ロクでもない魔術に光あれ   作:やのくちひろし

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暑い夏の所為で何もかもが憂鬱になるこの時期……。おかげで投稿するのも伸びてしまった(言い訳すみません)。
けれど、時折来る乾燥には励まされます。ウルトラマンに限らずあらゆるイベントがコロナ渦によって尽く潰れてしまう今年ですが、早くコロナが収束してまたフェスやら何やらが復活してくれることを祈ってます。


炎の三日間
第40話


 

 

 気が付けば、そこはだだっ広い宇宙の中だった……。

 

 周囲には岩──否、星の欠片とも言える隕石群が川のように連なった場所。更に向こうには巨大な球体、惑星がいくつか点在している。かくしゃくとした紅い惑星もあれば凍てつくような蒼白い惑星と多種に渡って様々な輝きを放っている。

 

 その更に向こう側から、一際眩い蒼白と赤黒い閃光がぶつかり合っていた。

 

 視点が一瞬にして切り替わると閃光の間近へと移る。

 

 気づけば目の前には輪郭がボヤける程眩しい光を纏った巨体と深淵の闇とも表現し得る程の、同じく輪郭のハッキリしない黒い巨体が衝撃の波を広げながら取っ組み合いをしていた。

 

 正に光と闇のぶつかり合いと言えるような光景だった。

 

 二つの巨体が一旦距離を取ったと思うと、双方共に銀と黒の稲妻を帯びた光線を撃ち合い、それがぶつかり合った箇所を中心に銀と黒のマーブル状のエネルギーの渦が広がり、内包されたエネルギーが溢れて四方八方へと漏れ出し、そのひとつが俺の身体を飲み込んだ。

 

 身体が飲み込まれると同時に見えなくなった視界の向こうで赤と青の発光体が俺のもとへと迫ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ブハッ!?」

 

 いつの間にか額についた大量の汗を飛び散らせながら上半身を起こした。

 

 まだ額に残ってる汗を拭いながらベッドから降りると、自分の身体が汗まみれになっていたのがわかった。寝汗にしても尋常じゃない量だった。

 

「はぁっ……今のって……?」

 

 そんな事も気にならない程に俺は別の方向に気を取られていた。さっきの夢だ……。

 

 今までも……タウムの天文神殿からは時折宇宙で何かが激突していたような光景を夢に見る事はあった。だが、あそこまで近くで……そして朧げだったが二つの存在を視認出来るほどまでになったのは今回が初めてだ。

 

「あれって、まるで……」

 

 俺がある事を思い浮かべるのを遮るように家の戸を叩く音が響いてきた。

 

 夢見が悪くて起きたから意識から外していたが、ふと外を見ると空はまだ暗い。この近辺の人達はまだ寝てる時間の筈だ。

 

 少し変に思いながらも待たせるわけにはいかないと汗まみれの寝巻きから着替える事もせずに玄関へと向かった。

 

「はい、どうしまし──」

 

「やあ、元気にしてたかな?」

 

「っ!? 《震電》っ!」

 

 戸の向こうに見えた顔を視認した瞬間、俺は脚に紫電を纏って蹴りを入れる。

 

「……おいおい、随分なご挨拶だね?」

 

 だが、その蹴りも目の前の存在に片手で防がれてしまった。

 

「なんで……お前がここにいるんだ、ジャティス!」

 

 俺は目の前の存在──ジャティス=ロウファンに怒鳴りかける。

 

「なんでか……そんな事を気にかける余裕があるのかい?」

 

「なに……?」

 

「僕はただ、このフェジテが危険だということを君に教えてあげに来ただけだよ」

 

「は……?」

 

 訳がわからなかった。この街に来ては混乱を巻き起こし、多くの人間を苦しめた元凶が今更何を善人ぶった事を言ってるんだと言いたい。

 

 だが、この男は正義というものに異常な執着心を抱いている。犠牲ありきという部分を除けば無意味な事はしないのはグレン先生から聞いたが、コイツの思惑は全く読めない。

 

「いきなり来たと思えば街の危機? そもそもこの街を混乱に陥れた張本人が良く言えたもんだな」

 

「ははは……手厳しいねぇ。だが、事実だよ。このままではこの街は地獄の業火によって焼き尽くされる事になるだろうね」

 

「地獄の……業火?」

 

 全くもってなにを言ってるのかわからないが、この男の目には虚構……全く真意が読めない。

 

「言っておくけど、比喩でもなんでもない。このまま放置しておけば、間違いなくこのフェジテ市は炎の海に沈む事になるだろうね。そうなればこの街の人間……君に良くしてくれる大人や気にかけてる子供、学院の仲間……何より、この事態にはルミア=ティンジェルが深く関わってしまう事になるんだよ」

 

「ルミアが……っ!?」

 

