性格濃いめの女子が戦国BASARAにトリップした場合。   作:藤 都斗

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いけめんいけめん

 

 

 

 「…とりあえず、顔洗おう。」

 

 意味も無く一人呟いて河原を進む

 

 水音がサラサラというより若干バッシャバッシャ聞こえるのは先日の雨のせいで水嵩が増えているからだと思う。

 そう、最近雨降ったのよ。

 雨の中修行すんのクソダルかった。

 

 とりあえず水辺にしゃがみ込んで両手に掬うと、日の光が反射してキラキラしていた

 

 「…やっぱ水が綺麗だな。実家とは大違い」

 

 呟いてから顔を洗う。

 

 無駄に興奮した後だから冷たい水がとても気持ち良い。

 

 …あー、生き返る…

 

 

 「あ、そこの綺麗なお姉ちゃん!この辺の人かい?」

 

 

 不意に聞こえた声に思わず一瞬固まった。

 

 いや、だってBLE●CHの●護の声だったから。

 

 それから、とりあえず顔拭くのも忘れてゆっくりと振り向いてみる。

 

 そしてアタシはまた固まった。

 

 だってこの人もまた見覚えあるんだから仕方ない。

 

 何だっけ、えーと

 

 あ。

 お祭りの人だ。

 

 名前知らんけど。

 

 

 「アタシ、ですか?」

 「え?此処に居るのお姉ちゃんだけじゃん」

 

 あぁ…うん、確かに。

 

 服の袖で顔拭きながら周りを見回して今気付いた。

 

 のんびりと近寄って来る青年に、立ち上がってから体ごと向き直るアタシ

 後1メートルって所で、青年はアタシの前に立ち止まった。

 

 …でけーなオイ…

 え、身長めっちゃ高くない?

 

 「えーと、何か…?」

 

 とりあえず気にしても仕方ないから用件を尋ねてみた

 

 途端に青年の表情が緩む

 

 「そうそう!、此処って甲斐のどの辺か解るかい?」

 「ココ?…えーと…アレ、何処だろ」

 「え!?解んねェの?」

 

 …生憎と、地理は全く解りません。

 佐助、ちゃんと教えてくれなかったし。

 何でだ佐助。

 

 「でもあっちが武田軍のお城って事は解るよ」

 「ふーん。あ、じゃあお姉ちゃん、良ければ案内してよ。」

 「あ、うん」

 

 人懐っこそうな笑みを向けられて思わず普通に了承してしまった、やらかしたわアタシ。

 

 二人で上田城に向かって歩き出すと、青年はアタシににこやかな笑顔を向けた

 

 「俺は前田慶次!んでこっちは夢吉!お姉ちゃんは?」

 

 慶次と名乗った青年の肩からぴょこんと小猿が飛び乗って来た。

 

 うわー、ちっこい猿だ。

 無駄に可愛いなオイ。

 

 でも肩付近ちょろちょろするのは良いけど頭に乗らないで欲しい、可愛いけど。

 

 「…アタシ?、カズハよ。」

 「カズハか!綺麗で可愛い名前だなー!どんな意味が込められてんだい?」

 

 

 「…え、いや、知らないけど。」

 「ホントに!?それは勿体ないなー、今度親御さんに聞いてみると良いよ!」

 「…はぁ。」

 

 なんつーか、明るいと言うか

 こういうのを天真爛漫とか言うんじゃないかな…。

 

 道なりに歩を進めながらぼんやりとそんな事を考えた。

 

 まぁこんだけ暢気ならそう考えるよね。

 

 

 「じゃあさカズハ!今、恋とかしてるかい?」

 

 いや…あの初対面なのにいきなり呼び捨てかよ、とか思ったけど、まずその女子高生みたいな質問内容、何。

 別に良いけどさ。

 

 「…してませんよ。そんな暇無くて」

 「えぇえ!?そんなに綺麗な顔してんのに!!?勿体ないなー!」

 

 …顔が綺麗なのと恋が出来るのとは別物だと思うんだけど。

 

 「…よし!じゃあカズハ!アンタは俺に恋すると良いよ!」

 

 ...............はぁ?

