過去と今を繋ぐ者   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

最近スマホケースを立夏のケースに変えました。そこで私は1つのルールを決めました。これから私はスマホを落とすたびにこの作品の続きを書きます。

なので、落としてしまったので今回投稿しました。

長らくお待たせいたしました! 今回もお楽しみください!


新学期

 俺の持っている力は魔法だと言われた。魔法なんてものは空想の産物で、漫画やアニメ、小説の中だけのものだと思っていた俺にとって、それは信じられないことだった。けど、そう考えないと説明がつかないこともいくつかある。

 だったらせめて今自分の持っている力が本当に魔法であるのならやることは一つだ。

 

「なぁ、さくら。俺に魔法を教えてほしい」

 

 少しでも現状を把握するために動く。それが最も優先すべきこと。意図的に使うことができたとはいえ、最初にあの現象が起きた時は偶発的なものだった。もし、自分の持っているこの力が暴走してしまったとききっと周りを巻き込んでしまうだろう。そうすれば、また大切な人を傷付けてしまうかもしれない。

 

「魔法? 信じてくれたの?」

 

 色々考えた末の答えを聞いたさくらは最初に俺が言っていた事と変わっていることに少しだけ疑問を覚えたようだ。無理もない。ただの一般人が魔法なんてものをすぐに信じるわけもないし、ましてやあなたはそれを使うことができるのです。なんて言われても納得できるわけがない。だけど、俺は使っているところを認識している。それが原因でこの初音島に来るくらいには不思議な力だということは理解しているつもりだ。

 

「完全に信じたわけじゃない。けど、現実ではないと思ってた不思議な力だってことはわかった。だから覚えるだけ覚えれば何かの役に立つかもって、そう思ったんだ」

 

 でも、100%完全に信じているわけではなかった。魔法があるいうことが分かればこの世界には超能力や、魔術などと言った他の空想の産物もあるのかもしれない。きっとこう考えるのは俺だけではないだろう。同じこの世ならざる力なら何か引っかかりがあるのかもしれないと考えたら魔法を覚えることもおそらく意味のないものにはならない。もし俺が使えるこの力が魔法でない場合も選択肢から魔法が消えてまた違うものを探すことができるのだから。

 

 そんな俺の答えを聞いたさくらはまるで無邪気な子供のような笑顔を見せた。嘘をついている人にはまずできない、人間関係を考えての打算的なものではなく、ひとりの人間として好意を持っているからこそできるそんな明るい笑顔だ。

 

「うん! 空也君らしい。いいよ、教えてあげる」

 

 自分で言うのもなんだが、あれだけ疑ってかかっていた俺のお願いをこんなにすぐに受け入れてくれるとは……。今日初めて会ったばかりだって言うのになんですぐに受け入れてくれるのだろうか? 俺の使える力が魔法だと確信していたにしてもさっきの俺の態度はあまり褒められたものではないし、機嫌を損ねてしまったかもしれないのに……。

 

「助かる。ありがとう」

 

 だけどこうして教えてくれるのなら今回は反発することなく素直に受け入れた。

 

 これでこの話は終わりになると思ったが、そうもいかないみたいだ。さっきまでニコニコと子供のような笑顔だったさくらが俺のことを心配そうに見ていた。

 

「けど、大丈夫?」

 

 俺のことを見つめつつ、さくらが俺のことを心配している。何故さくらが俺のことを心配しているのかわからない。

 

「何がだ?」

 

 さくらの言葉の意味が分からなかった俺はさくらに尋ねた。大丈夫と聞くからには心配事が俺にあるということだ。もしかして魔法を使うには何かが犠牲になるということでその確認のためにこの質問をしているのだろうか?

 

「1学年上の勉強に、魔法の勉強。忙しいよ?」

 

 そんな俺の考えは当たるわけもなかった。でも、確かに心配になるほどには忙しそうに思える。俺は1週間後、新しい学校に自分が上がるはずだった学年の1つ上の学年に上がる。そうなれば1年分の学習が抜けてしまう分穴埋めをしなくてはいけない。結果、普通の学生以上の勉強を強いられてしまう。それに魔法の勉強もしないといけなくなればより忙しくなるだろう。

 

「確かに忙しいだろうな。けど今までの積み重ねみたいな普通の勉強なら一回やれば覚えるよ。だから成績を落とすような真似はしないさ」

 

