ハイスクールD×D×S 悪魔×赤龍帝×ショッカー   作:END

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あけましておめでとうございます。

年明け初投稿です。


アーシア争奪戦①

 西原正樹side

 

「ほら、アーシア。次はあっちに行こう」

「あ………あぅ」

 

 俺、西原正樹はアーシアの手を引いてズカズカと町の中を歩いていた。へへへ、恥ずかしがってまともに話せないのか? 可愛い奴め。アーシアを見ながら俺はそう思った。

 

 突然だが、俺は転生者だ。前世でただの高校生だった俺は屋上から飛び降りて命を落とした。だが気が付くとそこに神と名乗るのものが現れて、ライトノベルでも人気なハイスクールD×Dの世界に転生させてやるといわれ、こうして第二の生を歩んでいる。

 

 神に転生させてやると最初に言われた時の俺は、これまでにないほどに歓喜した。前世ではそういった創作物が好きなオタクで、かつては悪魔や天使などの超常的な存在がいればなぁと妄想しながら、ライトノベルを読んでいた。

 オタクだというだけで他のクラスメイトのやつらが陰湿ないじめを受け、ロクな学校生活を過ごせなかった俺にとって、それはまさに神からの祝福だったのだ。これで俺は、原作の主人公のようにヒロインたちとハーレム三昧ができると。

 

 転生した後、神から特典として二つの特典をもらった俺は前世の知識や神からのおまけで完璧な容姿を手にし、小学校、中学校を難なく過ごした。その間、原作のヒロインたちを待ちきれなかったので何人もの女と付き合い、楽しもうとしたが、結局はすべて破局に終わり、変な噂が残ってしまった。

 やはりただの女はダメだな。これは、俺には原作のヒロインたちが合っているんだという神からのお告げなんだろう。俺はそう解釈して、高校生活を楽しみにしていた。

 

 でもそんな生活もあいつによって崩されていった。あの桐山って言うクソ生意気な1年がいたことだ。結構学園内で名前が出回っていたことからすると、あいつも転生者なんだろう。まあ実際、駒王学園には他にも転生者が入学してきたのでそれはいい。問題はヒロインのひとりである搭乗小猫に好かれていることだ。毎回小猫からはあいつの話ばかり聞く。くそっ、思いだしただけで腹が立つなっ!

 さらには俺がやろうとしていたアーシアの会合イベントをあいつが見事にかっさらい、アーシアまでもが桐島にご執心になってしまった。

 

 だから俺はこうしてアーシアを連れ、町のゲームセンターや商店街に来ていた。狙いは言わずもながらヒロイン攻略のためである。無断で連れてきたが、攻略のためだ。致し方あるまい。

 

 幸いあいつは堕天使や絡んできた転生者を倒してくると言ってきたので、俺は何も言わずに見送った。これで邪魔者や敵の心配をする必要がなくなった俺は、安心してアーシアの心をつかむことができる。

 

 ふへへっ、と笑いがこみあげてきそうになりながら歩いていると、不意にアーシアの歩みが止まった。

 

「ん? どうしたんだ。アーシア」

「……あの、煉君は。いま、大丈夫なんですか?」

 

 震えた声でそう話すアーシア。ちっ! またあいつの話かよ。アーシアは町を歩いているたびにあいつのことばかり気にしやがる。俺とのデート(西原が勝手に思ってる)がつまらないのか?

 憤りを出さないようにしながら、俺は好青年の笑顔を繕う。

 

「何度も言っているだろう? 心配する必要はないって。安心しな」

「それでも、心配なんです。元はと言えば、私のせいなのに……無事でいてほしいんです」

「……だから、問題ない――――」

「で、でもっ!! あの人たちと戦うって!! もしもひどいけがをしたら、私がっ!!」

「いい加減にしろっ!! 大丈夫だって言ってんだろうが!!」

「ひうっ!!!」

 

 つい頭に来てしまい、怒りの表情で怒鳴ってしまった。アーシアは力を失ったかのようにその場にへたり込み、恐怖のあまり体を震わせている。しまった、つい苛立ちを出してしまった。これでは攻略どころか警戒心を解くことすらできない。

 

 一旦俺はアーシアと自分の心を落ち着かせるために、近くにあった公園に移動した。だが当のアーシアはベンチに座りながら泣くのを止めない。

 

「ひっぐ……煉君、煉君」

「アーシア……さっきはごめんな。強く言ったけど、本当に気にしなくていいんだよ?」

「もういや……煉君、早く来て……」

 

