MY HERO 〜私のヒーロー〜   作:いひょじん

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目が覚めると

目を覚ますと、自分の部屋にいた。

確か俺はさっきまで渡辺さんと出かけてたはず。

で、渡辺さんがトイレに行くから俺はその間にゴミを捨てに行った。

その途中で柄の悪い奴らが高校生をカツアゲしてるのを見かけた。

ここまでは覚えてるんだが、それからの記憶は一切ない。

「また、あいつかよ…」

俺にはたまにこういう現象が起こることがある。

その現象には昔から悩まされている。

「てか、今何時だ⁉︎」

急いで時計を見ると、朝の4時を過ぎていた。

「うわ、やらかした…」

昨日は帰ってから提出期限が迫ってるレポートを終わらせるつもりだった。

けど、あいつのせいで予定が狂った。

落ち込みを隠せず、ため息を吐く。

そして、俺はレッスンよりも大事なことを忘れていた。

「てか、渡辺さんに何の連絡も入れずに帰ってきたってことだよな」

そのことを考えると、さっきとは違う焦りが体をよぎり、すぐに床に落ちてたケータイを確認した。

すると、画面にはレッスン場ならの電話が一件と、渡辺さんからの電話4件とLANEにメッセージが10件来ていた。

すぐに内容を確認する。

『なにかあった?』

『大丈夫?』

『何か急用でもあったのかな?』

『心配だから返信もらえると嬉しいです』

というようなメッセージが来ていた。

一応ボイスメモも確認したら、渡辺さんは俺に急用が出来たけどスマホの充電が切れて連絡出来なかったと思ってるらしい。

「ほんとお前いい加減にしろよ…」

怒りが込み上げてくるが、その怒りは何処にもぶつけることもできない。

だって、こんなことをしたのは自分が原因なのだから。

そう、自分が原因なんだ…

とにかく、明日大学に着いたら渡辺さんに謝ろう。

それから俺はもう一眠りしようとしたけど怒りで興奮して眠れなかったから、風呂に入った。

それでも眠気が来ないので、あまり乗り気ではないけど数ヶ月ぶりにランニングをすることにした。

ランニングを1時間ほどして帰ってくると6時になっていた。

今日の講義は確か1限からだからこのまま起きて、大学に行く方がいいと思う。

ということで、もう一度シャワーを浴び、普段は食べない朝飯を食べながらテレビを見ていた。

「それではラブライブ優勝グループの〜」

すると、聞き覚えのあるワードが聞こえて来た。

ちょっと興味が出たのでそのまま見ていると、結構凄かった。

スクールアイドルって部活みたいなもんって聞いたことあるけど、歌とかダンスが思ったより本格的というより、プロも顔負けレベルじゃないか。

そりゃ、女の子の間で人気が出るもんだ。

そういえば渡辺さんもスクールアイドルやってて優勝までしてたな。

こんなレベルの高い大会で優勝するなんてよっぽどすごいグループだったんだろうな。

そうやってテレビを観ながらダラダラしてたら7時半になっていた。

「あ、渡辺さんにライン返信するの忘れてた!」

渡辺さんはいつも講義が始まる20分くらい前には教室に来るから、その時に直接謝ろう。

それから俺はすぐに準備をしていつもより早く家を出た。

 

一限目の講義室に着くと、教室内には7人しかいなかった

まぁ、授業始まるまでまだ30分もあるし当たり前か。

渡辺さんはまだ来てないから飲み物でも買いに行くか。

そして、俺は自動販売機で水を買って帰ろうとした。

すると右のほうから誰かが走って来た。

「東出くーん!」

走って来たのは渡辺さんだった。

「おはよう渡辺さん。昨日はご『なんで連絡くれなかったの‼︎』

俺は渡辺さんに謝ろうとしたら、先に渡辺さんの大きな声に遮られた。

「いや、直接謝ろうと思って…」

朝に渡辺さんからのラインメッセージ見てからランニングしたりしてたら返信するの忘れてたなんて言えない…

「もぉー本当に心配したんだから!いくら待っても来ないから何かあったのかって思ってたから」

「本当にごめんなさい」

「何もなかったから良かったけど、急用でも出来たの?」

「え、いや…」

どうしよう、何も言い訳考えてなかった。

あんな状況になった本当の理由を渡辺さんに話すわけにはいかない。

「いきなりマエっさんからやばい奴に追われてるから助けてって電話がかかって来たから急いでマエっさんのところに向かったんだよ」

渡辺さんに嘘をついてしまってすごく申し訳ない気持ちになるが、これは仕方ない。

「え、大丈夫だったの⁉︎」

「実はあいつ、ぼったくりの居酒屋で金使いすぎて電車賃がないから嘘ついて俺に電車賃借りたいだけだって話だったんだよ」

「なんだー。それなら良かった」

「ほんとマエっさんって騒がしいやつだよ」

「え、なになに?俺がなんだーい!」

おい、嘘だろ

なんでこんなタイミングで入ってくんだよ。

お前いつも時間ギリギリか遅刻して来るだろ…

「あ、前田くんおはよう」

「おはよう渡辺さん。で、なんの話ししてたの?」

「前田くん、お金の管理はちゃんとしたほうがいいよ?」

「お金?」

マエっさんがまだ事を理解してないうちに話を切らないと嘘がバレる。

それは絶対避けたいので、俺はマエっさんを外に連れ出すことにした。

「そうだー俺マエっさんに大事な話があったんだー」

「え、今度はなんだよ?」

(いいから今は付いて来てくれ、頼むから)

