Fate will be spring   作:孤独の旅人

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第二話

衛宮家にいることは,楽しかった。

いや,家は同じでも,住む人が違えば,ここまで違うとか,正直,驚いた。

「士郎〜ご飯また?」

「未だだよ藤姉,て言うか,未だ五時半だぞ!」

「ふん〜だ,姉がお腹が空いたとか言っても士郎はご飯くれないの?お姉ちゃん,ショック!」

「だから早いよこのタイカ!」

「ああ!あだ名を読んだな!士郎に痛みを付けないと〜」

「まぁまぁタイカちゃん今日大会だし,お腹が空くのが早いのは当然だろう,今日は早く飯をしようぜ士郎」

 

 

藤村大河,あだ名冬木の虎、タイカ、

うちの家の朝食と夕食にいつも来るこの虎,食料は半端ない。隣の藤村組の令嬢とか何とか,俺と切嗣にとって家族その一人。

余談だが,藤姉の剣道は強いか,いつも俺が勝つ。以前の様な身体能力はないが,隙だらけのタイカには手抜いても勝てる。

 

俺は他の世界から来た衛宮士郎は病院で目が覚めた時で分かった。その時自分の顔が見えなくとも,自分の声で判断がついた。最初は驚いたけどぴっくりまではしなかった。

並行世界,美遊をエインズワースから逃れる為,彼女を並行世界に飛ばした。

 

頑張っているかな......美遊.......

 

いや,今の俺には何もできない......

 

その十分後,俺たちは食事を始めた。そうしないと藤姉が暴れ出すことになる。

 

「それでね,その英語の先生が沢山の宿題を出したの!」

「自業自得だろう藤姉,大学の授業で寝て......」

「ふん〜だ,どうせ士郎もやっているでしょ〜」

「いや,ちゃんと授業聞いています,何処かの野生動物ではなく......」

「酷い!酷いよ士郎!お姉ちゃん,泣く,切嗣さん,なんか言ってやれ!」

「まあまあ二人共,喧嘩はするな,喧嘩は良くない,さあ食べましょ,ご飯を」

 

 

切嗣はいつもこんな感じ,家では威厳が感じない,俺たちの喧嘩をいつも仲介している。

 

正直,少し安心した。俺の世界の切嗣は無情だった。世界の為なら何でも切り捨てる男,そして彼の最後はもう何も残っていない。

しかし,この切嗣にはそう感じない。確かに彼は大切な物が失っていただろう,しかし俺たちが彼の心の穴を塞げている。

 

あの災難から五年,いつもの様の穏やかな食卓だ。

 

 

「うわーご馳走様でした。」

「ご馳走様」

「お粗末よ,二人共。」

[いや!相変わらずの美味でしたね。」

そう言って,床に倒れた.......流石野生......

「そうだね,士郎の作る料理でいつも美味しいよね,あ,タイカちゃん,今日はどうする?」

「今日は早めに帰ります,色々ありますので,あ送らなくでもいいですよ。」

「ダメだよタイカちゃん,道で不審な人と会ったら,」

「大丈夫だよ爺さん,未だ明るいし,そして,なんかあったら藤姉がきっとバババで倒すことになるし,」

「そうだね,ハハハ〜」

否定ができないの切嗣を見て,藤姉の機嫌が一気に下がった。

 

 

 

藤姉の機嫌を直して,彼女がそのまま家に帰った。

機嫌を直す為相当苦労した......

 

 

「士郎,風呂が沸いたから先に入って,あぁ今日あれの鍛錬しなくていいから庭に来て」

 

 

「......うん,分かった。」

 

 

当然あれは魔術のことだ。

 

この体は元々魔術回路が通ってない。故に簡単な投影すら出来ない。勝手に回路を通すなど切嗣に感じられるから,切嗣に魔術を教えてもらった。

当然,簡単には教えてもらってない。切嗣は魔術の危険性を良く知っている。知っているこそ俺を巻き込みたくないだろう。

でも,知っているこそ俺はやらなくでらならない。この世界の切嗣を見て,やはりあれはあるはずだ。

 

聖杯戦争

 

魔術に関しては半人前だ,アンジェリカと戦闘する時の力はないが,以前のこの時期に比べて結構強くなった気がする。

 

いや,戻っているの方が正しい。

 

切嗣には投影した物が消えないことを隠している。もちろん,俺が並行世界の住人と言う事実も隠している。まぁ話すとしようかなと時々考えているけど。

正直,話したくない,そっちから聞かない場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お風呂から上がって,俺は庭に出た。

切嗣は縁側に座って,上の月を見ている。

 

......今日は.......満月か......

 

 

「あ,士郎,こっちに座って〜」

俺に気づいて,手を振って俺を呼んだ。

その声を聞いて,俺も切嗣にいる縁側の方に座った。

「士郎はさあ,どんな大人になりたいの?」

 

「え?」

 

どんな大人になりたいので聞かれた,

 

「......俺は.......ただ守りたい物の為に......」

「違う,そうじゃなくて,どんな大人かで聞いているよ。」

「俺は......」

 

どんな人になりたいとか,どんな理想を持っているか,今の俺はそんな事,一度も考えていない。正義の味方のくせに,守れない人が多過ぎだ。

 

 

「僕はね,正義の味方になりたかった。

「......そうか......」

 

意外はない,あるのは,悲しみだけ。

 

その言葉を言って,少し息を嘆いた。

 

「士郎には,僕の魔術刻印を継承させたいと思う。」

「え!」

「当然今からは危険だし,士郎は元々衛宮の血が流れていないから,失敗したら死ぬし,受けるか受けないは士郎の勝手だ。あ,継承する術は人を頼んでいるから心配しないで〜」

そう軽軽く言った。死ぬのよ,普通に,然も受けたら激痛が毎日襲ってくるになるはずだ。

まぁ......痛みは慣れた

 

 

「ちょっ......ちょっと待て?!いきなりは!」

「士郎,頼む,僕の話しを最後まで聞いてくれないか?」

 

真面目な顔だった。そのような顔を出すと,こっちも何も聞けなくなった。

 

「昔はね,正義の味方になりたかった。世界の為,人間の為に体を貼った。然し今になってようやく気づいた,僕の過ち,大切な人を切り捨てる過ち......」

「......」

 

何も言えない,イヤ,言える立場ではない。

 

「だから士郎.......後悔するな,幸せになって欲しい。......後......イリヤは頼んだ。」

 

まるで遺言を言うような感じ。いや,遺言だ。

 

故に,

 

「......大丈夫だよ爺さん,俺は必ず後悔しないし,幸せになって見せる。それにイリヤとか何とかも守って見せる,其れに,」

 

少し笑顔を作って,

 

「爺さんは俺の中の正義の味方だよ,例え他の人が何言っても,爺さんは俺にとって正義の味方だよ!だから......心配すんな......」

 

そう言って,切嗣は笑った。

 

「......そうか......ありがとう.......士郎」

 

そして,切嗣は目を瞑った......

 

 

 

 

切嗣は行った......でも!

 

 

 

彼の最後は幸せになって行ったはずだ!


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