 

 え、何言ってんだこの人、何が、よし!なのかさっぱりなんだけど。

 

 …阿呆の人だ。

 絶対阿呆の人だ。

 

「…前田さんは武田のお城に何の用なんです?」

 

 …よし、意味解らんしとりあえず今は話を逸らそう。

 そう思って尋ねたんだけど

 

 「違う違う、前田さんじゃなくて、慶次!」

 

 と、なんとも予想外の返答が返って来た。

 

 「…は?」

 「だから、前田さん、じゃ無くて慶次って呼びなよ!

 俺だってカズハって名前で呼んでるんだしさ」

 

 逆に話を逸らされた、とかも思うけど

 

 それよりもなんだこのゴーイングマイウェイな人。

 意味解んないんだけど。

 

 「…じゃあ慶次さん。」

 「慶次!」

 

 …面倒臭ェ男だなコイツも。

 

 「…慶次」

 「よーし!」

 

 呼び捨てにしたら満足したのか、ニコニコしながら頭をワッシャワッシャ撫でられた

 

 髪がグシャグシャになるから止めて頂きたい!!

 

 「そういえばカズハは何処の生まれなんだい?」

 「とりあえずこの国じゃない事は確かよ」

 「ハハ!それくらい解るよ!まぁ良いや。俺はね、京から来たんだよ」

 「へー、そうなんだ」

 

 コイツ、アタシが生まれ言わなかったから自分も言わなかったよ。

 

 …まぁ良いか。

 

 「じゃあさ!カズハは何の仕事してんだい?」

 「武田のお城に仕えてるわよ」

 「へぇ!そりゃ凄いや。女中さんとかかい?」

 「まぁね」

 

 適当に答えながら、とりあえず歩を進める。

 

 よく喋る男だなコイツ

 

 「カズハはさ!」

 「今度は何よ」

 「綺麗な髪の色だよな!」

 「…ありがと」

 

 えーとコレあれか?もしかして口説かれてる?

 …まあ、アタシってば、美人だから仕方ないわよね。

 

 …まぁ良いかどうでも。

 

 ...髪と言えば、なんか不思議なのよね。

 二ヶ月以上もこの世界に居るのに髪も爪も伸びない。

 でも怪我したら普通の人と同じ速度で治る。

 

 鍛えたらその分育つけど体型は変わらないし、……かなり不思議。

 

 考えられる可能性としては二つ。

 

 一つは、アタシが違う世界から来たから。

 

 もう一つは、

 

 此処がゲームの中だから。

 

 だってほら、ゲームのキャラって服や装備が変わる事有っても、髪伸びたりしないじゃん?

 

 あれ?って事はアタシもゲームキャラ?

 

 

 …まぁ考えても仕方ない気がする。

 

 

 しかし前田慶次か…

 なんか聞き覚えあるんだよな...

 

 あっ!確か前田利家の親戚、かなんかじゃ無かったっけか

 

 .........駄目だ。

 アタシの中途半端な知識じゃそれ以外何も思い出せ無いし解らない。

 日本史の授業、殆ど寝てたのが今になって響くとは…!

 

 …てゆーか今この世界の情勢とかってどうなってんだろ。

 

 チクショー、なんでそーゆー事教えてくれないんだ佐助!

 てゆかこの国自体日本地図のどの辺にあるんだかさっぱりだし(※山梨県です)

 

 あれ、アタシ忍なんじゃ無かったっけ?

 

 え、こんな世間知らずな忍で良いのか武田さん。

 

 …帰ったら地図見せて貰おう。

 そんで今の情勢どうなってんのか調べよう。

 

 「慶次はなんで甲斐に来たの?」

 

 とりあえず情報収集に聞いてみる事にした。

 

 「ん?そうさなぁ…、強いて言うならカズハに逢う為?」

 「なんだ浮浪者か」

 「違うよ!そこはせめて風来坊にしててよ!」

 

 うん…悪いけどかなりどうでもいい。

 

 …しかしアタシもよく考えたら凄いよなー。

 ゲームの世界に来たからって、キャラに会えるとは限らないのに、この短期間でコレだもんな。

 …運が良いのか悪いのか…。

 

 「…単に悪運が強いのか」

 「ん?何か言ったかい?」

 

