ブラック★ロックシューター Kagero Symphogear 作:イビルジョーカー
シンフォギア登場です。うっかり消してしまった前作と内容に変更がありますので、注意して下さい。
早く五期が見たいデス……。
クロワとメカクシ団の邂逅。そして情報共有や今後の事などを踏まえた議論という話合いを経た結果。クロワはメカクシ団に護衛を付け、その身辺を守る責を受け負った。
とは言え、これはクロワの最高統率者である『ブラック★ロックシューター』が少し強引にメカクシ団側に決めさせたものだが。
あまり強引な方法は好きではないロックだが団員達が前々よりハクトに目を付けられていた事を認知した今、何もせずにいると言うわけにはいかない。
だからこそ、守ると言う方法の基本たる護衛を選択したのだ。
キドやカノ、シンタローとしては、あまり余所者には側にいてほしくないと言う心境なのだが彼等の案は自分達の身を守る為には必要なこと。
それを思えば是が非でもというわけにはいかず、素直に従う他なかった。
そうこうしていく内に両者の邂逅から三日は経ち、徐々にだがお互い慣れ始めていった。
★★★★★★★
クロワの臨時基地。
そこは虹色の空間に浮かぶ八面四方体…簡単に言えばピラミッド型の建物がそれだ。
数多くあるルームの一室に“反応室”と呼ばれるものがある。この臨時基地が存在する空間の外側、つまり地球次元の反応を検知・分析しその情報を得る為の一室だ。
それだけの為にわざわざ一室設ける必要はあるのかと思われるかもしれないが、このルームの位置は外界の異変を早急に検知するには理想的らしい。
情報は常に迅速に得られる方がいいのである。
ともかく、そのルームではロックとクロワの分析員3名が巨大なモニター画面を眺めていた。
「ハクトに動きがあったの?」
「はい。この地点にです」
モニターに記されたのは文字の羅列と特定の場所を示す地図だった。
その場所は、横須賀の海上自衛隊基地。
「ここにハクトの反応が?」
「はい。でもそれだけじゃありません。他の反応もあります」
「こちらで調べた結果、“ノイズ”と“例の彼女たち”の反応に相違ないと思われます」
ロックの問いに分析員の2人がそう答える。
ノイズ。地球におけるそれは人類にとって忌むべき超常災害だ。空間から滲むように出現し、その後は人間を見つけては襲い掛かる。通常兵器はノイズ自体が存在の位相をズラしている為、全く通用しない。
襲われた人に待っているのは……命を消し去られ、煤と化す炭化現象の末路。この時ノイズも煤へと還元され襲わずとも自然消滅する。
これらがクロワが有するノイズにおける情報だ。人間社会に潜伏調査している諜報員の仲間が数多くいる為、その情勢や知識などの情報は常に更新されている。
勿論、ノイズの存在に関してもだ。
故に以前からノイズという超常災害を討つことのできる“特殊兵器”と
“その担い手”をクロワの内部では周知していた。
特殊兵器の名はシンフォギア。
歌を動力とし発動、ノイズの炭化能力を阻止する装甲スーツとアームドギアと呼ばれる武装を瞬時に展開する対ノイズ戦に特化した兵器。
それを纏い、扱えるのは計6人の装者にして歌姫たち。
分析員の1人が言った“例の彼女たち”とは、そのシンフォギアの装者らを指したものだ。
「分かった。すぐに部隊を編成して向かわせる。ここで得られる情報は可能な限り集めてほしい」
「了解しました」
「「了解」」
「頼んだよ」
そう言い残し、反応室を出るロック。
ハクトにノイズ、そしてシンフォギア。
おそらく三つ巴の勢力による戦況が形成されているのだろうとロックは予測していた。
これから、その渦中へと介入するわけだが、問題はシンフォギア勢側から敵と誤認されないかどうかだ。
クロワはあくまでハートレスという種の平和主義者で結束された組織
。そして、その理念と思想は他世界の住人との平和的共存にある。
よって人類への傷害や攻撃などはあってならぬもの。殺傷は尚更だ。
とは言え人類の方からクロワへ攻撃した場合は、そうも言ってられないのが現実だ。
反撃とは行かずとも、何かしらの対策は必要になる。それが人類にとって暴力的で恐怖させるに足るものであるのならより状況を悪化させかねないし、ますます共存など望めはしない。
ともあれ、対策に関しては今後の課題として後に回すしかない。本当に必要になるかどうか、それは向こうの出方とこちらの交渉次第なのだから。
「ロックより精鋭たちに通告。メイコックとカイト、そしてデッドスカルズに集合令をかける。直ちにゲートルームへ移行せよ。内容は追って話す」
