あのような年若い娘を森に置き去りに出来るなど、上杉殿は一体どういう忍の教育をしているのだろう。

 

 …しかし上杉殿はくのいちを責めもせず、これもびしゃもんてんのみちびきです、などと抜かしやがった。

 そしてその後、…なんか普通に帰って行った。

 

 引っ掻き回すだけ回して行って、なんか普通に帰って行ったのだ。

 

 

 一体あの方達は何しに来てたんだ。

 

 

 そのせいもあってか、政宗様の機嫌は頗る悪い。

 昨日なんか芽生いたばかりの野菜の芽達を馬で轢かれた。

 あれは色んな意味でちょっと泣きそうになった。

 

 とにかく、あの娘には悪いが政宗様の元に帰って来て貰わなければ困る。

 

 「…そうでなければ…俺はともかく…他の家臣達が心労で倒れる…」

 

 一部若干手遅れに思えたがそれでも、だ。

 

 娘を牢へ入れた後の、政宗様がまるで子供の様にはしゃぐ姿にかなり驚いたのを思い出す。

 

 

 「カズハと言ったか…、すまんが…政宗様の生贄になってくれ…」

 

 

 誰も居ない室内に、小さく呟いた声は夕闇に消えて行った 

 

 

 

*****

 

 

 

 「生贄は嫌ァァァアア!!!」

 

 城の一室で、アタシは自分の絶叫で目を醒ました。

 

 酷く嫌な、怖い夢を見ていた気がする…

 夜着が汗で肌に張り付いていた。

 

 とりあえず肩で息をしながらゆっくりと起き上がる。

 

 …うん、怪我は…昨日よりマシ。

 

 どうやらここ数週間で背中の傷は大分塞がったらしい。

 激しくブリッジとかしなければ大丈夫そうだ。

 

 いや、絶対しないけどそんなん。

 

 「つーか…生贄って…アタシどんな夢見てたんだよ」

 「全くだよ~、俺様びっくりしたじゃん」

 「ぅお、さ、佐助さん!」

 

 いつの間にか現れた佐助は天井からぶら下がっていた

 

 …ビビるからそれ止めてくんないかな

 

 ぼんやりそう思った時

 

 「カズハ殿ォォォオ!!如何致したァァアア!!!」

 

 ズドドドドド(足音)スパァーン!!!(襖音)と喧しく真田さんが現れた。

 真田さんが喧しいのはもう慣れたけど、五月蝿い事には変わり無いからもう少し静かにしてて欲しい…

 

 「真田さんおはよー。

 ごめん悪夢見ただけだから気にしなくて良いよ。」

 「なんと!!なれば夢の内容を教えて下され!悪夢は人に話せば良いと聞く!」

 「…そうしたいのは山々だけどもう忘れちゃったの。ごめんねー」

 

 軽く笑って言葉を返すと真田さんは若干残念そうに『そうでござるか…』とだけ呟いた。

 

 起き上がれる様になってから気付いた事がある。

 

 佐助って迷彩の服着てたんだね。

 

 「そうそう、カズハちゃん怪我の具合どう?起き上がって大丈夫?」

 「あ、うん。急に動いたりしなきゃ大丈夫っぽい。」

 「そっか、じゃあカズハちゃん、大将に挨拶に行こうよ。」

 

 予想外の言葉に軽く固まる

 

 大将?

 てことはお館様?

 

 え?

 

 てことは武田信玄?

 

 「…え。いや、確かにお世話になってるから一度挨拶には行きたいと思ってたけどさ、でも駄目でしょ。

 アタシがそんな偉い人に会うの」

 「しょーがないでしょー、大将が会ってみたいって言ってんだもん。

 俺様にもカズハちゃんにも拒否権は無いの」

 

 オイオイ、一国の主がこんな怪しい奴に会いたいとかマジ何考えてんの?

 

 「あ、某も案内致し申す」

 「え、あ…でもこんなカッコで良いの?

 コレ…パジャマ…じゃないか、えーと寝間着だよね」

 

 「それは大丈夫でござる、女中が手伝ってくれる!」

 「え…そうなんだ…、じゃあ恥ずかしーから部屋の外出ててよ」

 

 真田さんは今更気付いたのか、なんか顔を真っ赤にしながら慌てて佐助を引きずりつつ、出て行った。

 

 …ホントに今更だなオイ

 

 その後、真田さん達と入れ代わりに女中さんがやって来てアタシを着替えさせてくれた。

 

 立ち上がっても背中はそんなに痛くない。

 あーよかった、少しは傷の事忘れて居られそう。

 

 とりあえず明智光秀、お前はいつか絶対全殺しにしてやるから覚悟しやがれ変態が...