「だからわざわざこうして伝えに来たんだよ。彼女の事が関わってる以上、君が大人しく腰を下ろしてるだけなわけがないだろ?」

 

「う……」

 

「そして、この街を救うためには君にもこの舞台に出てもらわなければならない」

 

「それは……お前の目的を成すためにという意味か?」

 

 俺の質問に答えず、ジャティスは片手で俺を指しながら気味の悪い笑みを浮かべるだけだった。

 

「一体なんの目的で俺に言ったのかは知らないが、ルミアが危険だっていうんなら先生に伝えた上で俺達でルミアを守ればいい。お前の目的の為に協力なんて真っ平御免だ」

 

 ジャティスが言うならルミアに危険が迫っているというのは間違いなく事実だろう。だが、それでも目の前の男と協力だなんて感情論抜きにしても有り得ない。

 

 この男と協力した日には一体いくつの死体が転がるかなんて想像もつかない。それが天の知恵研究会のメンバーだというなら堪える事ぐらいは出来るだろう。戦いで人死にが出る覚悟くらいはもう出来るようになったつもりだ。

 

 だが、この男はその過程で全く無関係な死人がいくら出ようとも止まる事がない生粋の狂人だ。そんな奴と共に行動なんてお断りだ。

 

「はぁ……やれやれ。僕がここにいて、この話をしてる時点で君の取ろうとしてる行動が手遅れだって気付かないかい?」

 

「なんだと?」

 

「ルミア=ティンジェルは既に保護してるよ、僕が」

 

「……っ!?」

 

「それと、グレン=レーダス……というか、セリカ=アルフォネアの屋敷は既に天の知恵研究会のメンバーが襲撃し、更に第三団(ヘブンス)天位(オーダー)》の一人が現れ、セリカ=アルフォネアは行方共に生死不明」

 

「は……ちょっと待てよ……何だよそれ?」

 

 咄嗟に状況を飲み込むのを拒んでしまった。既にルミアやグレン先生が襲撃されるだけならともかく、ジャティスが先回りしてルミアを捕らえ、アルフォネア教授が生死不明……展開が急すぎて頭が追いつかない。

 

「状況はわかったかい? もう君は僕以外に情報源がない。僕を頼ってでしか動く事が出来ないのさ」

 

「う……いや、まだ先生がいるだろう。お前がそれを読んでないわけがない。もちろん先生との通信手段だって確保してるだろう?」

 

「……まあね。けど、まだ君を彼らに合流させるわけにはいかないんだよ」

 

「ふざけんなよ……天の知恵研究会の奴らを放置しておいて更に人質取ってしかも先生達にも会わせない。そんな奴に着いていくと思うのか!?」

 

「行くしかないんだよ……君の大事なものを守るためには、奴らの多少の悪事を進めてやるのも作戦さ。それに……彼らと合流したところで君に出来る事はあるかい?」

 

「だから、先生達と一緒になって街のみんなを守れば──」

 

「わかんないね〜……街の人間一人か二人守ったところでこの街の危機はそれ以上の速度で膨れ上がっていくんだよ。今この事態を打開するためには大局を見据える眼、事態を終息するための腕と速度、そして何より……各々が自身の役割を自覚し、全力を賭す事だ。そうしなければこの街は滅びる」

 

「っ……!」

 

 この男の言う事に根拠なんてない。事実だろうと言っても、それは飽くまでこの男のこれまでの事と、グレン先生から聞いたこの男の性質を鑑みた予想でしかない。現状、まだ強制するようなことはしてないので、反抗する事もできるだろう。

 

 だが、そうなったら本当にルミアどころか、この街がどうなるかもわからないという不安がどうしても思考を鈍らせてしまう。もう目の前の男に頼らざるを得ないと思えてしまう程に。

 

 その焦りを感じたのか、ジャティスは口の端を吊り上げながら俺に手を差し伸べてきた。

 

「もうわかったろう? 君は僕に従うしかない。なに、協力しろと言っても別に君に人殺しをしてほしいわけじゃない。君には君にしか出来ない相手がいる。君にはそれを担当してもらいたい」

 

「俺にしか出来ない、相手……?」

 

「……スペースビースト」

 

「……っ!?」

 

「君なら知ってるだろう? というか、君があの化け物の情報源みたいなもんだからね。あれらを完璧な形で倒せるのは軍の中のほんの一部……《魔術師》のイヴか《星》のアルベルト。あとは天神の力を纏える君くらいだ。そんな化け物どもが今、このフェジテのあちこちで活動を始めている。放置しておけばこの街が焼け野原になる前に化け物どもによって阿鼻叫喚の凄惨な光景ができるだろうね」

 

「う……」

 

