「提督、やりましたね、今月2隻目の海賊を捕縛ですよ!!」
「・・・うむ。」
東の海・・・イーストブルーにて500万ベリー級の海賊を捕縛する本部の大尉がいた。
痩せ型の179cmの長身の男は階級は大尉だが、自身よりも階級の高い若者が船長を務める船で、提督と呼ばれていた。
彼は海での戦い方を誰よりも知っている。
それこそ本部の将官よりも・・・だ。
センゴク大将やガープ中将、ゼファ大将と同期で、幾度もぶつかった。
同期が戦場で己の戦闘能力で活躍し、出世するが、提督と呼ばれる男は、それを否定し続けた。
【船に直接殴り込む等馬鹿げている。悪魔の実、格闘術、それよりもいかに海上で船を沈めるか・・・それこそが海軍ではないのか!!】
と肉体派のガープと対立し、ガープは海軍の英雄となり、片や自分は一番平和と呼ばれる海で燻り続けた。
(・・・息子達が船長を務めるこの船でしか私は指揮を執ることさえできないか。)
積み上げてきた船の撃沈数は200隻を超え、持論さえなければ大佐クラスにはなれたであろう男は自身の不甲斐なさに溜め息をつく。
「兄貴、親父は・・・。」
「浮かばない顔だった。」
「そうか。姉貴、この際ハッキリ言うが親父よりも海軍で作戦立案ができるのはセンゴク大将とおつるさんくらいしか今の海軍じゃ理解できる奴がいねぇ。というより親父は海軍よりもどっかの国の国防軍の方があってたんだと思う。」
「そんなことわかってますわ。」
自分達が小さい頃に母親が亡くなり、命を対価に必須に親父が稼いできた金も3人の生活費で本部の隅で生活していた。
そこで見てきたシキ脱獄や悪魔の実の凄さ・・・。
自分達も親父が航海中は体を鍛え、入隊してからはどんどん階級を上げていった。
今思えば馬鹿馬鹿しいが、親父の考えは間違えていると自分達は思っていた。
親父は自分達の出世を父としては喜んでくれたが、軍人としては悲しんでいたと思う。
複雑そうな顔をしてたから。
「・・・自分達では対処不能な海賊を親父が指揮を代理で執っていた船が沈めなければ自分達は亡くなっていたからな。」
「あぁ。」
「お父様は他からは異端だと言われてますが、一流ですものね。軍人として。」
「今も船室で航海図を眺めてな。」
「・・・ヤバイな。」
父親の男は呟いた。
この時期の周辺海域は海流が荒れるため、近場の島に一時避難しなければならないが、長年培われてきた勘が囁く
「潜んでいるな・・・海賊が。」
新聞に小さなコラムが翌日貼られた。
【赤髪のシャンクス懸賞金上昇】
ゴート海事件であった。