 

 それから、殺意を漲らせつつも着替え終わったアタシは、女中さんやら真田さんやらに綺麗綺麗と褒められまくって、思わず調子に乗ったのは言うまでもない。

 

 まぁ、自分大好きですから仕方ないよね。

 

 「はいはいカズハちゃんそろそろ行くよ~?大将待ってるからね~」

 

 そう言われてやっと本来の目的を思い出したアタシは佐助と真田さんの後ろを付いて行った。

 

 …うわー、アタシこれからかの有名な武田信玄に会いにいくのか…

 とりあえずゲームのキャラだからさぞダンディーに違いない…!

 何か矛盾がある気がするけど気にしないわよ!

 

 そんなこんなで暫く中庭に面した廊下を歩く。

 

 そして、一室の前に立ち止まったかと思えば、二人はその場に跪づいた。

 

 思わずアタシも吊られてその場に正座する。

 

 「真田幸村!お館様の命により、カズハ殿を連れて参りました!!」

 「猿飛佐助、右に同じく。」

 

 ……佐助のフルネームって猿飛佐助だったんだ…。

 …武田軍一度も使って無かったもんなぁ…

 つーかまず、ゲーム殆どやってないんだけどねアタシ。

 

 「うむ…入れ。」

 

 『…はっ!』

 

 

 ……なんか凄いシリアスな雰囲気なんですけど。

 え、うそ、こんな空気の中に入ってくの?

 マジで?

 帰って良い?

 いや、帰ろう。

 

 そーっと立ち上がってそーっと立ち去ろうとしたら佐助に手をがっしり掴まれた。 

 

 「カズハちゃん何処行くの。

 俺様達に拒否権無いって言ったよね、大人しく付いておいで?」

 「いや、だって雰囲気めちゃくちゃ真剣じゃん!?

 コレ怖いよアタシの入れる雰囲気じゃないよ!!」

 「どうしたのだカズハ殿、お館様が待っておられるぞ?はよう参られよ」

 「あぁあちょっ、待ってまだ心の準備出来てない無理無理無理!」

 「はいはいカズハちゃんさっさと行くよー」

 「いやいやいやいやいやちょ無理無理無理無理無理無理無理無理!!!怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!」

 

 暫くはそこで踏ん張っていたけど、結局男でしかも戦国武将二人の力には勝てなくて、私はあえなく室内へと連行された。

 

 自業自得だけど踏ん張りすぎて背中痛い。

 

 ピリピリした空気に若干ビビりながら正座して、恐る恐る上座へと視線を向ける。

 

 そこにはやっぱりダンディーなおじ様(赤い虎柄)が居て、でもシリアスな感じについ挙動不審になってしまった。

 

 「其方がカズハか。」

 「あ、…は、はい」

 「怪我はどうだ?」

 「…お、お蔭様で大分良くなりました」

 

 

 「…して佐助よ、その娘について何か解ったか?」

 

 不意に告げられた言葉に、思わずキュッと気を引き締めるアタシ

 

 佐助はちょっとだけ緊張したような、それでもいつもと変わらないような微妙な調子で報告を始めた。

 

 「この娘が現れた場所は奥州です。

 なんか竜の旦那に川から引き上げられたけど首掴まれたもんだからキレちゃって、着てた半纏投げ付けたり悪態吐いちゃったもんだから牢屋にぶち込まれて、逃げ出し、森へ迷い込んだって事は解りました」

 

 

 …忍の情報収集能力ってすげーな…。

 

 

 「…ふむ…素性については?」

 

 「何も。カズハなんて娘が生きて生活していた、という形跡すらありませんでした。」

 

 「どういう事だ佐助?」

 

 真田さんが間に口を挟む

 

 「カズハちゃんはある日突然現れた。

 それしか解らなかったんだ」

 

 まぁ、そうだろうな、うん。

 

 「その娘が佐助と同じ、忍である可能性は?」

 「無いとは言い切れませんね」

 

 佐助が言い切った時真田さんが勢い良く立ち上がった。

 

 「何を申す佐助!!カズハ殿が忍だなどと…そんな訳がなかろう!何を根拠に…」

 

 「根拠なんかないよ旦那、でもね、カズハちゃんは怪し過ぎるんだ」

 

 冷静な佐助の声が響く

 

 まぁ…仕方ないだろう。

 それが普通の反応だ。

 

 「カズハ殿…!、カズハ殿も何か仰って下され!このままでは有らぬ濡れ衣を着せられてしまいますぞ!」

 「え?、何言ってんの?

 アタシに身の潔白を証明出来るような物何も無いよ?」

 

 つーか持ってた所で使うかどうかも微妙だし。

 

 「しかしそれではカズハ殿が…!」

 

 「あのね真田さん、人間は嘘吐くんだよ?解ってる?