 スペースビースト……社交舞踏会の時から一応の警戒はしていたつもりだが、そんなものがいつの間に街中を蔓延るようになっていたのか。

 

 ジャティスは薄ら笑いを浮かべながらユラユラと指先を俺に向けて再度言葉を放つ。

 

「そんなわけだから君はしばらくそいつらの駆除を頼みたい。僕はその間にルミアと共にちょっと仕事を片付けないといけないからね。グレンにも別件を頼むけど、それについては追々伝えておくよ。ま、とりあえず頑張ってくれ。君の大事なもののために」

 

「……まずは何処に向かえばいい?」

 

「僕の使い魔を残しておこう。案内はそいつがしてくれるさ。それでは、僕は行くよ。あまり残業なんてしたくないしねぇ」

 

 ゆらり、とコートを翻して去ろうとする様に妙な違和感を覚えた。スペースビーストを倒し回らなければと焦る一方で、本能がコイツにも一定以上の警戒を促していた。コイツをこのまま立ち去らせてはいけないと、警告していた。

 

「……おい」

 

「ん、なんだい? 僕は忙し──」

 

「お前、誰だ……?」

 

 俺の問いにジャティスが虚を突かれたように、一瞬沈黙した。

 

「……何の話だい? 悪いが、君の問答に付き合う余裕も──」

 

「さっきからちょくちょく変だって思ったけど、ジャティスならどちらを選べばどんな被害が出るかなんて懸念を口にしない。先生からの聞き伝でしかないけど、悪を倒すためなら無関係な人達の被害もほとんど省みない。こういう時は是が非でも俺を計画に加担させようとする筈だ。そんな遠回しな言い方をするようには思えない。しかも、アイツは狂人だけど悪を決して許さない。そんな奴が作戦のためとはいえ、悪人達の所業を一部だけでも許すのか?」

 

「…………」

 

「なんて、全部ただの推測でしかないけど……それだけじゃない。冷静になって見てみれば、あんたの内側から何か気持ち悪いものが滲み出てんだよ。スペースビーストとはまた違った邪なものが……」

 

 ウルトラマンの力で強化された感覚のおかげで目の前の男から異質な空気が醸し出されているのが今になってわかった。元々狂ったやつだったから気づくのが遅れたが、コイツの中から出てくる空気に何処か俺に共通する波動のような物を感じる。

 

 ここまで言うと、ジャティスは顔を俯かせ、小刻みに肩を震わせていた。

 

「くくくく……ハハハハハハ! いや、少々見くびってたよ。流石にウルトラマンの力を纏っただけの紛い物とはいえ、光の力をその身に宿してるだけある」

 

 そう言いながらいつの間にかその手にはX字のプロテクターのようなスティック状のものが握られており、頭頂部のスイッチを押すとプロテクター部分が開き、青みがかった黒い仮面のような形になった。

 

 それをゆっくり眼前へと持っていくと、眼の部分から赤い光が発され、周囲の空間が歪むようにドス黒い空気がジャティスを中心に渦巻いた。

 

 歪みが消えたと思えば、次の瞬間には自分の眼を疑った。

 

 ジャティスだと思っていた男の姿が異形のものに変わっていた。ピエロのように尖った爪先、金色の拘束具にその隙間から僅かに漏れてる青い光、青黒い仮面のようなもので覆った顔。

 

「ト、トレギア……?」

 

「フフフ……私の事も知っていたとは光栄だねぇ。直接お会いするのは初めましてだね、天地亮君。私はトレギア……しがない悪魔さ」

 

 ユラリと差し出された右腕を咄嗟に振り払い、さっきまで以上の警戒心を露わにした。

 

「なんで、お前までこの世界に……? 一体この世界で何をしていた?」

 

「おっと……誤解しないで欲しいが、私は別にこの世界に手は出してない。私は飽くまでただの傍観者さ。まあ、時には人間の願いを叶える事も稀にあるけどね」

 

「その結果……願った者に破滅を呼んだと」

 

「おいおい……それでは私が詐欺紛いな事をした悪党みたいじゃないか。私はその人の願望を形にしてあげただけさ。誰かを助けたい願いも、何かを破壊したいという願いも……差別なくね」

 

「どうせそれもお前が破滅に向かうよう誘導したんだろ」

 

「ハァ……やれやれ。どうも君は私を悪者にしたいらしい」

 

「実際その通りだろうが……ルーブ兄弟の仲まで引き裂こうとしておきながら善人だって言い張る気か。一体ウルトラマンにまで手を出して何をしようとしてるか知らないが、いつまでも好き勝手出来ると思ってんじゃねえ!」

 

「ん? ……あぁ、なるほど。どうやら、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 一瞬首を傾げるような動作を見せたかと思えば、急に納得したように頷いた。

 

「何の話だ……?」

 

