DARK SOULS〜Human prise〜   作:リューラ

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書き貯めておいた分はこれで最後です。acvdとedf5満喫したら次の話書きます。


ep.12

ヴィンスに三度侵入された俺は現在凄絶な追いかけっこをしていた。

侵入してきた闇霊が逃げ回り道中の敵性存在を片手間で排除しつつ侵入された側が追いかけ回すという普通逆だろ、という図が展開されていた。

背中に十字架のような木を背負った狂人や無駄にでかい蟹などもいたが突然槍のように大きな矢が降ってきて排除してくれた。

ヴィンスは俺を自分にとって有利な場所へ誘導しているのだろうがどうでもいい。

俺の休息を邪魔してきたんだ。例えどんな手を持っていようが確実に殺す…

 

ハートは熱くしかし、頭は冷静にヴィンスの攻撃を避け受け流し片手間で丸太を持った亡者や毒を撒き散らす害虫を排除していく。

 

沼を越え、逃亡騎士の遺体があった先でヴィンスが止まる。

 

「今回の俺は手段を選ばん。恨むなよ」

 

大槌持ちと大剣?いや刀身は刀に近い感じだし大型の曲剣か。3対1か…

 

ま、どうだっていい。彼らが構えている先には建物がありその後ろには梯子が見えている。下があるのだろう。ヴィンスが詠唱を始め大槌持ちがこちらに突撃をかけ大曲剣持ちは後ろを取ろうとしている。大槌持ちが振ってくるのに合わせメイスを振るい迎撃する。すかさずメイスから手を離し顔につけている仮面を手で掴み足を膝裏にかけ体勢を崩し地面に叩きつける。

ヴィンスは詠唱が終わったのかすでに投擲に入っているが体の向きで投げてくるであろう場所は大体見当がついている。雷の槍を回避し建物の中へと一気に入る。

大曲剣持ちが追いかけてくるがヴィンスと大槌持ちはまだ追い付いていない。大曲剣の片手振りをパリィし刀で胸を貫き梯子付近から突き落としついでに刀を両手で持ちアンカー代わりにし身体を支え大曲剣持ちを踏みつけながら降りる。大曲剣持ちの体と鎧が落下時に潰れるが俺の方は足の骨にヒビが入る程度で済んだ。目の前の篝火を灯しておきエストを飲み足を完治させる。

 

それにしてもなんか臭いな

 

大曲剣持ちの身体が崩れソウルとなり俺の中に入ってくる。どうやらこいつらは処刑人というらしい。ヴィンスは梯子の上で様子を見ているがもう一人の処刑人は先ほどの仲間の死を見ていてもたっても居られないのだろう梯子で急降下しながら降りてくる。

ヴィンスはその様子を見て処刑人たちの援護は期待できないと察したのだろう。その顔には諦めが見える。俺はソウルから予備のメイスを取り出し身体を弓なりに反らし降下中に処刑人にぶん投げる。仮面に隠された顔からは確かな驚愕が見てとられたがすでに直撃コースだ。避けられはしない。メイスは処刑人の無防備な背中に吸い込まれるように当たり、その一撃は処刑人の身体から梯子に掴まるだけの力を奪い取る。梯子から手が離れそれなりの高さから落下した処刑人は俺の前へと落ちてきた。すでにメイスを振り上げていた俺はなんの躊躇いもなくそれを振り下ろし大槌持ちの処刑人をソウルにへと変える。

 

「ん、あとはお前だけだぞヴィンス」

 

「まともに名前を呼んだ、だと!?もう少し消費させてから呼ぶ予定だったが…やむを得ん。黄色い指の!出番だぞ!」

 

突如足元に侵入のメッセージが沸く。

またかよ。どうやらヴィンスの仲間みたいだけど…

 

どこから、と振り返るとそいつはすでにいた。体の造り的に女だろう。頭に不可思議な形の黄色いターバンをぐるぐるに巻きつけている。手に持つのはこれまた黄色いピッケルだ。

 

「よろしくお願いしましす!」

 

いきなりお辞儀された。なにこいつ敵なの?なんなの?

