ゼロから始まる俺氏の命   作:送検

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原作が終わり、意気消沈していた所にまさかの短期集中連載。遅ればせながらせっせと構想を練り直し、今回の投稿に至る所存です。
前書きが長すぎるのも、あれなので本編をどうぞ。今回は少し短めですがご了承ください。




それは偶然か、それとも必然なのか
第24話 交渉


 

 

 テスト、というものは時に残酷な想いを人間に与える恐怖の文字だ。

 人間、余っ程肝の据わった人間でない限り自らの成績というものには過敏になる。

 何せ国語、数学、社会、科学、外国語。大まかに分類された5つのテストの成績の善し悪しでこれからの学生生活のみならず、将来すらも左右されるのだから。

 

 と、そんなことを考えながら悠長に構えている俺も実の所は内心穏やかではない。やはり、良い成績を取らなければ補習は必至だし、逆に良い成績を取れれば、元々自身が望んでいたキャンパスライフを送ることも出来る。仮に政宗が復讐を達成し、大学生活したいとか言い出したら俺も付いていきたいし、その時に学力や評定が足りませんでしたーなんて事は御免だからな。

 

 それ故に、今回の実力テストは高得点を取らなければならない───まあ、高校生に必要な学力は既に培っているし、変に緊張する必要は全くもってないのだが。

 

 双葉委員長が実力テストで1つでも赤点があったら強制補習ということをクラスに伝えると同時にクラスは悲鳴のような何かに包まれる。

 その中で、俺の後ろの席に座っている政宗が俺の肩をつついて苦笑いをする。はて、どうしたのやら。

 

 「なあ、実力テストでここまで悲鳴って起こるものなのか......?」

 

 「知らん」

 

 「勉強すれば何とかなるだろ......?」

 

 「まあ、そうだけど。俺達は部活もしてないし補習食らっても大したペナルティはないだろうけど他の奴等は色んな時間制約がかかって大変なんだろ。補習になったらなったでまた面倒だし」

 

 それに、今回の実力テストって範囲広いし。余っ程勉強してない奴は下手したら相当勉強しなければ赤点を回避できない可能性がある。

 赤点のボーダーラインは30点。それ以上の点数に照準を合わせる為にも、全範囲を広く浅く学習しておくのが今回はベターだろうか。

 

 「政宗、一応勉強はしておこう。安達垣の復讐にかまけて、留年なんてことになったら世話ねえからな」

 

 「......まあ、そうだな。なら、ここはいつも通り......やるか?」

 

 政宗は、そう言って俺を好戦的な目付きで見やる。その目付きに対する俺の答えは、勿論『可』だ。

 

 「さて、対俺の対戦成績が未だに0勝の政宗は今回の実テは勝てるのかな?」

 

 「言ってろ・・・・・・お前のその余裕綽々の笑みを今度こそ崩してやるからな」

 

 そう言いつつ、コツンと拳を合わせお互いニヤリと笑みを送ると、不意に周り.....主にクラスの女子達がザワつきだす。一体何が起こったのやら。そう思い、周りを訝しげに見渡すと不意に肩を叩かれる。

 

 「やっほー、幸村君は今回の実テやっぱり余裕?」

 

 「どうだろうな、直前まで何が起こるか分からないし油断はしてない。補習は嫌だしな政宗」

 

 「そこで俺に振るのかよ......まあ、そうだね。だけど本当に余裕のある奴ってのは......」

 

 そう言った政宗が、苦笑いで横を見やるとそこには美味しそうなスイーツを美味しそうに食べている朱里くんが。流石、甘い物好きな男の娘......否、男の子。彼ならデザートは別腹だと平然と言ってのけてしまいそうだ。

 

 「うん!美味しい!!」

 

 そして、この笑みである。守りたいこの笑顔......なんてことは言わないが、そう思ってしまう程の笑みを見せる朱里君は、まるでテストのことなんて眼中に無いといった様子でプチケーキを貪る。

 

 「......小十郎は、余裕そうだな」

 

