レヴォルフの男の娘・・・おい!   作:クッペ

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真面目に戦闘する気はありません


バトルセレモニア②

 

『皆さまお待たせいたしました!バトルセレモニア本戦一回戦、いよいよ開幕です!それでは出場ペアのご紹介をいたします!まずは星導館の刀藤綺凛選手、聖ガラードワースのエリオット・フォースター選手!どちらもまだ中等部ですが、剣技の才能は中学生レベルを遥かに上回っております!片やレヴォルフ黒学院の花園日向選手、そしてクイーンヴェールの世界の歌姫!シルヴィア=リューネハイム選手です!シルヴィア選手は前回の『王竜星武祭』の準優勝者で、花園選手は今期の『鳳凰星武祭』の優勝者の片割れです!今バトルセレモニアの優勝候補です!』

 

「ねえねえ、優勝候補だって!優勝候補だって!!」

 

「なんでそんなに盛り上がってるのさ?言っておくけど、今回結構厳しいからね?綺凛ちゃんは元序列一位だし、エリオット君もガラードワースの十一位だからね?君が『王竜星武祭』の準優勝者ってのは知ってるけど、これペアだからね?」

 

「分かってるよ。それでも私に決闘で勝ち越せる君と組んでるんだもん。こんなところで負けられないしね」

 

「勝ち越してるんじゃなくて負けてないんだけどね?そこのところちゃんと理解してるよね?」

 

「うぐ・・・」

 

 何で戦う前からこんな漫才もどきをしているんだろう?

 

「花園日向・・・なんか女の子みたいな容姿をしていますね?俗にいう男の娘っていうやつですね」

 

 なんかエリオット君がすんごく失礼なこと言っている気がする。隣でシルヴィが爆笑しそうになって堪えているんだろうけど、めっちゃ肩が震えてて全く隠せてないよ?

 

「エリオット君、僕の性別が男って認識してくれてるのは嬉しいんだけど、男の娘っていうのは失礼なんじゃないかな?」

 

「あぁ、すいません。つい思ったことを口に出してしましました。花園さんも剣術に秀でているので、ぜひ一度お手合わせ願いたいと思っていたんですよ?」

 

「僕よりも、君のペアの綺凛ちゃんの方がすごいと思うけど?」

 

「い、いえいえ!そんなことないです!日向先輩の剣は、とても鋭く綺麗で、とても尊敬してます!」

 

「じゃあそんな尊敬してくれてる君たちと、手合わせ願おうかな」

 

 そう言って剣型の煌式武装を起動させる。各々が煌式武装を起動させ臨戦態勢に入った。

 

『それではバトルセレモニア本戦一回戦、試合開始!』

 

* * * * * * * * * *

 

 手筈通りに僕が綺凛ちゃんと戦っている間に、シルヴィがエリオット君を倒して綺凛ちゃんを二人で倒す、予定だったが、それは開始相応に実現が厳しくなった。

 エリオット君と綺凛ちゃんが同時に僕に対して攻撃を仕掛けてきた。咄嗟の事だったので、綺凛ちゃんの剣を受け流した後に、エリオット君の細剣を回避する。そのまま二人と距離を取ろうとするが、二人とも僕を真っ先に倒そうとしているのか、シルヴィの方に構わずに、僕の方へと向かってくる。

 二人の剣技相手に一本の剣では流石に分が悪い。距離を取りながら剣型の煌式武装をもう一本起動させて二人の剣を迎え撃つ。

 ここで厄介なのが、二人の剣技は全く違う攻め方をしてくることである。綺凛ちゃんは日本刀で切り、エリオット君は細剣で突きを主体とした攻撃をしてくる。ここまで攻撃の仕方が違うと、流石に少し厄介だ。

 何とか二人の攻撃を捌いていると、後ろからなんだか嫌な予感がしたから強引に二人の攻撃を躱して横へ飛ぶ。すると僕が立っていたところにカマイタチが飛んできた。どうやらシルヴィの攻撃らしい。万能って便利なんだろうけど、流石に僕ごと巻き込んで攻撃しなくちゃいけないほど、自分の攻撃をコントロールできないとは思えない。つまりわざと?

 

 

「あれ、ごめんごめん、巻き込みそうになっちゃった」

 

「念のため聞くけど、わざとじゃないよね?」

 

「それは勿論、いくら戦いの前に掃除機だのなんだの言っても、試合中に仲間ごと蹴落とすような真似するわけないじゃない?」

 

(半分はあの二人を倒すためだけど、ついでにやられてくれればよかったな・・・)

 

 わざとじゃん!

 

「ねぇ、僕の前で嘘をつけないの知らないの?僕には本音ダダ漏れだけど?」

 

「あらあらごめんねー?それにしても良く躱せたね?ついでにやられててくれたら面白かったのに」

 

「あっはっは!そんなに泣かされたいならはっきりとそう言えばいいじゃないか・・・後で覚えておきなよ?」

 

「茶番は終わりましたか?」

 

 そう言えば試合中でしたね・・・申し訳ない・・・

 

「君がふざけてるから怒られたじゃないの」

 

「君の校章から破壊してあげてもいいんだよ?むしろ今校章を壊されていないことに感謝するべきだと思うんだけど?」

 

「そんなにあっさりやられるわけないじゃん。君私の事嘗め過ぎじゃない?」

 

 そんな言い争いをしている中、じらされることに我慢の限界を迎えたのか、単身エリオット君が攻撃を仕掛けてきた。しかしその攻撃はシルヴィが軽くいなし、体勢を崩されたところを僕の剣で校章を攻撃する。

 

『エリオット・フォースター、校章破損』

 

「・・・え?」

 

 訳が分からずに混乱しているエリオット君。うん、目の前で喧嘩しているペアに攻撃して校章破壊されたら誰だってこうなると思う。

 

「とりあえず、この戦いを早く終わらせようか?話は控室に戻った後でもゆっくりできるわけだしね?あとで泣かす」

 

「そんな喧嘩腰で話すことなんて、私にはないんだけどなあ?上等」

 

 全力で殺気を向け合ってる僕たちに混乱して動けなくなっている綺凛ちゃん。悪いけど、長々と試合を続けるのは互いの精神衛生上あんまりよろしくないからここで決めさせて貰おう。

 剣型の煌式武装を一本仕舞って、綺凛ちゃんと対峙する。

 右袈裟切り、そのまま切り上げ、切り上げた勢いを使って半回転しながら薙ぎ払い、バク中をしながらの切り上げ、着地した勢いを殺さずに突きを星辰力でブーストを駆けて放つ。

 切り上げた際に体勢を崩されており、その状態で最後の突きを防げずに、最後の突きで校章へダメージを与えることができた。

 

『刀藤綺凛、校章破損』

 

『勝者、シルヴィア=リューネハイム、花園日向ペア』




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