ハイスクールD×D×S 悪魔×赤龍帝×ショッカー 作:END
突如現れたリアス・グレモリーとその眷属たち。その登場により、ショッカーと戦っていたドーナシークが真っ先にきづき、交戦中のショッカーと一旦距離を置く。
「チィッ、グレモリーのものかっ!カラワーナ!ミッテルト!一旦引くぞっ!!」
「くっ!覚えていろよ人間!」
「レイナーレ様を殺したこと、後悔させてやるっ!」
そんな捨台詞を最後にはきながら、堕天使達は黒い翼を羽ばたかせこの場を去っていった。するとここには、見るからに警戒心が丸出しの原作キャラたちと堕天使(死骸)の近くにいる俺だけが残っている。
……さて、どうするか。
肝心の堕天使たちはいなくなり、神器をしまった俺はこの状況をどう対処すればいいか考えていた。
原作にはかかわりたかった俺であるが、この場面での会合は望んでいなかった。加えて堕天使を殺して、その血を一身に浴びているので、怪しさが増している。
計画がパーになったことと、警戒されるような場面を目撃されてしまい、状況は最悪といっても過言ではない。
俺の考えもつい知らず、リアス・グレモリーは顔を険しくして話す。
「この地域から異常な魔力反応があったから来てみたけど……まさか堕天使のほかに人がいるなんてね。その制服だとうちの生徒のようだけど、何があったのかしら?」
「……まあただの小競り合いですよ。俺は一方的に追い詰められていたんで返り討ちにしただけです」
なるべく警戒を解くように弁解を始める。戦闘は出来るだけ避けたい。
「ならその黒ずくめの集団は何?あなたの仲間か何か?」
あ、やべ。こいつ等しまうの忘れてた。その言葉にすぐにショッカー達を退却させようとするが、それは叶わなかった。
「部長、あれはショッカーというやつらです」
……は? なんだあいつ。
俺がこの集団について何とか警戒を解こうと話している最中に、原作にはいないはずの一人の男がリアス・グレモリーに説明した。
奴の名前は確か……西原正樹だっけ。
駒王学園の2学年に在籍している生徒で、ルックスに関して言えば駒王学園でも筆頭になると言われている。しかし本人自体は女子生徒とのいざこざや、他校の生徒との問題を抱えていて人気はあまりよくない。
一応警戒人物としてピックアップしといたが、おそらく俺と同じ転生者なんだろう。いとも簡単に的を射たわけだ。原作前にキャラたちといるのは眷属になっているかオカルト研究部に入部状態なだけなのか……どちらにしてもロクなことではない。
西原は俺を睨み付ける。
「こいつは俺の宿敵とも言っていい相手です。まさかこんなところで会うとは思いませんでしたよっ!!」
そういうと西原の腰のあたりにベルトのようなものが装着された。そして懐から取り出した
「変身っ!!!」
『タカッ!! トラッ!! バッタッ!!』
『タトバっ! タトバ、タトバっ!!!!!』
するとそこには、ライダースーツを着た西原の姿があった。
か、仮面ライダーオーズっ! あいつの特典はオーズのベルトか!!! 俺の特典とは対の能力になる。
仮面ライダーと戦闘員。互いにまじりあえない存在が目の前に誕生した。
オーズ―――――西原が仮面ライダーオーズは拳を握る。
「部長、あれが俺が前に説明した者たちです。人々の生活を混乱へと導き、世界を支配しようと企ててる連中です。一刻も早く始末しましょう」
「……そう、仮面ライダーであるあなたが言うなら、本当なんでしょうね。なら、仕方ないわ」
あまり乗り気ではないらしいが、西原の言葉により他の面々も戦闘態勢に入る。これだともはや俺の言葉は聞いてくれないだろう。あいつ、原作キャラたちを使って転生者の俺をつぶすつもりらしい。やはり転生者というものは自分勝手なやつらだ。俺も人のこと言えないけど。
……戦うしかないか、正規原作キャラとの対戦はやりたくなかったが、こんな状況になっては仕方ない。そう思いながら俺と戦闘員たちは戦闘態勢をとる。
できるだけ直接な攻撃は与えず、逃走に専念するか。怪我の一つぐらいは覚悟しよう。双方互いをにらみ合い、今まさに戦闘が開始されようとしていた。
だがそれは杞憂に終わる。
「……桐山君」
一人戦闘態勢をとっていなかった小猫ちゃんが俺の名前を呼び、この場の静寂を遮った。原作キャラたちは小猫ちゃんが俺のことを知っていたことに驚き、目線が集中する。
「小猫、知ってるの?」
「……はい。私のクラスメイトです」
「あら、じゃああの子がこの前言ってた……へぇ、そう、そういうことね」
小猫ちゃんの言葉にリアス・グレモリーは先程までの険しい表情を和らげると、途端に面白いものを見るように微笑んでいる。え? なに?