 他の皆が阿鼻叫喚の渦に巻き込まれている中、この余裕っぷりは只者ではない。案の定、双葉委員長が驚いた様子で小十郎を見ているし、政宗も意外そうな様子で目の前の小十郎を見ている。

 そんな中で、政宗がそう言うと小十郎は首を傾げて政宗を見る。

 

 「何が?」

 

 「聞いただろ、次の実テ」

 

 「うん、頑張らなきゃね」

 

 「ほら、聞いたろ幸村、委員長。本当に余裕ある奴ってのはテストの事なんて深刻に考えちゃいないんだよ」

 

 「ああ、聞いてたよ。まあ、最悪30点。それ以下を取らなけりゃあセーフなんだ。今の小十郎みたいに.....とは言わんが深刻に考える必要はないんじゃないのか?」

 

 何度も言うようだが、今回のテスト範囲は実力テスト。故に、今まで習ってきたものが広く浅く出てくる。これが中間テストや期末テストとなると限られた範囲を深く深く、時に先生の授業内容も思い出しつつ勉強しなければならないのだが、今回の実テは極端に言ってしまえば中学校時代、高校一年生時代に習うような簡単な読み書きの問題等も出てくる。

 余っ程勉強をしていない奴は、赤点の危険性があるものの普段から真面目に授業を受けていれば、赤点を取る可能性は限りなく低いのだ。

 

 「......ほえー、流石成績優秀者。他の子達とは心の有り様が違いすぎて最早貫禄すら感じるよ」

 

 「貫禄だとよ政宗。お前がそこまで成長していたのに驚きと涙を禁じ得ないよ。自分涙いいすか?」

 

 「よーし幸村。お前の中で一体俺がどんな立ち位置の人間になっているのか説明願おうじゃあないか」

 

 政宗がニッコリとした笑顔で俺を見遣る。やだなあ政宗。そんな笑顔で見られても俺はキミの期待には答えられないぞ?

 と、そんな風に俺達が談笑していると不意に朱里君の机に置いてあった教科書から紙が滑り落ちる。このまま見て見ぬふりをするのも癪だ。座っていた俺は立ち上がり自分の机の前に落ちた紙を拾う。

 

 「おーい朱里君紙を落とし───」

 

 その瞬間、俺の中の時が止まった。

 

 有り体に言ってしまえば、別人格の俺が湧き出てくるような感覚───そう、それは政宗の服装を指摘した時のような、怒りにも近い感情だった。

 

 「あ、幸村くんありがと───幸村くん?」

 

 朱里君の声を聞いた時、俺の感情は爆発し紙を見たまま叫び声にも近いそれを上げる。

 

 

 「朱里ィィィィィ!!!!!!」

 

 「ゆ、幸村くん!?」

 

 朱里君が心配そうに俺を見遣るも、それをスルーして朱里君の肩をぽんと叩き、一言───

 

 「テストが終わったら美味しいスイーツを食いに行くぞ!!」

 

 「え、本当に!?じゃあ最近できたクレープ屋さんに───」

 

 ああ、行こう。けれど、その前にやらなきゃいけない事がある筈だ!!このままじゃあキミは貴重なスイーツタイムが補習で潰れることのみならず、将来大人になってもスイーツを自由に食べれなくなってしまう!!

 運が良いことに復讐タイムは暫しの休息。これを機に、俺はこの高校に来てから何かと良心的に接してくれる目の前の男の娘......否、男の子の学力を何とかしなければならない。善意の押しつけとか、そんなの知らない。ていうか言ってられるレベルじゃない程に朱里君の学力がヤバいことになっている。

 

 「テスト、全教科50点以上で......行きたいところのスイーツ奢ってやる。だから、実力テストの対策をやるぞ!!」

 

 「へ......テスト、たいさく?」

 

 その時の朱里君の顔は、まるでテスト勉強という言葉を知らないような顔で、俺は思わず顔が引き攣るような感覚を得てしまった。

 

 それと、三角関係とか受け度とか抜かしているそこのヤベー奴(双葉)。お前はテスト勉強より何より擬態することから始めやがれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※

 

 

 

 

 

 

 

 

 「勉強は、苦手なんだ」

 