 実際、もうすでに中学2年生分の学習は終えている。だから1学年上の勉強だって別に不可能というわけではない。勉強というものは今までの積み重ねだ。サボらず、欠かさずにしていれば置いていかれることはまずない。だから別に心配されるほど忙しいものになっているとは思っていないのだ。

 

「にゃはは! さすが空也君らしい。けど今日はもう寝ようか。明日から魔法の特訓だよ!」

 

 そんな俺の発言に先ほどまで心配していたさくらの表情が変わる。魔法と教えて欲しいと頼んだ時に出てきた無邪気で子供のような曇りのない笑顔。座っていたさくらが急に立ち上がると明日から魔法の特訓をするということが告げられる。……望むところだ。明日から本気で身につけるくらいに頑張ってやる!!

 

「分かった……。はぁ……頭使いすぎて疲れた~」

 

 そんな俺の意気込みとは裏腹に自分の言葉は弱気だった。流石に魔法のことを信じるにあたいするまで考え込むのは辛かったみたいだ。それに慣れない土地に来て早々にこの話題。知らず知らずのうちに疲労感が溜まってしまったのもあるだろう。

 

 とにかく、明日から特訓が始まる。そのために今はゆっくりと休んでおこう。さくらの案内で寝室にやってきた俺は布団でゆっくりと眠りにつくのを待っていた。初めて初音島に来た俺の1日がそうして終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ここは、どこだ? ……いや、ここがどこだかはわかっている。夢。ここは夢の世界。明晰夢という奴だろうか。いま俺は夢の中が夢の中だと認識していた。

 

 霧に覆われた街……。大きな時計塔……。生まれてこの方そんな場所に行ったことはないはずなの、夢の中に出てきた街……。だけど、見覚えのある顔がそこにはあった。

 

 昨日始めて出会った少女。『森園立夏』。そこには金髪でショートヘアーの幼さが残る少女と立夏と同じくらいの年だと思える少年。ただ、風見学園の制服ではないのがどこか気になる。

 

 立夏と少女が何かを話しているけどどんなことを話しているのか聞こえない……。それどころか俺自身が勝手に歩いて立夏たちのほうに向かっている。こんなことは初めてだ。

 

『さくらじゃないか。どうしたんだ? こんなところで?』

 

 俺の声が耳に入る。もちろん俺は一言も話そうとしていなかった。なのに聞こえた。おそらく夢の中に俺は俺として登場しているのだろう。ただの傍観者としてはなく登場人物としてその場にいるということはこの場合2通り考えることができる。

 

 一つは、予知夢の可能性。見たことない景色、見慣れない制服、見覚えのある顔。だから予知夢なのではないかと思った。そしてもう一つは……。……あれ? じゃあなんでさくらの姿は子供なんだ? 確かに俺の口から少女の名前をさくらと呼んだ。ということは俺はさくらの子供のころを知っているということになる……。ということはこれは過去の夢……? わからない。こうなったらもう一つの可能性である完全な俺の妄想にしてしまった方が楽何かもしれない。考えることから逃げているだけかもしれないけど、今はまだ判断材料が少ない……。もう少し何かが分かるようになってからもう一度この夢の内容を考えていこう。魔法という不確かなものを理解できたときに……。

 

 そんなことを考えていると夢の世界が白く、遠くなっていくように感じた。瞬間俺は理解した。きっと目覚めようとしているのだと。俺はその流れに逆らうことをせずただ流されるままに身をゆだねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意味不明な夢を見た俺は特に何事もなく朝を迎えた。……いや、あんな夢を見たから正直若干の寝不足ではあるのだが、今日から俺の魔法の特訓が始まった。

 

 さくらから魔法とは何なのか、どういう風に使うのか。基本的な理論については初日で全部叩き込まれた。曰く、魔法は"想い"の力だという。正直俺もなにがなんだかわからなかった。そう、この言葉だけでは。この話には続きがあって"想い"というのは『○○をしたい』という一種の願望のようなもの。強く願い、方法を"想い"描いた先に魔力を流すと魔法が使えるらしい。

 

 例を使って説明すると『ペンを持ち上げたい』と"想った"とする。そのペンを持ちたいという"想い"を持ったまま、次はどんな手段で持ち上げるのかを想像する。あとは"想い"から手段へと魔力を流して『ペンを持ち上げる』という現象が起これば魔法が成功したということだ。

 

