孤独論者の信条   作:八又ノ大蛇

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 ノリと勢いで書き出しました。主人公の名前の読み方は疑沫(ウタカタ)・燈罪(トウザ)です。ルビ打ちたいけど、高機能フォームの使い方がわかりません。


序章
プロローグ


 

 

 皆様、転生と言うものをご存じだろうか?

 

 ある少女は死亡した末、世に言う所の転生と言うモノを経験した。生前の記憶を保持したまま新しく生まれ変わったのだ。そう聞けばとても聞こえは良いが、生憎と少女はそうは思わない。

 

 何故なら、彼女は十四歳頃と遅く記憶を思い出してしまったのだ。

 

 それでも、人によれば戻ったのだから良いだろう?と、言うだろう。だが、彼女からすれば戻って欲しくは無かったのだ。

 

「どうしろって……言うんだよ」

 

 現在進行系で広がっていく赤い赤い血溜まりを見ながら、彼女ーー【疑沫・燈罪】はそう悲嘆する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 燈罪は自他共に認める、超極悪人である。個性を持つ人間が八割になるこの時代。正義を掲げるヒーローと呼ばれる者達が脚光を浴び、個性を使い罪をなす者達をヴィランと呼んだ。

 そして、燈罪はヴィランである。それも、ヴィランネームの付いたヴィランである。殺した数は百を越え、神出鬼没でその姿を見たヒーローは必ず殺されると言っていい。当然だが悪い意味で有名なヴィランだ。

 

 そんな、彼女だが今これまでの人生で一番焦っている。いや、正確には焦っていたと過去形だろうか。

 

「はぁ……無理だな。これはどう修正しようが不可能だ」

 

 生前の記憶を思い出したはいいが、どっぷり足の先から頭の天辺まで悪に浸かりきってしまっている。そんな、自分自身を他者的に判断すれば、どう足掻こうが無駄。泥沼なんって優しいモノじゃない、血の沼だ。

 今だって殺した死体を見ても、なんら感情が沸かない。あえて言うならば、服に血が付いてしまった事が面倒だ。

 燈罪は、たったそれだけ。

 

 しかし、それはもう仕方ないとしてと、割り切る彼女は相当神経が図太い。そんな、彼女でも今だ頭を悩ますのが、この自身の容姿だ。

 

 膝丈程まである流れるような長い銀の髪に、睨まれれば悪人だろうがヒッィ!と逃げ帰る様な鋭い目付きとエメラルドにしては濁りすぎた瞳。

 子供の頃に少しドジをし、頬を抉った銃痕が傷をつくり、悪人面を更に増す。そこに、厚めの黒のコートを着ればーーあの頭脳は大人、見た目は子供。で有名な名探偵コナンに出てくる、黒の組織のジンにそっくりだ。

 

 まぁ、性別が女な事もありあそこまで冷徹仮面ではありはしないが。自身の個性を考えれば否応なしに、黒のずくめの男が脳裏に浮かぶ。

 

「いや、確かにそのキャラを押してはいたが……」

 

 一度も成りたいとは思わなかった。そうだ、その筈だと燈罪は重要なデータを拝借し、死体に火をつけながらそう思う。

 

 そして、後始末をしていた燈罪のスマートフォンがバイブレーションする。差し出し人は不明、普通の精神なら怖くて出ないだろうが通話のボタンを押し耳に当てる。

 

『出てくれるとは、思いませんでした』

「誰だ?」

 

 男だろう落ちついた声が聞こえ、燈罪は頭を捻りこれまであった事のある人物と照らし合わせていく。無論、この場合の会った事のある人物の中には死人は含まれない。

 殺したヤツは直ぐに忘れてしまうからだ。だが、そうで無ければ記憶力のいい燈罪は思い出す。

 

 故に、この人物とは会った事がないと判断する。燈罪を呪った死者からの怨念で無ければだが。

 

『初めまして。私はヴィラン連合に所属する、黒霧と言う者です』

「……で?黒霧とやら私に何の用だ?」

『早速ではありますが、実際にあって話をしたいのですが……ご都合宜しいでしょうか?』

「生憎と、今仕事が終わった所だ。そうだな……二日後なら会ってやってもいい」

『左様ですか。感謝します、では二日後に……』

 

 場所と時間帯を告げてから、唐突な会話は終わる。

 

 どうせ仕事の話だろうと、燈罪は血に濡れたコートを脱ぎ火をつけ、鞄に入れていた新しいコートを着込み燃える死体に背を向けその場から立ち去る。

 

 事前にここら辺には監視カメラが設置されていないか調べ、カメラのない道を通り燈罪は帰宅につく。

 

 

 




 多分、不定期更新になると思います。
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