負けフラグどう撤回しようか悩みました、ええ。あの展開をしたいがために考えましたが、ヴァンガードのスキル強すぎないかな?OCG民悪ふざけできますかね?
ば、と声がした方へ振り向く。
「……!?」
ホワイ!? なんでAIデュエリストがここに!? 自力で復活を!?
「何故、という顔ですね。その解答は簡単です。あの戦いでたった一人、私だけ逃げた。ハノイの騎士は全部のAIデュエリストを倒してはいなかった、ということです」
マジですか。これ帰ったらお説教……で済まないな。粛清待った無しですね。このデュエル勝たなきゃ(確信)。変に時間かけたらプレイメーカーが何するか分からない。それに、時間かけたせいで洗脳した人達の脳にもし影響が合ったら……。
「何故突然自我が芽生えたのか、私にも解りません。ただ、貴方のあの言葉がきっかけとなったのは確かです」
言葉……。あれだけで自我、え? そんな簡単にAIが自我持っちゃっていいの? ……あ、リボルバー様からメッセージが送られてきた。落ち着け私。文章が視界の端に映し出される。
「貴方を倒す、そのために私はここにいる。あの時の言葉の真実を、デュエリストの魂を完全には理解できていない。……それでも、負けられないデュエルは分かる」
メッセージに目を通しつつも話はちゃんと聞いてます。私に対しての抑止力、それがこのAIデュエリスト。まあ、私一人で原作を変えるなんて事、そう上手くいかないだろうとは思ってたよ。
「私とデュエルしなさい、ヴァンガード!」
「自分の不始末は自分で片付ける! いいよ、そのデュエル受けてあげる!」
二つのデュエルボードがデータストームに乗って現れる。飛び乗るヴァンガードとAIデュエリスト。
「「スピードデュエル!」」
ヴァンガード
LP 4000
AIデュエリスト
LP 4000
「先行は私が貰う! 私は手札からトレード・インを発動、レベル8のモンスターを1体捨てて2枚ドロー!」
引きは悪くない。
「最初から飛ばしていくよ! 相手フィールドにモンスターが存在しない時、手札からハック・ワームを特殊召喚! そしてジャック・ワイバーンを通常召喚。ジャック・ワイバーンの効果発動!」
《ジャック・ワイバーン》
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻1800/守 0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの機械族モンスター1体とこのカードを除外し、
自分の墓地の闇属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
「ハック・ワームとジャック・ワイバーンを除外。墓地から蘇れ、デスペラード・リボルバー・ドラゴン!」
《デスペラード・リボルバー・ドラゴン》
効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻2800/守2200
(1):自分フィールドの機械族・闇属性モンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズに発動できる。
コイントスを3回行う。
表が出た数までフィールドの表側表示モンスターを選んで破壊する。
3回とも表だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローする。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
コイントスを行う効果を持つレベル7以下のモンスター1体をデッキから手札に加える。
「私はカードを1枚セットしてターンエンド」
私を倒すためのデッキ。きっとテンタクラスターから変えているとは思うけど……。
「私のターン、ドロー! 私はサイバー・ドラゴン・コアを召喚」
《サイバー・ドラゴン・コア》
効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻 400/守1500
このカードが召喚に成功した時、
デッキから「サイバー」または「サイバネティック」と名のついた
魔法・罠カード1枚を手札に加える。
また、相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「サイバー・ドラゴン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。
「サイバー・ドラゴン・コア」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
「効果でサイバー・リペア・プラントを手札に加える。機械複製術を発動! サイバー・ドラゴン・コアはフィールド上にある限り、サイバー・ドラゴンとして扱う。よって、サイバー・ドラゴン2体を特殊召喚」
フィールドのサイバー・ドラゴン・コアの上に被さるように、サイバー・ドラゴンのホログラムがかかる。
「手札から融合を発動! サイバー・ドラゴン2体とサイバー・ドラゴン・コアで融合召喚! 現れよ、サイバー・エンド・ドラゴン!」
《サイバー・エンド・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星10/光属性/機械族/攻4000/守2800
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
サイバー流の切り札、サイバー・エンド・ドラゴン。後攻1ターン目で出してくるとはね。AIデュエリストはかなりの実力を持っているのは間違いない。私が原作知識使ってアレしたせいで世間では強く見られてないけど。
「バトル! サイバー・エンド・ドラゴンでデスペラード・リボルバー・ドラゴンに攻撃!」
「そうはさせない、デスペラード・リボルバー・ドラゴンの効果発動! 運命のロシアンルーレット!」
シリンダーが回転し、止まる。デスペラード・リボルバー・ドラゴンのトリガーが引かれ、サイバー・エンド・ドラゴンは……無傷。
「……なっ、全部空砲!?」
まじですかー!?
