「はぁ、暇だな…」
現在俺はアルバイトの真っ最中です。
大学進学を機になるべく自立しようと考えて、大学と家の中間にある個人経営のレストランでアルバイトを始めた。
今の時刻は18時なんだけど、店内には1人も客がいない。
平日だから仕方ないというのはあるけど。
俺はシフトに入ってからかれこれ1時間近く床を掃除してるので飽きてきた。
ちなみに従業員は店長と奥さんで基本営業させていて、俺含めアルバイトが2人いる。
「店長ー、お客さん全く来ませんけど大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。こういう時は焦らず待つことが重要なんだよ」
店長は椅子に座りコーヒ片手に雑誌を読みながら応えた。
この人、いつもこんな感じだけど大丈夫かな?
カラン、カラン。
お、待望のお客様が来られた!
「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」
「2人なんですけど…」
「2名様ですね、おタバコは?」
「結構です」
「かしこまりました。では、お好きなお座りください」
来店されたのは、女性二人組だった。
1人は赤みがかったロングヘアーの大人っぽい女性。
もう1人はみかんみたいなオレンジ色の髪の明るそうな女性。
どちらもなかなか美人だな。
俺はその2人組にお冷やを持っていく。
「こちらお水でございます。ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」
それからメニューが決まるまでの間、俺は店内をボーと見ながら待っていた。
「すみません」
注文が決まったらしいので、オーダーを取りに向かう。
「ご注文でよろしいでしょうか?」
「はい。三種のキノコのカルボナーラを一つでパンのセットで」
「私は、オムライスセットのトッピングはハンバーグで!」
「かしこまりました。ただ今100円でドリンクおつけできますがいかがでしょう?」
「あ、じゃあアイスコーヒーください。千歌ちゃんは?」
「オレンジジュースください!」
「かしこまりました。では、しばらくお待ちください」
俺は今受け取った注文をメモ用紙に書いて、それをキッチンに伝える。
「2番様、カルボナーラとオムライスハンバーグトッピングです」
「了解」
キッチンから店長の返事が聞こえて来る。
俺は、ドリンクの準備をする。
「このお店、静かでいいね」
「でしょ?この前お母さんがこのお店雰囲気が良くてお料理も美味しいって聞いて行ってみたかったの」
「千歌、普段こういうおしゃれなお店行かないからなんか新鮮」
「私達学生だから行くとしてもファミレスとかが多いからね」
「まぁね。あーあ、曜ちゃんも一緒に来れたら良かったのに」
「先に用事があったなら仕方ないわよ。それに今度は曜ちゃんと一緒に来ればいいのよ」
「それもそっか!」
盗み聞きしてたわけじゃないんだけど、さっきからあの2人の会話に曜って名前が聞こえて来るんだけど、気のせいか?
「そういえば、さっき曜ちゃんからラインで【あの人とお出掛けする約束しちゃった!】って来たんだけど」
「ほんと?曜ちゃん奥手かと思ってたけど大きく出たわね」
間違いない、さっきから聞こえてくる曜って名前は渡辺さんのことだ。
昼休みに出掛け約束したことまで知ってるようだし。
俺は、興味本位でドリンクを持っていくついでに2人に話してみることにした。
「お先にお飲み物お持ちいたしました。こちらがアイスコーヒーで、こちらがオレンジジュースです」
「ありがとうございます」
「お2人は渡辺さんのお友達ですか?」
「「え?」」
2人ともなんだいきなりって字が見えるくらいの表情をしていた。
「えっと、あなたは?」
「僕は渡辺さんと同じ学部で同じ講義を受けてるものです」
「そ、そうなんですか」
そして、赤髪の女性は俺の顔をじーと見だした。
見終わったかと思うとひそひそ話をし始めた。
「千歌ちゃん、もしかしたらこの人曜ちゃんがいつも言ってる人かも」
「え、ほんと!」
「しー!静かに!」
「あ、ごめん…」
いきなり、オレンジ色の髪の子が大声を出したかと思ったら赤髪の子に注意されて静かになる。
次は2人で俺の顔をじーと見て、またひそひそ話を始めた。
「前に曜ちゃんが言ってた、茶髪にピアスだし」
「でも、それだけで決めるのも難しくない?」
「曜ちゃんと同じ学部って言ってたし、何よりあったから声かけてきたから確実にあの人よ!」
「そ、そうかな?」
