「皆さん初めまして、僕はヨルベルト・マリー・ヨハネス・ハインリヒ・フォン・リースフェルト。リーゼルタニア王国の王子をやらせていただいています。以後お見知りおきを」
……はい?え?ちょっと待って、名前長すぎじゃない?ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトの比じゃないんだけど。
僕が後ろで頭に?を浮かべているとユリスさんがヨル何とか王子に噛みついていた。
「兄上!先ほどのあれは一体どういうおつもりですか!?」
「先程のあれというと?」
「凱旋パレードです。私と綾斗は何も聞いていないのですが?」
「だって話したらユリス確実に逃げるじゃないか」
「ぐっ……それはそうですが……」
ダボッとしたズボンをだらしなく履き、王冠を指でくるくると回しながら、女の人に膝枕をされつつ答える。
いろいろと突っ込みどころが多すぎる!まず服装が客人を迎えるような服装じゃないだろ!それに王冠指で回してるとか扱い雑すぎる!それと膝枕羨ましいです!
そんなことを考えているとオーフェリアさんからの視線が痛い。何でや……
「後ろにいる人たちはフローラの捜索を手伝ってくれた人かな?皆さん、フローラの捜索をお手伝いいただきありがとうございます」
億劫そうに起き上がり、それでも胡坐をかきながら軽く頭を下げていけしゃあしゃあと言い放つ。
「それと、花園日向君だっけ?オーフェリアを助けてくれてありがとう。ユリスがずっと心配しててね、それにこの国の国民だった彼女は僕個人としても心配だったんだ。改めてお礼を言わせてくれ」
「は、はあ……」
あれ?見た目ちゃらんぽらんだけど実はいい人とかなの?
「そうだ、この後ユリスの『バトルセレモニア』優勝祝いのパーティーがあるんだ。皆さんも是非出席して下さい」
はあ……パーティーか……
* * * * * * * * * *
「あら、かわいいわね。僕、私と一緒に遊ばない?」
「いやいや、こんな女よりも私といる方が楽しいわよ?」
「是非僕と一緒に踊っていただけませんか!?hshs」
「お、お断りします!」
なんなんだよこれ!?今どきの貴族ってこんなんばっかか!?最初の二人はまだいい、最後の男!誰だか知らないけど僕は君を許さない!
隅っこの方でドリンクを適当にちびちびと飲んでいると次々と貴族の人たちから話しかけられる。貴族の人たちが嫌いなわけじゃない。ただ目がギラギラしてて怖いんだよ……
ちゃんとタキシード来てるから男だって分かるはずなんだけど、男にhshsとか言われると本気で殴りたくなってくる。
会場をぐるっと見回し綾斗君を探す。なんとなくだけど綾斗君もどっかに避難している筈だと思った。
中庭のバルコニーに綾斗君の姿を見つけると、綺凛ちゃんと何か話していた。綺凛ちゃんやけに顔真っ赤じゃない……?
「大分疲れているようね」
「あ、オーフェリアさん。楽しんでる?」
「ええ……あなたは大変そうね。さっきから見ていたけどあの貴族たちは何なのかしらね」
「ホントだよ、目がやけにぎらついていて怖いんだよね……あ、ドレス綺麗だね」
「え、ええ……ありがとう……」
そんな感じでオーフェリアさんと暫く雑談に耽っている。オーフェリアさんと話している間は誰も話しかけてくることは無かったな……オーフェリアさんバリアー様様。
すると突然中庭で大きな爆音が鳴った。目を向けてみると何やら身体みたいなものが見える。
「オーフェリアさん、あれってパーティーの出し物か何か?」
「そんなわけないじゃない。誰かが襲撃でもしてきたのかしら?」
襲撃らしきものが来たというのになんでこんなに落ち着いているのかって?綾斗君たちが何とかしてくれるんじゃないかと思ってるから。
「あなたは行かないの?」
「言ったほうがいいかな?」
「様子だけでも見てきたらどうかしら?多分天霧綾斗やユリスが何とかしてくれているとは思うけど、念のため」
「オーフェリアさんはどうする?」
「私はやめておくわ。私の力は大きすぎて、周りを巻き込んでしまうでしょうから」
「分かった、ちょっと行ってくるね」
お使いに行くかのような軽いノリで中庭の方へと向かう。
先ほどの怪物らしきものの正体は……キマイラ?みたいな生物だ。あれ?キマイラって現実にはいないよね。
放っておくわけにもいかなさそうだったのでバルコニーから空中へ身を躍らせる。
綾斗君がキマイラの懐に入り込み上へと蹴り上げる。
「ちぇすとおおおおおぉーーーー!!」
蹴り上げたタイミングで顔面めがけて踵落としを打ち込む。下にいる綾斗君が巻き込まれそうになっていたが誤差だ誤差。
落下すると中庭はその衝撃で荒れに荒れもはや原形を止めていない。
さらに紗夜ちゃんだと思われる銃の一発が入り、止めと言わん明かりにユリスさんが巨大な火柱をキマイラにぶつける。
キマイラは消滅したが、その代わり王宮の中庭も消滅しました。
……修繕費ってどうなるんだろう?
久しぶり過ぎてこんな感じだったっけ?って思いながら書いてました
なお書くのに掛かった時間は四十分、文字数は2000行ってません