なお、予告ですので実際の展開は変更する可能性が十分にあることをご承知おきください。……罪宝ストーリー、どうなるんだろうか。
とおくとおくのあるところに、ずっと雪がふりつづける白い森がありました。
そこにはまほうつかいたちがすんでいました。
ささやかに、そしてへいわに。そんな生活がずっとつづく……そのはずでした。
「リゼット……どこ……!」
ひとりの女の子がひっしに走っています。泣きながら。だいじな友達を探しながら。
だいじな友達からのへんじはありません。安全なところへ逃げられたと信じるしかありません。
『逃げるのか? 薄情だな』
女の子の後ろからつめたい声がきこえてきます。
雪よりもまっしろな肌、緑と紫のまがまがしい魔力を操るもの。人に似た姿をしていますが、ばけものだと示すように腕は黒い枝でできています。目玉のような紋様が描かれた黒枝腕をこちらに向けて伸ばしてきます。
おそろしいわざわい――妖魔ディアベルが白き森から出てきたのです。
だれもわるいことをしていないのに、だれも森の奥にはいったりしてないのに、わざわいはとつぜんおそってきました。
「にんげんかい……そこならきっと誰かたすけてくれるんだよね……!」
シルヴィとルシア。おんなのこ――アステーリャを逃がすため、足止めに残ったふたりから言われたことだけがおんなのこをささえていました。
ディアベルから何を言われようと、ふたりの言葉を信じて前に進みます。戻っておいで、とシルヴィとルシアの声が聞こえてもニセモノだと信じて進みます。
後ろを向くことはありませんでした。それはきっと良いことだったのでしょう。
――なぜなら、
男は眼下に広がる光景が信じられなかった。
じりじりと、世壊の端がこぼれ落ちる。
じわじわと、空に穴が開いていく。
ゆっくりと、
男は配下からとある報告を受けてやって来た、この世壊の支配者。クシャトリラ・ライズハート。
「
何者かによる攻撃は突然に始まった。
正体不明。手段不明。理由不明。
「ヴェーダ、ではないな……ヤツがこんな悠長にことを進めるはずがない」
男の知識の中にある、原因となりうる存在の名を上げたが即座に否定する。
許し難い暴挙。怒りを募らせる。
「如何いたしましょうか、我らの力を使えば可能性はあるやもしれません」
「ならん」
フェンリル、ユニコーン、オーガ、スケアクロー、ティアラメンツ。男の従えるクシャトリラ達からの言葉を一蹴する。
……無策に突入してもきっと、あの分解に巻き込まれるだけだ。クシャトリラに耐性は存在しない。
かといってこのままぼけっと突っ立って、世壊を失うわけにはいかない。
「
「それは!」
この分解の力にアライズハートが耐えられるかは分からない。万が一が起きた場合、哀の分身を吸収する前の、かつての己に戻ることになる。
――失う道しか選べないのか?
否。
「人間界へ行くぞ。
機械に妙に好かれる女、その力があればたとえアライズハートを失ったとて再生できるはずだ。機械の力を使い分身同士での合体という不可能を可能としたライズハートだからこそ、機械の力を信じている。
もし駄目ならば? そんなつまらないことを考える必要はない。
「
ライズハートと重なるようにして現れたアライズハート。赤と黒の機械具足に光が宿る。
機械翼を広げ、飛び立つ。
パライゾス上空、彼らの技術で作り上げた建造物が消えゆくのを目に映す中、宇宙の光を宿す左腕をゆっくりと伸ばす。
「――この俺の手で世壊を閉ざすことになるとはな。決して許さんぞ、下手人め」
怒りを込めて、男は力を使った。
「アルバスくん、あーん」
「あーん」
リンクヴレインズ内にあるカフェ。そこで二人のカップルがいちゃついていた。……まあ、さきほどのあーんな二人はカップルというより美味しいものを共有したい、なので恋愛感情は含まれていないが。
傍目から見ていちゃついてるのでカップルです。末長くばくはつしろ。
デラックスランセアパフェ、なる氷結界ドラゴンスイーツ全部盛りなお高いものをぱくついている二人。
一人は白髪の男、片方の目に焼けたような傷跡。
一人は金髪の女、額に何か印があったような跡。
