DARK SOULS〜Human prise〜 作:リューラ
やっぱりあの人の世界はどこかおかしい。それとも私の世界がおかしいのだろうか?いや、白霊として別の世界にも行ってみたが多少の差異はあれど高壁にロスリック騎士の編隊やイルシールの外征騎士が現れたのは彼の世界だけだ。ならば、イレギュラーなのはやはり彼の世界…もしくは彼自身だろう。
だけど、もし彼や彼の世界がイレギュラー…この世界の本来のルールから外れているのなら、私の望みは彼の世界で叶うかもしれない。とするとどうやって彼の世界に行くかが問題、か。世界が交わる程度には彼と私の世界は近い位相にあるはず。
無名の闇霊が侵入しました -
「またか~。しつこいのは嫌われるよ。ま、闇霊やってる時点で嫌われようが気にしないんだろうけど」
ドラングレイグの時からよく侵入してくる無名の闇霊たち。彼(彼女)らは名前もない不死者でよく私の世界に侵入に来る。というか私がそういうのを呼び込みやすい体質なのだろうか。ドラングレイグでは警告もなしに他の敵のど真ん中に陣取ってこちらの進路を妨害されたしたぶんそうなんだろな~。
今回来たのは刺剣使い。得物は刺剣の中でも大型なエストックか…私の得物は特大剣と両刃剣、刺剣のような攻撃速度の速い武器は苦手だ。一撃の火力はこちらが大きく上回ってるし、殺られる前に殺る。手っ取り早く終わらせる。
ツヴァイヘンダーを構え闇霊を迎え撃つ。闇霊は走りながら距離を詰め、刺剣の一撃を入れ離脱する。典型的なヒット&アウェイだ。ならばこちらにも策がある。闇霊は再び走りながら距離を詰めての一撃。
舐めるな!
その一撃に合わせ自分から一歩踏み出す。刺剣の一撃が横腹を貫き服が裂け血が出るがそんなのはお構いなしだ。強い踏み込みは刺剣の一撃を受けて尚体勢を崩すこともなくツヴァイヘンダーのかち上げに繋げる。下から掬い上げるような強烈な一撃を受け、無名の闇霊の身体は宙に舞う。そこに追撃の振り下ろし。しかし、闇霊も案外やるようだ。空中で身体を捻らせ体勢を整えると盾を取り出し追撃をガードしこちらの攻撃の反動を使い距離を取る。
お互い離れた距離を詰めることもなく懐からエスト瓶を取り出し飲む。こちらは一口分、向こうは2口は飲んでいる。これで状況は振り出しに戻ったがエスト瓶の数はこちらが有利ってところか。
無名の闇霊が侵入しました -
2体目!?これは予想してなかった。まずい、合流されると流石に死ぬかも…その前に刺剣持ちを、って、もういないし!
白霊サイン近くに無いかな~在るわけないよね~、って在った。やったこれで勝てる、かも。
白霊 リューラが召喚されました -
「チェンジで」
「出てきたばかりの人に対してそれは酷いんじゃないかな、ドラングレイグの王よ」
「マジで帰って胡散臭いし。貴方の力を借りるくらいなら亡者になった方がマシ」
「というか君なら無名の闇霊の2体程度どうにでも出来ると思うんだけど」
「召喚しちゃったもんは仕方ないし諦めるからさっさと無名の闇霊倒してきてharry」
「僕にだけ容赦なさ過ぎじゃないかい?」
「は?第一なんで白サインなんて面倒なことしたの?貴方ならサインなんて出さなくても他人様の世界に出入り出来るくせに」
ため息をつきつつ目の前の一応青年に目を向ける。元貴族の金髪と青目の魔術師、別世界のドラングレイグで火を継がず自分の世界すらをも棄て、あらゆる世界に存在する代わりにどの世界にも存在できないという矛盾の塊。困ったことに私はドラングレイグでもこれに絡まれた。助言も何度も受け実際に助かっているというのが本当に屈辱だ。なんでこんなところにいるのか…
「だって今回メタ回だし」
「ごめん人間の理解できる言葉で話してもらえます?」
「すまない。なにこちらの話だよアルシア」
めたかいってなに美味しいの?