通信で指名した精鋭たちに集合をかけ、足早にロックはゲートルームへと向かった。
★★★★★★★
ゲートルーム。学校の体育館が丸々一個収まってしまいそうな程に大きいこのルームには、この異空間の次元から地球の次元へと繋ぐ門が存在する。
それが“ワームゲート”と呼ばれるもの。
地球次元とこちら側の行き来は全てこの門によって成されており、その形状はオーロラが円形のように波打つような物となっている。
更にただ単に繋ぐだけでなく、行き先の場所を指定することも可能な為、非常に便利な代物となっている。
「みんな、準備はいい?」
ゲートが問題なく幻想的な光景を形成する形で作動中の最中、ロックは眼前に並ぶ精鋭らに問いかける。
編成はメイコック、カイト、デッドスカルのジニーとコニー。
そしてこの4人を指揮する隊長はロック。
最初はストレングスを任命しようと思っていたロックだが、しかしクロワの統率者としてシンフォギア装者への協力の為の同盟を結びたい為、代表者たる自分が直接交渉に望む方がいいと判断し自ら赴くことにしたのだ。
ちなみにチャリオットとカムイはメカクシ団の警護の任に就いている為、この基地内にはいない。
ストレングスは警備任務に、デッドマスターは医療関係者である事からこの任務には同行できない。
「私達の任務はノイズの殲滅とハクトの無力化。特にノイズだけは一匹足りとも逃さないよう念入りにね」
「任せとけ。徹底的にハクト諸共血祭りさ」
「メイコック…あんまり勘違されなよう頼むよ」
「ヒャッハー!! さっそく皆殺し祭りと行こうや!!」
「お前もだコニー。誤解されるぞ」
約2名危ない台詞を吐くものの、クロワ精鋭部隊は全員ワームゲートを潜り抜け、地球の日本。
シンフォギア装者がいる海上自衛隊の横須賀基地へ向かった。
★★★★★★★
横須賀海上自衛隊基地。
そこにシンフォギア装者らを戦力とした国連直轄下の超常災害対策機動部タスクフォース、Squad of Nexus Guardians。
これを略称して『S.O.N.G.』と呼ばれる組織の移動本部となる潜水艦が駐留していた。
現状、今のシンフォギア装者達の内、ギアを纏える者は“暁切歌”と“月読調”の2人のみ。
新たに現れた錬金術師の少女キャロル・マールス・ディーンハイムと彼女に従える四機の自動人形にして終末の騎士、オートスコアラーら一派の策謀に嵌り、主力装者だった三人。
『ガングニール』所持者の“立花響”。
『天羽々斬』所持者の“風鳴翼”。
『イチイバル』所持者の“雪音クリス”。
彼女たちのシンフォギアが、無残に破壊されてしまったのだ。
更に立花響は敵に重傷を負わされていた。
それを見越してか敵は近辺の発電施設を破壊してS.O.N.G.本部への電力供給をカット。
誰が口にするまでもなく、状況は窮地に陥ったそれだ。
この危機に対し、調と切歌はS.O.N.G.司令官の風鳴弦十郎の待機命令を無視して戦場へと出て行き、しかもその際、ギアとの適合係数を上げる代償に肉体に負担を強いる制御薬品LINKERを使用。
命に関わるような負担は今のところ無いが、それでも鼻血が出るなどの症状があり、適合係数は良いが肉体的コンディションはあまり良いものとは言えない。
だがそれでも、2人は眼前の敵へ力を振るう。
自らの犯した罪に向き合う為…自らが守りたいと願うものを守る為に。
「デェェスッ!!」
緑と黒の色彩で統一されたメカニックな大鎌、“獄鎌イガリマ”を縦に振り落とした切歌の狙い定める相手は、刃物の如き鉤爪を両手に備えた赤髪ロールの髪型の少女のような容姿のオートスコアラー『ミカ』
。
その凶器の如き鋭利さを秘めた歯を見せるように笑顔を形作るミカは、両手を交差し自慢の鉤爪でイガリマを受け止めてしまう。
「ニシシッ。軽い攻撃だゾ」
「言ってろ、デス!!」
挑発と怒号の言葉の応酬。しかしそれ以上続くことなく一度振り下ろしたイガリマを引き上げ、今度は横薙ぎに振るう。
先程よりも攻撃そのものの重さは軽くなってしまうが、その分スピードは速い。
その為ミカは対応できず受けてしまった。
「うぐッ!! 痛いゾ!!」
だが、ダメージは微々に等しい。
ミカはキャロルのオートスコアラーの中でも戦闘に特化した機体。
攻撃力や防御力に関しては折り紙付きだ。
そんな彼女をたかだか一撃当てた程度で撃沈とは行かない。
切歌にとってまさしく強敵とも言うミカだが、1人で戦っているわけではない。親友にして相棒である調の放つシュルシャガナの丸鋸の刃が高速と呼ぶに相応しい回転をもって、ミカの首めがけて迫る。
