前回、前々回と比べて書いた量は少ないですが楽しんでいただけたらと思います。
前回真琴について書くか考えてたのですが上手く書けそうにない+これ以上人数増えると雑にしてしまいそうと思い出すのは見送りました。
ファンのお方読んでいたら申し訳ないです。
それではどうぞ
秋子さんに頼まれたおでん種を買うため、俺は学校の帰りに商店街に向かうことにした。
放課後というのもあり朝の景色とは一変してここに来る前によく見た光景が姿を現し始めていた。
完全にと言うわけではないがそれでも少し懐かしいものを感じた。
感傷にふけりながら商店街を歩く。
目的地までもうすぐなので早くこの寒い空間から抜け出そうと思い歩く速度を少し上げる。
すると
「どいてどいて~!」
どこかで聞いたことある声が聞こえた。
振り返るとやはりと言うべきか昨日会った少女、月宮あゆであった。
このままではぶつかる。
回避するには進行方向から抜け出せばいい。
そう考え
「箸を持つ方に避けるんだ!」
と言い右に避ける...が予想外にもあゆは同じ方向に避けてしまったようだ。
衝突を避けることができずそのままぶつかる。
体格の差もあるのか俺は少しよろけるだけで済んだが、あゆはそのままそのまま地面に倒れた。
「うぐぅ、痛いよー」
「なんで逆に避けるんだよ」
「うぐぅ、だって僕左利き」
「それは読めなかった」
そして、あゆは立ち上がり
「そうだ、逃げないと」
と言い昨日と同じように俺の手を引き逃げ始める。
ってなんでまた俺まで逃げなきゃいけないんだよ。
「またか?またなのか?」
「とにかく走って!」
何故かあゆの言葉に従い走る。
しばらく走り続けどこか分からないところに行きつく。
はぁはぁと息を切らしている俺。
なのにあゆの方はそうでもないらしい。
なんで俺より余裕そうなんだよ。
「こっちに来てから走ってばかりだ...」
「随分へんぴなところだね」
「てかなんでお前は二日連続で逃げてるんだよ...金は昨日払っただろ?」
「今日もまたたい焼きを買いに行ったんだよ。そしたらまた財布を忘れたことに気づいて」
「そしてまた猫が来たのか?」
「ううん、今日は野良犬君...でまた逃げてきちゃったんだよ」
「はぁぁ同じことを何度繰り返せば気が済むんだ。お前は」
と言ってもこのままここにいる訳にもいかないので移動を開始する。
「後でまた謝りに行くぞ」
「うん」
と言ってたい焼きを頬張るあゆ。
そして何か思うところがあったのかふと歩みを止めた。
「ねぇ、祐一君さっきこんなところ通ったっけ?」
「俺はお前の横を歩いてただけだぞ」
「僕も祐一君について歩いてただけだよ。こんなところ来たことないもん」
...は?まずは整理をしよう。ここまで俺はあゆに連れられて走ってきた。
まず俺は、」ここに来て間もない(7年前まで毎年来ていたが流石にもう覚えてない)、そしてここまで連れてきたあゆもここがどこなのか分からないと言う。
これって所謂迷子ってやつじゃないか?
「もしかして、祐一君も知らないの?」
「あのなぁ、地元の人間が知らないところを一昨日引っ越してきた人間が知るわけないだろ」
「引っ越してきた?」
「あぁそうだよ。7年前まではよく来ていたが流石に覚えてるわけないしな」
「うぐぅ、どうしよう」
「どうしようって言ったって誰かを探して道を教えてもらうしかないだろ」
「そ、そうだね。でも誰かいるのかなぁ」
「...」
そうここまで誰にも会ってないのだ。
どうしようか悩みふとある木に目を向けると、一人の少女が座り込んでいた。
よくみたら、足元にお菓子をばらまいた状態で雪をかぶっていた。
どうやら歩いていたら落ちてきた雪に驚いたのだろう。
彼女には悪いがしめたと思い声をかける。
「大丈夫か?」
「え?あ、はい大丈夫です」
どうやら俺たちに気づいてくれたようだ。
「立てるか?」
「ありがとうございます」
と言い差し出した手を取り立つ。
短い茶髪に乗った雪を払い、散乱したお菓子を拾いビニル袋に入れる。
よく見ると彼女の服装は長袖のTシャツ(だと思う)にスカート、タイツそしてマフラーと言った俺からしてみればあり得ない服装をしていた。(寒さ的に)
それは置いといて
「災難だったな」
「そうですね。私も初めてのことだったのでびっくりしちゃいました」
「本当に大丈夫?どこか怪我とかしてない?」
「あのなぁそんなすぐに怪我するわけないだろうが」
「もしものことがあるかもしれないじゃん」
「怪我とかはしてないですよ。心配して下さりありがとうございます」
「にしてもいっぱい買ったね」
「私あんまり外に出ないので買う時は一気に買っちゃうんですよ」
「まぁ金払ってるなら問題ないな」
「...祐一君の言ってることを聞くと僕が悪人みたいに聞こえるよ」
「事実だからなぁ」
「僕はいい子だよ!」
「いい子は食い逃げなんてしないぞ」
「うぐぅ」
と唸る。しばらくすると
「ねぇねぇ君は何年生?」
と少女に尋ねた。すると
「一年生です」
「一年生かぁ、てことは僕の一つ下だね」
「え!?あゆって俺と同い年なのか、俺はてっきり」
「てっきりなにかな?」
「いや、あえて言わないでおく」
「あの、私の家こっちなので」
「うん、またね」
と言って帰り始める。待てよ、話しかけた本来の目的を思い出せ。
「いや!ちょっと待ってくれ」
「はい?」
「商店街までの道を教えてくれ...」
情けないが土地勘がない分頼るしかない。
道を教えてもらい無事商店街までたどり着くことができた。
そのあと昨日と同じようにたい焼き屋のおやじさんに謝りにいき取り合えずの用事らしきものは終わった。
そのあとしばらく歩いていると
「にしても今日は大冒険しちゃったね」
「大冒険と言って良いかは怪しいがな」
「今日は楽しかったよ。また会えるといいね」
「そうだな...どうせここら辺を彷徨ってるならどこかで会うだろ」
「そうかもしれないね。それじゃ!また今度ね」
と言ってあゆと別れた。
店に向かいおでん種を買って帰路に着く。
家に帰ると既に名雪は帰ってきたようで出迎えてくれた。
秋子さんに買ってきたおでん種を渡し夕食を食べて明日に備えて寝た。
明日はまともな一日になるといいんだが