性格濃いめの女子が戦国BASARAにトリップした場合。   作:藤 都斗

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つらいつらい

 

 

 

 まぁそれから暫くして、アタシの怪我は完治してしまった。

 佐助とかじゃなく医者が言ったのだから間違いは無いだろう

 

 …うわー、マジでか…。

 

 

 あー……くそ…、これから佐助のスパルタ訓練があると思うと無駄に気が重くなる…

 

 布団の中で丸くなりながら嘆息した。

 

 外はもう朝で、いい加減起きなくちゃいけないんだけど大分億劫。

 

 そんな時、突然の殺気と共にいきなりクナイが飛んで来た。

 

 「ぅおお!?何!!?」

 

 咄嗟に布団を翻してソレを叩き落とす

 

 「ちょ…佐助!!!おまっなんつー起こし方してくれんの!!?」

 「おー、素人にしては中々の対応、凄い凄い」

 「凄い凄いじゃねーよ!殺す気か!!」

 「大丈夫大丈夫、ちゃんと手加減してたから」

 

 そーゆー問題じゃねーわコノヤロー

 

 「はいはい、そんな不細工な顔しないの。

 さっさと起きないカズハちゃんが悪いんだから。」

 

 「…チッ。」

 「はいはい舌打ちしない、とっとと準備して、コレに着替えてね」

 「…はーい」

 

 そんな感じに会話した後、佐助は姿を消した。

 また軽く嘆息して用意された着物を手に取る。

 

 「うぉ…、流石忍用…動き易そうだけど…、…うん…迷彩と黒か…佐助色だなぁ」

 

 広げて、どんな物かを確認してみる事にした。

 

 黒い足袋

 迷彩の袴

 黒い着物

 迷彩の着物

 黒い胸当て

 サラシ

 黒い腰紐

 黒い手甲

 

 うん…、どれから着れば良いんだろコレ

 

 …とりあえず、分かんないけどサラシから巻いていく事にしました。

 

 格闘すること20分。

 何とか着れたけど、これであってるか凄い不安である。

 

 「…現代人に忍装束は無理だろ…」

 

 ボヤキながらも実はちょっと楽しかったりする。

 

 軽く準備運動して着崩れたりしてないのを確認すれば、流したままだった髪を唯一服以外で持ち込んでたヘアゴムでポニーテールにした。

 

 「お、着替え終わった?意外と早かったねー、もっとかかるかと思ってた」

 

 不意に現れた佐助に若干ビビった

 

 「…忍って、そんなのも気配で解んの?」

 「ずっと覗いてた、って言ったらどうする?」

 「とりあえず、見たって美脚くらいしか見るもの無いわよ」

 

 そう言ったら佐助は少し詰まらなさそうに唇を尖らせた。

 

 「もうちょっと恥じらいとか持とうよカズハちゃん。面白く無いよ~」

 「そう?じゃあ、金取るわよ、の方が良かった?」

 「面白く無いよ~、逆に若干怖いよ~」

 

 「…とりあえず、訓練やるならさっさとやろうよ」

 「お?やる気になった?よし、じゃあさっさと済ませて朝ご飯食べよう」

 

 

 ………そうか、…戦国時代って稽古とかの後に朝食だって何かで聞いた気がする。

 

 つまり朝ごはん無し?

 

 …うわー、訓練中にお腹鳴りそう…。

 

 とりあえず、城の訓練場とやらに案内して貰って佐助に忍の基本情報を教えて貰った。

 

 沢山の暗器を見せて貰ったけど、スタンダードクナイとスタンダード手裏剣と鎖鎌くらいしか覚えられなかった。

 

 クナイと手裏剣ってあんなに沢山種類あるんだね…。

 

 「まぁ、名前よりも使い方覚える方が重要だから気にしなくて良いよ~」

 「…優しい言葉有難う。」

 

 そして、次に教わったのは気配の消し方だった

 

 「とりあえず、重要なのは呼吸だね」

 「…呼吸すか。」

 「うん、あと平常心と心の余裕。んでどれだけ周りと一体化出来るか」

 「つまり集中力?」

 「そうでもあるね。」

 