人間なら回避できず、防御したとしても無意味と化しその首を地に落としている筈だが、相手は錬金術によって製造された人形。
過酷な訓練を受けた人間の兵士よりも、その性能は遥かに上だ。
「無駄無駄、なんだゾ♪」
迫り来る7つの丸鋸を両手で、しかも見ることなくキャッチし、カードの手札のように並べてはこれ見よがしにチラす。
完全に余裕を見せた挑発だった。
それを見てスルーできるほど、切歌と調は戦闘面において熟していない。
まだ未熟者と言っていい。
「目にも見せてやるデスよ、調!!」
「うん!」
相手の予想通りとばかりに瞳に怒りを灯し、完全にお冠とでも言うような勢いでそう叫ぶ切歌。
続いて、その言葉に反応した調は返事で答え、その戦意と己が鋸の刃をミカへ向け突撃。
切歌も鎌を構え突撃を開始し、ダブルアタックを仕掛ける2人。
「これでも食らえ!!」
ミカは己の属性『火』の象徴とも言える赤い結晶体のカーボンロッドを出現させ、それを投げつける。
カーボンロッドの内部には高量の熱エネルギーが圧縮されており、その力が衝撃で解放されれば、受けるダメージは決して少なくない。
投げられたカーボンロッドに対し、切歌は緑の色の鎌の刃を幾つかに増やし飛ばす技を繰り出す。
その名も“切・呪りeッTぉ”
きちんと表記すればキル・ジュリエットだ。
何故こうなるのか、は切歌のそういう特性としか言えない。
ともかく鎌の刃はカーボンロッド二つと相殺し、続いて調がヘッドギアの左右のホルダーから小型の丸ノコを連続で放つ。
“α式・百輪廻”。
一個一個は大した威力を持たないものの、多数の雑魚敵や制圧、足止めなどに効果を発揮する技だ。
「ぬわッ?!」
直接ではなく、丸ノコはミカの足元へと当たった。驚いたミカは前へ駆けようとしていた足を止めてしまい、一瞬ながらも怯んでしまう。その一瞬こそが致命的な隙だった。
「その首、貰うデスッッ!!」
鎌の刃が首に到達できる距離まで上手く近づけた切歌は、問答無用。情け容赦なし。
そんな謳い文句が出てそうな程に迅速的に敵の首を狩る…
「ふん。つまらん遊戯だ」
ことはできなかった。
一つの声と共に赤い閃光がミカと切歌を吹き飛ばしたからだ。
「切ちゃん!!」
突然のことに驚きつつも親友の名を叫び駆け寄る調。見た所ダメージこそあるだろうが目立った傷は一つもない為、応急処置が必要という緊急の事態には至っていない。
「いってて……何が起きたデスか?」
「敵の援軍の攻撃……ってわけじゃないよね
」
もし敵側の味方なら、ミカ諸共吹き飛ばす様な真似はしない。
証拠にミカも何が起きたのか状況判断に困惑しているようだ。
「な、何が起きたゾ?」
「シンフォギアにオートスコアラー。なんとも脆弱過ぎる輩だな。それでよく実戦で立ち回れたものだ」
それは、嘲笑と失望を言葉に織り交ぜて近くにあった建物の屋上に立っていた。
白い髪をポニーテールに束ね、土の色彩を想起させる褐色。
上半身の服装は白いパーカーコートを羽織り、開けた胸部や腹部からは装備された白いメカニカルな鎧が覗かせ、それと同様のものが指先から肘までの両腕と指先から膝までの両脚。
格好もさる事ながら一番の印象はその両眼だ。まるで憎悪や怨嗟を薪として燃やし盛るかの如く紅蓮なる赤の双眸。
その視線から解き放たれる殺意はもはや重力に等しきものと錯覚しかねない程の“圧”。
切歌と調は身動きが取れなかった。
これに抗うには相当の精神力が必要なのだから。
「なんだァお前? 何者だゾ?!」
しかし、ミカは違った。
人間とは異なり、行動を縛り時として戦意を喪失させかねない『恐怖』という不都合な感情は存在しない。
良心も愛もない。だから躊躇なく人を殺せる。
そんな人形だからこそ、ミカは普通の人間ならば気絶しかねない圧を向けられようと平然にいられる。
「小煩い人形に用はない」
ミカの問いを交えた言葉を白き少女は一蹴し、右腕に装備された白の砲身の武器をミカへと向け照準を定める。
「消し飛べ」
そして、砲口から凄まじいエネルギーが射出された。
解き放たれたエネルギーは紅蓮のそれで、誰しもがそれを圧倒的暴力と表現できるほどの奔流。
故にミカは抵抗する術なく、断末魔の言葉さえ上げられずに飲み込まれた。
まさかのボス登場。
今回出てきたホワイトの姿はインセイン・B★RSみたいな感じを
想像して頂けると助かります。
インセインっぽいホワイト様は作者的に格好といい思いますが、
皆さんはどうでしょうか?