レヴォルフの男の娘・・・おい!   作:クッペ

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ネタ考えてました


バトルセレモニア準決勝

 

 おかしい・・・何で準決勝の相手は、彼らなんだろう。

 

「ねぇ、シルヴィ。何で準決勝の相手って、彼らなんだろうね?」

 

「・・・・・・」

 

 シルヴィはこちらを見ようとしない。ちなみに、冷や汗だらだらの状態である。

 

「僕か君が彼と組んでれば、今までの喜劇は起こりえなかったんだけど・・・」

 

「・・・・・・」

 

「何で準決勝の相手、綾斗君なのさ!!」

 

 準決勝の相手、それは星導館の天霧綾斗、クローディア・エンフィールドの序列一位二位の、純正煌式武装持ちのペアだ。

 確か、シルヴィが綾斗君を誘った際に『バトルセレモニアは参加する気が無い』って言って断られたんじゃなかったっけ?

 これどこまでが本当なんだろう?

 

「綾斗君、バトルセレモニア出たんだね」

 

「あはは・・・最初は出る気なかったんだけど、学校側から出るように言われてね・・・ペアがいなかったんだけどクローディアが組んでくれて助かったよ」

 

 出る気が無かったのは本当らしい。

 

「ペアのお誘いの連絡、シルヴィから来た?」

 

「来たけど、その時はもうクローディアと組むことになってたからね。ごめんね、シルヴィ」

 

「い、いや・・・大丈夫・・・だよ?」

 

「ねぇ」

 

「・・・・・・!」

 

 そこでびくっとするシルヴィ。そこまで威圧感は出してないけど、ビビる要素無いと思うんだけど・・・

 

「綾斗君、バトルセレモニア出る気が無かったんだって」

 

「そ、そうらしいね・・・」

 

「でも君が断られて理由って、綾斗君が出る気が無いからじゃなくって、すでに綾斗君がペアを決めてたから、らしいね」

 

「そ、そうだね・・・」

 

「見栄張ってただけじゃん!綾斗君に断られて理由、単純に振られてるだけじゃん!なーに見え張ってるのさ!」

 

「し、仕方ないじゃない!世界の歌姫の私が、男の子を勧誘して振られたとか、そんなの私のプライドが許さないじゃない!」

 

「開き直らないでよ、別に怒ってはいないから。僕相手に見栄を張る理由が思いつかないだけだよ」

 

「あらあら、また仲間割れですか?綾斗、準決勝は意外と楽に突破できるかもしれないですね?」

 

 またって部分が気になるが、否定はできない。僕は普通に聞き流したけど、シルヴィの方はそうはいかなかったらしい。 

 

「言ってくれるね『千見の盟主』。楽に勝てると思われてるなら心外だなあ」

 

「あら、そうですか?本戦に入ってからというものの、仲間割れしかしていないと思うのですが?特に界龍の双子との戦いの終わらせ方には笑いを禁じえませんでしたよ。あれは星武祭始まって以来の珍事ですね」

 

 会場からも噴き出す声がちらほらと聞こえる。まぁ相手を倒すために味方と戦闘不能者をまとめて溺死させかければ、そりゃあ笑われるわ。しかもわざとっていう質の悪いことをしてくれた。

 いけない・・・思い出したらまたイライラしてきた・・・あの後三人で協力して折檻しました。

 

「日向君、私が『千見の盟主』をやるから、綾斗君はお願いね」

 

「了解、戦闘中背中には気を付けてね」

 

「うん、君もね」

 

 そうしてそれぞれが各自の装備を出して構える。

 

『それではバトルセレモニア準決勝!試合開始です!』

 

* * * * * * * * * *

 

 シルヴィとクローディアさんが戦闘を始めた。僕と綾斗君も戦闘を始める。

 今回の僕の武装は剣型の煌式武装と、腕に取り付けるタイプの弓の煌式武装。恐らくクロスボウっていうのが一番近いと思う。

 対する綾斗君は『黒炉の魔剣』は使わずに、通常の剣型の煌式武装を使っている。

 

「綾斗君、『黒炉の魔剣』は?」

 

「日向の剣速だと、『黒炉の魔剣』じゃあ対応しきれないからね。今回は小回りが利くこっちを使わせてもらうよ」

 

 よかった。正直防御不可の『黒炉の魔剣』はもう二度と敵に回したくない。僕も純正煌式武装を使えればいいんだろうけど、あいにく僕は魔術師だ。恐らく純正煌式武装との相性は軒並み悪いだろう。

 今回も僕から攻めさせてもらう。と言っても今回は天霧辰明流の技や連鶴は恐らく使わない。囮程度には使うかもしれないが、恐らく綾斗君には通じないと思う。

 剣をだらりと下げたまま、綾斗君と距離を詰める。逆袈裟、これは上段の構えの剣を自分に引き寄せることによりガードされる。体勢が崩されたところを、バク中をしながら切り上げる。しかしこれも防がれてしまった。

 

「今の技は?」

 

「ゲームの動きの模倣!」

 

 腰を落として距離を詰めながら切り上げる。そのまま前中をしながら斬る。これも防がれてしまうが、綾斗君は僕から距離を取った。

 綾斗君が距離を取ったところを、シルヴィの煌式武装から放たれた弾丸が綾斗君を襲う。体勢を立て直していたところを狙われたので、躱しきれずにダメージを食らう。

 シルヴィが銃を放った隙をついて、クローディアさんがシルヴィに向かって。双剣で切りかかっている。僕は腕に取り付けてある弓の煌式武装でクローディアさんを攻撃する。こちらの攻撃を想定していなかったのか、それともシルヴィに攻撃をしていて僕の攻撃に対応できなかったのか、その弓はクローディアさんを襲った。

 先ほどの『背中に気を付けて』、という言葉は『援護に被弾するなよ?』という意味である。決して『同士撃ちには気をつけろよ?』ではない・・・はずだ。




次回決着!

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