 

唖然としてる隙にヴィンスとも合流された。まずいなせっかく殺す隙があったというのに無駄にしてしまった。

 

さっきよりはマシだが2対1だ。ま、他にも敵は山ほどいるからそれどころじゃないけど。

さすがに旗色が悪いか。こちらには仲間などいない。

 

しかし、やることは変わらない。いつも通りだ。昔から変わらず目の前にいる敵をすべて倒すだけだ。

 

昔?昔から…俺は戦ってたのか?

 

視界に黄金光り飛来するものが見える。それをなんとか避け頭を切り替える。今はそんなことを考えている場合じゃない。

狭い場所だと囲まれると死ぬ。そう思い外に出ると沼地があった。毒を孕んでいるためであろう沼地からは腐臭が漂っている。さっきから臭いと思ったらそういうことか。

沼地に足を入れれば雷の槍を回避するのは困難だ。かといってこのままだと囲まれる。

ならば速攻でどちらかを倒す。まずは遠距離持ちのヴィンスからだ。

メイスを右手で保持しならがらヴィンスに向かって走る。左手でナイフを3本構え投げる。もちろん避わされるが回避行動を取らせるのが目的なので問題ない。ヴィンスが回避している間にこちらの間合いに入る。

後ろから詠唱が聞こえる。

しまった!もう片方も魔法かなにかの使い手か!

後悔するもすでに詠唱は終わり俺の後ろからは質量を持ったソウルの散弾が迫っていた。

完全な回避は不可能。ならばとメイスを盾代わりにしダメージを減らす。しかもこの防御のせいでヴィンスに後ろを取られる形となり直剣による突きが俺を襲う。それを敢えて左手で受け、手のひらを貫いた直剣を力任せに握る。

 

「捕まえた」

 

メイスを右手で力任せに振り払う。ヴィンスは咄嗟に直剣を離し回避しようとするがこちらの方が速い。メイスの一撃により身体をくの字に曲げながら毒沼に吹き飛んでいったヴィンスを横目に黄色い方に向き直る。杖の類いは無いように見える。先ほどの魔術を受けた時メイスを盾代わりにしたとはいえ被害が少なすぎた。つまり、だ。

「その手に持ってるピッケル それが魔術の発動の媒体か。手品が分かれば対応策なら幾らでもある。」

 

こちらにピッケルを向け詠唱を始める。しかし、こちらが投擲したナイフにより詠唱は中断される。

 

「弱点その1 飛び道具による詠唱中断」

 

こちらの攻撃の間合いに入った。しかし、まだ近接魔術やピッケルとしての近接武器としての攻撃も警戒しなければならない。ピッケルの先からソウルで出来た直剣のようなものが出る。

近接魔術か…だけど

 

「弱点その2 近接魔術は発動までにラグがある。つまり攻撃の出が速い武器には弱い」

 

腰に付けていたかぎ爪を左手に装備しソウルで出来た直剣が振るわれるより前にその身体にかぎ爪を叩き込み怯ませる。

 

「弱点その3 そもそも媒体がなければ発動できない」

刀を抜刀し両手首を切り落としたあと膝蹴りを放ち沼地に放置しておく。これで残りは…

 

「ハァッ!」

 

横からきた刺剣の攻撃を避け続く直剣の袈裟斬りをかぎ爪で反らす。

 

「ヘイゼル!お前は一体どれだけの力を…」

 

「さぁ?」

 

メイスを構えヴィンスを見る。向こうも直剣と刺剣の二刀流で応じるようだ。

 

動きだしたのはヴィンスからだった。彼は迷わず踏み込み直剣を振るう。袈裟、逆袈裟と続け左手の刺剣による突きを放つ。先ほどの、いや今までしてきたどの攻撃よりも速く太刀筋も綺麗だ。あまり斬りあいで使いたくなかったが仕方がない。最初の袈裟斬りを避け続く逆袈裟を打刀で捌き刺剣の高速突きはメイスを盾にしかすり傷に留める。

冷静にヴィンスの攻撃パターンを解析し攻撃のリズムを読む。

 

