kanon~冬の奇跡~   作:和泉柳斗

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前回が短めだったので今回は少しだけ長めのものになりました。
と言っても書いてたら色々付け足したくなったため長くなっただけなのですが…
それはさておき、今回初めて視点変更をやったのですが
わかりにくかったら申し訳ないです
二次創作自体投稿するのがこの作品で初めてなので
色々至らないところがあると思いますが
今後ともよろしくお願いします。
また、次回は番外編を投稿する予定です。

誤字脱字、文章がおかしい、表現の下手などあると思うので
アドバイスや指摘などよろしければお願いします

それでは楽しんでください。


第15話~仲間~

雪、雪が降っている。

なのに何故この地面は赤く染まってるのだろう。

そして元を辿ると理由が判明した。

〇〇〇〇があの高い木から落ちてしまったのだ。

でも俺にはなにも出来ない。

ただただこの赤いシミが広がっていく様子を見続けることしか出来ない。

そう思うといつの間にか走り出していた。

何故かはこの当時俺には分からなかった。

だが今なら分かる。

怖かったのだ。

どうしたら良いのか、どうやったら良いのか。

そしてこのままだとどうなるのか。

このときの俺はその先を考えるのが怖くて

ずっと走り続けた。…

 

 

俺は飛び起きた。

理由は分かっている。

今日見た夢のせいだろう。

朧気にだが内容も憶えている。

昨日見た夢の続きだろう。

思考を落ち着かせるために現在の時刻を確認する。

どうやらいつもよりも少し早めに起きたようだ。

事前に目覚ましのアラームを止めて、カーテンを開き窓を開け外の空気を吸う。

外の冷たい空気のおかげなのか頭がスッキリしてきた。

少し時間を掛け自分を落ち着かせた後、日課になってしまった幼馴染を起こしに行く

珍しく今日は直ぐに起きた。

 

「おはよう、名雪」

「うん、おはふぁ~」

「…二度寝はするなよ?」

「…うん、頑張る…よ」

「言ったそばから寝かけるなよ。先に着替えて待ってるぞ」

「ふぁーい」

 

眠たそうに返事をする名雪の言葉を背に受け、俺は自室に行き制服に着替える。

そして一階に降り朝食をとる。

しばらくすると名雪が降りてきて、朝食を摂る。

しかし、いつものようにうつらうつらとしながら食事を始めている。

朝食を食べ終えたらそのまま学校へ向かう。

 

 

今日は一段と外が寒く感じる。

名雪も今日は少し寒いかもと言っていたので俺にとっては相当だ。

そして今俺は今日にた夢のことについて考える。

実際のところ俺にはまだ7年前の事故と向き合うだけの勇気はない。

あの後〇〇〇〇がどうなったのか俺には分からない。

もしかしたら、あの羽根の付いたカバンを持つ少し騒がしい少女なのかもしれないのだが

直接確認するところまで踏み込めないでいる。

もしこれ以上踏み込もうとするならば「あの」場所に行くしかないだろう。

だが心配させてしまっている以上名雪に案内してもらうのは気持ち的に阻まれる。

ダメ元で士郎や八幡に聞くしかないか。

考えすぎなのかもしれないが今日のこの気候とかは俺に試練を与えているように思う。

まあ勘違いだとは思うが、これ以上踏み込むことを拒んでいるようなそんな気がする。

だが、歩みを止めるつもりはない。

何故なら克服することでこの先どんな困難も乗り越えられると思うからだ。

そのためにも出来るだけ早く克服したいのだが…

 

「祐一、怖い顔になってるけど何かあったの?」

「え?いやなにもないんだが」

「本当?それなら良いんだけど、何かあったら相談してね?今は家族みたいなものなんだから」

「ああ、そのときは頼む」

 

やはりこれ以上先延ばしにする訳にはいかない。

早急に片を付けよう、そう心に決めた。

 

 

 

 