 「あぁ、独り言だから気にしないで。それよりお城、見えて来たわよ。」

 

視界に入った上田城を指差して示しながら慶次を見上げる。

 

 「このまま真っ直ぐ進めば城下町だから。」

 

 そう言って踵を返そうとしたら

 

 「あ!待って待って!」

 

 と腕を掴まれた。

 

 なんなんだよもー。

 案内したじゃん、まだなんかあるのか。

 

 「一緒に行こうよ!カズハはあそこに仕えてんだろ?」

 

 …え…、…いや、そうだけどさ...あんまり今帰りたく無いんだよね...

 なんせ今城はドSの祭典が開かれている

 

 いやドSVSドS+自称ドSというか。

 なんか訳解んない事になってんだよね。

 

 「…いや、アタシまだ用があるから」

 「えっ?そうなんだ?悪い!」

 「うん、だからアタシはこれで」

 「俺手伝うよ!」

 

 ...............はぁ?

 

 「なんで」

 「え、だって俺のせいで余計な手間掛けちまったじゃん」

 「…はぁ」

 「だから手伝うよ!」

 

 いや、…うん。

 気持ちは…まぁ嬉しいんだけども、実は特に用なんて無いんだよね。

 

 「…いや、良いよ。アンタも用があるんでしょ」

 「大丈夫!用なんて暇だったからこっち来たついでに信玄公に挨拶しとこうかなーとかそんな感じだから」

 

 アンタ本当に甲斐に何しに来たんだよ

 

 大体何その理由

 

 「で、アンタの用って何なんだ?」

 「…ホントに手伝う気なわけ?」

 「当たり前だよ!男に二言は無いっ!」

 

 そんな感じに若干おちゃらけた感じで断言された。

 

 

 え、どうしよう

 

 えーと、えー―――っと。

 

 

 「あれー?カズハちゃんこんな所で何やってんの」

 「佐助!!?」

 

 なんて答えようか逡巡してたら、佐助がいきなりアタシに語り掛けながら現れた。

 

 「お!佐助じゃん!」

 「あれ。前田んとこの風来坊じゃん」

 

 え、何?

 知り合い?

 

 「前田の旦那、また家出?」

 「へへっ、風の吹くまま、気の向くままってね!」

 

 いやそれ答えになってないよ。

 

 「で…なんで前田の旦那とカズハちゃんが二人してこんな町外れに?」

 「そんな事聞くなんて佐助も野暮だねェ。

 男女二人でっつったら逢い引きに決まってんじゃん」

 「道案内頼まれたから此処まで案内しただけよ」

 

 ウザいから綺麗にスルーして佐助の質問に答えると、なんか『あれ?無視?』とか聞こえた。

 けど気にしない。

 

 「成る程ね。駄目だよ前田の旦那ァ。

 カズハちゃんはうちの旦那の嫁になる子なんだから手ェ出しちゃ」

 「はぁ?」

 

 いきなり何言い出すんだコイツ。

 

 思わず眉間に皺を寄せて佐助を凝視する。

 

 何がどうなってそんな話になったんだコレ

 

 だが佐助は、いつもの何考えてるかさっぱりな笑顔のままだ。

 

 「真田の嫁!?アッハッハ!そりゃ何の冗談だい?」

 「冗談じゃ無いよー。うちの大将結構その気だもん」

 「マジで!?」

 「マジだよ~」

 

 いやアタシ聞いてねーぞそんな事。

 

 あ、分かった、慶次がアタシをナンパしてるみたいだからそれを追い払う為に言ってくれてんのか?

 

 だとしたらそんな心配いらんよ佐助。

 

 アンタの修業のお陰でアタシは変わり身の術使えるようになっちゃったから。

 

 「って訳で。前田の旦那…悪いけどその子の手離してくんないかな?」

 「ありゃ、佐助もしかして妬いてるのかい?」

 

 …コイツはなんだってこうそっちの方に話を持って来るんだ?

 思考回路は女子高生なのかこの派手ででっかい兄さんは。

 佐助は単に自分の部下が許可も無くこんな状態になってんのに対して苛立ってんじゃないの?