 俺の声を全く聞かず、ただただ桐山の名前を言い続ける。また苛立ちで怒りそうになるが、それを何とか必死にこらえる。

 

「だから――――っ!!??」

 

 俺がアーシアに言い寄ろうとした瞬間、凍えるような気味の悪さに体を硬直させる。何事かと思いあたりを見渡すと、気が付けばこの公園には真昼間にもかかわらず歩行者の一人もいない。それにこの異様な雰囲気、これは人払いの結界が張られたときのものだ。

 

「……ちっ、転生者か」

 

 

「そのとおりです」

 

 突如俺の言葉に返答してくるものが現れ、俺は警戒心を引き上げる。声が聞こえる方を見れば、そこには10代後半の年齢に見える紫色のコートを羽織った太り気味の男の姿があった。

 

 

 男は笑顔で腕を広げた。

 

「初めまして、僕の名前は金木総司。君と同じ転生者だ」

「何の用だ……て、目的はアーシアか」

「ええ、そのとおりです。彼女は私のものですから」

 

 恍惚とした表情で笑いかけてくる金木という男。うえっ、見ているだけで不愉快になる顔だな。

 

「へっ!! そうだろうと思ったぜ。お前みたいなやつにアーシアは渡さねえよ!!」

「君に言われたくはないなあ……当の本人を泣かせている時点で、君にはふさわしくないよ」

 

 泣きじゃくるアーシアを憐れむように見つめる金木。だが俺はそのアーシアの目の前に立ち、殺気をあらわにする。

 

「黙れっ!! お前はここで死ぬんだよっ!!」

 

 俺はすぐさま変身ベルトを腰に巻きつけ、3枚のメダルをセットし、脇に取り付けてある円盤状のものでスライドさせた。

 

「変身っ!!!」

『タカッ!! トラッ!! バッタッ!!』

 

『タトバっ! タトバ、タトバっ!!!!!』

 

 ベルトから発せられる音声とともに俺は仮面ライダーオーズに変身した。その光景を見た金木は笑みを浮かべる。

 

「ははは、仮面ライダーオーズか。欲望にまみれた王たちが、創り上げたメダルの力……君にはお似合いの特典だね。」

「はっ!! 言ってろっ!!」

 

 俺がそういうと金木に向かって突進する。だが武器を出す素振りを見せない。へっ、何もしないなら仮面ライダーの力でねじ伏せてやるっ!!

 

 金木は驚きもせずに、懐から2つの球体を取り出す。あ、あれは……モンスターボール!!

 

「―――出てこい。モジャンボ、ゴウカザル」

 

 そういって金木はモンスターボールを投げると、中から二体のポケモンが出てきた。

 

「ウウウウウウウウッ」

 

「ギャアアッ! ギャアアッ!」

 

 威嚇するように鳴き、こちらを睨み付けてくる二体のポケモン。アニメやゲームでは見られないリアルな生物感がそこにあった。

 

「モジャンボ、ツルのムチ」

 

 モジャンボはその声に反応すると、自分の体からツルを触手のように伸ばし、こちらに向かい放ってくる。

 

「なめんなっ!!」

 

 俺は瞬時にトラクローを腕から伸ばし、横なぎに一閃する。ツルは難なく切り落とされるが、モジャンボが苦痛を見せる様子はない。金木も動揺を見せずに、手を前に突き出した。

 

「ゴウカザル、フレアドライブ。モジャンボは引き続いてツルで迎撃しろ」

 

 その指示にゴウカザルは自分の体を回転させ、その身に炎を纏いはじめる。そしてそのまま俺に向かって突進してきた。それに合わせてモジャンボのツルは攻撃を続ける。

 避けても攻撃をやめないゴウカザルの炎に、モジャンボのツルの迎撃。コンビネーションは完璧のようだ。何とかぎりぎりでかわしてはいるが、だんだん焦りが出てくる。

 

「ああくそっ!! 鬱陶しいんだよ!!」

 

 ついむきになってしまい、モジャンボのツルを蹴り飛ばす。

 

「ウウウウウウウウッ!!!!!」

 

 すると突然、モジャンボが苦悶の声を上げた。何事かと思いモジャンボの方を見るとなにやらツルをうねうねとさせて痛そうにしてる。

 最初は困惑した俺だが、俺の頭に仮説が思い浮かんだ。

 

「そうか……”バッタ”の部分で蹴っただもんなぁ?」

 

 俺は3枚のメダルのうち、トラメダルをドライバーから外すと、新たに緑のコアをセットし、スライドさせた。

 

『タカッ!! カマキリッ!! バッタッ!!』

 

 トラのスーツ部分が変わり、腕からカマをはやしたアームが現れた。亜種形態―――タカキリバコンボになった俺はモジャンボに腕のカマで切り裂くっ!!

