寺子屋の授業も終わり、放課後に生徒が校庭で遊ぶのを見ていた。ここで教師を初めて三ヶ月ぐらいだろうか、子供は物覚えが良いと少し羨ましく思う。
「先生、足ケガしちゃった」
「ん、、、あぁ、捻挫だな」
残念な事に今は包帯を切らしてしまっている。
「仕方ないな、少し遠いが、、、ケガしちゃったみたいだから送ってくる、気を付けて遊ぶんだよ」
『はーい!』
「ほら、乗って」
ケガをした生徒を背負う、行き先は永遠亭だが、自分が遅れるのは竹林までだ。まぁ、近くに行けば案内人がいるだろうと、少し会える事を楽しみにしている自分がいる。
たわいのない話をしながら歩いて行くとちょうど竹林の前に白髪の女性、妹紅がいた。
「妹紅、すまないがこの子を永遠亭まで送ってくれないか?」
「構わないよ」
「ありがとう、それじゃあ寺子屋で待ってるよ」
「あぁ、じゃあ行くか」
そう言って歩き出した妹紅は数歩で立ち止まって振り返った
「そう言えば、今日は満月だな」
「ん?もうそんな日にか、、、」
「あぁ、そうだ」
それだけ言うと妹紅は竹林の中に入っていった。寺子屋に戻り生徒達を家に返した後、妹紅の言葉がよみがえる。
「そうか、満月か、、、」
少し考えた後、いい事を思いついた。
「たまには少し良い酒を買っていくか!」
そうと決まれば行動は早い、妹紅がケガをした生徒を連れて帰ってくる前に買っておこうと思った。
「いらっしゃい」
「どうも、今日は少し良いのを貰えないか?」
「お?なんだい?いい事でもあったのかい?それともこれからあるのかい?」
「どちらかと言えばこれからだな、今日は満月だろ?」
「あぁ、なるほどね、、、じゃあこれなんてどうだい?」
「うん、悪くない、これにしよう」
「まいどあり!そう言えばな、、、」
「ほう、、、そんなことが、、、」
・
・
・
「なんて事になってな」
「はは、おっともうこんな時間な、それじゃあ」
「おう、また頼むよ」
「良い酒をありがとう」
少し話し込んでしまったようだ。もう落ちた日を見ながら少し急いで寺子屋に戻ると、そこには妹紅が一人で待っていた。
「おや?ケガをした子は?」
「あんまり遅いから家に帰したよ。何してたんだ?」
「いや、、、せっかくの満月なので少し良いのをと、、、」
「ふ、奇遇だな。私も永遠亭で団子を貰ってきたんだ」
「帰って飲むか」
「あぁ」
・
・
・
「ん、、、」
「・ ・ ・」
「さっきまで晴れていたじゃないか!なぜ月にだけ雲がかかるんだ?」
「運が悪かったとしか、、、」
「そうか、これは異変か」
「それにしては小さな異変だが、、、」
「せっかくいい酒を買ってきてくれたのにな、、、」
「少し待っていたら晴れるだろ、餡ときな粉どっちがいい?」
「両方!!」
「はいはい、今持ってくるから」
やっぱり笑顔は良いな、と思いながらもさっきの月を睨んでいた目も・・・いや、これ以上は危ない、何か危ない、うん。
そんな風に考えていると縁側から妹紅の呼ぶ声が聞こえた。
「おーい!」
「そんなに大きな声出さなくても近くにいるってば。寂しがり屋さんだな♡」
「月が出たんだよ!呑もう!」
「あ、はい、、、」
「ん?どうしたんだ?」
「何でもないよ、大丈夫」
「お酌するよ」
「ふふ、ありがとう」
そのまま二人で団子をつまみながら交互に盃をあおる。高く上がった月は夜もかなりふけこんだ事を示している。
「んー、もう夜だなぁ」
「妹紅は明日は大丈夫なの?」
「休みだよぉ、あなたのために♡」
「優しいんだな、、、好きだよ、妹紅///」
「///ふ、不意打ちははんそくぅ///」
「ん、んちゅ♡は、はぁはぁ、ん〜♡」
「ちゅ♡ん〜♡♡ん〜〜♡」
二人は短くない時間お互いを確かめあった後、肩で息をする。よだれが糸を引き、月の光で輝く。
「はぁはぁ、明日は休みなんだろ///」
「も、もちろん///」
「じゃあ、今晩は寝なくていいな///」
「え!?それって///」
「女の口から言わせるなよ///」
「あぁ、そこまで言われて引き下がれる男はいないさ///」
そのまま二人は奥へと入っていった。
後には酒の入った盃が綺麗な満月を写し輝いていた。
どうでしょうか?
キャラを大切に書きました。少し主人公が中性っぽいのは妹紅が男らしいせいか、、、
次回は藤原妹紅の事後です。
(誤字訂正しました、すみません!)