 暫くご教授してもらったけど、まだアタシには無理そうだと思った。

 ついで言うとどっかから、お館様ァァァアア!!!、幸村ァァァアア!!!、とか聞こえて集中力を欠いたとも言える。

 五月蝿いよあの人達。

 

 ついでに足音の消し方も習った。

 

 足を踏み出す時に踵でも爪先でもなく、その間の辺りから地面に降ろして、それから足指、踵、の順番に地に付ける。

 

 すると、足音が出ないらしい。

 

 へぇ~。

 

 それからアタシは、女中さんに呼ばれるまでの間ずっと忍び足のダッシュバージョンの練習をさせられた。

 スパルタ過ぎじゃねコレ。

 

 傷のせいで暫く寝たきりだった事もあり身体が鈍ってるのに気付いて若干苛立ってしまった。

 一通りやってみたけど完璧までは遠い感じがする。

 アタシって何か始めたりするとつい完璧を目指したりしちゃうのよね…

 

 早い話無駄に凝り性なんです。

 ゲームも全部のキャラをレベルMAXまで育てるタイプです。

 

 てゆーか完璧って言葉が美しくない?

 

 ……どうでもいいか。

 

 …うんとりあえずお腹空いた。

 

 

 で、やっと朝食にありついたアタシは、訓練の後だった事もあり、なんかもう物凄い勢いで食べた。

 

 行儀よく真面目なんてお前…空腹時にうまそうな塩鮭とほかほかご飯と味噌汁目の前にしてみろや

 

 無理だから。

 絶っっっ対無理だから。

 

 「…そんながっついて食べなくてもソレ、カズハちゃんの分なんだから誰も取ったりしないよ…」

 「うっさいお腹減ってんだからしゃーないじゃん!」

 「ちょ、カズハちゃん!食べながら喋っちゃ駄目!行儀悪い!」

 「ぅぐ!、…っ!喉にっ、詰まっ...!」

 「あーもー、急いで食べるから…はいお茶」

 

 そんなお約束なやり取りをしながら、アタシは佐助と一緒に朝食を終えた。

 

 真田さんと武田さんは別の部屋で朝食を取ってるらしい。

 

 まぁアタシこれから忍になる訳だしね。

 一緒に食べる訳には行かないんだろうと思う。

 

 てゆーか眠いんですけど。

 

 今って朝何時頃なんだろ。

 木々の緑具合からもうそろそろ夏な感じってのは解る。

 だから野宿出来たんだろうとは思う。

 

 って事は…太陽の昇り具合的に9時くらいか?適当だけど。

 

 「カズハ殿ォォォオオ!!!」

 

 朝ご飯を食べ終わってお茶を飲みながら、一息ついていた時、またズドドドドドスパァーン!!!と真田さんが騒がしく乱入して来た。

 

 「手合わせ願う!!!」

 「は?え、今から?てゆーかアタシまだなんの武術も教わってないんですけど」

 「ぬぅ!!佐助!!お主何をしているのだ!!」

 「旦那ァ、まだ訓練一日目だよ、しかも一日目終わってすら無いよ」

 

 ...真田さんはアレだね、絶対阿呆の子だ。

 

 「あ…でもまぁ習うより慣れろ、って言うかな。」

 

 …ん?、あれ?なんか嫌な予感して来たよ…?

 

 「よーしカズハちゃん!お昼は旦那と手合わせしてみよっか☆」

 「え…マジで?」

 「うん。俺様横で見てるから、ヤバくなったら止めるし」

 「…ホントですよね」

 「大丈夫大丈夫!旦那だって女の子との手合わせで本気出さないと思うし、安心してよ」

 

 「わ…、解ったわよ…、やれば良いんでしょやれば…」

 

 

 何か知らんけど、そんな感じで真田さんと手合わせする事になった。

 

 アタシ個人は物凄ーいめんどくさい。

 

 それから、ほぼ引きずられる形で、また訓練場に連れて行かれた。

 

 

 「…アタシ…戦うのなんて女同士の喧嘩くらいしか…した事無いんだけどなぁ…幼稚園以来だわ…」

 