聞こえてきた会話によると、どうやら俺が本当に渡辺さんの知り合いか確かめてる感じらしい。
いきなり声掛けられたら誰だって疑問に思うよな。
今回は俺の早とちりだし、申し訳ないな。
「いきなり変なことを聞いてしまい申し訳ありません」
俺は2人のテーブルにドリンクを置く。
「あ、全然大丈夫ですよ!それよりもあなたのお名前は?」
「僕は東出と申します」
「やっぱりだ…」
「は、何か?」
「いえ、なんでもないです」
「東出君って、曜ちゃんと同じ学部なんですか?」
「あ、はい」
「じゃあ曜ちゃんが言ってた人だね!ね、梨子ちゃん?」
「そうね」
渡辺さんが普段この2人に俺がどんな人として話されてるかが凄い気になるが、そんなことを聞く勇気は俺にはないのでやめておく。
「曜ちゃんがよくあなたの話しをするからどんな人なのか見てみたかったんだ!まさかこんなところで話せるなんて思ってなかったよ!」
「そ、そうなんですか」
「ここで、アルバイトされて長いんですか?」
「いえ、大学進学と同時に始めたんでまだ1ヶ月くらいしか」
「接客とかすごい丁寧だから長いと思いました」
「それは、ありがとうございます」
「オーダー上がるよー」
「はい」
渡辺さんの友達と話しているとキッチンから呼ばれたので、一旦話をやめてキッチンに向かう。
「あの2人はお友達かい?」
「友達まではいかないんですけど、知り合いの友達ですね」
「そうかい。東出君が笑って話すところを初めて見た気がするよ」
「俺いつもそんなに無愛想ですか?」
「さぁね。はい、カルボナーラとオムライスハンバーグお待ちどう」
俺の質問に店長はちゃんと答えたくれなかったけど、料理が冷めるとまずいので運ぶことにした。
「お待たせいたしました。こちら三種のキノコのカルボナーラと、オムライスのハンバーグトッピングでございます」
「わぁ、美味しそう!」
「そうね」
「そう言っていただけると嬉しいです。他にご注文はございませんか?」
「大丈夫です」
「かしこまりました。それではごゆっくりどうぞ」
「あのお嬢さん達美人だね」
「そうですね」
「だけど、君の気にしてる子は来てないようだね」
「気にしてる子ですか?」
「その様子だとまだ分からないかな」
「どういうことですか?」
「いずれ分かるさ。さて、私は仕込みでもしますかな」
そう言って店長はキッチンの奥に行った。
店長の方から話しかけて来るときは大抵よく分からない話をされる。
好きな色は?と聞かれたから赤と答えたら、そうかいとだけ言ってそれ以上何も話さなかったりとよく分からない人だ。
それから俺は、特にすることもなかったので店内のテーブルを拭いたり、洗い物をしたりしていた。
そして、渡辺さんの友達が食べ終わり、レジの方に行くのが見えたのでレジに向かい、会計をする。
「こちら、200円のお返しでございます」
「ありがとうございます。本当に美味しかったです」
「次はカレーライス食べきますね!」
「ありがとうございました」
俺は入り口まで見送りをして、テーブルの食器を片付けようとすると、一枚のメモ用紙が置いてあった。
見てみるとそこには【これ渡辺曜のラインの番号です。良かったら連絡してあげてください】とメッセージが書かれていて、下にラインの番号が書いてあった。
このメモはどうしたらいいかわからないけど、捨てるわけにもいかないので今はズボンのポッケに入れておくことにする。
その日の夜
俺はアルバイトが終わってから自宅に帰って来た。
とりあえず風呂に入ろうと、部屋で服を脱いでるとズボンのポケットからメモ用紙が落ちて、それを見て思い出した。
「そういえば、渡辺さんのラインの番号教えてもらったんだった」
部屋の時計を見ると23時前だった。
「あんまり、遅くに送るのもなんだし今のうちにメッセージ送っておくか」
【こんばんわ、同じ学部の東出朝陽です。
渡辺さんの友達から渡辺さんのラインの番号を教えてもらったので、連絡しました。
改めてよろしくお願いします】
親と数人の友達くらいしかメッセージ送ったことないけど、こんな感じでいいかな?
俺は渡辺さんにメッセージを送ってから、風呂に向かった
こんにちわ、よっとんです!
今回も読んでいただきありがとうございます!
今回はですね、梨子ちゃんと千歌ちゃんが登場しましたね。
この作品での彼女達はどういう設定なのかは本編で書いて行きますのでお楽しみに!
そして、着々とお気に入りの数や閲覧の数が増えてて本当に嬉しいです!
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