俺は小声でマエっさんに伝え、彼の目をじっと見続けた。

「わ、わかったよ…」

俺は渡辺さんにバレずにマエっさんを連れ出し、話を止めることができた。

 

朝のちょっとした騒ぎは無事終わり、講義も全て終わったので大学から駅まで歩いてるところだ。

イヤホンをして音楽を聴きながら歩いていると、前の方で何か揉めている様子が見えた。

派手な格好をした輩3人が男性を囲んでいる。

どうやら、肩がぶつかって謝りもしないのに腹を立てた様子。

最近うちの大学付近で流行ってる、学生を狙ったカツアゲだろうな。

そのうち謝らないなら金払えとか言い出すぞあいつら。

けど、俺は見て見ぬ振りをする。

大学の近くでカツアゲなんてすれば周りの人が警察なんかに通報してくれるはずだ。

俺は関係ない。

助けてあげたくても関わってはいけない。

あいつがあるから…

 

ドンッ…

「うぅ‼︎」

そのことを考えた途端俺は頭痛に襲われる。

「やめろ…今は出ててくるな…」

だが、頭痛はさらに酷くなる。

「こ、こんな人前で…出てくんじゃ…ねーよ!」

俺は両手で割れそうな痛みが襲う頭を抑えるがそんなの何の意味もない。

「た、た…のむ…や…」

 

 

「ねぇ、あんた達さ悪い人?」

「あ、なんだお前」

男子学生を囲んでた男達に声をかけたのはつい先ほどまで頭痛に苦しんでいた東出朝陽だった。

「悪い人なの?」

「今取り込んでんだから怪我したくなかったらどっかいけ」

「悪い人じゃないの?」

「うるせーな!」

朝陽の質問に痺れを切らした男が朝陽に向かって右拳を繰り出した。

朝陽はその拳を左手で受け止める。

「わかった。悪い人だね!」

左手で受け止めた右拳を押し返すと、男はふらついた。

そして体制を立て直した直後、男の顔に膝蹴りが飛んで来た。

男は鼻血を出しながら地面に倒れて気絶した。

「次は誰が相手なの?」

「い、いきなり何すんだ!」

「だってあんた達悪い人でしょ?だからやっつけないと」

「何わけわかんないこと言ってんだよ」

「お前こんなことしてタダで済むと思ってんのか?」

「よく分からないけど、次は誰が相手なの?」

「舐めた口聞いてんじゃねぇよ」

もう一人の男が朝陽に向かって走って来る。

それに対抗するように朝陽も男に向かって走る。

だが、朝陽は男とぶつかる直前に足を止めた。

それをチャンスと見た男はそのままタックルしようと腕を伸ばす。

朝陽はタックルを決めようとする男の服の襟と羽織ってるジャケットの裾を素早く掴んだ。

次の瞬間、男はタックルをしようとしたスピードも加わって、勢いよく地面に叩きつけられた。

背負い投げをされたのだ。

この男も地面に大の字で寝転びながら気絶した。

「よし、じゃああんたが最後だね」

朝陽は笑顔でもう一人の男に近づいていく。

その笑顔はとても楽しそうだった。

まるで無邪気な子供が楽しく遊んでいるかのように。

「ま、待て!俺たちはまだ何もしてない!」

男は怯えてながら朝陽に訴えかける。

「でも、そこのお兄さんのこといじめてたよね?」

「まだ何もしてないぞ!それにもうなにもしない!」

「嘘だ!」

「本当だよ!」

「ふーん…」

朝陽は男の言葉を聞いて何か思ったのかそこで足を止めた。

その隙をついて男はその場から走って逃げようとした。

だが、朝陽はそれを見逃さず後ろから飛び蹴りを入れた。

走って逃げようとした男は蹴られた勢いで前に倒れ滑り込む。

「ダメ、あんたやっぱり許さない」

さっきのように笑顔はなく、なんの感情もない表情だ。

「ゆ、許してくれぇ!」

そう叫ぶ男に向かって、朝陽は顔をめがけ拳を打ち込んだ。

そして周りに何かが砕ける音が広がり、その男と気絶した。

朝陽が辺りを見回すと、彼を囲むように3人の男が倒れていた。

「よし、おしまい!」

そのことを確認すると、朝陽はニコニコしながらその場を去った。




皆さん、こんにちわ!
いひょじんでございます!
こちらの作品は約3ヶ月ぶりの投稿になりますね。
仕事の都合で作品にかける時間が減り投稿頻度が下がってしまい申し訳ないです。
さて、今回は今までのお話とは違う雰囲気の話になりましたね。
一体朝陽君の身に何が起こっているのか?
そして、このことが後々どのように影響するのか?
そこを是非お楽しみにお待ちください。
今回は短いですが、ここまで!
次話をお楽しみに!

ご感想や評価の方お待ちしています。
お気軽に投稿ください。
いひょじん Twitterアカウント ihyojin_5959
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