 真田さんと対峙した状態でぽつりと呟く。

 

 「どうしたカズハ殿!!ぼんやりしている暇は無いぞ!!いざ!!!」

 

 なんでこの人こう…無駄にやる気あんだろ。

 なんか凄い嬉しそうな感じで武器構えてるんだけど。

 

 うん…帰りたい…。

 そして、帰って寝たい...。

 

 「カズハちゃ~ん、頑張れ~。」

 「いや、あんまり頑張る気無い…」

 

 佐助は、なんかのんびりとこっちを見てて、アタシはというとダルいから眉間へ皺寄せた。

 

 しかし真田さんはやる気満々である。

 しかも。

 

 「うぉぉおおお!!!来ないならこちらから行くぞカズハ殿ォォォオオ!!!」

 

 とか叫びながらアタシに向かって突っ込んで来た。

 

 「ぅお!、マジでか」

 

 ビビりながらもとりあえず、佐助から渡されてたクナイを両手に一つずつ構える。

 馬鹿正直に真っ直ぐ突っ込んで来るから、とりあえず身体を反らして真田さんの槍を避けた

 

 てゆーかこの人なんでこんな落ち着きのない走り方なんだろう。

 

 両手に槍持ってるから仕方ないのは解らんでもないが、しかし、一個は普通に持ててんだから…残りの一個ブンブン振り回しながら走らんでも良い気がする。

 

 「ぼんやりしている暇は無いと言った筈だぞカズハ殿!!!」

 「解ってるわよ!アタシを誰だと思ってんの!?」

 

 勢い良く振り下ろされる槍を身体を横にする事でギリギリに避けた。

 

 めちゃくちゃ怖い。

 

 「ちょっ!殺す気か!!アタシに傷付けたら責任取って貰うからね!!?」

 「ぬ!?せ、責任とは!!?」

 「えっ?、あー…アレよ!決まってんじゃない!アタシを傷物にするんだから!!」

 「傷物!?、まっ…まままままさか!!?」

 「は?、え、えーと…、そのまさかよ!!!」

 

 振り下ろされ続ける槍を両手のクナイで防ぎながらの会話である。

 

 なんか隙が出来そうだったから適当に言ったら

 

 「はっ、破廉恥…!!!」

 

 つって真っ赤になって固まった。

 

 いや…うん、アンタの思考のが破廉恥だから。

 

 「…旦那ァ~、何やってんのさ」

 「し…しかし佐助…っ!!」

 

 武器持ってその場でオタオタする真田さん。

 

 真田さんが何想像したのかは、それ所じゃ無かったからアタシは気にしない。

 

 とりあえず、なんか良い感じに怯んでるから攻撃を仕掛けたいと思います!

 

 え?何?…卑怯?

 えー?そんなの知らなーい。

 アタシの辞書にはそんな言葉無いもん。

 

 「よーし、じゃあ今度はこっちから行くわよ!?」

 「ぬぅ…っ!!」

 

 アタシはとりあえずクナイを構え地面を蹴り、勢い良く間合いを詰めながら真田さんに向かって斬り掛かった。

 攻撃した分の全部を槍の柄部分で弾かれるけど、そんなの今はとりあえず気にしない。

 

 でも、暫くそうやって攻撃を防がれ続けていたらなんか段々と苛々してきた。

 

 くっそー…!一回くらい当たれよ!!

 いや戦国武将にアタシみたいな一般人の攻撃が当たるとは思えないし当たらないって解ってるんだけどね!

 

 やっぱ腹立つなチクショー!!!

 

 「チッ…いつまで防ぐ気よ!!」

 「という事はカズハ殿を傷物にしても構わんのか!!?」

 

 「きっ傷物言うな!!何その含みのある言い方!!!」

 「カズハ殿がそう言ったのでは無いか!!」

 「そうだけど少しは言い方変えなさいよ!!!」

 

 「解り申した!では…傷を付けたら責任取って嫁に取るからご安心召されよ!!!」

 

 「ぅおォォォい!!!何ソレ変えたの!?変えてソレ!!?てゆか全く安心出来ねェよ!!!えっ、マジでそんな事言ってんの!!?」

 「責任取れというのはそういう意味でござろう!!?」

 

 「アタシんな事言った!!?」

 「そのまさかだ!と断言したではないか!!」

 

 「そんな事考えてるとは全く思ってなかったわよ!!!」

 

 そんな問答してる間も攻撃したり防がれたり攻撃されたり防いだり。

 

 てゆーか向こうも大分本気になって来てるのか段々一撃一撃が重くなって来たんですけども...!

