どうも、ハノイの騎士(バイト)です。   作:ウボァー

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ファウストとバイラ、どうやってAIデュエリストを倒したのか気になるこのごろ。あのデッキじゃハンデスとバーン攻略するの難しくないか……?


ハノイの死神

 私だってブルーエンジェルとプレイメーカーのデュエル生で見たかったよ。どうも、バイトハノイです。

 

 今リンクブレインズ注目のデュエリスト同士のデュエル。皆の目がそっちに向くので、ハノイの騎士が裏で動くには最適の時間です。

 だんだんヒャッハノイの反応が、私が来ると「何者だ!?」って感じだったのが「お前が死神か!?」になったの何で? 名乗って無いんですけど私。勝手に呼び名付けられたのかもしかして。カイトが名乗ってたナンバーズハンターは自称だったよね。うん、なかなか厨二だ。……自称でも他称でもやっぱつれぇわ。なんだ死神って。他に言い方無かったのか。

 

 あ、ヒャッハノイのデッキ、色んなのがあってデュエルして楽しかったです。インヴェルズとか帝とか。握手暗黒界もいました。握手される前に倒してしまいましたが。私と握手したかったのか……? アバターとはいえ、男と何度も握手したいって人いる?

 ずっと同じデッキだとメタられそうで心配。特にシステム・ダウン使われたら泣く。なので私のデッキも少しずつカードを加えて強化しています。デスペラード・リボルバー・ドラゴンとか鋼鉄の襲撃者(ヘビーメタル・レイダース)とか本当にありがたい。キース様様です。

 

 

 

 

「死神ー! 俺だー! 撃ち抜いてくれー!」

 

「は?」

 

 やだ何あの人怖い。デスペラード・リボルバー・ドラゴン召喚したら動きがぎくしゃくしたので何かあるのかなと思ったけど。

 デスペラードの効果で相手モンスターを破壊、鋼鉄の襲撃者(ヘビーメタル・レイダース)の効果でクラッキング・ドラゴンを特殊召喚したらいきなり叫びだした。確かにこのカード達をメインで使っているけどさ。

 

「え、えと……デスペラード・リボルバー・ドラゴンでダイレクトアタック……」

 

 ええ……て空気を出しながらも攻撃してくれるデスペラードはいい子。攻撃が相手の胸を撃ち抜く。

 

「ありがとうございまぁーーす!」

 

 感謝の言葉を言いながら吹っ飛ぶヒャッハノイ。地面に倒れながらも、親指を立ててログアウトしていった。

 偽プレイメーカーとか、ハノイ騙った犯罪者とか、今回の死神とか。

 

「私の周りこんなんばっかりか!!」

 

 渾身の床ドン。手が痛くなっただけだった。

 

 

 

「……ダーク・ダイブ・ボンバーの効果」

 

 DDBを自身の効果で射出。エラッタされても使える良き力です。爆撃の中、声が響く。

 

「ご褒美ですー!」

 

 もうやだこのヒャッハノイ達。謎のヒャッハノイネットワークが構築されて変態が暴走召喚され続けてる。掲示板とかだと文章だけで済むからいいけど、実際に見るとうわぁ……ってなるよこれ。使っているカードで死神だと特定されているみたいです。こうなったら。

 

「デッキまるっと変えた方がいいかな……」

 

 後攻ワンキルでいいかなもう。変態の相手するの疲れるんだよ。黄泉天輪ホルアクティ使いたいですファラオ。ディスクからピコーンピコーンと音がした。

 

「あれ、こんな時間に連絡?」

 

 またまたアジトに呼ばれてしまった。今度は何だ、ハノイに変態量産するな、とかかな。うーん、これといった理由が思いつかない。

 

「とりあえず行くかー……」

 

 もう変態の相手は嫌だし、今日の始末ノルマは達成済み。ディスクを操作してアジトへ転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 私を待っていたのは綺麗なDO★GE★ZAでした。

 

「本っっ当に! 申し訳ない!!」

 

 どうやら私がリアルでは女の子であるとヒャッハノイの間に広まってしまったらしい。

 

 …………え?

 

 仕事で疲れていたハノイの騎士の一人が、ついうっかり死神が女性だと漏らしてしまった。それがヒャッハノイの一人の耳に届き、広まり、今に至る。らしい。

 

 ………………え?

 

「う、うわあああああーー!!」

 

 モノホンの変態集団だったーーーー!!!! 衝撃的事実を知ってしまった私はSANチェック。自動失敗。

 ばったーんと後ろ向きに倒れる。

 

「し、しっかりしろー! 傷は深いぞ!」

 

「違うわバカ!」

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよう」

 

 このままだと死神はネナベだと広まってしまう。身バレしたら世間的に死ぬ。外歩けなくなる。

 

「どうしよう……殺られる前に殺る?」

 

「今からでもアバターを女性に変更するのが一番良いと思うんですが」

 

 パニックになっている私に正論を言ってくれる先輩ハノイ。

 

「大丈夫ですよ、幹部のバイラ様も女性ですし」

 

 いやまあ知ってるけどさ。珍しいってだけで女性ハノイはいてもいいと思うけどさ。

 

「私は唯のバイトです!」

 

「唯の……?」

 

 首をかしげる先輩方。そう、表でデュエリストを狩り、裏でヒャッハノイを始末したりするバイト。あれ、普通のバイトはまずヒャッハノイ始末しない……?

 

 

「じゃあ、唯の、じゃないなら良いんですね?」

 

 

 どこからかやって来たドクター・ゲノム。ゆるりと口角を上げて喋り出した。

 

「貴方にはあの有象無象達を率いてもらいましょう。彼らのリーダーとして、特別製のアバターを使用する。これならどうです? 唯の、ではありません」

 

 戸惑う私を尻目に、話を続けるゲノム。

 

「ああ勿論、そのぶん給料は上げますのでご心配なく」

 

 え、これ以上お給金増えるの? じゃなくて。ヒャッハノイの上に立つってことはプレイメーカー含むカリスマデュエリストと会う機会が増えるってことで。

 社会的に死ぬか、デュエルで死ぬか。どっちを取るかと言われたら。

 

「……わかりました。あの変態どもを纏めてみます……」

 

 ゲノムに嵌められた感あるけど、こればっかりは仕方ない。

 

「では、よろしくお願いしますよ」

 

 あのDNAクレクレおじさん、いつかはっ倒す。そう私は決意を抱いた。




年齢はバレてないのでまだセーフ……だと思う。

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