第3話 転生の間
ウルキオラとシャルロットは気付けばまたあの転生の間とよばれる空間に訪れていた。
「またここか。俺達は死んだのか?」
「いえ、そのようなことはないかと」
辺りを見渡すが今回は魂の行列もなにもなかった。
「あなた方をお連れしたのはこの私です」
すると目の前に転生管轄部門神長1級のヴェルダンディが現れた。
「どういうことだ」
「お気付きになりませんでしたか?」
「?」
そう言われてもウルキオラもシャルロットも特に何かを感じてはいなく、心当たりもなかった。
「本来あなた方の力は箱庭と呼ばれる世界では神格も力も及ばないはずなのにあなた方の方がその力を圧倒していたということです」
「なっそれでは我らはいったいどういう存在なのだ」
シャルロットが声をあらげる。ウルキオラもわけがわからないと目を見開く。そもそも箱庭と呼ばれる世界の知識は皆無だったため基準もわからなかったが
「それを説明するにあたってまずはこれを見ていただきたいのです」
ヴェルダンディは1本の木を見せる。その木はかなりでかく、樹齢などはまったくもって不明でこの空間に突如として現れた。だが1つ生い茂る緑の葉っぱが少ないことに気づく。
「この木はユグドラシル。この葉っぱ1枚1枚が生きとし生きる者すべての魂。この木がなくては魂は転生できないのです」
「それと俺らがここにいる理由がよめないが」
「あなたがたは私が力を与えた存在です。それがたとえどんな能力にしても1級女神の恩恵を受けたあなた方はすでにその存在じたいが普通ではないのです」
なるほど。これでシャルロットが普通より強くなってることがわかったがだがわからないことがある。
「なぜ俺達なんだ」
ヴェルダンディは神話を語り出した。
かつて世界には2体の神がいた。
1体は生を司る神ユグドラシル。
1体は死を司る神カオス。
ユグドラシルは魂を創生し、生きとし生きるものをこよなく愛した。
カオスは死という概念を創生し、生きとし生きるもの全てに死を与え、魂のバランスを保つことにした
2体の神は互いに干渉することなくその存在を保ち続けた。
しかし、死の概念を創生したことによりそれは神もまた例外ではなくなっていた。
ユグドラシルは日毎に弱り、その存在を保つことができなくなっていた。だが、魂を創生し、転生させなければ世界は崩壊する。
そこでユグドラシルは自身の代わりとなるものを選んだ。曇りなき心を持った存在を
そして選ばれたものは私たち女神なのです。役目を女神達に引き継いだ後ユグドラシルは休眠し、存在を木に変えて今もなお魂をこよなく愛しておられるのです。
しかし私達だけでは無数の魂を導くことは不可能でした。そこで私達は他の低級神を選抜し、今のようなあなた方でいう会社みたいな組織となってるのです。
「つまり俺達に神になれということか?」
まだ話は終わってません。この木を見てもらうと分かる通りユグドラシルはまもなく死にます。ユグドラシルが死ねば生という概念がきえ、生きるもの全てがその存在を消えてしまいます。あなたがたにはいろんな世界をめぐり、悪しき魂を浄化してほしいのです。浄化した魂はユグドラシルの糧として集めれば集めるほどその輝きを取り戻すことでしょう。
「だが世界によっては次元のことなる相手もいるのではないのか?あんたが先程は俺達では本来かなわないと言っていたが」
「女神の恩恵はあらゆるものを優先させます。それはたとえどんな相手であれ、向こうレベルに合わせて変化するのです」
「つまり修行もなにもしなくともありが龍に勝てるようになるということか?」
「いえ、少し違います。確かに恩恵はあらゆるものを優先しますが個人単位ではなく世界単位での変化といえばよいでしょうか。その世界の概念にそってあなた方の力は変動します。箱庭の世界は神や星霊と言った概念が数多く存在していたため女神の恩恵を受けたあなた方はただの破面ではなく少なくとも神として存在していた。あの世界であなた方が戦えたのは私の恩恵あってこそです」
「なるほど。理解した。つまり神などの概念がないところでは俺らの力もその分弱体化するということか」
「それであってます。ですが、あらゆる世界を転生し、魂を浄化していけばあなた自身の神格が私の恩恵を越えるようになります。その時あなた方はどの世界よりも神格が上ということになり、どの世界でも居場所はなくなります」
「そして生の神として魂を導けと」
ふ、どうやら俺ははじめから何も理解していなかった。黒金当夜としてこの転生の間にきて特典がもらえると自分は特別なんだと思っていたがよもや永久の神になるための贄として選ばれていたとは
「だが何故それをいまになって教える」
ヴェルダンディはとなりでたたずむシャルロットに目をみやる
「まだ話していなかったのですか?」
「!?」
「そのこは確かにオリジナルの存在ですが魂にオリジナルもなにもありません。当夜さん、いえ、ウルキオラさんのサポートとして女神候補をつけたのです」
「なっだがこの子は俺が特典で言ってから現れたんだぞ。それではまるで初めから分かっていたみたいじゃないか」
ヴェルダンディはウルキオラの目をみる。その目をみたウルキオラは全てを理解した。最初からこうなる運命だったのだと
「申し訳ございません。ウルキオラ様。話すタイミングが見つからなかったため正体をずっと隠していました」
「改めて自己紹介致します。第1級女神候補生シャルロットと申します」
ウルキオラの表情はなんとも言えなかった。どういう顔をしていいのか、これからどう接すればいいのか。怒り、悲しみ、喜び、感情がわからない。
「能力や姿はウルキオラ様の特典と同じになるよう設定されています」
「つまり白夜叉との戦いでは手を抜いていたのか?」
「いえ、女神の力としては制限はかけられておりますがあれは特典としての全力となります」
「そうか」
たった3文字のその言葉にはどれだけの感情が入っていたのだろうか。それは転生したウルキオラ自身にもわからなかった。
「白夜叉との戦いによってあなた方の魂はより輝きを増しました。ウルキオラさん、ユグドラシルに触れてみてください」
ウルキオラはユグドラシルにそっと手をふれた。
「!?」
突如脳裏に映像が流れ出す。そこには見知らぬ少女がこちらに何かを訴えかけていた。だがその内容はわからない。音がノイズとなり聞き取れないためだ。だが表情から何か危険なことだとはわかったがそれ以上はわからなかった。
映像が終わり、ウルキオラは目を開ける
「今のは」
「ユグドラシルの記憶です。この記憶を解放するには悪しき魂を浄化しまたここでユグドラシルに触れるのです。そうすればその謎もとけます」
「それで次はどの世界にいけばいい」
ウルキオラは神々の思惑通りに事が運ぶのは癪だが、他にすることもないのでこの役目を果たすことにした
「ハルケギニアと呼ばれる世界に救われぬ魂があります。その魂を浄化することがあなた方の目的となります。特別にウルキオラさんが使える黒膣はこの転生の間と世界を行き来できるようにいたしましょう」
ウルキオラはシャルロットにいくぞといい、黒膣をあけ、転生の間を後にしたのであった。
次回からはゼロの使い魔編です。