 

 あ、ヤバイ…手痺れて来た…!

 

 キィン!と、高い音と共に持ってたクナイが弾かれる。

 

 「…く…っ!」

 「隙あり!!!」

 

 気を取られた隙に、喉元に槍を突き付けられた。

 

 弾かれたクナイがどこか視界に入らない位置の地面に刺さる、サクッという音が耳に入る。

 

 それから、アタシは真田さんを見据えた。

 

 「…以外と、…粘れたアタシって、…結構凄い?」

 「うむ、素人にしてはなかなかでござる。カズハ殿は凄いな!」

 「…てゆーか、真田さん…力強すぎ、手ェ、痺れたんだけど」

 「ぬっ、そ…それはすまぬ」

 

 とか暢気に会話しながら互いに武器を下ろす。

 

 肩で息をしてるアタシと違って真田さんは息切れ一つしてなかった。

 

 うん、当然だって解ってるけどやっぱなんかちょっとムカつく。

 

 「ありゃー、カズハちゃん負けちゃったねー」

 「いや、元から勝てるとか思ってないし。」

 「えー?、にしては色々小細工してたじゃん」

 

 「だってどうせ負けるならタダで負けたくないもん。

 一矢報いてやろうと思うもん。」

 「醜いの嫌いなんじゃ無かったっけ?」

 「時と場合によるのよ」

 

 アタシの自己チューさ加減嘗めんなよ

 

 「まぁ良いや、旦那ァ~、気が済んだ?」

 「うむ!!なかなか良い鍛練になった!!」

 「そりゃ良かった、んじゃそろそろ俺様達別の訓練に入るから、旦那はここまでね」

 「うむ、ではこれにて某も自分の通常鍛練に参る事にするぞ。カズハ殿、佐助、また夕刻」

 「またね旦那ァ~」

 「あ、うん、じゃあねー」

 

 そんな感じに、真田さんとの手合わせは終了した

 

 佐助がアタシと真田さんの手合わせを見てて気付いたらしいんだけど、アタシは瞬発力と応用力に長けてるらしい。

 

 でも素人丸出しな動きだから次の行動を読まれやすい、と。

 

 それから、体力が無いのは致命的。

 なので、次からはそれを補う為の訓練をする事になった。

 

 うん。

 

 休憩無しで。

 

 とりあえず佐助は絶対Sだ。

 確信が持てる。

 

 …だってアイツ、アタシが苦しそうにしてる時笑ってたもん。

 

 いつもの『ニコニコ』とかじゃなく『ニヤニヤ』してたもん。

 

 そんなこんなで佐助のSっ気たっぷり訓練を受けて改めて思う 

 

 

 

 ビリーさん、助けて。 

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

 

 俺様が思うに、カズハちゃんは普通じゃない。

 

 俺様が上司になったってのに態度を変える事すらもせずに飄々と接するし、俺様の上司である真田の旦那に至っては、若干見下されてる気がする。

 …まぁそれは旦那の態度がアレだから仕方ない気はするけど。

 

 始めの頃は遠慮してたのか誰に対しても敬語だったけど、今では大将以外となら誰とでも、まるで対等であるかのように接する。

 

 本来なら打ち首にされても可笑しくは無い。

 

 しかしその態度が特に不快と感じる訳では無いのであんまり止める気も起きない。

 

 

 やっぱ美人だからか。

 

 

 …いや、それとも彼女が心掛けているという生き様が滲み出ているせいか。

 

 うん、やっぱよく解んない。

 

 

 「…佐助…!、アンタいい加減にアタシを休ませなさいよ…!」

 「えー?そんな事言える元気があるならまだ大丈夫だよ」

 

