DARK SOULS〜Human prise〜   作:リューラ

18 / 19
ep.15

 

死の音が耳元を掠める。それをどこか他人事のように感じつつ俺は今の状況を省みていた。

 

遡ること20分ほど前、火を全て消し終え、大門を越えた俺は砦のような趣を感じるこの場所も大分奥にまで来たんじゃないかと思いつつ襲ってくるグルー達を別のグルーから奪った粗末な槍で刺し殺し、時にはかぎ爪で裂き、時には素手で絞殺しつつ進んでいた。

目の前にまっすぐ奥へと進んで行く黒い二人の騎士っぽいやつらは奥のグルー達を見るなり突撃していったのでこれ幸いと城塞跡の探索を行っていた。相変わらず闇霊に侵入された状態が続いていたので篝火は灯すだけにしておき階段付近にいたグルーや、その奥にいたデカいトカゲを狩り、いったん外の様子を見ようと城塞跡を出たところでいままでどこにいたのかよく分からない闇霊とご対面。

いきなり火の塊投げつけられたがなんなく回避、しかしここから不運が始まった。音に気づいた騎士擬きもこちらを追いかけてきた。2体の騎士擬きの片手剣の連撃と闇霊が投げつけてくる炎の塊を避けつつ、城塞外縁の奥に逃げ込んだが鉄格子の扉が見え、追い詰められたかと思ったけどダメもとで蹴破ったらなんとかなった。広いところに出ることができ、ここなら戦いやすいしなんとかなるかと思ったのも束の間、奥から特大剣と盾を持った黒い鎧の騎士までがこちらに気づき襲ってくる。

 

間違いなく俺のせいだな…

 

城塞の奥ではなく騎士擬きがグルーを狩っていた方向に逃げればここまで絶望的な状況ではなかっただろう。

囲まれているがなんとかなるだろうか?メイスを背負いかぎ爪を両手に装備し隙を減らす。そこに黒騎士の突きが来るがギリギリまで引き付けてから避ける。それは後ろから斬りかかろうとしていた騎士擬きに突き刺さりその破壊力を持って騎士擬きの身体をソウルにへと還し分厚い刀身の片手剣は持ち主を失い地面に落ちる。そしてその持ち主たる者のソウルが俺に入ってくる。

 

殺したやつがソウルを吸収する訳じゃないのか?まぁどうでもいいか

 

どうやら闇霊の攻撃は元の世界が違うためか騎士や異形を透過するようだ。ついでに騎士や異形から認識されないため攻撃もされない。しかし騎士達の攻撃は同じ騎士や異形に対する相討ちは狙えるようだ。それにそろそろあの炎も打ち止め寸前であろうことは先程からあまり投げてこない様子から推測できる。

あの騎士擬きどもはダークレイスというらしい。

ダークレイスの直剣が俺の身をかすり、返す一撃が肉を裂く。そこから更に袈裟懸けに続けようもしたところをかぎ爪でパリィしその胸を穿ち心臓を掴み勢い良く引き抜く。これであとは黒騎士と闇霊だけだ。

さすがに戦力が大きく減ったことに焦りだしたのか闇霊もその手に武器を取り出そうとし一瞬意識がこちらから外れた。その隙を狙い背負っていたメイスを全力投擲して闇霊の身体を吹き飛ばし壁にへと叩きつける。黒騎士が特大剣を振り下ろして来たところをパリィしてから無視し闇霊にトドメを刺すべく近づき…一度引く。闇霊が俺が身を引く直前に伸ばした手からは案の定というべきか大きな爆炎が生まれるがその頃には安全なところにいる。闇霊から驚愕の声が出るが知ったことではない。いまだに体勢を崩したままの闇霊に足元に落ちていたダークレイスの直剣を手に取りその首を落とす。闇霊が消滅したのを確認し黒騎士に振り返る。

 

黒騎士は先程パリィされたことを警戒しているのかあちらから動くことはなく左手の堅牢そうな盾を構えている。

こちらもメイスを手にいつでも動けるように構える。

 

黒騎士が駆け距離を詰める。黒騎士の攻撃に当たれば即死ないし重症は確実だ故に攻撃を見極め回避することに専念する。特大剣による刺突を身を捩ることで避わす。黒騎士が特大剣を振り上げたのを見て再びパリィするためにタイミングを計ろうとするが黒騎士は振り上げた特大剣を背中の方から床にめり込ませそれは地面を削りながらの渾身のかち上げに繋がる。その一撃をメイスの柄を踏み強固な打撃部で強引にガードするがあまりの一撃に俺の身は宙に浮きメイスの打撃部は半分ほどが抉られていた。

宙で体勢を立て直しそのまま俺を叩き斬らんとする黒騎士の顔面に蹴りを入れ特大剣による振り下ろしを中断させ、着地と同時に腰の刀を抜き居合いにてその首を落とす。

 

周りに敵がいないことを確認し装備を回収していく。来た道を戻り城塞外縁の篝火へと戻ると久しぶりに祭祀場にへと戻る。

 

篝火で閉じていた目を開け問題なく祭祀場に戻れたことを確認した俺はアンドレイのいる鍛治場へと足を運ぶ。

 

「おう、どうした」

 

「はい、壊れたから修理お願い」

 

ソウルから破損したり大分傷んでしまった武器を出しつつアンドレイに頼み。必要な分のソウルを譲渡する。ついでにエストの欠片を渡しエスト瓶の容量も増やす。

 

「ちと時間がかかる。後で取りに来い」

 

武器の状態と数を見たアンドレイがそう告げてくるので了解の意を示し後にする。

次に不死街で出会った呪術師を探す。

 

「おお、お主か。前は世話になったな」

 

彼からは呪術を操るための火を貰った。ついでに森で拾った呪術書を手渡し炸裂火球と炎の嵐という2つの呪術を買う。

 

グレイラットは問題なく戻ってきたらしく消費した火炎壺や投げナイフを補充する。

 

最後に火防女にソウルの強化を頼み。各身体能力や呪術を扱うために必要な能力も強化する。

 

篝火で炸裂火球と炎の嵐の使い方を頭に入れてからとりあえず試してみる。問題なく発動したのを確認し安堵する。これで遠距離攻撃の手段が増えた。と言っても俺の集中力ではそこまで回数は使えないし要所で投げナイフと使い分けといったところだろう。さて、やることはやったし戻るか。

 

再び篝火の近くに身を置き、城塞跡を意識しつつ瞼を閉じついでにとばかりに自らの古い記憶を探そうとした。

 

思い出されるのは王を追う旅路の中でデーモンを狩り最期はその身を灼かれそれでも執念だけで動こうとする我が身。

 

人間性を求め深淵の使徒となり他の不死人を狩る亡者。

 

○○に指輪を授かり冷たい国より部隊を率い追放されるが如くロスリックへの遠征へと赴こうとする日。

 

死ぬことも出来なくなり絶望の果てに精神すらも枯れただの魂喰らいになる私。

 

火は陰り、英雄としての務めを果たすため旅に出るが全ては遅かった。ならばこの場で次の英雄を試す審判者となることを誓ったあの日。

 

自分の記憶を思い出そうとしてもまるでそんなもの初めから無いかのように 別の誰かの記憶が出てくる。自分は何者だ?そんな疑問が湧いてくる。だからだろう。どこかで聞き覚えのある二人の男女が発したその名に縋ってしまったのは。それを自分の証としたのも。

 

オーウェン。それがこの時から俺の名になった。

 

そして意識は反転する

 

 




次回は深淵の監視者です

よく見たら13話投稿し忘れてたので投稿しました。申し訳ありません
5/27
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。