「部長! どうしたんですか! 早くあいつを片づけないと―――」
「落ち着きなさい正樹。皆も警戒を解いて」
「あはは、わかりました」
「お、おい木場っ!! 何やってんだよっ!!」
リアス・グレモリーの言葉により、他の眷属たちも体勢を解く。
「正樹。変身を解除しなさい。あの子は問題ないわ」
「な、何言ってるんですか。あいつは仮面ライダーの宿敵です! ここで潰さないと―――」
「やめなさい。それとも……私の言うことは聞けないのかしら?」
その言葉に絶句する。また何かを言おうとしたが、キャラたちとの関係性を悪くしたくないのか「はい……」と納得のいっていない様子で変身を解いた。
「とりあえず、今日のところはやめておくわ。明日改めて使いを出すからその時に来てくれないかしら?」
「……はぁ」
『いいのか、相棒?』
「……仕方ねえだろ、なんかよくわからんが誤解(?)は、解けたっぽいし」
いくら警戒心が揺るいだにしても、第一印象は堕天使をいとも簡単に殺している人間。戦闘にならなかっただけマシというやつだ。こんな状況では俺は了承するしかなかない。だが何で簡単に警戒をといたのだろうか?
「じゃあ、また明日。学校で会いましょう」
その言葉を最後に、リアス・グレモリーは展開された魔方陣でその場から立ち去って行った。
他の眷属も同じく魔法陣に消えていく中、小猫ちゃんは歩みを止めるとこちらに振り返り、俺の方を見た。
「……また、明日ね」
軽く手をふりながら、小猫ちゃんは魔方陣の中に消えていった。
しばらくすると、今まで言葉を閉ざしていたドライグが話す。
『これはまた面倒なことに巻き込まれたな。相棒』
「はあ……嫌なタイミングだ。これでいろいろと計画がおじゃんだぞ」
『仕方がない。話は変わるがあの西原という男、なかなかアンバランスなやつだ。力は感じるがオーラの練度が全くない。後付けで力を付けたような感じだ』
「それが特典なんだよ。それだとあいつも特典に頼ってロクな修行もしてないな」
そう言って会話を終えると、俺は改めてこの惨状を見る。
「……今日もそんな眠れそうにないな」
頭をかきながらため息を吐き、俺は堕天使の証拠隠滅の作業に取り掛かった。
西原side
「くそがっ!! 何でうまくいかねえんだよ!!」
俺は誰もいない部屋で壁に拳を打ちつけながら、憤っていた。
やっとも思いでリアス眷属になり、主人公のハーレムポジションをゲットしたつもりが、肝心のヒロインたちは俺に振り向いてくれない。特に小猫に関して言えばあのショッカーを引き連れたやつに興味があるしだいだ。
「待ってろよ……ヒロインたちは全部おれのものだからな」
黒い憎悪に満ちた西原の感情は、誰にも気づかれることはなかった。
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