 特にアタシみたいに腹の中真っ黒な奴は、本当の事言った所で誰からも信じて貰えないの」

 

 友達を相手にするようないつもの調子で、普通に告げると、真田さんは驚いた様子でアタシを見ていた。

 

 「アタシはアンタ達に嘘を吐いた。記憶喪失なんて嘘。ホントはちゃんと記憶ある。

 ただその方がアタシにとって都合が良いと思っただけ。…まぁ、佐助さんにはバレてるだろうけど」

 

 視線を佐助に動かすとやっぱり驚いたようにアタシを見てた

 

 「そんなアタシが、アンタ達に信じて貰えるとは思わない。しかも素性怪しいし。

 …だから怪我が治ったらすぐに出てくから安心してよ。」

 

 室内は静かだ。

 

 「なんならアタシを此処出る前に殺しても良いわよ。

 どうせアタシ武術の心得無いし、体力も、頼れる場所も、知り合いもいないしね。

 そうなると後は野垂れ死ぬだけでしょ?死んだ方が楽じゃん」

 

 それに色々面倒臭そうだし、どうせ帰り方だって解んないし。

 

 「…何故…、何故そんな悲しい事を言うのだ…?」

 

 気が付いたら、何故か真田さんが眉間に皺を思い切り寄せ、ボロボロと泣いていた。

 

 え?あの…アタシそんなキツイ事言った?

 てゆーか良く泣く人だなこの人…

 

 「何故そんな風に考える…!」

 

 え…いや、あのえーと…、これってアタシが悪いの?

 

 「ちょ…真田さん?」

 「…カズハ殿は友が死んだら悲しいと思わぬのか!!」

 「いや…だからね」

 「それとも某とは友ではないと申すか!!?」

 「ちょっと待って話が…」

 「某はカズハ殿とはもう友だと思っ、ごふぇあ!!?」

 

 「一旦黙れアタシが喋れねェだろうがこのボケ!!!」

 

 

 ついにキレて真田さんの顔面に蹴りをお見舞いしたけど、アタシは悪くない。

 

 ついでにまた背中痛くなったけど、激しいブリッジした訳じゃないからまだ大丈夫だ。痛いけど。

 

 軽く吹っ飛んで襖に突っ込む真田さん

 その目はパチクリしている

 

 

 「んな事一言も言ってないでしょ?何言ってんの?

アタシはただ、アンタ達に迷惑掛けたく無いの、解る?」

 

 キッパリと言い放ったアタシの言葉に対して、のろのろと起き上がった真田さんは、キョトンと呆けたような表情でアタシを見た。

 アタシは自然とそれを見下ろす形だ。

 

 「…それは…どういう…?」

 「…アタシはね真田さん。

 人に迷惑掛けまくって、何も反応が無いのを良い事にその上に胡座掻いて、それに感謝もせず気付かない奴が大嫌いなの。

 だからアタシはそんな奴になりたくない。だから…」

 

 

 「だから、誰かに迷惑を掛けるくらいなら自ずから死ぬと申すか、娘」

 

 

 てっきり真田さんが喋ると思っていたので予想外の人物の介入に驚いた。

 

 

 「…それがお主の信念か?」

 

 「…そう取ってくれて構わないわよ」

 

 アタシは武田さんを真っ直ぐ見据え、言った。

 

 「…成る程な、…だそうだ…佐助、どう思う?」

 

 「そうだなぁ…こんな意味解んない忍が居たら、忍の品位を問われちゃうよね。」

 

 オイどういう意味だ佐助てめェ。

 

 「お館様…!、では…」

 「うむ、カズハよ、この城へ住み、儂に仕えるが良い」

 

 「え…、あの…はァ?」

 

 

 「うおぉぉおお!!流石お館様!!この幸村、感激致しましたァァァアア!!」

 「ぬおおおおお!来い幸村ァァァアア!!!」

 

 ドゴーンバキッゴシャァァア!!!とかいう物凄い音と共に襖が粉砕した。

 なんか突然、ぅお館様ァァァアア!!!幸村ァァァアア!!!とか殴り合いを始めたんだけど、真田さんと武田さん何してんの。

 

 ハッキリ言って意味が解らない。

 

 「良かったねカズハちゃん、大将は君が何処の誰でも気にしないってさ」

 「あの、…意味解んないんだけどコレ今どういう状況?」

 

 「うーん…、皆が君を信じるに足る人間だって理解した瞬間…かな?」

 

 

 え?どの辺が?

 

 アタシは、畳やら襖が粉々に粉砕されていく様を眺めつつ真面目に思った。

 

 ...まぁ、よく解んないけど衣食住が確保出来たっぽいし

良いか。

 特殊スキル『おおざっぱ』発動しことう。

 

 

 「という訳でカズハちゃん。

 君、忍に向いてるみたいだから怪我が完治し次第訓練に入るね」

 

 え?何?

