改・とある戦士がイナズマイレブンの世界に転生するようです   作:さくららんらんぼ

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▽設定が少し変わりました



プロローグ

「…どうしたの、こんな遅くに。

…そう。

どうぞ上がって。お茶くらいおだしするわ。紅茶でいいかしら?

さて、あなたは何故ここまで来られたのかしら。

やっぱりあのお話なのね。

貴方だけじゃないのよ。沢山の人が私の所に訪ねてきているの。

…えぇ。まだ出発された方はいないわ。できる限り私も止めさせていただくことにしているの。

 

……驚いたわ。

貴方はそんなことまで知っているのね。

えぇ。貴方の言う通りよ。

でもそれは今から十年前の話。

もう二度と、繰り返すつもりは無い。

……分かったなら、あなたも帰りなさい。

 

あの子以外に彼処へは行かせないわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、とある最果ての地。

 

一面に広がるだだっ広い高野の中に、ポツンと1軒家が建っていた。

 

一階建てのそれに不釣り合いな程長く伸びた煙突からは細い煙がたなびき、当たりにはフワリとコーヒーのいい香りが漂っていた。

 

不意に、控えめなノック音が響いた。

いつの間に現れたのか、その家の前には一人の少年…いや、少女が立っていた。彼女が腕を振るたび、彼女の背に背負われた大太刀がガシャガシャと揺れる。

 

「よくぞこの地にたどり着いた。戦士よ。」

 

囁くような声が響いた。

それと同時に家のドアが悲鳴を上げながらひとりでに開く。

ドアの向こうは…星空。

幾千の星々が窮屈そうに閉じ込められていた。

 

「ここは選ばれし戦士のみがたどり着ける辺境の地、アルマカンドラ。」

 

再び声が響くと、少女の前にホログラムが現れた。

ホログラムはまるで生きているかのように老人を模して喋り続ける。

 

「終着の地…そして始まりの地である。新たな冒険、人生を求め、別世界へと旅立つがよい。

 

ここへたどり着いた証に、そなたにこの地に伝わりし伝説の神器をさずけよう。」

 

ホログラムが手をかざした。

その手の先にまた別のホログラムが現われる。

そして現れた三つのホログラムは、武器のような形に変化していった。

 

「太陽神の加護を受けし、黄金の剱。

 

魔王の力を封じし、宝玉の杖。

 

月の輝きを宿し、鋼の盾。」

 

ホログラムが喋る度、武器が完成されていく。

そして武器はどれも霧のような柔らかな光で包まれていた。

 

「どれでも好きなものを選べ。

 

さぁ、そなたは何を選ぶのだ!?」

 

ホログラムが叫ぶ。

演出がされていたのか、部屋の所々から、小さく花火が散った。

 

その目の前に立つ少女、いや戦士はここに着くまでの様々な苦難を思い出していた…。

 

彼女の脳裏に浮かぶのは、今まで乗り越えてきた数々の苦難。

それは計り知れないものだった。

 

(ここまで、本当に長かった。

本当に長かったな…)

 

彼女の瞳から一筋の涙が伝った。

 

(泣いた時もあったし、挫けた時もあった…。)

 

だから、だからこそ。

戦士が選ぶ選択肢は、一つ。

 

 

 

「あっ、そういうのいいんで、スマホ下さい。」

 

 

 

「…へっ?」

 

ホログラムが間抜けな声を上げた。

そして動揺した様子で言う。

 

「…で、伝説の神器だぞ?欲しくはないのか?」

 

少女は怪訝そうな顔をし言った。

 

「…私は、魔法なんてものはいらないのです。」

 

「えっ…」

 

ホログラムは目線を忙しく急がせた。行き場のないホログラムの腕はフラフラと宙をさまよう。

 

「…何故」

 

ホログラムの問いに、戦士は、ゆっくりと口を開いた。

 

「私は…この旅を通して本当の意味で学んだんです…。

どれだけの魔法を使いこなそうと、結局役に立たない。

 

攻撃魔法でモンスターは倒せても、ピッツァをベストなタイミングで焼くことは出来ない!

 

魔法でどんな食べ物を産み出そうと、サ●ゼリアのピッツァには叶わない…!