カップルの正体はアルバスとエクレシア。カードの精霊な二人は人間界を満喫していた。
「にしても、本当に気付かれませんね」
「もぐ……だな」
二人はカードの精霊。服装もイラストそのままなのだが、リンクヴレインズにいる他のアバターと同じようにコスプレと思われているのだろう。
精霊のことを何も知らない一般利用者から話しかけられたことがあったが、要約すると「すごいそのまんまですね!」だった。
突然話しかけられて反応に困ったが、その会話は長く続かなかった。ぴちぴちマイクロビキニドラゴン、というインパクトの強い変態が「どう思う?」と一般利用者に衝突事故を起こしたことでなんか流れていった。
……まあ、その変な人は連れだろう巨大植木鉢フラワーにすぐ回収されていったが。リンクヴレインズ、クセが強い。
「なあなあ聞いたか、あのリンク5のウワサ」
「ああ、ホールの先に、だっけ? 使ってる人いないしガセなんじゃないか?」
ふと聞こえてきた話。スプーンを持つ手が止まる。
「――ホール、だと?」
彼らの旅路に深く関わりのある単語。異界に繋がる赤の光を宿す菱形。
いや、ホールという単語のみはよく使われることがある。勘違いの可能性は高い。
「なんだっけあの、デスピア? それがホールの先限定で入手可能なテーマだったよな。融合テーマじゃリンク5は無いだろー」
デスピア。
がちゃん! と大きな音を立ててしまう。
「エクレシア、これって」
「……マズイかもしれませんね」
二人の知るリンク5はたったひとつ。
それが……彼がホールの向こうにいる? そんな筈はないが、確かめなければならない。もしかしたら、とてつもないことが起きようとしているのかも――。
「食べ歩きはおしまいだな、急ぐぞ」
「待ってください!」
「何かあったのか!?」
「パフェがもったいないので食べ終わってから行きます!」
「に、にいさ……兄さん! ライトニングが変になっちゃった!!」
「お゛の゛れ゛A゛i゛ーーーーッ!!」
草薙仁が両手で持ってこちらに見せて来たデュエルディスク。そこからほぼ全身を出しているライトニング。
インターネットへの逃走防止措置として足をデュエルディスクに縛り付けられている彼が、なんというかこう……びったんびったんしている。
こういう音楽に合わせて動くおもちゃあったよなあ、と現実逃避したくなるのも無理はない。生き物ならば確実に目眩を起こすようなハイスピードで暴れている。
「勝手に! イグニスの品位を!! 下げるような真似を!!!!」
「イグニス?」
「なんかよくわからないんだけど、これを見てああなっちゃって……」
パソコンに表示されている画面は、草薙翔一が初めて見るものだった。
『Live☆Twinチャンネル』
カラフルで動きもある。カードの説明も単調ではなくモンスターにしゃべらせるような、少し凝った作りの新テーマ紹介ページ。
「へえ、動画配信者モチーフのカードか?」
「新しく出るサイバース。面白そうだなーって見てたら、こう」
「A゛i゛ッッッッ!!!!」
画面を見たことで更に暴れ始めたライトニング。
イグニスとSOLテクノロジーの仲はあの一件で完全に修復……とまではいかないが、財前晃なら信用して良い。までには回復した。
財前晃が早くSOLのトップになれますように、というイグニスからのデータマテリアル提供が盛んになり。結果としてSOLテクノロジーでサイバース族が作れるようになったのだ。
初期にプレイメーカーが使っていたカードをたくさん流通させ、遊作がサイバースデッキを気兼ねなく回せるように、というAiの思いもある。
問題のサイバース族だが、闇属性と……光属性。
闇はまあいい、Aiはこういうことする。
光。ライトニングは絶対に嫌がる。でもカードとして存在している。
「…………遊作、今連絡して大丈夫だろうか」
この状態のライトニングを放置するわけにはいかない。取り敢えずAiに責任をとってもらうため、翔一はアドレス帳を開き藤木遊作へと電話をかけるのだった。
え!!バイトハノイ3期は烙印世壊罪宝を混合したストーリーを!?
で……でき……で……