 

「ううううううううううううううううううううううっ!!!!!!!」

 

 モジャンボはこれまでにないほど苦しみ、片足をついた。仮説が的中した俺はニヤリを笑う。

 ポケモンには、それぞれの個体に弱点がある。みずはでんきに弱い、いわははがねに弱いなど様々だ。その中でモジャンボはくさ・どくタイプ。くさタイプにはムシの攻撃に弱い。この世界でもそれが通じていたらしい。これは金木も予想外だったらしく、目を見開いて驚いている。

 

「あはははははははははっ!!! ざまねえなあ。この世界でも弱点の効果があるなんて不幸だな、お前の特典外れなんじゃね?」

「……」

「はっ!! 何も言えねえのかよっ!! 残念だったな!! これでお前の―――」

 

ビリリリっ!!!

 

「がっ!!」

 

 俺が叫ぼうとした瞬間、俺の体に電流のような痛みが襲った。いったい何が起きたのかわからず困惑していると、この公園にあった電柱に一匹のカラスがいた。だがそのカラスは本来より何倍も大きかった。

 

 そのカラスは電柱から飛び立つと、金木の方に飛んで行った。

 

「よくやった。ドンカラス」

「ガアーーーー!」

「お、お前……卑怯な……」

「卑怯? まともな戦いをしようとするとでも思ったのかい? 頭がお花畑にもほどがあるな……ポケモンの弱点がこの世界でも通用するのは知っていたさ。それでいい気なるなんて、正直驚いたよ。もうこれで終わりにしようか」

 

 呆れたような素振りを見せながら、金木はゴウカザルの近くによる。

 

「いくぞ、ゴウカザル。Z技だ」

 

 金木はゴウカザルにそう告げると、自分の腕に付けている腕輪に手をかける。その腕輪にはZと記された宝石のようなものが装着されていた。

 

 俺はその攻撃に青ざめ、必死に逃げようとするが、いかんせんでんじはの影響で脚に力が入らない。金木はそんな姿に嘆息すると力強く構えた。

 

 両腕を交差させ、腕を上から下へ円を描くような感じで下ろし、両手を握り拳で前へ重ねて突き出す。構えて右拳を一発、右を後へ、左拳で一発を5回、グゥ~ッ、と拳をためてそれをちからいっぱいに突き出した。

 

「決めるぞ、かくとうタイプのZ技」

「こ、この!――――」

 

 

―――――全力無双激烈拳

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!!!!!

 

「がっ、は!!!……………」

 

 マヒ状態でまともに動かない体に何発もの拳が襲い掛かり、パンチが止むと俺はそのまま重力の法則に従って地に倒れ伏した。

 

 

「ふん、他愛ないな」

 

 モジャンボ以外のポケモンをモンスターボールに戻し、金木は倒れたままの西原にそう吐き捨てるとアーシアの方を向く。

 

「モジャンボ、ツルのムチ」

 

 金木の指示に、モジャンボは体から自分のツルを伸ばしアーシアに巻きつくと、そのまま自分の手元まで運んでいった。

 

「きゃああっ!! は、離してぇ!!」

「悪いね。少し強引だけど一緒に来てもらおうか。モジャンボ、ねむりごな」

 

 金木の指示により、モジャンボはアーシアに白い粉がかかる。途端にアーシアは抵抗を緩め、脱力する。

 

「しばらくは眠っていてね。僕のヒロインちゃん。ふふふふふふふっ!」

「あ……う……あ……」

 

 

 下種な表情で笑う金木の声を最後に、アーシアは意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーシアside

 

 夢を、見ていた。

 

 それは、まるで自分の成長を見ているかのようだった。孤児院で育ったこと、神器が覚醒したこと、苦しんでいた多くの命を救ったこと。思えばこれが、自分の人生で最高期だったのだろう。

 

 それからは、何もかもダメだった。

 

 協会から異端として追放され、ようやく自分を拾ってくれた堕天使たちからは「神から見放された」その一言で自分を男たちに引き渡した。そして、男たちは………思いだしただけで胸が苦しくなる。

 