「いやいや、こっちの話さ。とにかく、今この街が危険だというのは本当さ。私が何を言おうと、君はこの事態を放ってはおけない。行くしかないのだよ」

 

 いちいちこっちの神経を逆撫でするように大袈裟なボディランゲージで話したり、俺を動かそうとしたり……正直、コイツの思惑に乗りたくはないが、まだスペースビーストはネクサスの力でしか消滅させることが出来ない。

 

 放置しておけば今以上の数になって最悪、街そのものが飲み込まれる可能性だってある。俺にはそれに乗るしか出来ない。例えそれが、崖と崖を繋ぐ細い綱の上だったとしてもだ。

 

「……いつまでもお前の思い通りになると思うな」

 

 俺はそれだけを言い残して家を飛び出していった。

 

「……フフフフ。知ってるよ、それくらい。でも……何度滅びようと、私の考えは変わらない。この世は光も闇も、正義も悪も……みんな等しく愚かで、脆い。虚無──混沌こそが世界を成り立たせるものさ」

 

 去り際に、トレギアのそんな言葉が耳に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同刻……。とある地下室……無機質な空間の中に二人の男女がいた。

 

 グレンとシスティーナ……二人はセリカ宅で天の知恵研究会の暗殺部隊からの襲撃を受け、セリカの説得から屋敷から脱出し、一足先にセリカが万が一のために用意していたこの地下室へと駆け込んでいた。

 

 しかし、いつまで経ってもセリカは来ず、最悪の事態を想定して動こうとしていた矢先、システィーナの懐にいつの間に仕込まれていたのか、通信用魔導器が音を鳴らしていた。

 

 グレンが慌てて応答すれば、案の定というかシスティーナの屋敷を襲撃し、ルミアを掻っ攫った張本人ジャティスの声が響いた。

 

 そしてジャティスはグレンにゲームをしようと提案を出し、グレンにある事を指示した。

 

『……では、君達の健闘を祈っているよ』

 

「おい、ちょっと待てよ」

 

『なんだい? さっきも言ったが、時間は有限だ。話は手短に頼むよ』

 

「一応聞いておくが、テメェ……リョウまで巻き込んでねえよな?」

 

 静かな怒気を込めてジャティスに言い放った。今回の事は恐らく翌朝には街中に知れ渡るはずだ。更にルミアの情報もそれに混ざって知らされる。そうなれば間違いなくリョウは首を突っ込むだろう。

 

 だが、ジャティスがそれを予想しないとは思えない。既に先んじてリョウを巻き込んでる可能性の方が高い。

 

『……僕は何もしてないよ。僕は、ね』

 

「は? どういう意味だよそれ……」

 

『一応僕も保険として彼にもゲームに参加してもらおうと思ってたよ。何せ、今街中にはスペースビーストがあちこちで蠢いてるんだからね』

 

「なっ……!?」

 

 ここで更に恐るべし報せが入った。スペースビーストの事は以前リョウから聞いたことはある。あの情報によれば、スペースビーストを完全に倒し切るには細胞レベルで消滅させなければならない。それが叶うのは自分やセリカの有する[イクスティンクション・レイ]やリョウの持つウルトラマンの力くらいだ。

 

 そんな厄介な存在が今このタイミングで街中を蔓延っている。偶然にしてはあまりにも出来すぎた状況だ。

 

「テメェ……さっきは奴らとグルじゃねえって言ってたが、本当にそうなのか? こんな状況、どう考えても何か関係あるとしか思えねぇだろうが」

 

『信用ないねぇ。この街を奴らの手から救いたいのは本当さ。もちろん彼にもその旨で頼もうとしたんだけど……既に何者かが彼を踊らせてるみたいだよ』

 

「……どういうことだ?」

 

『どうも彼の事を計算しようとすると、妙なものが邪魔をして読めなくなる。僕も知らない全くの未知の存在が彼に近づかせまいと僕の計算を狂わせる。土壇場で僕の計算を上回る事態になるのは偶に起こるが、演算段階で邪魔が入るのは流石に初めてだよ』

 

 ジャティスの未来予知じみた固有魔術(オリジナル)の演算には何度も煮湯を飲まされたグレンも知ってるが、それが計算段階で阻害される事など自分の知る限りでは過去一度としてなかった。

 

『だから一応忠告しておくよ。僕の課すミッションでもどんな事態になるかは百パーセント断言は出来ない。更に言わせてもらうとどの道リョウ=アマチに関しては……』

 

「なんだよ……?」

 

『……近いうちに、その運命の糸は切れるよ』

 

 先とは打って変わって重い声でそう言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!」

 

『キイイイイィィィィィィィッ!?』

 

 光がほとんど届かない地下水路の途中地点でネクサスの力を解放し、そこに蔓延っていたスペースビースト・ぺドレインを消滅させる。

 

