DARK SOULS〜Human prise〜 作:リューラ
あとUAが1000超えました。こんな作品を読んでいただき本当にありがとうございます。完結目指して頑張りますね
なんで?と声がする。肩に担いだ女がうるさい。足が潰された程度でなんだというのだ。別に足を動かさなくたって働けるし多少の介護は必要だろうが生きてはいける。
騎士様、お願いですから。私を家族と同じ場所へ。女が泣き叫びながらこちらの背中を叩いてくる。鬱陶しい。
王にはもし村に生き残りが居れば何があったのか聞きたいから生きて連れてこいと命令されたのだ。ならばこの女には生きてもらわねばこちらが困る。せっかく生き残りを見つけたのだ命令を果たさないとあの戦場と化した村で死んでいった皆も報われない。
「なんであれあんたは生き残った。なら生きろ。じゃないとさ、あんたを助けるために死んでいった皆の死が無駄になる。もう、いや、いつだってあんたの命はあんただけのものじゃないんだ。泣きたいなら泣けばいいあんたの家族を弔いたいなら祈ればいい。それくらいなら許してやる。だけど死ぬことだけは許さない」
そう言って城まで連れ帰って。王に報告をしに城に帰って
「お前はもう少し女の扱いをしっかりとしろ。肩に担ぐのはなしだろ。普通ならそこはお姫様抱っこだろうが。まだまだだな○○」
「はぁ?そんな離ししに来た訳じゃないし帰るよ。その女の判断はそっちに任せた」
「おい焦るな。で?どうだった?」
「ん、そっちの読み通りかな。村を襲いに来たただの山賊じゃなかった。あれは確実に兵としての訓練を積んでいた。武器も良いもの使ってたしもしかしたら精鋭だったのかも」
「やっぱり隣の国からの嫌がらせ、か。こちらの損害は?」
「村にいたやつはそこの女を除いて皆殺されてた。その女も逃げられないように足を潰されてたし顔は良いから娼婦にするつもりだったんでしょ。こっちも俺以外は…」
「そうか…。だが下手に手を打てば取り返しはつかない。どちらかの国が滅びるまで戦い続けるだろうな。その場合…」
「あぁ、俺が戦いの先陣を切る。いつも通りだ。」
「先走るなよ。まだ戦うと決まった訳じゃない。それにお前に死なれると困る」
「俺の命は王が拾ったものだ。王が死ぬか、死んでこいと言われるその日まで俺は死なない。」
「ふ、お前に死なれるとお前の秘密が他国のやつらにばれてしまうからな。そうなればどのみちこの国は終わりだよ。そうだ。あとその村娘の面倒はお前が見ろ。お前が拾ってきたんだからな」
「は?」
「俺の命令には逆らわんのだろ?」
「了解。衣食住はこっちで用意するよ。職に関しても、なんとかなる、かな?」
……
「ん、また寝てたのか」
前は目覚めたらアルシアがいたんだっけ?
「貴様!わざわざ再戦しに来たというのに寝ているとはどういうことだ!何度寝首を掻いてやろうかと!!」
「えっと。ヴィ…ヴィ…」
だれだっけ?こいつ?ま、いいや。赤いし敵だろ。袖に隠していたナイフを抜き投擲する。しかし、あと少しということころで避けられてしまった。せっかくアドバンテージ取れると思ったのに…
「あぶな!?」
「えっと?ヴぃんず…だっけ?わざわざ起きるの待ってたの?バカだろ」
「ヴィンスだ!貴様俺を愚弄し続けるのもいい加減にしろ」
「ヴィンセントに改名した方がカッコいいよ」
「カッコよさなど求めとらんわ!」
「やる気あるの?」
「貴様にだけは言われたくないわッ!」
こうしている間にも攻撃を続けていたが向こうも今回はこちらの攻撃を避け、また右手の直剣で応戦してくる。
右手に持つメイスを叩きつけ即座に持ち手を短くし横に振るう。左手で刀を逆手抜刀しメイスを振るった反動で切り裂こうとする。しかし、胴を逆袈裟に咲く予定だったそれはやつの身に付けている防具の表面を切り裂くのみに留まる。
やつの動きが変わる。左手に細身の剣…レイピアを取り出し、こちらの攻撃後の隙を狙ってくる。
突然のテンポ変化と攻撃後の隙を突かれたこと、レイピアという攻撃速度が重視された武器のため避けることができない。仕方ないのでメイスから手を離し、不恰好なタックルで距離を取るついでに向こうの腕が伸びきる前にレイピアにあたりに行きダメージを少なくしておく。
