守れなかった,何も...
信じ続けた理想
愛する後輩
親しい親友
あぁ,自分に対して憎悪感しかない...
それでも,俺は唯一の大切な人をようやく守った。
「勝ったぞ,切嗣」
美遊をこの残酷な世界から解放した。美遊はこれから幸せで生きることができるはずだ。
本当に...良かった...
「あぁぁぁ.......」
自分の結末はとうの昔から知っている。それでもここまで進んでいた,故に,後悔はない。
でも,もし良かったら,美遊と共に....
「お兄ちゃん...幸せに生きて...」
美遊の声がした,あぁ...死ぬ前の幻か,もはやその幻に声をかける力もない。乖離剣の衝撃を受けて即死ではなかったのは幸運だったか,それでも,体はもう限界だ。
「大好きだよ...お兄ちゃん!」
その言葉と共に,意識が海に沈むように落ちていた。
目を開いたら,そこには赤い地獄であった。
「え!」
バカな!生きているだと!ありえない!即にこの体は死んだ身だ。
しかし,現実は考える時間をくれなかった...目の前は火の海,焼かれた都市の残骸,そして無数の死体...
焼かれた死体の匂いは焦げた料理みたいだ,
「誰か...助けて...」
助けてを求める声が聞こえた,助けるつもりはあったが,
「お願い,この子だけでも!」
「やだ!死にたくない」
「あなた!あなた!」
「クッソ!いやだいやだ!」
........
この様に,余りにもの数で,救世主でもない俺にとって無理だ。
「トレース オン」
それでも,助けられる人なら助けたい。それは俺の信条だ,馴染みのある呪文を口にするか,
「な..何にも起こらない!」
いや,そもそもこの体に魔術回路など通ってない。そして気づいた,この体はまた少年である事を,
「---------すまない」
俺にはその言葉しかかけなかった。
当然だろう,何も守れなかった俺にとって,助ける人はごく一部ではない。全てを救うなんで,今の俺ができないし,もうしようと思わない。
助けを求める声を後にして,俺は歩き始めた。
「あ...が...ああああ!」
早くこの地獄か出たいか,少年の体はもう保たない。
「ああ....ああ...ああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
それでも,意識を飛ばないため,俺は叫びながら歩いている。この地獄に勝つ意欲,いや,単に生きたいの感情が俺を押している。
だか,俺が俺の意識に勝ても,体の疲労には勝てない。
「ああ...ああ...あ.....」
なんだ,倒れたかと軽かる思っていた。目を上げると,丸い円の中から何かが溢れている。なんだろうと思うが,今はそれではない,早く立たないと,
「ああ...ああ...ああ...」
無理だ。と体は訴っている,
「そうか,死ぬのか」
本当に酷い話よ,目が覚めたら訳わからない地獄のど真ん中にいて,なんの説明も無しで死ぬとか。
「まぁ,これも報いか...」
守る物がない俺にとって,この命はもうどうでもいい
その死を受け取って,ゆっくりと目を閉じた。
「生きている,生きている!」
何時間経っただろう,一分?一時間?それでもこれも幻?
「ありがとう!本当にありがとう!」
懐かしい声を聞こえた,この声は
「ありがとう!本当にありがとう!」
目を開くと,その男はまるで俺ではなく彼の方が助かった様な笑顔をしながらこの言葉を呟いた。
きっと彼はこの奇跡に感謝しているだろう。そして,何でそんなに幸せそうな顔をしているか?
キリツグ......
そして,意識がまた落ちた。
目が覚めた時,目の前には白い天井とライトがあった。正確は上だけど。消毒液の匂いが空に漂う,真っ白な部屋の中,隣には数人の子供もいる。
「病院か...」
それはそうだろう,あの時あの様に助けられて,病院に運ばないとどこに運ぶ?墓地に?
「それでも,この体は酷いな...」
改めてこの体を見直すと,ほぼ若返りの感じがする。まるで数年前に戻ったの様な感じ。
だか体が若返ったとしても,この心はすでに冷厳になっていた。
「いや,無駄話はやめよ」
問題はここからだ,俺は何で生きている,何だあの紅い地獄,そして...
「切嗣...」
俺の父であり,恩師であり......憧れた人だった。
世界を救うため,何でも切り捨てることができる英雄だった。
鉄製のドアが開け重い音を出す
来ている人は,エミヤキリツグだ。
俺も含め,この部屋にいる子供達の視線は彼に集中した。
黒いスーツ,雑な髪,大きいな箱を持っている。
一番知っている人だけど,その顔は俺の知ってる切嗣ではない。何といえばいいのか,彼はもう...
「こんにちは,あなたが士郎君だよね。」
その顔,その優しさ,彼は正義の味方に対して......
絶望した......
俺の知ってる切嗣は,確か諦めたか,絶望まではしなかった。この切嗣は何かあったか知らないか,彼は,恐らく全てを失っただろう。
彼は英雄エミヤキリツグではなく,ただの衛宮切嗣だ。
その顔は不器用の笑顔をしながら,俺に,
「率直に聞こう,このまま孤児院に預かるか?それでも僕の家に来るか?」
そう言った瞬間,俺に子供達の憎む視線が殺到した。まぁ当然だろう,失った人にとって,また手に入れる俺は悪魔だろう。気持ちも分からなくもないが,俺には,どうすることもできない。
当然,俺は切嗣を選んだ。
切嗣が俺の選択を見た時,彼のほっとした顔が見えた。
「そうだね,うちに来るのは色々準備しないといけないね,」
持ち物の箱を地面に置いて開けようと,
「そうそう,先に言えないといけないことがある。」
そう言って,その不器用の顔は神秘的な笑顔をして,
「俺は,魔法使いだ。」
正確は魔術だろう。以前この様に切嗣を魔法使いと付けると,いつもクールにこれは魔術だなんかを言い出した。
その言葉の重み,俺は知っている。世界の為,正義の味方となり,魔術を使って,悪を滅びる。
例え,彼自身が悪魔になっでも......
知っているこそ,俺は
「すごいな!おじいさん!魔法何で!」
俺は,この切嗣が幸せになって欲しい......
いつか,彼自身に春が来る様に......