kanon~冬の奇跡~   作:和泉柳斗

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第1話~七年ぶりの再会~

電車に揺られ俺は7年ぶりに北国(雪の街)へ向かう。

窓から見える景色はいつの間にか晴天から曇りへ変わり今は雪が降っているのが分かる。

だが、両親の事情があるにしてもここへ行くことはあまり乗り気では無かった。

何故ならまた『あの』ことを思い出してしまうからだ。

だが、思い出からずっと逃げる訳にはいかない。

だから、俺はこの街に行くことを決意した。

 

 

 

駅へ到着すると雪の街の名にふさわしく雪が降っていた。今が12月なので降っていて当然なのだが、長いことここへ来てないせいなのかそんな感想が出てきた。

それにここは昔とあまり変わってないように見える。

と言っても街全体を見たわけではない。

ただこの街に対して持っている印象と変わってないからそう思ったのかもしれない。

でも今言えることは、今日『この』場所に帰ってきたのだ。

駅を出てそれを痛感した。

 

 

 

今の時刻は12時前くらい。

1時くらいには従妹が迎えに来るので暇をつぶしてから待ち合わせの場所で待つ事にしよう。

駅を出て近くの風景を見ると随分変わったなと感じる。

ここを通る人通りも街の雰囲気も、そして何よりここから見える景色。

7年前よりもビルなどの建物が増えたような気がする。

と言っても鮮明に街並みを覚えてなどいないので勘違いかもしれないが...

 

 

「にしても遅いなもうすぐ2時だぞ」

 

 

もう待ち合わせの時間から一時間が過ぎてるんだが...

寒さとの格闘が始まりそろそろ来てもいいんじゃないか?と思っていると誰かが走ってきて

 

 

「雪、積もってるよ?」

 

 

と、懐かしい声がが聞こえた。

目の前には青い髪に青い目の少女が息を切らしながら立っていた。

走ってきたのだろうが遅い

 

 

「そりゃ、2時間も待ってるからな」

「うわぁびっくり、まだ二時くらいだと思ってたよ」

「二時だとしても一時間の遅刻だ」

「寒くない?」

「寒い」

「だよね、ごめんね」

 

 

と言って、頭に積もっていた雪を振り払ってくれる。

 

 

「7年振りだね。ねぇ、私の名前まだ覚えてる?」

「そういうお前だって俺の名前憶えてるのか?」

「祐一」

「遥」

「違うよー」

 

 

何と言うかお互いの名前を呼び合うは気恥ずかしい気がした。

あと2時間待たされたことに関する意地悪でもある。

不覚にも従妹のこの反応が可愛いなと思った。

 

 

「太郎」

「私、女の子...」

「うぅ寒い、このままじゃ風邪を引きそうだ」

「私の、名前...」

 

 

流石にそろそろ読んであげないとかわいそうだな

 

 

「ほら、行くぞ。名雪」

「うん!」

 

 

なんで名前を呼んだだけでこんなに嬉しそうにするのかは謎だが

名雪に案内されつつ名雪の住んでいる家に向かう。

七年前まで長期休暇になる度に通っていた家だが近頃は疎遠になっていた為かちょっと緊張している

 

 

「にしても、緊張するな」

「そうかな?」

「そりゃ、七年ぶりにここに来るんだぞ。いくら子供のころに度々来ていたと言っても7年来てないんだから緊張しても仕方ないだろう」

「そういうものかな~?」

「そういうものだ」

「あ、そろそろ着くよ」

「まじか。ってもう家の前じゃねぇか」

「ほんとだ。もう着いちゃったね」

「もう着いちゃったね、じゃねぇよ」

「でもいつまでも外にいたら寒いよ」

「それもそうだな。覚悟を決めるか」

「うん、ふぁいとっだよ」

 

 

名雪に後押しされ名雪宅に入る覚悟を決め、ドアを開ける。

なんだかドアを開けるだけなのにすごく時間をかけて開けたと思う。

 

 

「し、失礼します」

「ただいまぁ」

「おかえりなさい」

 

 

と言って名雪と同じ青い髪に青い目をした美人さんが迎えてくれた。

7年前と今とで衰えを全く感じない。

面を食らったが、気を取り直して挨拶をすることにする。

 

 

「お久しぶりです、秋子さん。これからお世話になります」

「お久しぶりです。外は寒かったでしょう?すぐに暖かいものを用意しますからリビングで待っていてくださいね」

「わかりました」

 

 

家に上がりリビングまで行きコートを脱ぐ。

名雪は着替えのために自分の部屋に向かったようだ。

ソファーに座るよう促され座り暖かいものとしてホットココアを貰った。

何故ホットココアかは分からないが暖まるのでありがたく頂いた。

 

 

「ほんと久しぶりね。7年くらいかしら?」

「えぇそうですね。でも、まさか2時間も待たされるとは思いませんでしたよ」

「ほんとうですか、すみません」

「いえ、おかげで昔のことを思い出す時間もできましたし、名雪も謝ってくれましたから」

「ここも昔とあまり変わってないですね」

「そうですか?でもここで暮らしてたら変化が分かると思いますよ」

「そうかもしれないですね」

「お待たせ―」

「名雪、晩御飯の準備をしましょう」

「うん、わかったよ。祐一は席で待っててね」

 

 

と言って二人でキッチンに向かった。

俺は料理に関して言えばからっきしなので言われたとおりに席に座って待つことにする。

しばらくして、料理が完成したらしいので料理を運んで食卓を準備する。

全員が席に座ったところで食事を開始する。

食事中の会話は訪れなかった7年間の話だ。

俺だけではなく、名雪の話も聞けたので楽しいひと時になった。

 

 

食事も終わり風呂にも入って、部屋に案内してもらい部屋の整理をした。

と言っても大方のものはあとから送られてくるので教科書などの学校で必要になるものや3日分の着替えくらいしかない。

部屋の整理がひと段落したところでドアがノックされれた。

 

 

「開いてるぞー」

「入るよー」

「どうした?名雪。何か用事か?」

「もうすぐ学校始まるから早起きするのに慣れるために目覚ましなんてどうかなーって思ったんだけどどう?」

「目覚ましか」

 

 

確かに今は冬休み中とはいえもうすぐその冬休みも終わる。

なら目覚ましを貰って早起きに慣れることは今後の学校生活にも役に立つだろう

 

 

「分かった。確かに早起きにも慣れないといけないしな」

「うん」

 

 

目覚ましを貰うために名雪の部屋に移動した。

 

 

「どれにするー?私のおすすめはこれかな」

 

 

といって猫が乗った目覚ましを渡された。

 

 

「まぁどれでもいいからな。んじゃありがたくこれを使わせてもらうぜ」

「うん、持って行って」

 

 

その後名雪の部屋を出て目覚ましの時間を設定して寝ることにした。

早起きもそうだが、早くここの生活にも慣れないとなと思いつつ俺の一日は終了した。

 

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