学校にて、昼食の時間となり士郎と八幡と共に学食へと向かう。

どのタイミングで話すか迷ったが早めに相談するとしよう。

 

「ちょっと相談良いか?」

「ん?構わないぞ」

「力になれるかは分からんが聞くだけ聞く」

「昔、って言っても7年くらい前のことなんだが丘の方に一本だけ大きな木があったの知ってるか?」

「俺は知らないな」

「一応知ってる。親父と時々行ってたりしたから」

「なら士郎、そこに案内してもらっても良いか?」

「良いけどどうしたんだ?」

「ちょっと用事があってな」

「そうか、深くは聞かないけどあそこに用事がある人って珍しいな」

「なぁ衛宮、相沢俺も行って良いか?」

「別に良いがなんでだ?」

「八幡が自発的に外に出るなんて珍しいな」

「いや、最近部室に行きづらいから」

「喧嘩でもしたのか?」

「そんな訳無いだろ。ただ、雰囲気的に出るしかないんだよ」

「なんというかドンマイ」

「慰めは要らないからな。それで行っても良いよな?」

「そうだな、別に来てはいけない理由なんてないしな」

 

という事で3人で向かうことになった。

昼休憩も終わり、授業を受け放課後になった。

 

「名雪、今日はどうする?確か今日部活無かっただろ?」

「うんそうなんだけど、ちょっと用事があるから先に帰ってて」

「そうか、気を付けて帰れよ」

「うん分かってる。また後でね、バイバーイ」

「おう、また後でな」

 

名雪を見送り士郎と八幡と合流して一緒にあの木があった場所に向かう。

やはり昨日俺が行った山だったのだがちょっとルートを間違えてたようだ。

そりゃ見つかるわけがない。

暫く会話しながら歩いていると「ここだ」と士郎が言う。

七年と言う俺にとっては長い、しかし「それ」にとっては短いであろう年月を経て

「それ」は姿形を変えていた。

見上げるほど巨大な姿をしていたものはその面影はもうなく

今そこにあるのは見下げることしか出来ない程に低くなった切り株だけだった。

しかしそんな姿に成って尚俺に昔の姿を伝えてくる。

俺は時間の流れを再認識し鮮明にあの日にあったこと、そしてそれからの数日間のことを思い出した。

すると口の中に酸味が広がってきた。

本能的に口を抑える。

 

「祐一、大丈夫か?顔色が悪いぞ」

 

隣りにいた士郎が声を書けたのと同時に俺は膝から崩れ落ち、地に手をつく。

吐くことはなかったのだが息が荒くなってきてるのを感じている。

 

「相沢!しっかりしろ!」

 

遠くなりかけている意識の中、体をゆすりながら八幡と士郎が心配してくれているのが分かるが

次第に意識が薄れ闇に囚われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに来ると昔を思い出す。

昔と言ってもほんの4年くらい前のことだ。

ここで俺の親父は……とついそんなことを考えてしまう。

血の繋がりはなかったのだが親子仲は良かったほうだとは思っている。

そして俺は今もそうだがいつも親父を尊敬していた。

4年前に起きたあの事故のことだってそうだ。

だがその尊敬し誇りに思っていた人物は事故の影響で発生間もなくこの世を去った。

今でも少しだけその事実を信じられない自分がいるようにも思えるが

既に割り切っているつもりでいる。

今では4年前のことは少し黒歴史みたいな感じで恥ずかしい限りではあるのだが

今の俺を創ったと言っても過言ではない出来事でもあるし

初めて人を頼る強さを教えてもらった。

本来であれば親が死んだからこう言うのは縁起が悪いと言われそうだが

良い転機担ったんじゃないかと思う。

そういう意味では俺にとってここは良い場所でもあり悪い場所だ。

思い返していたらふと祐一の様子が気になった。

ここに行きたいと言う人物などほとんどいない筈だ。

だからここで起きた出来事に関係しているのだと思うができる限りは聞かないほうだ良いだろう。

そして気になったのはもう一つ理由がある。

と言っても悪い予感がするだけだ。

ただ、そういう悪い虫の知らせというのは案外無視しないほうが良いと経験則上理解している

だから祐一の様子を見ると明らかに様子がおかしい。

気分が悪そうで顔色も悪い。

予想外のことだったので慌てて声を掛ける。

 