「ハァ……ッ! こ、これで……十三体目……」

 

 朝日も昇らない時間帯からスペースビーストの討伐を始め、もう半日くらいは見つけては倒すを繰り返した。

 

 まだ表に出てこないから人的被害はほとんどないが、一体でも漏れればどれだけの被害が出るか分かったもんじゃない。ひっそりとしている段階で出来るだけ数を減らさないと。

 

 とはいえ、元々三分間しか使えないウルトラマンの力をエネルギー節約のために瞬間的にしか解放してないとはいえ、こう何度も使用解除を繰り返すとかなり身体に負担がかかってしまう。

 

 得意とはいえない氷系魔術で身体を冷却しているとはいえ、下手すればほんの数回だけでもオーバーヒートを起こしてしまいそうになる。

 

 だからと言って、これ以上の節約方法があるわけではないしいちいち長々と休息を取れる程余裕もない。今はとにかく進むのみだ。

 

 俺は次へ向かおうと歩を進めた時だった。何処か遠くでガラスの砕けるような音が響き渡ったと同時に大きな何かが消失した気配と膨大な力のような気配を同時に感じ取った。

 

「……っ!? 何だ、今の……?」

 

 何事かと思って一番近い地上への抜け道を登って今は石畳に覆われた出入り口を強引に壊して地上に出た。

 

 気配がしたのは魔術学院の方だ。見れば学院の敷地辺りでぼんやりと真紅の光が空へ向かって立ち上ってるのが見えた。

 

「おい、こんな時に何が起こってるんだ──っ!? ちょ、これって……っ!?」

 

 俺の感覚──というより、本能に近い部分が警告を全身に響かせていた。街中の所々に感じていたスペースビーストの気配が学院に向かって集中しようとしているのがわかった。

 

 学院から感じる妙な力に惹かれたか、突然の事態にパニックになってるだろう学院の人間達の恐怖心に惹かれたのか……どっちにしろスペースビーストが本格的に表に出ようとしてるというのはすぐにわかった。

 

 俺は疲労した身体に鞭打って学院に向けて駆け出した。だが、その直後に背後から気配を感じて咄嗟に[フィジカル・ブースト]を発動させて跳躍すると三つの影が刃を奮ってきた。

 

「くそ……今度は何なんだ、おい!」

 

 疲労してる上に予想外の事態、更に目的地へ向かおうとした矢先に妨害され、苛立ちの募った俺は八つ当たり気味に怒鳴り散らすが、襲撃した奴らは何も言葉を発しない。

 

 それどころか、獣のような唸り声を口から漏らしながら手に持ったそれぞれの刃を俺に向けながらジリジリと距離を詰めてくる。

 

 よく見たらこいつらの持ってる武器はリィエルがよく使ってるウーツ鋼と呼ばれる金属だ。うち一人が更にウーツ鋼製のダガーを生成した場面を見て更に思い出す。あの錬成術はリィエルが特別なだけで大体の奴らがあの高速錬金を使えば廃人と化してしまう。

 

 つまり、俺の目の前にいるこいつらは感情を抜き取られた人形も同然だ。こんなふざけた仕打ちをした人間達を差し向けてきた黒幕に対して更に怒りが込み上げてきた。

 

 俺が駆け出したのを見ればすぐさまウーツ鋼の武器を構えた襲撃者達が驚異的な速度で追ってきて武器を振るってきた。

 

「くっ……《水蓮》っ!」

 

 俺は足元に術式を展開し、足と地面の間から水が吹き出し、俺の身体を猛スピードで滑らせる。ウルトラマンの驚異的な五感が発現してようやく形になった[シュトローム・サーフ]を使って狭い路地でもかなりの速度で移動することができるようになった。

 

 だが、背後からだけでなく街の所々から俺に向かって同じ装いと同じウーツ鋼の武器を手に取った襲撃者が次々と俺を襲ってくる。

 

 奴らを撒くために多少回り道も加えて逃走するが、襲撃者達はまるで学院に向かわせたくないように俺の進路を妨害してくる。間違いなく学院で起こってるのは最悪の事態一歩手前の兆候なのだろう。

 

 一秒でも早く辿り着きたいが、俺の意思に反して襲撃者もどんどん数を増やしてくる。

 

「あぁ、もう……鬱陶しいっ!」

 

 流石に回避し続けるのもキツくなってく中、紫電と水塊を叩きつけて襲撃者を何人か退けるが、一瞬数人へ意識を向けただけでその何倍もの人数がその直後に肉迫してくる。

 

「くっそ……『ティガ』っ!」

 

 魔術では捌き切れないと見た俺はティガの力を身に纏い、紫色の光を発しながら高速移動。すれ違いざまに紫電の手刀を浴びせた。

 