引けば雷の槍、近づけば直剣と刺剣による連続攻撃。近づいた場合、直剣の袈裟斬りによる始動が6割強。それ以外だと直剣か刺剣の突きか直剣による振り払い。雷の槍は発動までの時間が2秒ほど…撃たれた場合10m程度で直弾までにかかる時間は1秒未満といったところか。投げる方向は身体の向きから逆算出来るから問題はないだろう。

 

よし、やるか。

 

互いに距離を図りどちらが踏み込むかを見極めている。先に動きだしたのはヴィンスだった。

踏み込みながら直剣の振り払いを身を引くだけで避け続く刺剣の刺突を首を傾けて避ける。さらに踏み込んでくるヴィンスは身を捻りながら横薙ぎをしてくるがメイスを地面に立て攻撃を中途半端に止めその胴に蹴りを叩き込み怯ませる。

ヴィンスは自分から後ろには飛ぶことで蹴りの威力を殺し、さらに追撃させないようにする。いつもの意趣返しとばかりに後ろに飛びながら投げナイフを放ってきたが指で挟み込み回収しておく。

 

ヴィンスは飛び退いた後、追撃のために突撃をかけていたこちら対しに左手に聖鈴を構え雷の槍を放つ。身を屈めほとんど地面に擦り付けるようにしてそれを回避しヴィンスに肉薄する。両腕をクロスさせながら直剣の袈裟斬りのダメージを減らしつつヴィンスにタックルをしかけその身体を押し倒し胸の位置を踏みつけ肺の空気を強制的に押し出しその意識を落としにかかる。

残念なことに意識を落とすのは失敗したがマウントは取った。このまま…

 

視界の端に魔術の光が見える。先ほど転がしておいてのが復帰したか…

 

やむなくヴィンスから離れながらソウルの短矢を回避し現状を確認する。

ピッケルを持つ手だけをエスト瓶で無理矢理繋ぎ止めたようだな。ヴィンスもエスト瓶で回復してるし振り出しに戻ったか。

動き出そうとしたこちらにそれぞれが詠唱を始め近づけまいとする。狙いは散弾のように打ち出される魔術でこちらの回避を誘発させたところに雷の槍を合わせるといったところだろう。単純だが崩しにくい。

 

放たれる散弾を回避せずにメイスを盾に突っ込み雷の槍だけを避ける。どうせダメージは貰うのだ。ならば安く済ませるに超したことはない。

そのままヘイゼルに突っ込む。ヘイゼルは咄嗟にピッケルを振るうが読んでいる。かぎ爪でその一撃を受け流し逆手で抜刀した刀で首を一閃しその霊体を崩壊させる。

 

「さて、と。あとお前の手札は何枚残ってる?それともこの間みたいにまた逃げる?」

 

ヴィンスを見ることもなく言い放つ。

 

「お前の強さはなんなんだ!?どうすればそこまで強くなれる?」

 

「そんなの俺も知らないよ。でも、まぁ…強いやつは強いし弱いやつは死ぬんだよ。この世界じゃさ」

 

「そんなの…じゃあ俺の今までの努力は…!」

 

「努力は…努力ってさ無駄にはならないけど、望んだ結果が得られるものではないよ。どれだけの努力を積み重ねようとそれが力にならなければ意味がない。この世界はどんなものであれ力がすべてなんだから。権力、知力、財力、そして暴力。努力すればそれらが手に入れられるなんてありえない。力で力を征す。与えられたリソースに限りがあるなら誰かから奪わないと力なんて手に入らない…」

 

無駄話をしすぎたか。早く片づけよう。

 

「殺る気があるならかかってこい。戦意がないならさっさと帰れ。ただ…前を見ないやつに勝利はないよ」

 

ほどなくしてヴィンスの霊体は俺の世界から消える。

 

「疲れた…休も」

 

-ファランの守護者に侵入されました-

 

勘弁してくれ…

 

 

 

 




がんばれ主人公。このまま監視者戦まで持っていくから。ついでに監視者も強化しときますか
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