 放課後の図書室への道すがら、朱里君が呟いた一言に俺と政宗は顔を合わせて苦笑い。

 まさか朱里君が勉強出来ないなんて思いもしなかった。これでも朱里君は真面目に授業は受けているし、欠席も少ない。俺のイメージでは、成績普通のスイーツ大好き美少年だったのだがそのイメージはたった1枚の紙っぺらによって崩れ去った。

 

 朱里小十郎 国語 5点

 

 この紙を見て、やはりイメージなんてのは当てにならないんだな......なんて事を頭の片隅で思いつつ、俺は朱里君の勉強の手伝いをしようと決意し、今回のテストで赤点になってしまうことが如何に大半な事かを懇切丁寧に説明した。曰くこのテストに失敗してしまったら補習に時間を取られ、スイーツタイムが泡と化してしまう事だったり、曰くこのまま頭が悪かったら卒業出来なくなる......等半ば脅しのような事も言ってしまった。それ故に、朱里君を少し怖がらせてしまったが脅しとスイーツのご褒美......飴と鞭作戦で結果的に勉強をする気力を付けてくれたみたいなので良しとする。

 

 「とはいえ、1教科だけなら兎も角5教科纏めてとなると......かなりの時間が必要になるぞ?幸村は大丈夫なのか?」

 

 政宗の心配そうな声色に俺はチッチッチッと我ながら気取っているなという感じに指を振る。

 

 「政宗、俺は不可能を可能にする男だ。上田幸村をそう簡単に舐めて貰っちゃあ困るぜ」

 

 「それなら中学校時代に『絶対無理』って頑なに拒否してたサッカーアレルギーを何とか克服しろよ」

 

 「前言撤回する。無理なものは無理だ」

 

 「幸村くんッ!?」

 

 俺の華麗で熱い手のひら返しに反応した朱里君が涙目でこちらを見る。なんだろう、何故か庇護欲を唆られるのだが、この感情に甘えてしまうと双葉委員長の思う壷になってしまいそうなので我慢して、ポーカーフェイスを貫く。

 

 「大丈夫だ。俺と政宗が勉強を教える以上、朱里君に赤点は取らせん。第一、サッカーとテストは違うからなっ」

 

 「......まあ、乗りかかった船だ。手伝うよ朱里君。その代わり、これが終わったら俺にもそのスイーツ紹介してくれよな」

 

 「幸村くん、政宗くん......うん!!僕頑張るよっ!」

 

 朱里君にとって、肯定されることにはやはり大きな意味があったのか俺達が『朱里君は出来る』と断言した途端、先程の涙目とは打って変わった様子で元気よく図書館へ向かって走っていく。廊下は走っちゃダメとか先生は言うけど、まあ......それはご愛嬌って奴だよな。

 

 「なあ、お前さんってスイーツ系食わないんだろ?何で紹介してもらおうと踏み切ったわけ?」

 

 「いや、小十郎のスイーツの眼力は本物だからな。これを機にスイーツに詳しくなって、安達垣に美味い店とか紹介したり、プレゼントなんて出来たら良いな......なんて漠然とした予定をな」

 

 「ははー......前から思ってたけどお前さんって奴は本当に強かというか、なんというか......」

 

 何時、何処でも復讐等の1つのことに真摯に向き合えるのは前にも言ったように政宗最大の持ち味であり、強さである。それが小岩井との1件のように弱点になるケースも存在するが、これも何度も言ったようにそれをカバーするのが俺の役目だ。

 弱点は俺がカバーする。故に、政宗には復讐の完了か、何かしらの方法でそれらの感情が発散されるその時までその持ち味を見失わないで欲しいと切に思う。

 

 「ま、復讐も良いけど、絹江さんや妹ちゃんにも優しくしてやれよ?絹江さんは相変わらず絹江さんだし妹ちゃんも甘え盛りなんだから、アッキーばかり目がいってると嫉妬されちゃいますぜ?」

 

 「あのね......アイツはもう14歳ですよ?それなのに甘え盛りってそりゃあ無理がありませんかね幸村さん」

 