 あぁ、主よ。これもあなた様の試練なのですか? 私の信仰が足りなかったんですか? どんなに考えても自分が不甲斐ないせいでこんなことになっている。そんな自分が嫌で、そんな自分がどうしようもなくて。

 

……………わたしには、生きる資格なんて。

 

 

『もう、大丈夫だ。安心しろ』

 

 

 ふいに、赤い籠手をはめた黒髪の少年が脳裏によぎった。

 

 私の人生の中で、初めて心から安心した人。

 

 彼は恐怖で震えている身体を、しっかりと抱きしめてくれた。

 

 

 彼はやさしく私の頭を撫でてくれた。

 

 

 彼は………私を助けてくれた。

 

 

 あぁ、主よ。私の声が聞こえるなら、私の願いを聞き入れてくださるなら。

 

 どうか、もう一度煉君に合わせてください。

 

 

 

 するとだんだん意識が覚醒していく。もうすっかり夜なのか、あたりは暗闇でよく見えない。しかし、特有の雰囲気で協会にいることはわかった。

 あたりを見渡そうとすると、自分の体にはツルが巻きついてた。

 

「………っ!!?? いやっ!!??」

「お? 目が覚めたか。もうちょっと寝ててもよかったんだけど」

 

 そこには、自分の求めた人はいなかった。

 

 彼は自分を連れてきた張本人。金木総司だ。見れば何やら魔方陣らしきものを展開していて、私が起きたのを確認すると一旦作業をやめ、こちらに近づいてくる。

 

「おはよう。眠れる協会の聖女さま? よく眠れたかい?」

「ひうっ!? こ、来ないで……」

「寝起き草々元気だね~、いいことだ」

 

 自分を見て怯えられているのに何ら気にする様子を見せない金木。しばらくその場にいると、途端に指をならす。すると上から3体の堕天使が下りてきた。

 

「さて、アーシアも起きたことだし、こいつ等どうしようか。操ったはいいけど役には立たそうにないし、殺っていくかなあ~」

「!? み、皆さん……」

 

 金木のそばに、上司であった堕天使がいるのがわかった。しかし、その目はハイライトが全くなく、まるで人形のように立ちすくんでいるばかりだ。その反応に彼はニヤリを笑った。

 

「すごいだろう? この堕天使たちは僕のポケモンの”さいみんじゅつ”にかかってるんだ。ゲームでは眠り状態になるのに、不思議だねえ。あ、君に言ってもわからないか」

 

 自己解決したことに肩をすくめると、金木は淡く輝いている魔方陣を見つめる。

 

「もうすぐ本部までつながる魔方陣の完成だ。その後はたっぷりと僕たちの時間を楽しもう?」

「い、いやあああっ!!!」

「ん~、そんな顔しないでくれよ。はあ、仕方ない。また眠ってもらうか」

 

 金木はアーシアに向けて手を掲げ、魔方陣を展開する。するとあの白い粉ほどではないが、睡魔が襲い掛かる。

 

「ん~。やっぱり俺、魔法との適正悪いなあ。転生者補正でもっと出来てほしいんだけど」

「あ……う……あ……」

 

 何かボソボソとつぶやいているようだが、もう半分以上は理解できていない。次第にまぶたも重くなってくる。必死に眠気から打ち勝とうとするが、体に力が入らない。

 

 

 

 

――――――助けてっ!!

 

 アーシアは心の中でそう叫んだ。すると刹那、

 

ドカカアアアアアアアアアアンっ!

 

 轟音が協会に響き渡る。金木は「なんだっ!!」と驚いた様子で音の鳴った方を見やる。そこは砂煙をまき散らせながら、壁が盛大に破壊されていた。

 その砂煙の中から一人の人影が見えてきた。

 

「げほっ!! げほっ!! やべ、ほこりまき散らしすぎたな」

 

 アーシアはその声を聴いて喜びの涙を流した。その声の主は、自分が求めたそのひとだったのだから。

 

「アーシアさん。大丈夫ですか?」

「―――っ! 煉君!!」




 誤字、脱字等ありましたらお願いします。

元ネタ

さいみんじゅつで人を操る。→ポケモン映画『アルセウス 超克の時空へ』
(眠らない)

 次の話で1章は終わらせたいです。
 結構伸ばしましたが、個人的には4章あたりからの物語に力が入ってるので……。早く投稿したい。

 でも、もうすぐ明けテストの勉強しないといけない。そのせいでまた遅れるかも……。
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