「お前はふざけたやつだが強い。だから俺も本気で行くぞ」
メイスを握り担ぎ、相手の情報を整理する。
「ふーん、右手は直剣。左手にレイピアと聖鈴だっけ?奇跡を扱える媒体、か。
で?あとは?まさか俺を殺すために用意したのはこれだけじゃないよな?」
「なにを強がりを…」
本当にこれだけかよ。ならもう見るべき点もない。前回同様一度殺しても死なないだろうけどあれも奇跡の類いだろう。なら次を発動させる時間を与えなければいい。
メイスを両手で持ち横振りを連続で行う。低い体勢で懐に入ろうとしてきたところで持ち手を短く持ち突き上げをお見舞いする。ギリギリで直剣を盾代わりにして致命傷は避けてきたか。メイスから手を離し腕を上げ、ソウルから予備のメイスを取り出し投げつける。まだ息の整いきっていなかったやつはそれに直撃する。
「ぐッ!?」
「どうした?さっきまでの威勢はどこに消えた?まだ武器は握ってるんだろ?だったらその剣で立ち向かってこい。出来なければこのまま死ね」
「ハァッ!」
左手のレイピアの連続刺突、合間を縫って直剣の斬撃を繰り出し。左右の武器を同時に突きだす。左手にかぎ爪を着けたまま刀を抜刀し右手のメイスも合わせそのすべてを受け流し、ガードする。
「まだまだッ!」
ヴィンスは一度引き、左手に聖鈴を構え詠唱を開始する。止めようと思いナイフを投げつけるが彼の身体には淡い光纏われ当たったナイフも防具に刺さることもなく落ちる。
この感じはボルドの時の感覚に似ている。そうしている間に詠唱は完了したのか聖鈴を中心に電撃が伸びている。それはまるで槍の様に見えた。
「喰らえ!」
ヴィンスは身体を弓なりに反らしその槍状の雷をこちらに向けて放ってくる。投擲されたそれはかなりの速度でこちらに飛来し、避けるために行動を開始したときにはすでに俺の右肩を掠めた後だった。これでお互い痛み分けか。
「胸部への直撃を狙ったが…雷の槍をかすり傷だけで済ませるとは」
ヴィンスはさらに雷の槍を放とうと構えに入る。対策は…あれがあるか。投げるために身体を弓なりに反らし始めたところに火炎壺を投げつける。あの光で対して効いてないだろうけど視界を奪うには十分だ。
雷の槍を投げようとしたところで投げつけられた火炎壺に視界が奪われる。爆炎の中に右に避けようとしたやつの影が見えた。それに向かい投げつける。しかし、なにかに当たったような手応えもなく爆炎が晴れてもやつの姿が見えない。次の瞬間俺の意識はなくなり、惜別が発動した。これは致命傷を一撃だけなかったことにしてくれる。しかし、負った傷自体が治るわけではなく即刻回復しなければ掠めただけでもこの身体はもたないだろう。いまだに脳が揺れ距離を取れない俺はそのままメイスを叩きつけられ元の世界へ帰ることとなった。
なるほど。あの奇跡は死んだ事実だけをなくすから傷自体は消えないんだな。
火炎壺を投げたあとソウルから取り出したロスリック騎士の鎧を適当に投げたあとメイス地面に押し付け跳躍することで死角を突きさらに宙で身体を捻り強引にメイスを引き付け必殺の一撃と化したそれを頭に叩きつけた。やはりというか即死はしなかったが頭を打った甲斐もありそのまま動けなくなったやつを手早く倒すことができた。
「なんか疲れたけど先に進むか」
周りは木などが生い茂っている。奇襲とかにも気を付けないとな。少し進むと下の方に人型ではあるが黒い肌に山羊のような頭をした異形がいた。こちらに気づいても攻撃してくる様子はないが唐突に身体を抑えなにかに堪えているように震わせている。
突然背中に翼のようなものを生やした異形は先程と違いこちらに突進し手に持った大型のナイフで攻撃を仕掛けてくる。
攻撃速度はかなり早くしかもそれを連続で行うので面倒なことこの上ない。大上段からの振り下ろし、逆袈裟、振り払いを左右に一回ずつの合計4連撃か。
攻撃後はそれなりに隙が出来るようだな。メイスを振るい吹き飛ばし体を起こそうとしたところに投げナイフを飛ばす。流石に殺しきることは出来ないが起きる時間を多少は延ばせる。その間に刀の突きを見舞う。