 

そう、沢山の魔法を使用し、危険と隣り合わせになりながら、命懸けで素材を探し、微妙なピッツァを作るより…

 

スマホでサイゼ●ア検索して旨いピッツァを食べた方が遥かに効率が良い!!!」

 

ダァン!と少女が地面を拳で叩いた。

幾年かの旅で鍛えられたその拳はクラッカーでも割るかのように、容易く地面をえぐる。

 

「………………………」

 

「なのでスマホ下さい。」

 

悪びれもせず、少女は告げる。

少女の真剣な瞳に、ホログラムは感嘆を漏らした。

 

「なんと…珍しい奴じゃ。」

 

ホログラムが手をかざす。

その腕の中には小さな箱が現れ、形成された。

 

「ではそなたにこの、スマf「あっ、それガラケーです。」……………そうか。」

 

ホログラムはもう一度手をかざした。先程とは違う、青色の光が魔導師の手の中に産まれ、形作られる。

 

「そなたにこのスマフォを授ける。本当にこれで「あ、元のデータバックアップしても大丈夫ですよね?」………はい。」

 

少女は手を伸ばし、スマフォに触れる。

スマフォは持ち主に会えた喜びを全身で表すように、震えながらL●NEの着信を告げた。

 

「…ところで戦士よ、これからどこの試練をへ受けるのだ?」

 

「とりあえず身の危険も無くて、平凡でも無くて、必殺技が使えて、イケメンが多い試練で!」

 

「…なんという欲の塊……。」

 

ホログラムは深く溜息をついた。

だが戦士の言う事を聞かない訳にはいかないらしく、渋々魔導書らしき本を取り出した。

ペラペラと幾つかのページを捲り、言う。

 

「お主の条件に合うのは…イナズマイレブンと、」「あ、じゃあイナズマイレブンでお願いします!」

 

戦士が瞳を輝かせながら言った。

 

「ドラゴ●ボールでもワ●ピースでもなく?冒険もなく?」

 

ホログラムが酷く真面目に問いた。

その口調は優しく、心配しているように見受けられ無くもない。

 

「はい!元の世界で大好きだったので!!まさかイナズマの世界に行けるなんて!嬉しい!」

 

戦士は飛び上がりながら喜ぶ。

ホログラムは戦士の本質を見極めるように、彼女の瞳を見つめた。

しかし彼女の琥珀のように輝く瞳は、ホログラムから目をそらさない。

 

「…儂が何を言っても、無駄なようじゃな。」

 

ホログラムが空間を指差すと、ぐにゃりと空気が吸い込まれ、そこにだけピンポイントに穴が誕生した。

さながら、小さなブラックホールのようなそれは今か今かと小さな口を開き、待ち構えている。

 

「行くが良い、戦士よ。

 

…儂から出す試練の条件は“イレブンのメンバーを幸せにすること”だ。

 

クリアすることが出来たなら、儂は今度こそ、そなたの望みを叶えよう。

 

…そなたは唯一地球人の生き残り。…期待しておるぞ。」

 

「はい!」

 

元気のいい返事を返すと、少女は跳躍し、その穴へと飛び込んだ。

 

「……アレで本当に戦士なのじゃろうか…。」

 

少女がいなくなった後、魔導師が小さく呟く。

彼女の様な戦士は、今まで例がなかった。

 

「…杉江茉夏。」

 

一人だけ生き残った青い惑星の住人。その潜在能力は如何程のものなのだろうか。

 

「次にそなたがここを訪れるのは…全ての冒険が終わった後。…楽しみに待っておるぞ、戦士よ。」

 

ホログラムは口の端に小さく微笑みを浮かべた。

 

 

***************

 

side,???

 

 

 

 

「…見事だ、バダップ·スリード。」

 

静かな室内に、低い声が響く。

その声に、一人の少年が顔を上げた。

 

「我が部隊を率いるのは、お前だ!」

 

少年が目を細める。

 

すると少年の小麦色の肌に赤黒い鬼火が湧き上がった。

鬼火は少年を呪い、自身を少年の額へと焼き付ける 。

 

彼は俯かない。

彼の足元には、悶え苦しむかつての同士が、虫けら同然に転がっているというのに。

彼にとって、同士などその程度の存在なのだろう。

 

…彼の名は、バダップ·スリード。

 

世界を揺るがす大事件が、始まろうとしていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

すいません…

ぶっ飛び過ぎてて、設定がよくわからないと思うので、補足を載せます。

 

ホログラム:

終着と始まりの地、アルマカンドラを収める人。魔導師。

今回は留守だったため、ホログラムで参戦。

多少の魔法が使える。

 

アルマカンドラ:

叶えたい願いがある者達が、初めにたどり着く地。

願いを叶えたい者達は異世界(試練)をクリアする度にここに戻り、また新しい異世界へと旅立つ。

 

叶えたい願いがある者達:

各星々から選別された強い願いを持つ者達。戦士。

彼らは3度試練をクリア出来たら願いを叶えてもらえるらしい。

 

戦士(杉江茉夏):

地球から選ばれた戦士。唯一の生き残りらしい。

クリアした試練は2つ。

現時点ではLv99。強め。

 

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