Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 妹へ送るエール   作:ハープ

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連続投稿です。とりあえず書き溜めしているものを全部吐きだすつもりです。


第2話 私の名前

〜切嗣 side〜

 

 

「アイリ、この子は大丈夫かい?」

 

先程見つけた生き残りの男の子の手当てをしている妻に声をかけると、

 

「ええ、逃げるのに疲れたのと、あとは精神的な部分が大きかったみたいね。少なくとも肉体的にはほとんど無事よ」

 

……良かった。

アイリの言葉に思わずほっと息をつく。

するとそこへ、生存者を探しに火の海の中にいたライダーが戻ってきた。

 

「おう、やはりいたかセイバーのマスター。スマンがこの娘を頼む」

 

……正直、あの街の状態から半ば諦めていたので、生存者を見つけた事に驚きつつ、急いで様子を見る。

 

「いや、まったく大した娘よ。聖杯の中身がすぐそこまで迫っておったが、それから逃れる為に炎の中を突っ切ってくるのだからな。

アレが何かに気付く勘の良さ、そして逃げる手段を躊躇わない度胸を持った娘よ。

っと、此度の現界はここまでか。最果ての海へは辿り着けなんだが、面白い娘を見つけられたのだから良しとしよう。娘によろしく言っておいてくれ。では、さらばだ!」

 

そんなことを言い残し、ライダーは退去していった。

事実か疑いたくなる内容だが、それより聞き捨てならない言葉を聞いて慌てた。

 

「ちょっと待って、この子、炎の中に突っ込んだの⁉︎だとしたら……」

 

アイリも気づいたようで、すぐに女の子の様子を確認する。

 

「やっぱり、肺の中が焼けて、呼吸も辛い状態のはず……それに、これってまさか…⁉︎」

 

アイリの妙な反応に、更に不安を掻き立てられる。

 

「一体どうした、アイリ。君の魔術で治療できる範囲を超えているのか?」

 

「………そうね、ここまで肺が焼けているとなると、病院で処置した方がいいのは確か…。

でも、それ以上に………この子、多分一度聖杯の中身に触れているわ。意識がある内は上手く抑え込んだようだけど、このままだとこっちも危険ね…。

でも、こんな子供がどうやって抑えたのかしら…」

 

………状況は想像以上に悪いようだ。

今の状態のこの子を救う手段は……ある。

 

「なら、全て遠き理想郷(アヴァロン)を使う。魔力を籠めた状態でこの子の体に埋め込めば、どちらも治せるはずだ」

 

助ける手段があるのなら、今の僕はそれを躊躇わない。

僕は、自分に埋め込んでいたアヴァロンを取り出し、女の子に移した……

 

 

〜切嗣 side out〜

 

 

 

〜??? side〜

 

 

………う、ん……ここは、病院?

何で…あ〜、そういえば、征服王に助けてもらった後の記憶が……寝てた?

っていうか確か肺が焼けて結構ヤバかったはずなのに、何でもう治ってるの?しかもなんか体軽いし。

 

などなど疑問の尽きない中、病室に誰かが入って来た。

 

「気がついたみたいね?もう、話しても大丈夫かしら?」

 

……驚きのあまり絶句してしまった。

征服王が最後まで生き残っていた時点で謎の記憶にある世界ではないと分かってはいたけど、まさかアイリスフィールまで無事だなんて。

 

「え〜と、まだ待った方が良かったかしら?」

 

……ハッ!しまった、つい考え込んで…誤魔化さないと

 

「う、ううん、平気。お姉さん綺麗だったから、ちょっとビックリしちゃっただけ。お姉さん、だあれ?」

 

そう返すとアイリスフィールさんはホッとしつつ嬉しそうに微笑んで、

 

「ああ、まずは自己紹介からよね、ごめんなさい。私はアイリスフィール・フォン・アインツベルン。長いから、アイリさんでも、何ならママでもいいわよ?」

 

「はーい………?ママ?」

 

何故そんな呼称が選択肢にあるのでしょうか

 

「あら私ったらいけない。今日来たのはその話…。

ねぇ、いきなりで困ると思うけれど、孤児院に行くのと、お姉さんの家に来るの、どっちがいいかしら」

 

なるほど、それでママ……嬉しいし行きたいけど、コレって行っても大丈夫かな…?

私が介入したせいでBAD ENDとか怖いけど……

 

「やっぱり、急に関係のない人にこんな事言われても困っちゃうわよね……」

 

私が考え込んでいるのを戸惑っていると見たのか、アイリさんが顔を曇らせる。

 

………まったく、卑怯な。

そんな寂しそうな顔をされて断れるほど私は冷たくない。

そうと決まれば、

 

「あのね、アイリお姉さん」

 

「!なに、かしら」

 

「…私ね、前の事とか何にも覚えてなくて、自分の名前も分からないの。……だからね!お姉さん、私に名前つけて!そしたらお姉さん、私の名付け親!ほら、関係なくないでしょ?」

 

初めは私の言葉に悲しそうな顔をしていたけど、続く話にみるみる顔を綻ばせて、

 

「じゃあ、ウチに来てくれるの⁉︎」

 

と、こちらまで嬉しくなるような笑顔で聞いてきたので、私も笑顔で頷く。

 

「それで、どんな名前付けてくれる?」

 

「そうね……(折角だもの、アインツベルンの苗字をつけちゃおうかしら)……エール、なんてどうかしら。『エールスフィール・フォン・アインツベルン』………気に入ってもらえると嬉しいのだけれど」

 

エール、か……うん、悪くない。むしろ良い。

 

「…うん、いい名前!それじゃあ……」

 

そう言って、私はベッドから下り、くるりと回って心からの笑顔と共に告げる。

 

「私の名前はエール!エールスフィール・フォン・アインツベルン!これからよろしくね!"ママ"!」

 

………これから先、私達にどんな未来が待っているのかは分からない。

でも、これで…いいよね?

 

 

〜"エール" side out〜




やっぱり地の文と心の声の切り替えが難しいです。ホント皆さん尊敬ですね。ちょこっとネタを入れてみましたが、気付いて頂けたでしょうか?
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