 

 「前田の旦那はホントにそーゆー話好きだねぇ」

 「大好きだね!なんせ恋は人を幸せにしてくれる!」

 

 えーと…この世界の男は皆阿呆かドSしか居ないのか?

 皆美形だからまだ救われるけどさ。

 

 「まぁ良いや!ところでカズハ、何か用があるんだろ?時間は大丈夫なのかい?」

 「え?…あぁ、えーと、うん。今からなら何とか大丈夫だから。」

 

 「よし!じゃあ善は急げって言うし、さっさと行こうぜ」

 

 慶次がアタシの手を引いて歩き出そうとしたけど、何故かそこで佐助が空いてたアタシの手を掴んだ。

 

 「んじゃ俺様も一緒に行くよ!二人きりにしたらカズハちゃんの操が汚されそうだし」

 「なんつー台詞を平然と吐いてくれてんだ佐助!!!」

 

 デリカシーねェ!さすが戦国時代!

 

 「アハハ~気にしない気にしない」

 

 気にするわ!!!クソ!セクハラだコレ!絶対セクハラだ!

 

 という訳で。

 

 なんか訳解んない状態のまま、とりあえず甘味屋に幸村用の団子を買いに行きました。

 

 いや、用なんて他に浮かばなかったし、今更川に戻って魚捕るのも面倒臭いじゃん?

 

 まあそんな理由。

 

 って訳で、山盛りの団子を(幸村のツケで)買って何故か持つって言って聞かない慶次と佐助に風呂敷包みを持って貰いながら、帰りたくない城へ帰還したんだけど

 

 そしたら…なんか幸村と三日月男が戦ってた。

 

 

 え、何やってんのこの二人。

 

 

 「よくも某を謀ってくれたな伊達政宗ェェェエエ!!!」

 「Ha!!、騙されるお前がfoolなんだろ!?」

 「うおぉぉおお問答無用!!!お覚悟召されよォォォオオ!!!」

 

 

 …えー…?ちょっと何コレ、何がしたいのこの人達。

 

 

 「実はさー、先刻カズハちゃんに会う前に俺様が竜の旦那と手合わせ(?)してたらいきなり旦那が乱入して来たんだよね~」

 「そーなんだ…」

 「ハハッ!相変わらずあの二人は元気だなぁー!

 でもまさか甲斐で奥州名物が見られるとは思わなかったけど!」

 

 おーい慶次…そーゆー問題か?

 てゆーか奥州名物って何。

 

『カズハ(殿)!!!』

 

 うわっ、あいつらアタシに気付いた。

 やめてくれよこっち来んなよテメーら爽やかに汗掻いてるけど汗臭いんだから

 

 しかし、アタシの内心なんてお構いなしにバタバタと駆け寄って来る二人。

 

 「Heyカズハ!やぁーっと観念しやがったか?」

 「うっさい黙れ誰がするかそんなん。

 アタシは単に此処を通り過ぎたいだけだっつの。張っ倒すぞ三日月」

 「Ha…!んだよつれねえなカズハ…一夜を共にした仲じゃねーか…」

 「ちょっ気安く触んな金取るぞコノヤロー!!!」

 

 馴れ馴れしく肩に手を置くな寄るな触るな近付くな!

 

 「そうでござる破廉恥殿!カズハ殿が困っているでは無いか!」

 「Ah!?テメとうとう俺の存在自体を破廉恥呼ばわりかムッツリ侍!!!」

 

 「某はムッツリ侍では無い!!!真田幸村にござる!!!」

 「Ha!聞こえねェなぁ…もっぺん言ってみろやムッツリ侍」

 「某はムッツリ侍などでは無い!!!」

 

 

 …誰かーとりあえずで良いから助けてー。

 アタシを間に挟んでアタシそっちのけな口論とかやめてー。

 スゲー耳痛いんですけどー。

 

 あとさりげなく腕やら肩やら掴まないで、ていうか引っ張らないで。

 アタシは分裂も出来ないし海賊王目指してるゴムの人でも無いから。

 

 最悪千切れるから。物理的に。

 

 「おいおいお二人さん!カズハが困ってんじゃねえか、その辺でやめとけよ」

 「ぬ!?前田殿!!?」

 「Ah?前田慶次?」

 

 声と共にアタシが二人の間から引き抜かれた事で、ほぼ同時に慶次に気付いたのか、怪訝そうな表情を浮かべて慶次を見る二人

 

 ちょっと面白い。

 

 

 ついで言うと救出有難う慶次、っていうか知り合いなんだ?