 集まってきた襲撃者達が一か所に固まったところで上空へ手を向け、青白い閃光を放つと五メイルくらいの高さで光が弾け、冷気が雪崩のように落ちていく。

 

 それに巻き込まれた襲撃者達は数秒後には物言わぬ氷塊へと変貌した。

 

「ぐ……たくっ……あまり余裕ないってのに……っ!」

 

 ついさっきオーバーヒートしそうだったところに数秒とはいえまたウルトラマンの力を使った所為か、頭痛が酷くなってきた。だからといってチンタラしてる暇もない。

 

 俺はすぐに学院へ足を向け、[シュトローム・サーフ]を使って駆け抜けていった。

 

 裏街道を抜けてようやく学院が見えると、予想通り学院の結界が見事になくなっており、中から戦闘音が聞こえ、魔術の余波らしい光も見える。

 

 既に大変な事態になってるだろうと考えながら門を潜り、中庭まで走るとそこにはかつての濃淡が波打つ緑はひび割れ、抉れ、陥没し、ある箇所では大きな法陣が紅く輝いていた。

 

 その外側ではいかにも騎士といった風な装いの男が盾と槍を構えており、その正面でグレン先生とルミア、ハーレイ先生とツェスト男爵が煤汚れた格好で息を荒げていた。

 

「え、リョウ君!?」

 

「な、お前……無事だったか!?」

 

 ルミアが俺に気付いて声を上げると、グレン先生も俺へ顔を向ける。

 

「……経緯はわからないけど、とりあえずそこの男がこの妙な空を作った元凶でいいんですよね?」

 

「あ、ああ……けど、正直バケモンだ。できれば、お前の手も貸してもらいてえ!」

 

「当然──て、言いたいところですけど……そっちに構ってる余裕ないです」

 

「は? 何言って──」

 

『きゃあああぁぁぁぁぁっ!』

 

 校舎の方から悲鳴が上がり、周囲を見ると案の定というか、スペースビーストが這うわ、飛び出るわ、降ってくるわ……ほんの数秒でかなりの数が出てきた。

 

「なっ!? 何だ、この化け物共は!?」

 

「う〜む……可愛い娘達に夢を見せるパターンとして思い描いていた怪物の上を行く悍ましさ……正直、形容し難い汚物共じゃな」

 

 スペースビーストを見たことがないハーレイ先生とツェスト男爵が更に押し寄せてくる災厄にいつもの余裕が完全に失せていた。

 

「この妙な法陣の所為なのか、みんなの恐怖心の所為なのか、とにかく街に散らばってたスペースビーストがこっちへ集まって来てるんです! すみませんけどその騎士っぽいヤツを相手できる状況じゃないです!」

 

「くっそ! ただでさえ俺達の魔術がひとつも効いてねえのに、更にはグロテスクな化け物どもの大盤振る舞いかよ! こっちは急いで『メギドの火』の解呪(ディスペル)に向かわにゃならんてのにな!」

 

「『メギドの火』……? この空を作ったあの法陣だってのはなんとなくわかりますが、どのくらいの時間が必要なんですか……?」

 

「正直、法陣はあのクソ野郎に任せてたからどれくらいかかるかはわからねえ……。ただわかるのは、日没までにあの男を掻い潜って法陣を解呪しなきゃフェジテはお終いってことだ!」

 

 日没ってことは……もうあと一時間もない。まだあの騎士っぽい奴の実力は見てないが、少々性格に難ありだが、魔術師としては上級レベルであるハーレイ先生やツェスト男爵が揃って息を荒げるほどの相手だ。俺も加わって集中攻撃して傷つくかどうか。

 

 だが、今はスペースビーストの事もある。はっきり言ってあっちを立てようとすればこっちが立たなくなるような状況だ。

 

「迷ってる暇があるのか? 賢人らよ」

 

 あまりの上々に焦りまくって考えに耽ってる隙に向こうが槍を構えて驚異的なスピードでグレン先生へその矛先を向け、駆け出した。

 

 その速度はウルトラマンの力を借りた時と同等かひとつ上を行くようなものだった。この状況の中で思考を巡らせすぎて大きな隙を作ってしまったために反応が大幅に遅れてしまった。

 

 このまま矛先がグレン先生の首へと吸い込まれようとしたその時だった。

 

「なっ!?」

 

 グレン先生の首を取ろうとした矛先が突如現れた銀閃によって弾かれた。

 

「いいいいやああああぁぁぁぁぁっ!」

 

 更に上から巨大な刃が騎士風の男を叩こうと振り下ろされ、地面を大きく抉った。

 

 だが、地面を叩いた際に舞った土煙が晴れると、男の構えていた盾が虹色の輝きを発しており、先の攻撃を完全に防いでいた。それにも驚いたが、俺の意識は今突然入った、今まで忘れてしまっていた頼もしい味方へと向いていた。