 何が“という訳で”なのかサッパリなんですが。

 しかも決定?

 

 「あの、なんで忍?」

 「あ、じゃあ女中やる?」

 「あ、無理」

 「じゃあ忍だね」

 

 …いや、うん、仕えるって言っても現代人のアタシが出来る仕事なんて無いもんな、仕方ないか。

 なんか猜疑心しか無いけどまぁ良いや。

 

 「…でもアタシ…不細工しか殺せないよ?」

 「訓練するから大丈夫だよ~」

 

 え…ちょ、無理

 つかその訓練ヤダ怖い

 

 「冗談冗談。

 完璧目指せとは言わないから戦に役立つ位には育ってくれたら万々歳」

 「…成る程、合理的。」

 「でしょ~?」

 

 「でも、どうして一から教えようとしてくれんの?」

 「んー?俺様ね~、ちょっとでも楽したいの。

 だから手駒は増やしとこうと思って。」

 

 成る程、忍って大変そうだもんな、知らんけど。

 

 「……アタシに出来るの…?」

 「アハハ大丈夫大丈夫、なんとかするから。」

 

 へー…凄いな佐助……ん?

 今、なんとかする、って言わなかった?

 え、ちょっと待ってソレどういう意味?

 ヤダ怖い。

 

 「一週間くらいで忍の基本動作が出来るように厳し~く行くからね~」

 

 ………コイツもSか!

 

 「…あんまり怪我治って欲しくないかも…」

 「そうは行かないよ俺様が楽する為なんだから」

 「…完璧とかまで行かなくて良いんですよ…ね?」

 

 「うん、暗殺とか人斬りに関してはね。」

 

 つまりソレ以外は完璧になれと?

 え、無理じゃん。

 

 アタシそんなに覚え良くないよ?無理無理。

 

 「何不安そうな顔してんの、俺様が教えるんだから大丈夫だって~、何とかするって言ってるでしょ?」

 

 いや、だから不安なんですが。

 

 てゆーか一つ良いかな

 

 なんでアタシの周りにはSな人しか居ないんですか。

 

 ちなみに真田さんは、薬塗って貰った時なんか楽しそうだったからSっぽい人に昇格してます。アタシの中で。

 

 「…あ、そうそうカズハちゃん」

 「へ?何すか?」

 「君の過去とか素性の話、君が言いたくなったら聞くから。

 だから俺様達からはもう聞いたりしないからね」

 

 佐助はそう言ってアタシの頭をくしゃくしゃと撫で、ニコッて…ニコッ、て…

 

 ちょ…アンタ美形なんだからそんな悩殺スマイル向けないでくれないかなぁ!!?

 クッソォ照れる!!無駄に照れる!!なんかもう無駄に恥ずかしい!!

 

 「あ…、有難う御座います」

 

 アタシはそれだけ言うのが精一杯だった。

 

 「あ、そうだ。」

 「…こ、今度は何すか。」

 「訓練の一環として旦那との手合わせも予定してるから頑張ってね☆」

 

 え…真田さんと手合わせ?

 

 あのヘソ出しなのに暑苦しくて喧しい、現在武田さんと殴り合って室内を破壊してるあの人と?

 

 え、嫌だ

 

 「…ちょっと、そんな嫌そうな顔しないでよカズハちゃん。」

 「や、だって凄い面倒臭い事になりそうなんだもん、後片付けが」

 「…鋭いね、カズハちゃん、でも俺様も手伝うから安心してよ」

 

 あ、それなら大丈夫そう…

 

 「ついでと言っちゃなんだけど…、この部屋片付けるのも手伝ってくれる?練習だと思ってさ」

 「…佐助さん、もしかしてそれが狙いですか」

 「あ、バレちゃった?」

 

 思わず半眼で佐助を見詰める

 

 「…だって、毎日こんなんなんだよ?手伝ってくれる人居ないし」

 「居ないんですか?」

 「皆仕事あるからそれ所じゃないっていうのもあるし…」

 「…まだなんかあるんすか」

 「…コレ、いつ終わるか解んないんだよね」

 

 そう言って佐助は視線を、もはや原形を留めて居ない室内へ向ける

 

 「ぅおおおお館さぶァァァアア!!!!!」

 「幸村ァァァアア!!!!!!」

 「おやかたさぶァァァアア!!!!!!」

 「ゆぅきむるァァァアア!!!!!!」

 

 ドガガガガ!!!メキメキバキドゴォォオ!!!と物凄い音と共にまた畳が粉砕されていく。

 

 「………大変っすね」

 「…解ってくれる?」

 

 そんなこんなでアタシは正式に上田城に住む事になったのでした。

 

 なんでや。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。