 ふむ、そうなのか?俺が旅行に行ったお土産でプリンとかプレゼントしたら大喜びされて、政宗の事を根掘り葉掘り聞かれた影響で、あの子にはどうも『甘いものに目のない兄大好きな女の子』という印象が強まってしまっているんだよな。まあ、先程の朱里君の1件でイメージなんてのは当てにならないってことを学んだから、俺の妹ちゃんのイメージなんてのも大して当てにはならないんだけど。

 

 「まあ......肝には銘じとけよ?特にお前は1度この家出てって家族に心配かけたんだから、さ」

 

 俺にとっては何ら関係ない家庭環境でも、政宗にとっては大切な血縁関係にある家族だ。念の為にお節介と釘を刺して置くと、政宗が柔らかい笑みで俺を見た。

 

 「分かってる。ただ、それを言うなら幸村だって同じだろ?」

 

 そう言われて、俺は若干苦笑い。そうだ、俺も人の事を言えた義理ではないな。定期的に電話をしているものの、此方は学費を払ってもらっている身。東京土産のひとつでも買って、夏休みには帰省───というのが世間的にもベターなものだろう。

 

 「ああ、そうだな。俺も......夏休みには帰らねば」

 

 「話は脱線するけど今度、家に招待するよ。幸村は......ほら、親友だしな。1度やってみたかったんだよ、友達を家に招き入れるの」

 

 「......なら、俺も夏休みに実家に招待するよ。多分母さんと父さんが首を長くして待ってるだろうからな」

 

 「ははっ、あの人達は本当に優しい人達だったもんな。特に幸村の親父さんなら本当に首を長くしてそうだ」

 

 無駄話もそこそこに、図書館に入る。朱里君は何処だろうと首を振って探していると、朱里君が奥の席の方で手を振って待っている。『こっちだよー!』と口パクしながら手を振っている様子は、まるで小動物のようで、少しだけ嬉しい気分になる。

 

 そして、朱里君の前に映った2つの影に俺と政宗は朱里君向けに用意したニコニコスマイルを硬直させる。

 映ったのは、綺麗な黒髪に茶髪の付き人。

 

 「......これなんてラブコメ?」

 

 「現実を見ろ幸村。これは紛れもないノンフィクション(現実)だ。間違ってもフィクション(虚構)なんかじゃない」

 

 硬直させた顔をお互い見合って冷静に会話している俺達。そして、それを不思議そうに見る朱里君。そんな俺達の様子に、何かを感じ取ったのか政宗の復讐対象『安達垣愛姫』とその安達垣の従者兼俺達の協力者である腹黒メイド『小岩井吉乃』が俺達の方向を振り向いた。

 

 安達垣の顔は、驚きと同時にまるでヤバい奴らを見るような気まずそうな顔で俺達を見た。その表情に、政宗は乾いた笑いをしつつも、安達垣の方へ歩き出す。

 

 「やあ、安達垣さん。キミも勉強?」

 

 当たり障りのない言葉。特に不味い事を発することもない無難な一声をかけると、安達垣は自身の綺麗な黒髪を左手で靡かせ、ため息。

 

 「私じゃないわよ。吉乃の勉強を見ているの噂の通りじゃ補習必至だから」

 

 え、師匠実は頭が悪かったとかそういうオチだったの?普段はあんなに狡猾でデートの1件ではナイスアイディアをバンバン出して政宗を間接的に助けた師匠が......か。

 

 「誰しも苦手なものはある......あながち間違ってないのかもな」

 

 「何浸ってんのよ気色悪い......アンタもいたのね上田」

 

 気色悪いとは失礼な。まあ、何時も罵倒されているので今更この程度の事で傷ついたりはしないけどさ。

 

 「やほーアッキー。勉強捗ってる?噂じゃ補習必至だとか。前々からちゃんと勉強しなさいって言ったでしょ」

 

 「私じゃないって何度言えば分かるの!?アンタさっき私が真壁と話した事カンペキに忘れてんでしょ!」

 

 「図書館ではお静かに、な。皆の目線とか、色々不味いから」

 

 「ムカつく......マジでコイツムカつく......!!」

 