「エターナル・エヴォリューション・バースト!」
「まだだ! トラップオープン、メタバース! デッキからフィールド魔法、
《
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分の機械族・闇属性モンスターは、それぞれ1ターンに1度だけ戦闘では破壊されず、
その戦闘で自分が戦闘ダメージを受けた場合、その数値分だけ攻撃力がアップする。
(2):1ターンに1度、自分フィールドの元々の種族・属性が機械族・闇属性のモンスターが、
戦闘または自身の効果でフィールドのカードを破壊した場合に発動できる。
手札から機械族・闇属性モンスター1体を特殊召喚する。
「この効果で、デスペラード・リボルバー・ドラゴンは戦闘で破壊されない!」
「ですがダメージは受ける!」
「ぐぅっ……」
強力なエネルギーがデスペラード・リボルバー・ドラゴンにぶつかる。爆風。衝撃が私を襲う。ガクン、と大きく体勢を崩した。が、地面に落下とまではいかなかった。
ヴァンガード
LP 4000→2800
「そして、受けた戦闘ダメージの分だけ、デスペラード・リボルバー・ドラゴンの攻撃力は上昇する」
デスペラード・リボルバー・ドラゴン
攻2800→4000
「ターンエンドです」
サイバー流。リスペクトの精神を掲げるデュエリストの流派の一つ。デュエリストの魂を知る、その為に変えたデッキなんだろうけど、いやー私のデッキに刺さる刺さる。機械族メインのデッキの天敵といえる存在。
「私のターン、ドロー! おろかな副葬を発動、デッキの
墓地から発動系は基本知られていないから、こっそりと落としておく。
「バトル! デスペラード・リボルバー・ドラゴンでサイバー・エンド・ドラゴンに攻撃。デスペラード・ショット!」
「攻撃力は同じ、相打ち狙い……いや、違う!」
「
サイバー・エンド・ドラゴン破壊! 打点4000の貫通持ちは恐ろしいけど、いなくなったならこっちのもの。
「
《A・O・Jコズミック・クローザー》
効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻2400/守1200
相手フィールド上に、光属性モンスターを含む2体以上のモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
「まだ私のバトルフェイズは終了していない! A・O・Jコズミック・クローザーでダイレクトアタック!」
「ぐあああぁぁぁーっ!」
AIデュエリスト
LP 4000→1600
これだけのダメージを受けてただで済むはずがない。それに墓地には
「……これで終わりですか、貴方らしくもない」
「……いきなり何? AIでも強がりってできるんだね」
らしくない、か。それは私が一番分かってる。いつもと比べてデッキの回りが遅い。手札の補充が全くできていない。
「ハノイに関係ない一般人を巻き込みプレイメーカーを襲わせ、私とのデュエルで使うカードはその場しのぎだけ。あの時のデュエリストは何処へ行ったのですか?」
「知ったような口して、さっさとサレンダーしたらどう?」
……それ以上、言わないでくれという思いを隠して。
「何故子供だけを逃がしたのか、私にはわかります。……貴方はデュエリストとしての自分と、ハノイの騎士としての自分の間で揺らいでいる。悪役の演技はもう十分です。これ以上私を失望させないでほしい」
……ああ、やっぱり、私は悪にはなりきれない。AIにもばれてしまうほどに。つい、そこまでしなくても、と思ってしまう。自分で言い出したくせに、やり遂げることもできない。他人の運命は私には重すぎた。
「私のターン、ドロー。……もう終わらせましょう。相手フィールドにのみモンスターが存在するとき、手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚できる」
っ! サイバー・ドラゴン。握っていたのか! この状況、すごくまずい。アレが来る!
「手札から魔法カード、サイバー・リペア・プラント発動。デッキからプロト・サイバー・ドラゴンを手札に加え、墓地のサイバー・ドラゴン・コアをデッキに戻す。プロト・サイバー・ドラゴンを通常召喚」
《サイバー・リペア・プラント》
通常魔法
自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が存在する場合、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が3体以上存在する場合、両方を選択できる。
「サイバー・リペア・プラント」は1ターンに1枚しか発動できない。
●デッキから機械族・光属性モンスター1体を手札に加える。
●自分の墓地の機械族・光属性モンスター1体を選択してデッキに戻す。
フィールドに機械族のモンスターが4体、来るか!?
「私のフィールドのサイバー・ドラゴンとプロト・サイバー・ドラゴン、貴方のデスペラード・リボルバー・ドラゴン、A・O・Jコズミック・クローザーを墓地へ送る。顕現せよ、キメラテック・フォートレス・ドラゴン!」
《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻 0/守 0
「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上
自分・相手フィールドの上記カードを墓地へ送った場合のみ、
エクストラデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
このカードは融合素材にできない。
(1):このカードの元々の攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの数×1000になる。
「融合素材となったモンスターは4体。よって、キメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力は4000!」
私のモンスター達がいなくなり、そこにあるのは機光龍の進化体。
「これでとどめです、バトル! キメラテック・フォートレス・ドラゴンでダイレクトアタック エヴォリューション・レザルト・アーティレリー!」
目を閉じる。未熟なのは私の方だった、か……。
――まぶたの裏に映るのは、今もなお目を覚まさないゲノム。彼は自分の意思を貫き、そして敗れた。私はここで何もできないで終わっていいのか? 迷いを捨てなければ勝てない。
「あー、もうっ!」
ぱん、と手を叩く。地上の洗脳兵士達の洗脳を解いた。これで重荷は無くなった!
