分けわからんルビ振るなや!
「咲き誇れ!六弁の爆焔花!」
先制はユリスさんの攻撃だった。火炎球が飛んでくるが、オーフェリアさんが前に出て星辰力でガードする。手袋は灰となっていたが、オーフェリアさん自身には全くダメージが入っていないようだ。
相変わらず人外みたいな星辰力だね・・・
「ユリスは私に任せて。あなたは天霧綾斗をお願い」
「分かった。無理はしないでね・・・」
「えぇ、分かってるわ」
剣を構えて綾斗君に特攻する。綾斗君はユリスさんと協力してオーフェリアさんを打破しようとしているが、一旦分断させないといけない。
「させないよ、綾斗君。君の相手は僕だよ」
「そういうわけにも行かないんだけど。でもやっぱり、最初に日向を倒さないと、オーフェリアさんとは戦わせてもらえなさそうだね!」
綾斗君は上段から切り掛かってくる。僕はそれを受け流して距離を取る。剣の煌式武装を一旦仕舞って、弓の煌式武装を起動させて矢を射出して牽制をする。しかしその矢はあっさりと切り払われる。
また弓の煌式武装を仕舞って、剣の煌式武装を起動させる。やっぱり近接戦でどうにかするしかないみたいだ。
最初は”連鶴”を仕掛ける。しかし綺凛ちゃんと決闘をしたからか、あまり効果があるとは思えない。全て防がれて、隙が生まれそうではない。だからと言って中断する理由は無いんだけどね。でも”連鶴”は綾斗君の星辰力で防がれたことによって、抜け出されてしまった。
「天霧辰明流剣術初伝!貳蛟龍!」
綾斗君が攻撃に出た。でも天霧辰明流は互いが互いにどんな技かを把握してるから、決め手としては欠ける。綾斗君の場合、何故かは知らないけど技を叫びながら放つから何をやるかはすぐにわかる。
僕は一旦距離を取る。そこから僕も攻撃を仕掛ける
(十昆薊、貳蛟龍、九牙太刀の強制接続!)
技の強制接続。本来は技一つ一つで完結するのだがそれでは綾斗君には通じない。ここは技を強制的に接続することによって、技と技に隙間を作らないで攻撃を仕掛ける。
十昆薊で距離を詰めつつ攻撃、懐に飛び込んだところに貳蛟龍で仰け反らせる、仰け反ったところに九牙太刀による連続攻撃で校章を破壊、っていう流れにしようと思ったんだけど、そこは綾斗君だ。仰け反ったところまでは良かったんだけど九牙太刀の攻撃の八回を剣でさばいて残りの一回は星辰力で防がれた。
「今ので決まらないのか・・・さすがは綾斗君だね、やっぱり強いや」
「今のは素直に驚いたよ。一つ一つで完結するはずの技を繋げてはなってくるなんてね。しかもあんなに滑らかにされるとは思わなかった。一体どうやって?」
「僕は刀藤流の方にもお世話になってたからね。”連鶴”は技の連携がカギだからね。それの応用だよ」
「他の剣術と賭け合わせてくるなんて、全く予想外の事をしてくれるね。でも、このまま好きには――!?」
「ゲホッ・・・!」
一体何!?いきなり咳き込むなんて・・・オーフェリアさん?何でこっち見てるのかな?よく分からないけど、とりあえず能力を使ってみる。
(動きを制限させる毒をステージに放ったわ。あなたは”識”の境地とやらで、毒の効果範囲が少ないところまで下がってて。その間にユリスを倒すわ)
僕は頷いて”識”の境地を使ってステージ上で毒の範囲が少ない所まで下がる。綾斗君も異変に気付いたのか、”識”の境地を展開して毒の範囲から脱する。
「っく!咲き誇れ!九輪の舞焔花!鋭槍の白炎花!」
火球と炎の槍が一斉にオーフェリアさんを襲う。しかしオーフェリアさんはその場から動かない。右手を前にかざしたかと思うと、攻撃をすべて受け止めた。星辰力でガードをする。やはりオーフェリアさんにダメージは無い。
「咲き誇れ!極楽鳥の燈翼!」
ユリスさんから炎の翼が生えて空中へと舞い上がる。
「咲き誇れ!呑竜の咬焔花!」
空中から炎の竜をオーフェリアさんに向かって放つ。今までの攻撃とは威力がケタ違いだが、やはりオーフェリアさんは躱さずに受け止める。
「『塵と化せ』」
オーフェリアさんが何かを呟くと、毒の腕が空中にいるユリスさんを襲う。僕は剣の煌式武装を仕舞い弓の煌式武装を起動させて、空中にいるユリスさんを狙う。綾斗君は遠距離攻撃手段が無いから、傍観することしかできない。
弓で進路を制限させて動きを制限させたところに、オーフェリアさんの毒の腕がユリスさんを襲う!