「祐一、大丈夫か?顔色が悪いぞ」

 

俺の声に反応して八幡も声を掛ける。

 

「相沢!しっかりしろ!」

 

だが間もなくして祐一は倒れた。

ここに案内したことをすこし後悔したが今はそれより移動したほうが良いだろう。

なのでここからも近い俺の家に連れて行くことにした。

 

すこし手間取ったがなんとか俺の家に運び込むことに成功した。

祐一が目覚めるまで俺は八幡と一緒に待つことにした。

 

「まさかいきなり倒れるとは思わなかったな」

「まああそこは良くも悪くも色々嫌な事件が起きてるから中にはいるだろ」

「そういうお前はもう大丈夫なのか?」

「ああ一応は割り切ったつもりだ」

「なら良いか。それより相沢のことだが」

「無理矢理にでも聞き出したほうが良いかもしれない」

「4年前のお前みたいにな」

「そのことを引き合いに出されると癪だがそうだな」

「でもあれくらいしないと離してもらえなかったからなぁ」

「その節はおせわになりました」

「気にすんな」

「話題にしたのはお前だろ」

「反応したのは衛宮の方だがな」

 

しばらく雑談していると祐一が目を覚ました。

 

「ここは…」

「俺の家だ。もう起きても大丈夫なのか?」

「ああもう大丈夫だ。それより心配掛けてしまってすまない」

「気にすんなと言いたいところだが」

「取り敢えず相沢、どうしてああなったのか話してくれ」

「…なんでだ?」

「出来るだけ話したくない、というよりは自分の問題だから自分一人でと言ったところだろうが

一人で解決できるならもうとっくに解決できてるはずだ」

「……」

「祐一、話してくれないか?俺にもそういう経験はある。

だが一人で解決しようとしても出来ないことでも誰かを頼ることで

解決できるって場合もあるんだ。だから話してくれないか?」

 

多少説得するのに時間がかかったのだがどうにかして話をさせることに成功した。

どうして倒れたのか、その原因となることを俺達は知った。

 

「一つ聞きたいんだが水瀬はそのことを知ってるのか?」

「話してないから知らないと思う」

「薄々感づいてそうだけどな。水瀬はああ見えて鋭いところがあるし」

「そうだな。俺のときなんか正にそうだった」

「出来れば話したほうが良いとは思うがタイミングを計らないといけないな」

「それは分かってる。名雪は無駄に抱え込むことがあるからだろ?」

「そういうことだな」

「そんじゃ暫くは俺達の間だけで解決するようにするか」

「俺はそれで良いと思う」

「異論はない。これからよろしく頼む」

「任せろ。こちとら二回目だからな」

「なにか見つけるなら遠慮なく頼れよ」

 

その後今後のことについて語り合い祐一と八幡は帰っていった。

正直俺のように解決までたどり着けるか分からないがそれでも最後までやり遂げよう

心にそう誓い日課をこなす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士郎と八幡の二人と別れ帰路につく。

今日は色々と格好の悪いところを見せてしまったが

そのおかげなのか少し肩の荷が降りた気もする。

夕暮れに染まった街を少し、ほんの少しだけ軽くなった足取りで帰る。

自宅に戻ると既に名雪は帰ってきており、何をしていたのか聞かれたので

士郎の家に行って士郎と八幡と俺の三人で今後の計画を立ててたと伝えた。

間違いは言ってはいない。

名雪は今後行われる行事である2月祭のことかと納得してくれた。

その後は夕飯を食べ風呂に入り、自室に入ってベッドに潜り寝る。

今日は色々あったが仲間のおかげで良い方向へと向かうと思える日になった。

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