「スキル発動! 鉄心の決意!」
胸に手を当てて、スキル発動の宣言をする。
「相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動、その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる。その後、私の墓地から機械族モンスターを可能な限り特殊召喚! ただし、このスキルで召喚したモンスターの攻撃力、守備力は0となり、効果も無効となる!」
墓地へと繋がる穴、そこからぼろぼろの姿で現れる機械達。
「再び立ち上がれ、デスペラード・リボルバー・ドラゴン、A・O・Jコズミック・クローザー!」
何もできないけれど、何かができる。これが私だ。
「一度にいろんな事起きて頭の中ぐちゃぐちゃだよ、もう。決めた、私の敵は貴方だけ。余計な事はしない、全力で君を倒す」
「それでこそ、私が目標とするデュエリスト、ヴァンガード。私はターンエンドです」
地上にいる人達全員が私達のデュエルを見ている。戸惑いを隠せないプレイメーカー。こっちが本気の、デュエリストとしての私だ。
「私のターン、ドロー! 見せてあげる、私のとっておきの1つを!」
「この状況を覆す一手、見せてもらいましょう!」
ば、と手を上に上げる。
「私は、レベル8のデスペラード・リボルバー・ドラゴンとA・O・Jコズミック・クローザーでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
空中に現れた渦へと飛び込む2体の機械。
「来たれ、神竜騎士フェルグラント!」
《神竜騎士フェルグラント》
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/戦士族/攻2800/守1800
レベル8モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、対象のモンスターは効果が無効になり、
このカード以外の効果を受けない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
「モンスターエクシーズ……!?」
「リンクモンスターだけが切り札じゃないってこと。神竜騎士フェルグラントの効果! オーバーレイユニットを1つ使い、フィールドの表側表示モンスターの効果を無効にする。当然、対象はキメラテック・フォートレス・ドラゴン!」
「キメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力は効果によるもの、効果が無効になるということは……!」
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
攻4000→0
「バトル! フェルグラントでキメラテック・フォートレス・ドラゴンを攻撃!」
「ぐあああぁーっ!!」
AIデュエリスト
LP 1600→0
「損傷80%オーバー、デュエル続行不可と判断、撤退します。……次こそ、私が勝つ。ヴァンガード」
「待ってるよ、立派なデュエリストさん」
あの言葉が無かったら、私はこうすると決意しなかった。AIが敵に塩を送った? いいえ、デュエリストとして戦いたかっただけでしょう。彼はリスペクトの精神を貫いた。
「待て、ヴァンガード!」
あ、プレイメーカー。悪いけど今日はここまで。
「今度あったら正々堂々と勝負。こんなややこしい事はしないで一騎打ちといきましょうか、プレイメーカー!」
ヴァンガードはそう言うと、そのまま消えていった。
〜ここから漫才フェイズ〜
「誠に申し訳ございません」
「気にするな、敵の一人を倒せただけでも十分だ。今日は奴の風が吹いていただけのこと。……やはり、プレイメーカーは私が倒すべき相手のようだな」
「ですが、私のせいで第二のイグニスが誕生していたとは……ここはセップクでオワビをせねば」
「!? その刃物をどこから取り出した!?」
「おやめ下さいヴァンガード様ー!?」
わやわやともみくちゃにされるヴァンガード。刃物は取り上げられました。
「イグニスも我らが生み出したもの。……まて、となると奴から見て貴様は母に……?」(呟き)
「ごふっ」(吐血)
「AI死すべし慈悲はない」
*ヒャッハノイ達は決意を抱いた。
何もできない(攻撃力と守備力0、効果無効)けど、何かができる(エクシーズの素材)。
クラッキングが来なかったのも勝手に心理フェイズがガタガタだったからです。
「悪いこと似合わないぞごすずん!」
リボルバー様からのメッセージでは、洗脳解いてもいいから無事に帰ってこい的な事書いてありました。もし何かあったらヒャッハノイ達が暴走するからね。そんなこともあって、ヴァンガードがもし負けてもアナザーにはしません。ヒャッハノイ全員反旗を翻したらどえらいことなので。
転生者だから、ハノイの騎士にいるからといって、いきなり悪役にはなれません。良くも悪くも常識を持っているからこその苦悩。ハノイの騎士のヴァンガードとデュエリストのヴァンガードは別物だ、的なのを表現したかった……。
漫才フェイズ 出演者
・ヴァンガード
・リボルバー様
・ヒャッハノイ
でお送りしました。