東方聖杯戦   作:鯉月 月(ゆえ)

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 初めまして、鯉月 月(ゆえ)と申します。
 ※諸注意
 この作品はオリジナルの舞台に東方キャラが呼ばれ聖杯戦争をしたら……、という作品になっております。なので、fateのように歴史上の人物や神話の人物が登場するわけではございません。
 「fateと言ったら神話や伝説だろ!」という方はブラウザバックを推奨いたします。
 東方原作を一応は知っているつもりですが、過度なキャラ崩壊等が発生する場合がございますので、「このキャラはこう!」という拘りをお持ちの方もブラウザバックを推奨いたします。

 誤字脱字をしないように心がけておりますが見つけた場合は報告して出さるとありがたいです。ここの表現がおかしい、もっと適した言葉があるのでは、等の報告もしてくださると助かります。
 思い付きで書き始めたものなので更新ペースが安定しないと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
 


忘れ去られた願望機

 木々が生い茂り、日の光すらまともに透らぬ暗い森の中を一人の女性が歩いていた。

 

 大きな紫色の傘を差し、ゆっくりとした足取りで森の奥へと歩いていく。

  

 しばらくして女は足を止めた。

 

 光のない森の中で唯一、女の足元の土だけが仄(ほの)かに光を放っていた。

 

「これは、……」

 

 女はしゃがみこんで足元の土を見つめる。周りの土は少し黒っぽく湿り気を帯びているのに対し、女の足元の土は周りの土よりも黒く粘り気があるもののように思えた。

 

 女が光を放つ土に手を伸ばそうとしたとき光が強くなり暗い森を照らした。

 

「…………っ!?」

 

 しかしそれも直ぐに消え元の暗い森に戻った。

 

「なんなの、いったい」

 

 先ほどまで光を放っていた土は黒く湿った土に戻っており、その土の上に何かが落ちていた。

 

「何かしらこれ」

 

 女が地面に落ちているそれを拾い上げる。

 

 それは杯(はい)の様な形をしており泥で覆われていた。泥は地面のものより黒く粘り気があり女が持ち上げても地面に垂れることはなかった。女が杯の泥を落とそうと表面を指で擦った瞬間、第二関節辺りまで指が泥に沈んだ。

 

「きゃっ!!」

 

 想像と違った感触に女が杯を地面に落とす。

 

「……、普通の泥ではないみたい。持ち帰って調べた方がよさそうね」

 

 落ちた杯を布で包んでから拾い上げ、何も無い空間を指で撫でる。

 

 すると何も無かったはずの空間に隙間(すきま)ができ、そこにその杯を投げ入れる。その隙間を閉じた後、再び森を歩き始める。

 

 その足取りはふらふらとしており、森の出口ではなく真逆の方向へと進んでいく。

 

 さらに暗く、光を拒むかのように木々が生い茂る森の奥へと……。

 

 隙間に放り込まれた杯からは怪しげな光が漏れていた……。

 

 

 

 

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 ――幻想郷(げんそうきょう)―― それは外の世界で忘れ去られ、幻想となったものが流れゆく果てでもある。そこでは妖怪と人間が共存しており外の世界とは別の発展を遂げて……。

 

「あー、待ってくれ。急に何の話を始めたんだ」

 

 昼休みに入るなり後ろの席に座る友人の修人(しゅうと)が俺に向かって喋りかけてきた。

 

「何の話ってそりゃあ幻想郷の話だよ。知らない?」

 

「知らん。そんなことよりもさっさと飯食うぞ」

 

「なんという扱いだ」

 

「やかましいわ。日頃の行いだ」

 

 修人は泣き真似をしながら自分の弁当箱を出して机の上に置く。俺も自分の弁当を出して椅子を後ろ向きにして向かい合って弁当を食べ始める。

 

「あと一限で終わりかぁ。次の授業なんだっけか」

 

「あん? 現国(げんこく)だろ」

 

「あぁほうはっへは」

 

 修人の問いに答えると修人が卵焼きを口に含みながら返事をした。

 

「きたねぇな。ちゃんと食ってから喋れよ」

 

「む、……わりい」

 

「ったく」

 

 反省の様子が見られない修人をひと睨みし、食事を再開する。

 

「……、いつも思ってたんだけどさ、お前の弁当って茶色成分多いよな」

 

 しばらくして、修人がこちらの弁当を見ながらそんなことを言った。

 

 修人の弁当は卵焼きやサラダ、唐揚げなどが綺麗に入っているため見た目が綺麗な弁当になっている。

 

「まぁ冷凍食品とか簡単に作れるものしか入れてねぇからな」

 

 一方、俺の弁当は冷凍食品の唐揚げ、コロッケ、ブロッコリー、卵焼きとギリギリで三色になる程度の色合いしかなく、詰め方も簡単な仕切りで区切っているだけなせいでコロッケが潰れかけてたり、ブロッコリーについていたマヨネーズが唐揚げについたりしていた。

 

「そんなもんか」

 

「そんなもんだ」

 

 そんなくだらないことを話しながら弁当を食い終えて弁当箱を片付ける。

 

「そういや赤夜(せきや)は今日バイトだっけか」

 

「いや、今日は無いな」

 

「お! マジか。じゃあ家でゲームやろうぜ。新しいやつ買ったんだよ」

 

「良いね。どんなの買ったんだよ。格ゲ? レース?」

 

「あぁ、なんか見たことないゲームでさ」

 

「まったく、お前らはゲームの話か。テストも近いというのに余裕だな」

 

 修人と授業が始まるまでの暇つぶしをしていると後ろから声をかけられた。声をかけてきた人物を見て修人があからさまに嫌な顔をした。

 

「げえっ、山ちゃん先生!!」

 

「なんだ天風(あまかぜ)その反応は。あと、山ちゃんと呼ぶな」

 

 その人物とは俺らのクラス担任であり、学年主任でもある山田(やまだ)四季(しき)先生である。

 

 厳しく見た目が怖いため一年生からは怖がられているが、授業が分かりやすく面白いため二年や三年には人気のある先生だ。

 一部の特殊な男子が踏んで欲しい、罵って欲しいと言っているのを聞いたことがある。

 

「ん? 紅(くれない)、何か言いたいことでもあるのか?」

 

「特にないっす!」

 

「そうか、ならいい。まぁ、お前らが赤点を取るとは思わないが、油断してゲームばかりしていると成績を落としかねんからな。注意しろよ」

 

「うい」

 

「りょーかいっす」

 

 先生の忠告をありがたく受け流しながら敬礼をする。その光景を見て先生は苦笑しながら教室から出て行った。

 

「山ちゃん先生が昼休みに教室に来るなんて珍しいな。いつもなら職員室に籠(こも)ってるのに」

 

「テストも近いし生徒の様子でも見に来たんじゃねぇかな」

 

「そんな感じか」

 

「多分な」

 

 修人とそんな話をしているうちに先生が教室に入ってきたので話を切り上げて授業の準備を始めた。

 

 

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