 この説明を聴いたらやっていることは現実で自分たちがやっていることとさほど変わらないとそう思った。ただ、手段に魔力を使うか使わないかの違いしかないのだ。しかもこの説明だと魔法になぜ手段を想像しないといけないのか納得することができなかった。言ってしまえばこの説明では不十分だということ。魔法というものがどんなものなのかはわかった。"想い"の力で"想うこと"が大事なのもよく分かった。一度経験しているからそこはすんなりと納得することができる。ではなぜ手段が大事なのか。それはこの説明の後、さくらが説明してくれていた。

 

 これも、例に挙げたほうが分かりやすいだろう。さっきと同じでペンを持ち上げたいと"想った"とする。では人はどうやってペンを持ち上げるのだろうか? ペンを指でつまんで持ち上げる? 置いてある台から転がして手のひらで持ち上げるか? そもそもペンだけを持ち上げたいわけではないからペンの乗っている台座ごと持ち上げるのだって手段の一つだろう。ここまで言えば間のいい人は気がつくと思う。手段自体が多いのだ。おそらく魔法を使った場合これ以上に手段が増えるだろう。何の知識もない俺からすれば念動力で浮かせたり、ペンにかかる重力を減らせば自然とペンは持ち上がる。

 そんな無数にある手段を"想い"描かないと魔法の発動までにたどり着けないということだった。

 

 この説明を受けた俺は実際に自分がやった時の感覚を思い出した。俺は大切な幼馴染を助けたいと"想って"俺は自分を押さえつけている3人を風で吹き飛ばした。あの時俺は方法まで想像することは出来なかったが、さくらが言うには無意識のイメージがあったから発動できたのかもしれないということだった。

 そう聞けばなんとなく俺の使う力が魔法なのではないかと本当に信じてしまいそうになる。いや、もう俺はほぼほぼ感じ取っているのだろう。9割9分この力が魔法だということに。それくらいにさくらの説明は俺を納得させていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理論が分かれば後は実践あるのみ。そういうさくらの言葉に従って俺は経験のない魔法を使うことを決意した。最初に教えてもらったのは俺が魔法使いの存在を知ったさくらの使った手から和菓子を出す魔法ではなかった。さくらが言うに無の状態から有を作り出すことは優れた魔法使いでもその事に集中して習得しないと難しいとのこと。それこそ、魔力を持っていても手から和菓子を出す魔法しか使えない魔法使いだっているほどだという。確かに魔法を知っている俺が使うには向かない魔法なのだろう。そして俺が初めて教わった魔法だけど、それは『時の流れを遅くする魔法』だった。それも普通は手から和菓子を出す魔法と同レベルで難しいと思う俺だが、さくらが

『空也君だからできるできる。イメージしてみて? 時の流れを遅くする方法を』

と言われてしまいイメージすることになった。

 

 さっきの例と一緒で方法をいくつか考えてみる。例えば……自分の動きを早くすれば時間は遅く感じるよな……。あとは時間という概念に干渉してゆっくりと進むように……ってどうやるんだよ! 時間……時……。時間と言えば時計だよな? 60秒で1分……。60分で1時間。これを遅くするって……!?!? もしかして1時間を61分とかに変えれば時間の進み方が変わるんじゃないか? 1日を24時間ではなくもっと長く……。そうすれば1時間当たりの時間が延び、1日の終わりがゆっくりになるはずだ! ……理論は想像がついた。あとはどうやるか……まぁ、ここは直感を信じるか。自分の周りに干渉するように初めて魔法を使ったときのことを思い出して発動するように持っていく。

 

 その瞬間、俺の中に今まで感じたことのないような疲労感が出てきた。周りを見てみると時計の針が進むのが少し遅く感じたり、テレビの動きもゆっくり進んでいるように感じる。……できたのか? もしかしたら俺の期のせいかもしれない。けど動きが遅くなっていれば今までやろうとしていたことを考えればこの結論に至っても仕方ないじゃないか。そう思って俺はさくらにこの魔法が成功したのか目で訴えかける。するとさくらは嬉しそうにうなずいてくれた。……初めて魔法を意識的に使った。そのことが嬉しくて俺はその場でガッツポーズをする。これで練習時間の確保も出来そうだ。

 

 ってさくらはきっとこのことを考えて俺にこの魔法を教えたのだろう。……いや、教えたという感じではないか。それで、この魔法の解除方法はおそらく戻れと"想う"事で直る。魔法ってそういうものだということはさくらに教わったから。

