ブラック★ロックシューター Kagero Symphogear 作:イビルジョーカー
前作については本当にすみませんでした。
何もかもを一新したこの小説を読んで貰えれば幸いです。
では、どうぞ。
日本。先進国の一つであり、様々な和の文化の名残が存在する国のとある街中で、それは誰に知られることなく始まっていた。
「ハァッ!!」
活気溢れた一声と共に振り落とされる、剣の刀身。
それは身に純白のフードの付いたローブに赤いガスマスクのような仮面を付けた白装束の集団、その一人の頭へとめり込み、左右に一刀両断せしめた。
仲間の一人が死んだのを皮切りに白装束の集団は、ローブの内側から出すようにして長方形に穴を開けたような物体を向ける。
すると、数分と時間をかけず無数のエネルギーの閃光が穴から迸る。
その先には剣の持ち主である少女がいた。
少女はふんらりと波立たせた長い金髪で、顔は童顔ながらも大人びた魅力を有していた。
服装は黒を基調とした白混じりのゴスロリ風のもの。
これだけでも存在感が異様な程溢れ出ているのだが、極めつけは彼女の両足が金属の物質に包まれ巨大な車輪だ。
これではバランスを取るに一苦労だと思うかもしれないが、少女は両足の車輪を容易くこなし、そのスピードを生かした剣撃で次々と白装束たちの胸を重点的に斬りつけていく。
やがて最後の一人を斬り捨て、終了を得た。
「ふぅ、こんなもんか。終わったよロック」
《お疲れ。こっちも終わったよ『チャリオット』》
チャリオット。そう呼ばれた少女は右の手を右側の頭の側面へと添えて、ここにはいない誰かと通信する。向こう側の人物は『ロック』という名らしく、声で判断すればチャリオットと同じ少女のようだ。
「これで3度目……前みたいな奇襲じゃなくて『何らかを探してる』っぽいよね」
《私もそう思う。けど何が目的なのか、依然として不明なのが不安だ。碌でもないのは間違いないけど、一連の動きの全容を知る必要がある》
「と、言うと……“ネブレイド”してみる?」
ネブレイド。
チャリオットが口に出したその単語に対し、向こう側の少女は諌めるような口調で応答した。
《ダメ。例え因縁の宿敵であってもネブレイト行為は看過できない。情報の引き出しは、あくまでスキャンだけに留めて欲しい》
「分かったよ。それじゃ、後で合流しようね」
そんな会話を最後に通信を切り、チャリオットは既に事切れている白装束の遺体へと手を向けるようにして翳し、そこから光が発生。
光は、淡い黄色に染まっており白装束の遺体を照らす出す。
そしてそこから様々な情報がチャリオットへと送られた。
「う〜ん……ダメか。取れるには取れるけど、やっぱ肝心な情報に解析阻害のアーマメントが施されてる……んん〜」
参ったとばかりに唸るチャリオットだが、先程言っていたネブレイドと呼ばれる何らかの行為は禁止されている為、一先ず情報収集を止めて散乱した遺体の処理に掛かった。
一言で述べると、世界はいくつも存在する。
一つの宇宙にある幾つもの惑星…という意味ではない。
宇宙以外の幾千幾万と膨大な空間が幾つも存在するという意味だ。
次元の層は幾重にも存在し、その中に多種多様な空間が介在。人類が繁栄している地球が存在する宇宙はその空間の一つに過ぎない。
そして、幾千幾万以上と果てしなく存在する空間。その一つに空間全てを戦場と化した世界があった。
クシロロ。
それが世界の名。白と黒のマス目の市松模様が大地に描かれ、大空は果てのない幻想的な虹色。
そんな世界にはハートレスという種族がいた。
彼等の種には二つの強大な勢力に分かれ相争っていた。
平和主義を謳う『クロワ』。
闘争主義を掲げる『ハクト』。
この両勢力の戦いは800年と続き、その前にも平和主義と闘争主義は互いの信念と思想の為に幾多の戦いを繰り広げてい。
それこそ、クシロロの黎明なる原初から今に至るまでの数万年と。
そしてハートレスたちの戦いは、ある出来事を機に異世界へと移り変わった。
星々が輝く暗黒世界の宇宙。そこに浮かぶ太陽系の第3惑星『地球』へと……。