 そう言いながら、再び腰を下ろす安達垣。それを見た政宗は犬猿の仲とも相性抜群とも形容できる相変わらずの俺達の会話に苦笑いしつつも朱里君の元へと歩み寄る。

 

 「いやあ、それにしても意外だったな。安達垣さんが人に教えるなんて」

 

 「私こそ意外よ。上田は兎も角貴方にまで人に教える余裕があるなんてね」

 

 「.....まあ、そこそこ勉強はしているし」

 

 「そんな自信過剰の人が1番危ないって言うわよね」

 

 その瞬間、政宗の笑みが引き攣る。ああ、これは怒ったな?着席し、安達垣と政宗の会話でもゆったり聞こうとすると、政宗が立ち上がりニヤリと安達垣に笑みを送る。

 

 「じゃあ、賭けようか」

 

 「賭け?」

 

 「今回の実テ。俺と小十郎、安達垣さんと小岩井さんの合計点で勝負......勝ったらまた俺と、デートして」

 

 その突飛な一言に、俺は目を見開く感覚を得た。まさかここで勝負を仕掛けていくとは。流石復讐を敢行する男。スイッチを切り替えるのがとても上手だ。

 しかし、今回の作戦は少しだけ安直かもしれない。仮に、この図書館にいるのが政宗、朱里君、アッキー、師匠の4人ならすんなりと行けていたのかもしれないが、今のこの場所には俺が居る。

 安達垣が俺を睨み付ける。それに対し、軽く肩を竦めるとため息を吐いて政宗を再度見上げる。

 

 「アンフェア、ね」

 

 「......へ?」

 

 まあ、そうだろう。心の中で納得した俺は、続くであろう安達垣の言葉に耳を傾けた。

 

 「貴方達のチーム、形式的には朱里小十郎とアンタの2人だけだけど、上田が朱里小十郎に指導することを考えたら、かなりこっちが不利になるわ。真壁、親友ならあの男がどれだけの頭脳と狡猾さを持っているか分からない訳では無いでしょう?」

 

 そこまで狡猾じゃないし、ルール違反する程人間落ちぶれちゃいないと思うんだが、安達垣が疑うのは仕方ない。今、この場で幾ら俺が『やらない』と言おうが四六時中監視している訳でもない安達垣からしたら信頼出来るわけないに決まっている。それは、仮に俺とアッキーが信頼出来る友人という間柄でも、だ。

 とはいえ、このまま転ぶような展開では無いという事は俺も政宗も承知の上だ。安達垣は見た目の通りプライドは高い。故に、売られた喧嘩は買うしそもそもこのまま拒否されるのなら、そういった類の話すらせぬままに安達垣は図書館を後にするであろう。

 

 「けど、政宗に勝負をふっかけられた以上......逃げる訳じゃないだろアッキー」

 

 「......分かっているじゃない」

 

 案の定、そうだった。俺は口角が上がる感覚を抑えきれずに安達垣に笑いかける。それを見た安達垣は不快そうな顔付きを向けて、俺を見ながら真壁に話しかける。

 

 「真壁、貴方に代替案を提示するわ」

 

 「代替案?」

 

 「テストの合計点数で勝負を決めるのは、まあいいわ。問題は上田が居ること......それは分かっているわね?」

 

 「......当然」

 

 「けど、上田に指導を禁止させたところで何かしらの方法で朱里小十郎や、貴方に勉強を教える可能性がある。そこで、1つ提案よ」

 

 腕組をした状態で右の人差し指を立てた安達垣は、そこでニヤリと俺に笑みを送り、真壁に一言────

 

 

 

 

 

 

 

 

 「上田を私達にも貸しなさい」

 

 

 それは、普段何かとアッキーを精神的に弄っているせいなのか。

 

 もしくは、普段の行いが悪かったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 八坂高校の残虐姫は普段見せないようなニッコリとした笑顔で俺にとんでもない条件を提示してきたのだ。

 

 

 

 




次話更新はもうちょっと早めかもしれませんが何分文才がありません。気長に待っていただければ幸いです。

追記

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