 

「セリカッ!? おま、生きていたのか!?」

 

「リィエル、無事だったのね!?」

 

 思わぬ助っ人の登場にはグレン先生とルミアも驚いたのか……というより、聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたが。

 

「おいおい、勝手に殺すなよ」

 

「ん……すごい痛かったけど、寝てたら治った」

 

「リィエルはともかく、セリカ……無事だったなら連絡くらい寄越しやがれ」

 

「ハハ、悪い悪い……このポンコツな身体でコイツを使ったもんだから反動が思った以上にキツくて……今まで動ける状態じゃなかったんだよ」

 

 アルフォネア教授は片手で懐中時計をいじりながら申し訳なさそうに言う。

 

「たく、そんなんで今から戦闘大丈夫かよ?」

 

「なに、魔術はそんなに使えないが、突破口は開いてやるさ」

 

 アルフォネア教授は以前遺跡調査に行った途中で使ってた剣を構えながら騎士風の男に向き直る。

 

「なるほど……エリエーテの剣だな、それは」

 

「お前の無敵の秘密は知ってるぞ、ラザール。お前のその圧倒的な防御力は何もその盾がオリハルコンで出来てるからだけじゃない。まあ、それ自体も厄介だが、何より面倒なのはその盾の加護が発生させるエネルギー還元力場だ」

 

 アルフォネア教授が騎士風の男──ラザールに向けて言い放つ。

 

 聞けば、あの盾が発生させる虹色の輝きが特殊な魔力場で、それが物理・魔力エネルギーを完全に無効化してしまうというチート仕様だという事だ。

 

 如何な攻撃を持ってしてもその破壊的なエネルギー自体が無力化されれば攻撃など通らない。だが、アルフォネア教授の持ってる剣は真銀(ミスリル)で出来ており、その特性は魔力遮断物質。それを持って斬りかかれば一瞬だが、ラザールの発する力場を崩せる……そこが狙い目だという事。

 

「と、いうわけでラザールは私達で引き受ける! グレンは『核熱点火式(イグニッション・プラグ)』を! アマチはあのナメクジ共を頼むっ!」

 

「あ、ああ!」

 

「了解っす!」

 

 俺はスペース・ビーストを倒すために、グレン先生は法陣の解除のためにそれぞれ動き出す。

 

 俺はネクサスのカードを取り出してその力を身に纏い、スペース・ビーストを粒子レベルで次々と捩じ伏せていく。

 

 何匹か倒すうちに気付いたが、今の時間は本来授業だ。だから教室の窓を通してクラスメートや他の生徒達の視線が注がれてるのを感じる。

 

 そういえばウルトラマンの力だってこっちの世界の観点で見れば異能だ。そりゃあ驚くどころの話じゃない。だが、そんなこの世界特有の価値観に構ってる場合でもない。まずはこいつらを一体も残らずに片付けなければ街にいる人間全体が危ういのだ。

 

 そう考えてる間にもう何十匹片付けたかも数えられないまま同じ行動を繰り返し、グレン先生の方が気になってそっちに視線を向けると、ルミアを傍に置いて法陣をジッと見ていた。

 

 数十秒観察し、把握出来たのかホッと息を吐いたのが動作でわかる。どうやら方法自体はグレン先生だけでも行えるもののようだ。もしこれが複雑怪奇なものだったら時間もないこの状況、ルミアの異能の力を借りずにはいられなかった事だろう。

 

 グレン先生もそう考えたのか自分の指をナイフで切り、その血を法陣に近づけた時だった。あと少しのところでふと動作を止めた。

 

 一体どうしたのだと思いながら校舎の壁を伝っていたスピースビーストを消滅させ、屋上から光線を広範囲に照射した。

 

 光線を撃ち終えてから法陣の辺りがより輝きを増しているのを感じ何だと思ったら、驚くべき光景が広がっていた。

 

 なんと、ルミアがグレン先生の手を握り、異能を発動させていた。一体何が起こってるというんだ? グレン先生がホッとしたのはルミアの異能を使うまでもなかったからじゃないのか? しかも今あの人が行っているのは解呪じゃなく、解析用の[ファンクション・アナライズ]だ。

 

 内心の動揺を抑えられなくなりながらも内心、まだ何かあるんじゃないかと俺自身妙な悪寒もある。推理なんて立派なものじゃないが、そもそもトレギアが俺と接触して俺を動かしてる事態からしても混乱一歩手前だ。

 

 この状況が奴の思惑通りであれば、アイツがあの法陣に何か細工を施したのではと疑いはじめれば次々と悪い予感が頭を過ぎる。恐らくグレン先生も似たような予感を抱いているんだろう。だからルミアの異能を借りて全力で解析しているんだ。