 

 訓練を始めて一週間、この何日かで、とうとう俺様の事も呼び捨てになった。

 ちなみに真田の旦那の事も呼び捨て。

 

 最初は“真田”って呼んでたけど、他の家臣にも真田が何人か居るから紛らわしいって事で、呼び捨てに落ち着いたらしい。

 

 「は~いはい、あと50回」

 「ごじゅ…!?」

 「終わったら休んで良いから。」

 「ほ…っホントだろうなコノヤロー…!」

 「ホントホント。頑張れ~」

 

 現在、クナイを正確に投げる訓練の真っ最中。

 意外と良い感じだけどまだムラがある。

 

 訓練はまだ必要だ。

 

 いや、うん、忍の訓練とか言ったけどさ、実は別にそんなに強くなって貰わなくても良いんだよね。

 …でもやっぱ自分の身はある程度護れるようには、なって貰わなきゃ困る。

 

 そうじゃなければきっとこれから先、俺様…はともかく、旦那や大将と同じ敷地内で生活することは出来ないだろう。

 

 大将や旦那は殴り合い始めたら気が済むまで止まらないし、周りなんて全然省みないからある日巻き込まれて死んでました、なんて事になったら凄く寝覚め悪いもん。

 

 

 「…てゆーか…佐助、アンタ…自分の仕事は、大丈夫な訳…!?」

 「あー、うん大丈夫、合間合間にやってるし、部下も居るから」

 

 笑顔で告げたら舌打ちが聞こえた。

 

 「カズハちゃん、あと50回追加ね~」

 「なんですってコノヤロー!!鬼か!!!」

 

 …面白いなぁ、自分で墓穴掘ってるよこの子。

 

 「…クッソ…!、絶対佐助より強くなって仕返ししてやる…!」

 「アハハ~、無理無理、寧ろ返り討ちにしてあげるよカズハちゃん」

 「…あ゙ぁぁ!!!ムカつく!!!凄いムカつく!!!アンタなんか酷い風邪ひけ!!」

 

 …いつも思うけどカズハちゃんって結構な毒舌だよね。

 しかもソレ…農民なら死んでるよ

 

 始め会った頃は静かな子だと思ってたけど、それは猫被ってたからなんだろうな…

 段々打ち解けて来てるって事か?

 

 

 「佐助ェェェェエエ!!!カズハ殿ォォォオオ!!!」

 「ん~?アレ、もうそんな時間?」

 

 聞き慣れた騒がしい足音と呼ばれた自分の名にとりあえず変わらぬ調子でその声が聞こえた方に顔を向ける。

 

 案の定、旦那が風呂敷袋片手になんか嬉しそうに走って来ていた。

 

 これは訓練が始まってから、既に日課となっている。

 

 「やったー!おやつだ…!!」

 

 カズハちゃんが旦那に気付いて嬉しそうに手を止めた。

 

 「まったく旦那は…毎日毎日よく飽きないなぁ…。」

 「何言ってんの佐助!人間体力回復には甘いものが必要なんだから!飽きる飽きないとかじゃないのよ!」

 

 …意味が解んないよカズハちゃん。

 てゆーかそれ何処の情報?

 

 「そうだぞ佐助!!、皆で食べる団子は凄く美味ではないか!!!」

 

 旦那…、それ、なんか微妙に違う…

 

 「…はぁ…、ま、いっか…。俺様お茶用意してくるよ」

 

 「うむ!すまぬな佐助、頼んだぞ!」

 「幸村がお茶運ぶと全部零すもんね!」

 「なんと…!、何故カズハ殿が某の過去の失敗をご存知なのだ!?」

 「え、…ただの冗談だったのに…マジでやっちゃってたの?」

 「ぬぉお…!、なんと見事な誘導尋問…!、カズハ殿には、溢れんばかりの忍の才能があるのだな…!」

 「…いや…そんなつもり全然無かったんだけど…」

 

 二人のそんな会話を聞こえて、あまりの暢気さに笑みが零れた。

 

軽くその場を眺めた後、俺は予告通りお茶を取りに行ったのだった。

 

 

 

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