 

 「オイオーイ…なんでテメーが此処に居るんだ」

 「いやはや、随分と久方振りにござるな、前田殿!」

 

 どうでもいいがテンションに随分と差があるなお二人さんよ。

 

 「風の向くまま、気の向くままってね!」

 

 うん、それちょっと前も聞いた。

 

 「そうそうカズハちゃん、サボろうったってそうは行かないからね。」

 

 突然そう言ってアタシの肩を軽く叩く佐助。

 

 ………チッ…やっぱり無理だったか。

 色々ツッコみたい箇所ばっかりだけど今はまぁ良いや

 

 とりあえずこのストレスを鍛練にぶつけまくってやる覚悟しやがれ佐助。

 

 …うん、なんなんだろうねこの状況

 アタシもうよく解らないよ

 

 なんでこんなアタシの周り男ばっかで、しかもスキンシップ通り過ぎたセクハラされたりとか妙に気に入られたりとか

 

 

 あれ?

 コレ逆ハーレムじゃね?

 

 

 あっ、違う!

 逆ハーレムにしてはアタシに対する皆の扱いが酷いもん

 

 

 なんかペット感覚に近い物を感じるもん!!

 

 

 こんな逆ハーレムアタシは認めねェ。

 

 

 アタシは『ドキッ☆振り回されてばっかの逆ハーレム~ドS達の祭~』

よりも

 『ウフッ★アタシには絶対服従の逆ハーレム~カズハ様最強伝説~』

 

 みたいな感じの方が良いのよ!!!(何このキャッチコピー)

 

 なんでアタシがアイツらに服従したり無駄に振り回されたりしなきゃいけないのさ

 アタシはそんな逆ハーレム認めない!!!

 

 てゆーかそれは逆ハーレムじゃない

 

 た だ の イ ジ メ だ !!!

 

 アタシは振り回されるより振り回す派なんだよ!!!

 

 

 最近色々忙しくて忘れかけてたけど、アタシの目的は天下統一と言う名の元の『逆ハーレム』を作る事!

 

 その為にはアタシも現役戦国武将、つまりアイツらと同じくらい、またはそれ以上に強くならなければいけない。

 現在アタシはその辺の名前付いてるモブ武将と同じ位の強さだからホントに頑張らなきゃなのだ。

 

 うん、まぁそれ以前に

 いつか佐助と三日月男をシバく為にも。

 

 そんでアイツら二人をSからMに転向させてやr………………それは良いや…キモい

 

 とりあえずアレよ、泣きながらの『スライディング土下座』させてやる。

 

 「カズハ?どうかしたかい?なんか顔色悪いぜ?」

 「…え?あぁ慶次…、や、大丈夫よ。

 ちょっと先刻想像しちゃいけない物を想像しちゃって…気分が…ね」

 「ありゃりゃ…、そりゃいけねェや。」

 「へ?」

 

 思わず素っ頓狂な声が出た

 

 まぁ、アレですよ

 

 所謂『お姫様だっこ』としか形容出来ないアレ。

 

 「…な、…何をなさるんですか慶次さん…」

 

 思わず敬語も飛び出した

 

 「だから、慶次で良いって。カズハ気分悪いんだろ?

 だったらゆっくり休憩しなよ。俺が城の中まで連れてくからさ」

 

 …いや、スゲー有り難い申し出なんだけど、そこで何故姫抱っこするんだよ?

 てゆか顔!!顔近ッ!!

 

 

 わー…男前ー…スゲー目の保養ー…

 

 

 って違うだろ自分!