 

 これで俺が使える不思議な力は魔法だということがわかった。それから俺の特訓への意欲はより深みを増していった。早くこの力を完全に習得したい。いろんな魔法を覚えて自分にはどのくらいまでができるのかを知っていたい。

 

 けどこの魔法を使った後、俺は倒れてしまった。これは当分の目標が見えたな……。魔法を使うことになれる。きっとそうすればこうやって倒れることもないだろう。そう倒れている瞬間に考えた俺はもう一度眠ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔法を特訓を開始してから1週間。俺の……時坂空也の新しい学校生活が始まる。今までの学校生活のように、知っている幼馴染がいるわけでもない。この学校で俺が知っているのは立夏と学園長であるさくらだけ。そんなほぼ全員が初対面な学校でしかも飛び級で編入してきた俺がうまくできるのだろうか? 今までに転校を経験したことがなかった俺にそんな不安感が芽生える。

 

 一度来た学校のはずなのに目の前にある校舎は最初に見た時と全然違ったように見える。一度今着ている学ランを正して、大きく深呼吸をした後俺は風見学園の正門をくぐった。

 

 昇降口に近づいていくと大きな張り紙が貼ってあり、そこに人が大勢集まっていた。張り紙には新年度クラス分け表なんて書いてある。家を出るときにさくらにクラス替えの表を見ればクラスが分かると聞いていた俺はそこに向かった。五十音順に並べてあるクラス表の『と』の場所を探す。1年間俺が生活するクラスは……。風見学園付属3年2組のようだ。

 

 自分のクラスが分かると次はどんな人がクラスにいるのか気になってしまう。だから俺は一通り同じクラスの人の名前を流し読みしてみた。するとそこには森園立夏の文字があった。この学校で唯一俺のことを知っていて、俺も知っている友人。そんな立夏と同じクラスか。そして気になる名前がもう一つ。『芳乃シャルル』という名前。さくらと同じ苗字であることから親戚なのではないかとも思った。もしかしたら関係があるのかもしれない。確かシャルルって名前は北欧だと男に付ける名前だったよな? さくらの話題から仲良くなれるかもしれない。この学校にまだ同性の友達はいないから早く作っておくことに越したことはないだろう。

 

 芳乃シャルル。一体どんな奴なんだろうか? そんなことを想いながら教室に向かおうとする。……のだが、教室の場所が分からない……。

 

「おはよう。空也」

 

 そんな俺に後ろから立夏に声を掛けられた。どうやら立夏は一人で登校してきたみたいだ。

 

「あぁ、立夏。おはよう」

 

 立夏のあいさつに応えるように俺も立夏に挨拶をする。そして立夏についていくように俺は隣を歩き、下駄箱に入っていった。同じクラスだから下駄箱の場所も当然同じ。だから立夏もクラス替えをもう見終わっていたのだろう。すらすらと自分のクラスの場所に向かっていく。

 その最中、俺の表情を見た立夏は靴を履き替えながら、俺に向かって口を開いた。

 

「空也。別に緊張するのも分かるけど、ほどほどにしておかないと今日1日持たないわよ」

 

 やっぱりわかる物なのかね……。確かに俺は緊張している。それに立夏の言うこともよくわかっているつもりだ。気を張り続けるのは体力を使うこと。ずっとそんな緊張状態では1日持たないとは自分でも思う。

 

「……わかってはいるんだけどな。緊張するなって方が無理あるだろ。転校生なんだし」

 

 けど初めての転校に、初めての飛び級。周りが年上だけというクラスに放り込まれている俺に撮って緊張するなというのは土台無理な話なのだ。

 

「だから分かるって言ったでしょ? さぁ、行くわよ、空也。私たちの教室に」

 

 立夏も俺の言いたいことは理解してくれているようだ。この話方からするとどうやら忠告をしてくれたと解釈していいだろう。でもまぁ、知っている人がクラスにいるというだけである程度気が楽にはなる。その点では軽口を言い合える立夏と同じクラスで本当に良かったのかもしれないな。

 

 そうして俺は立夏の案内で風見学園付属3年2組の教室に向かった。これから始まるのは普通の学園生活で普通じゃない非日常の生活。一体これから俺にどんな出来事が起こるのだろうか? 普通の学園生活に緊張しながらも心躍らせる俺は元気に教室のドアを開いた。

 

 




次回、ようやく新キャラ出ます!
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