時間的に夜にあげたいなって考えてたらこんな時間になってしまいました。今年は美鈴に祝ってもらうことにしました。ちなみに18です。
今回はヤンデレ注意です。
体を引き左手を前、右手を胸の前へ。飛んできた拳を左手でそらし左手を手刀へと切り替え振り落とす。身を引かれあっさりと躱されてしまう。空いた右側からすべってきた蹴りをなんとか右手で防ぐも耐え切れず足が地面から離れてしまう。受身を取り顔を向けるも相手の姿はなく次の瞬間首筋に手が添えられる。
「、、、参りました」
「はい、お疲れ様」
定期的に行なっている朝稽古、型の反復もある程度なれ組手を行えるようになってはきたがまだまだ手が届きそうにない。
「、、、強くなってきましたね」
「え?」
「最初の頃まともに動けなかったじゃないですか、それに比べれば今は私の攻撃も目で追えてますもん」
「今なら妖怪に襲われても大丈夫かな」
「ダメですよ、人間は弱いんですから、ちゃんと逃げて下さい」
少し睨むような目で見ながら肩をゆすってくる。
「大丈夫、無茶はしないよ。美鈴を残して死んだりしないから」
「その言葉の責任とってくださいよ!」
とたんに嬉しそうに顔を緩ませる。こんなに心配させてしまってしまっていたのかと少し自分が情けなくなる。
部屋に戻り軽く汗を流し朝食を済ませる。
「今日のご予定は?」
「休みを貰ったからゆっくりしようかなって、美鈴も休みだよね」
「ええ、もちろんです」
「今日は家でゆっくり過ごそうか」
「はい!」
優しい笑顔。今はまだ守られている側ではあるがいつかは美鈴を守れるほどに強くなりたい。
「そう言えば、昨日の夜に咲夜さんからケーキを頂きました。早速食べましょう?」
「え?咲夜さんが?昨日?そんな素振りなかったのに、、、」
「咲夜さんの能力は便利ですからね」
どうも家事では咲夜さんに勝てそうもない。能力抜きでの料理勝負なら一矢報いれるかもしれないが、、、
切り分けたケーキを口へ運ぶ。甘さの抑えられた生クリームと新鮮な果実がちょうどよいバランスで重ねられている。スポンジは果実の水分量を考え少し重めに焼かれている。上にのったホワイトチョコレートの板には「Happy Birthday」と書かれている。
「、、、勝てないなぁ、、、」
「洋食で咲夜さんには勝てませんよ。洋食に関しては幻想郷1ですから」
咲夜さんのケーキに存分に舌鼓を打った。
そして、、、
「お誕生日おめでとう!!」
「ありがとう!!」
「と、言うわけで、、、プレゼント!!!」
風を切るほどのスピードで差し出された手には少し年季の入った木箱。
開けてみれば肘まであるグローブ、いや、これは篭手だろうか。見た目は革製だが触れてみると予想以上に硬い。
「、、、これって、篭手?」
「ええ、そろそろ必要かと」
「革?」
「とある妖獣の革です。速度も威力も大きく上がると思いますよ。とりあえず着けてみてください」
そんな期待を込めた目を向けられると断れない。着けてみると自らの腕にフィットして動きを圧迫することもない。
「どうですかね?」
「、、、え?」
急に両腕をきつく締められる。見るとただの防具であるはずの篭手に血管が浮かび静かに動いている。腕から頭へと痛みが広がり目が閉じていく。目にはいつもと同じ顔が写っていた。
仰向けに倒れた体をしたから抱きかかえベットへと連れていく。苦しそうに呻く顔を見ると心の奥底から罪悪感が湧いてくる。でもこれしか方法がない。数年一緒に過ごしていると嫌でも伝わってくる時間の違い。強くなりそこらへんの妖怪相手なら負けることはなくなっただろう。でも寿命には勝てない。人の寿命は短い。いくら強くても人間ではすぐに死んでしまう。それは嫌だ。だからプレゼントという体で「それ」を渡した。何も疑わなかっただろう。恐らく目が覚めた頃には人間の体を乗っ取っているだろう。怒るだろうか?でも置いて行かれるのは嫌だった。それに妖怪であれど寿命はある。それを少し伸ばしただけ、、、
自分に強く言い聞かせ目を開く。濃藍に染まった空を写す窓にはいつもと同じ顔があった。
どうでしたでしょうか?人と人ならざるもの、そこには様々な障害があります。その中でも今回は寿命に焦点を当てました。そこには手を出してはならないものもあるでしょう。
最後に含みを持たせる終わり方をした為この先は皆さんの中で進めて下さい。この先を私が書かないことで皆さんの中に様々な思いが渦巻くことを願って。
by18歳になった楓彡より