 

 

 「前田殿!、破廉恥であるぞ!カズハ殿が困惑しておられるでは無いか!」

 

 あっすいません、寧ろ軽く視姦しちゃって、逆にアタシが慶次を困惑させてました。

 

 

 「ちょ、降ろしてよ慶次!アタシ自分で歩けるし、そこまでアンタの世話になる訳には…」

 「カズハは謙虚だなー!そんなに気にしなくて良いんだぜ?俺がしたいからやってんだ」

 

 えぇー…何この優しさの押し売り。

 てゆーかアタシが無駄に興奮しそうだから本気で離してくれ

 殴りたいけど、でもこんなにアタシに好意的な美形は殴れない…!

 

 「Hey前田慶次…テメー俺様の所有物に勝手に触ってんじゃねーよ…」

 「誰がだつーかアタシは物じゃねェ!!!」

 「ハハ!政宗はカズハが好きなんだな!」

 

 その場が一瞬固まった。

 

 「…………はァ?、…アンタ、本当そーゆー話に結び付けるの好きね…」

 

 その言葉が出たのは案の定アタシ。

 

 慶次の言葉に佐助は普通にしてて、幸村は皆の様子に不思議そうな表情で

 言われた本人は鳩が豆鉄砲喰らった

 

 (●◇・)みたいな

 

 そんな間抜けな表情で固まってた。

 

 

 よっぽど考えてもなかったんだろうな。

 

 

 うん。

 

 テメー失礼だとか考えろや本人目の前に居るんだからな。

 

 

 「…オイオイ前田…俺がカズハを好いてるだって?んな訳ねェだろ…大概にしやがれ。」

 「えー?、じゃあなんで文句言うんだよ」

 「決まってんだろカズハが好きとか嫌いじゃねェ、俺のPrideの問題だ。」

 

 …ぷ…?…あ、成る程プライドか、なんだ。何かと思った。

 英語だから解んなかったよ、発音良すぎ。

 

 「拾った猫が、俺様じゃなく他人に懐くなんて腹立つんだよ。You see?」

 

 …いや、うん。

 ツッコミ所はあちこちあるんだけど、とりあえず。

 

 河童から猫って結局人間じゃない…んだけどまぁ河童より大分マシだから良いや!

 

 「…カズハは猫じゃねェぜ?可愛い女の子だ」

 

 わーぉ。

 慶次ったら紳士~。

 

 その辺のSな二人に爪の垢煎じて飲ませたい。

 

 うん、でもさ。

 

 アタシはいつまでお姫様だっこな訳?

 

 

 「Ha!俺にとっちゃ似たようなモンだ。」

 

 

 …三日月テメーいつか絶対シバく。

 

 

 アタシは微妙に困惑した視線を佐助に送った。

 

 そして目で訴える。

 

 忍の技使っていい?

 

 しかし、返って来たのは首を横に小さく振る否定の動作。

 

 えー…まじかよ。

 良いじゃん別に。何でだよ

 

 佐助の考えが全く読めん。

 

 とか思ってたらいきなり景色が変わった。

 

 いや、前のアタシなら何も見えなかっただろうけど今は解る。

 

 佐助が突然駿足移動して、慶次からアタシを回収し、瞬時に元の位置に戻っただけ。

 

 アタシの体勢は変わらない。

 

 つまり現在アタシの目の前は佐助のアップ。

 

 つまりお姫様抱っこ。

 

 うん、意味解んない。

 

 てゆーかアタシ今鼻血出てない?大丈夫?

 

 「だからさー、困るんだよね。許可無くこーゆー事されちゃうと。

 言ったでしょ?前田の旦那。この子は真田の旦那の嫁になる子だって」

 

 いや、良いよその話は。

 とりあえず早く降ろしてくれ。

 

 三日月男なんかすっげー嘘臭いって顔して見てるじゃん。

 

 「…!、流石忍だなぁー…いつの間に…。」

 「さっ佐助!破廉恥であるぞ!」

 

 「えー?だってこうしないといつまで経っても…

 …あ、旦那もしかしてカズハちゃんを抱っこしたかった?ごめんごめん!」

 「な…!佐助!!そ、某はそんな事など…っ!!!!」

 

 「はいはい、解った解った。照れちゃってまー」

 「何が言いたいのだ佐助ェ!!!」

 

 …えーと、何この状況...、…ヤバイ。

 流石にカズハ様のこの超優秀な脳みそもショート仕掛かってるぞ。

 

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