「あああああぁぁーー!!」
『ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルト、意識消失』
ユリスさんは空中で気を失った。そのまま落ちてくるユリスさんを綾斗君が下に潜り込んで抱きかかえる。
「天霧綾斗・・・後はあなただけよ。投了する気は・・・?」
「全く勝てる気はしないけど、あいにく諦めるのは自分の性分に合わなくてね」
「そう・・・でもあなたでは、私には、私たちには勝てないんじゃなくって?」
そうしていると何故か実況の方が騒がしくなっている。
『え、ちょ、ちょっと。ここは関係者以外立ち入り禁止で・・・』
『あー、あー、綾斗?聞こえてますか?フローラは無事救出されました。全員無事ですので、御存分に』
「『千見の盟主』・・・」
「オーフェリアさん、今のって?」
というかフローラちゃん見つかったんだね。その点は嬉しいけど・・・
「星導館の生徒会長よ。彼女、何がしたかったのかしら?」
「オーフェリアさん、多分これから綾斗君、『黒炉の魔剣』を使ってくる。僕が前衛で気を引くから、オーフェリアさんはサポートを頼める?一応、僕の能力は常にオーフェリアさんに向けておくから」
「・・・えぇ、事情はよく分からないけれど。分かったわ」
作戦会議をしていると綾斗君は『黒炉の魔剣』を起動させる。
「さぁ行くよ、『黒炉の魔剣』!」
『黒炉の魔剣』は防御不可能な純正煌式武装。普通の煌式武装では壊されるらしい。一応剣型の煌式武装は三本用意してあるから、一本はお釈迦になってもらおう。
「『塵と化せ』」
オーフェリアさんが毒の腕を展開させて綾斗君を拘束しようとする。しかし綾斗君は『黒炉の魔剣』を構えて特攻する。『黒炉の魔剣』を振り払うと、毒の腕が消え去った。
「・・・それが『黒炉の魔剣』・・・でも、ほかにもやりようはあるわね」
『黒炉の魔剣』は見た目は大剣だ。あんまり小回りは効かないだろう。それに天霧辰明流はあんなに大きな剣を使うことは前提としていない。
僕は様子見を兼ねて”修羅月”を放つ。しかしそれは『黒炉の魔剣』に阻まれてしまい、煌式武装はお釈迦になってしまった。
(つまり、剣に触れないように躱しつつ、剣で防がれないようにしつつ、綾斗君の気を引いて、オーフェリアさんと協力して綾斗君の校章を破壊する・・・)
なにこれ無理ゲー・・・でもここで諦めるわけにはいかない。
残っている煌式武装を二つとも起動させて、二刀流で構える。二刀流での連続攻撃、”奈落蜘蛛”を高速で叩きこみつつ、剣で防がれそうになったら身を引いて、隙をついて校章を狙う。
これしか手は無いだろう。純正煌式武装があれば話は別なのだろうが、僕もオーフェリアさんも純正煌式武装は持っていない。
僕は綾斗君に攻め入る。”奈落蜘蛛”による連続攻撃、それを綾斗君は躱したり防ごうとしてくる。防ごうとしたところで剣を引き、切りかかって来たところを回避する。
オーフェリアさんは綾斗君が僕に切りかかって来た隙をついて毒の腕で攻める。
(もう一度動きを制限する毒を放つ、あなたはいったん下がって)
そう思念が送られてきたが、僕は首を横に振る。
「僕ごと巻き込んでも構わない!このままじゃいつまでたっても決着が着かない!どっちかがジリ貧になるから、僕ごと巻き込んで、綾斗君の動きを制限して!」
オーフェリアさんにそう伝えると、一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに頷いた。
するとまた咳き込みそうになる。僕じゃあこれを防ぐ手立てはないけど、それは綾斗君も同じだろう。毒の腕みたいに単一のものを切り伏せることはできても、大気を切り伏せることはできない。
厳密にいえばできるのだろうが、そっちに気を取られていると僕に校章を破壊されて終わりだ。ここからは我慢比べだ。
もう一度二刀流で構え直して二つの煌式武装に星辰力を流し込んで『流星闘技』を発動させる。刀身が長くなると、そのまま”奈落蜘蛛”で切りかかる。
僕は動きが緩慢になっているが、それは綾斗君も同じだ。さっきと同じようには動けない。
「天霧辰明流奥伝!修羅月!」
それをあえて剣で受け止める。剣で受けることによって意表を突かせてもらう。
綾斗君から距離を取って弓の煌式武装を起動させて、『流星闘技』を発動させて校章に射る。綾斗君はそれを『黒炉の魔剣』で弾き落とす。
しかし弾き落としたことによって、致命的な隙が生まれてしまった。オーフェリアさんがその隙をすかさず狙って、煌式武装を構えて突っ込んで校章を攻撃する。
『天霧綾斗、校章破損』
機械音がそう告げると、僕は意識を失った。
相変わらずの戦闘シーンへたっぴ・・・
鳳凰星武祭のユリスがオーフェリアと戦ったらこんな感じになりますよね?