「さて、なんで僕がわざわざ白サインなんて出したか、だったかな?」
「あ、どうでも良いんであそこにいる闇霊たちに武器なしで突っ込んでもらえます?そっちが殴られてる間に敵ごと叩き斬ってあげるんで」
「なんとなくだよ」
「死ね!」
殺したい
そんなこと思ってたら最初に来た刺剣持ちの無名の闇霊がしびれを切らせて突撃してきた。普通の魔術師はその強力な術を扱える反面、接近戦は苦手な類いが多い。しかし、
「邪魔は無しで頼むよ。」
そういうとこの男は杖でなく異なる短剣両手にを構え、左手の三又のような短剣…パリングダガーで刺剣をパリィする。
刺剣持ちの闇霊は硬直する。
リューラの方は何かを唱え終えると素早くもう1本の短剣…ダガーを闇霊の胸に無造作に突き立てる。
瀕死になる闇霊、しかしまだ生きているらしい。リューラの方は追わないらしい。いや、追わなくても良いのだろう。なぜなら魔術師に対して距離を取るというのは悪手でしかないのだから。
距離を取った刺剣持ちがすぐにこの世界から消えたのも仕方のないと言うものだ
「相変わらず便利ね、それ」
リューラの周りにはソウルの結晶で出来た浮遊する剣が3本取り囲んでいる。本来なら5本展開だが先ほど刺剣持ちにトドメを刺すため残りの2本は高速で飛んでいった。
「追尾するソウルの結晶剣、僕が作った僕しか使用者のいない魔術だからね。元の魔術と比べると破壊力に指向性を持たせたから後ろ取られたりすると射出に時間が掛かるのが問題だけどね。その分威力と射出速度自体はこちらが上だ。それに」
そういうとおもむろに浮かぶ剣を取り、背後にいた短剣を持った闇霊の攻撃を捌く
「こういった汎用性の高い使い方も出来る。」
闇霊はバックステップでその場を離れ、ある程度の距離を取りリューラを警戒する。ソウルの中から大斧と大盾を取り出す。更に杖を取り出し大盾にソウルの強い盾をかける。魔術師対策は十分といったところか。
「これは面倒だね。アルシア あの盾どうにか出来ないかな?」
「え?早く相討ちにでもなって消えてくれないの?」
「む、君の目的達成に僕なら手を貸せるけど?ま、仕方がない。君にそう言われるとなるとさっさと消えてしまうか…」
イラッ コイツ ゼッタイ コロス
「実際あなたにあんなの問題ないでしょ。手を貸すまでもないわ」
「堅いこと言わないでくれよ。こっちももう歳なんだから」
不死になったやつに歳とか関係ないでしょ。第一あなたは会う度に青年だったりおじさんだったりで元の年齢すら不詳でしょうが…
「ま、僕の目的のためというのもある。アルシアにはまたあの世界に行ってもらわないと困るのでね。物語の都合もある…」
最後のがうまく聞き取れない。なんか頭にもやがかかったような…
「さて、そろそろ君にも退場してもらおうか。邪魔だしね」
闇霊は大盾を構え距離を詰める。近接戦というには遠く魔術を展開するには近い距離を維持してくる。リューラが動く、魔術師にとっては危険な近接戦へ自ら足を踏み入れる。リューラは杖を取り出すとその杖を両手で構え呪文を唱える。
「試作品だがこれでどうかね?」
杖から刃が現れる。現れたのは宇宙の深淵を宿したような刀身。あまりに綺麗なソレは昔見た蒼の大剣によく似ているが内包している力は瞭然だ。蒼の大剣はただのクリスタル状の綺麗な剣だったがこちらは視るものを魅了してしまう魔剣か聖剣の類いだろう。
それを大盾に突き入れると爆発のようなものが起こる。しかし、試作品というのだその爆発自体はダメージを産み出せないのだろう。
「古い月光の波動、と僕は呼んでいる。試作品というかは失敗作の類いでね古の月光の力を魔術で顕現しようとしたんだが、結果は見ての通り中途半端な呼び出しで破壊力なしの波動だけしか呼び出せなかった。これはこれで盾剥がしには役立つから問題はないのだけどね。さて、これでトドメだ」
衝撃により盾を持った腕ごと大きく開き無防備な体勢になっている闇霊にリューラは左手に異様に長い杖をソウルから取り出し詠唱する。
「さて、さようなら。もう君も用済みだ」
闇の特大剣、か。闇の大剣の範囲と威力拡大版。しかも振るうと中からの追うものたちが5つほど発射されて自動追撃。対人戦のこういう場面ではもはや死ななくても死ぬという謎の言葉を言いたくなるほどの逸品だ。
闇霊はその身体に闇色の刀身を叩きつけられ私の世界から消滅した…って用済み?
「あなた用済みってまさか…」
「ん?なんだい?まるで僕が君の世界に白霊で立ち入るために彼らを差し向けたとでも言うのかい?」
こいつならやりかねないし
「死ね!」
特大剣を振るうが白霊のためこちらの攻撃は当たっても何事もなくすり抜ける。
「残念だったね」
殺したい。この傍迷惑な存在を世界から消してしまいたい…って出来るじゃん
「はい、黒水晶。指定はリューラ。カエレゲス野郎。」
「あ、今更思い出したんだ。また今度遊びに来るね。」
ようやく終わった。
「やっほー、遊びに来たよ。」
「死ね!」
特大剣を振るうが避けられた。
「さて、茶番は終わりだ。物語を進めよう。アルシア あと作者の労力の問題とかもあるしね」
まただ…また頭にもやがかかったみたいにうまく聞き取れない。
「それでは今から君をあの世界に送る。世界的にはかなり近いようだし簡単だろう。一応どんな手段使うか知りたい?」
「私の目的のためにも貴方の目的のためにも私はあの世界に行くべきってことでしょ。手段なんてどうでもいいから」
「わかった。さて、がんばってくれよ。君があの世界に行ってくれれば僕もあそこに入れる。そうすれば色々な手伝いもできるし」
心底いらないんだけど。あ、身体が透けてきた。というか足下どころか私を中心として上下左右に変なメッセージ出てるけどこれホントに大丈夫?ま、一応リューラは天才にして天災だし問題は…なかったらいいなぁ
「ん、行ったようだね。頼んだよアルシア。君の目的のためにも私の…」
※アルシアさんは主人公の世界へ行きましたが当面は出番なしです。祭祀場で待ちぼうけしてもらいます
アルシア「え?」