異形を倒し終え先に進んだがその先には3体とかほど同じような場所にいたため迂回路を進む。だがこれが不味かったか足を踏み外し死にはしなかったが亡犬とずいぶんとワイルドな格好をした手にかなりヤバそうな包丁を持つ女性の前に落ちる。一瞬の静寂は吠え始めた亡犬の声によって動きだし俺に向かって走ってきた亡犬の1匹をギリギリで蹴り飛ばし崖下に落とす。女の方はというと手に持った包丁で斬りつけてきたがそれを屈んで避ける。もう1匹残っている亡犬が噛みついてきたので自爆覚悟で火炎壺を近くで爆発させ爆風を使い離脱と亡犬の排除を行う。あと少し飛んでたら命ごと現世から離脱するところだったが死んでいないので無問題だ。
これで残りは包丁持ちの女だけだ。メイスは通路が狭すぎて使えない。刀とかぎ爪で戦うか。包丁での叩きつけをバックステップで避けながら刀を振り払い腹を薙ぐ。突撃を仕掛け包丁による叩きつけを誘発させる。重心を右に傾けつつ叩きつけを誘導し右足でステップを踏みそれを避けつつ後ろを取る。背中胸にかけてを刀で貫き蹴りを入れながら一気に抜く。まだ動くようなので刀を手放しかぎ爪だけになると立ち上がろうとしたところを踏みつけ今度はかぎ爪で腰から腹を抉ってやる。
息が荒い。連戦も続いているし祭祀場に戻ってきちんと休んだ方がいいか?いや、行けるところまで進もう。ナイフや火炎壺も底が見え始めているし武器もそれなりに損耗しているがまだまだ大丈夫だろう。辺りの使えそうなものなどを回収し立ち去る。点字で書かれた聖書も手に入れたのでイリーナに渡せば奇跡を買うこともできるだろう。
道なりに進んでいくと異形たちがたむろしている石橋を見つけた。どうやらここから先に進むことができそうだが、4体か。変身前に1体倒したとしても3体。ちょっときついか。武器は大鎌持ちと大短刀持ちが半々といったところか。
近くの石を拾い物陰から投げる。それに気づいた1体が近くまで来たところで刀で首を切り落とし絶命させる。それによって他のやつらが気づくがこれならもう1体を変身前に倒し2対1に持ち込める。これなら勝算は十分だろう。一斉に変身を始めたので鎌持ちの1体に一気に近づきメイスで吹き飛ばす。変身を終えた1体が動こうとしたところを殴り飛ばし先ほど吹き飛ばした方にメイスを投擲し仕留める。まともに動けた異形の大短刀による一撃をかぎ爪でパリィし刀で刺し貫き地面に突き立てる。殴り飛ばした大鎌持ちが近づいてきたので火炎壺を投げ足止めし、地面に突き立てた方を刀で脊椎をなぞるように切り裂き殺す。
これで残り1。大鎌持ちの異形は炎が無くなったのと同時に距離を詰めてくる。腕を振り上げたところで刀を振るいその腕を切り落とす。こちらに落ちてきた鎌を奪い首筋に刃を合わせつつ柄を引き異形の胴に蹴りを入れ首を落とす。
戦闘が終わり他に敵が居ないか辺りを見渡すと光っている物が見えた。俺が来た方向の石橋の下の方にあるようだ。それも拾っておく。石橋の先に進むと篝火と俺の身に付けている鎧よりも上質な鎧を着た騎士とそのお付きだろう2人組がいた。
話を聞くとアストラのアンリというらしい。もう一人は親友なのだそうで。もう一人の方は特に何も喋らなかったが唐突に青の守護者の誓約をくれた。誓約の説明をソウルを通し行ったが別に悪いやつじゃないらしい。
彼女たちの目的は薪の王のひとり神喰らいの聖職者エルドリッチを倒すことらしい。そのためにこの先にある聖堂を目指しているらしい。互いに困ったことがあれば助け合おうと言ってきてくれたので機会があればありがたく頼らせてもらおう。
さて、と。そろそろ武器の損耗も消耗品とついでにバカに侵入され続けてるせいで地味に削れている精神力を回復させるためにも祭祀場に戻るか。
-ロザリアの指 ヴィンスに侵入されました-
………殺す
3度も侵入されるのにはもちろん理由があります。原因は現在祭祀場にいますが。こちら側の世界に来たことでちょっと特性が変化しましたね。無銘ではなく普通のが呼ばれるようになりました。簡単に言えば常に干からびた指使ってる状態です。でも主人公にはもっと強くなってもらいたいので作者も手加減せずに殺しにかかる所存です(でも死なない)