 

 そして法陣とルミアから発される光の波の中でグレン先生は全てを悟ったように口を動かした。

 

『解呪はしない。俺は……こいつを起動させる』

 

 その言葉を皮切りに、スペースビーストの動きが急変した。今まで疎らに学院を這っていたのが、再び引き寄せられるようにグレン先生の方へと向かい出した。まるで自分達の驚異を全力で止めんがためみたいに。

 

「な……させるか!」

 

 俺は屋上から跳躍して一気に法陣へと舞い降り、光線を照射した。

 

「ぐ……っ! 先生……っ! 今起動するって言ってた気がしましたが、どういう事ですか!?」

 

「……悪いが説明してる時間はねえ! 起動にも時間掛かっちまうから、どうにかソイツら近づかせないようにしてくれ!」

 

 グレン先生は真剣な眼で言うと、血を滴らせる指を高速で動かし、複雑な術式を次々と描いていく。その傍らではルミアも信じてと言わんばかりに俺を見ていた。

 

 よくはわからないが、今が佳境なのだろうことはよくわかった。だから……

 

「こっからは一匹たりとも通しはしねえ!」

 

 俺は学院に来るまでも力を酷使した所為で酷い頭痛や倦怠感が徐々に強くなってくるが、今ここで踏ん張らなければ全てが終わる。

 

 今身体を伝ってる熱が俺の無茶によるものなのか、法陣が白熱化してきてるからなのか、それすら曖昧になってきた。

 

 時間にして数十秒か、もしくは数秒程度なのか……こんな状況においては無限にすら感じてしまう中で後ろから感じる光と熱がどんどん巨大化していくのを感じ、法陣が白く眩く光った。

 

 その光は柱となって空に昇っていき、マナの粒子が拡散していくのが視認できる。

 

「あれって……マナ?」

 

 酷い頭痛と倦怠感で膝を着きながら空を見上げた俺は自然と口に出た。

 

「あぁ……俺達はこいつを[メギドの火]って災厄級の術式を起動させるための[核熱点火式]かとばかり思ってた。だが実際は違う……これは、[核熱点火式]の皮を被った[マナ堰堤式(ダム)]だったんだ!」

 

 思考も定まらないまま聞き慣れない単語を並べられても理解できないが、どうやらグレン先生が言ってることを簡潔にまとめると、敵が元々この学院に施されていた[メギドの火]を機能改変して罠を仕掛けたらしい。

 

 見た目が[メギドの火]であるために、普通の人間だったら間違いなく解呪に動くと見越してその方法を簡単にし、解呪した瞬間、ここに溜め込まれていたマナをなんらかの目的で取得しようというものだったようだ。

 

「まぁ……敵の狙いがなんであれ、ようやく目論見は潰せたわけですね……」

 

 スペースビーストは片付いたし……まだあのラザールという強敵が残ってるみたいだが、あとはアルフォネア教授達でなんとかなりそうだからしばらく休むか……そう思っていたのに……。

 

「いや……残念だが、一歩遅かった」

 

「え……?」

 

「本当なら横槍が入らなくても時間になれば自動的に解呪が働く仕組みだったんだろう。俺が起動したからため込んでたマナは一部大気に還っているが、全部とはいかなかった……」

 

 グレン先生が空を見上げながら呟き、それに釣られて俺も眼を向けると、拡散していくマナが途中で渦を描き、その中心から筋が伸びてその先がラザールへと向かっていく。

 

「くそ……嫌な予感プンプンだぜ……」

 

 どうやら本当の悪夢はむしろこれからのようだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやおや……思ったより少ないな。これでは私の目的の分をくすねるのは無理か……」

 

 アルザーノ魔術学院から数キロ離れた場所で黒い霧と赤い法陣を描きながら出現した青黒い異形──トレギアは落胆したように溜息をつく。

 

「う〜ん、本来の歴史じゃあもう少し量はあったと思うんだけど……まあ、これも異分子(イレギュラー)がこの世界に紛れた故の展開だろうね。こっちはこっちで面白くなってきた」

 

 トレギアは右手に何かを握っているのか、指をこねくり回しながら心底面白そうに肩を震わせる。マナの柱の元にいるある人物の──否、()()()()()()()()に目を向けて。

 

「あぁ……さて、あの存在……魔将星、だったかな? その出現と奴の意思の欠片……そして、彼が自分の秘密に迫った時、彼は、あの娘は……どんな結論に至るのか……ハハハハハ!」

 

 誰もが異常な空を見上げてる中、誰にも意識されていないトレギアの笑いが響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ちっ……! まぁた、アイツの気配か……奴との因縁も、中々途絶えちゃくれねえな』

 

 

 

 

 

 

 

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