第4話 ハルケギニア
黒膣の中をシャルロットとウルキオラは霊子の足場を作り静かに歩いて進む。その道中両者の間に会話などはない。
それもそうだろう。先程まで信頼していたものが揺らいでしまったのだから
「ウルキオラ様、その・・・」
「何もいうな。最初から考えてみればおかしな話だったんだ。今さら何が起きようともう驚きはしない」
シャルロットはウルキオラの顔をみてこれ以上しゃべることはできなかった。いくら自分が女神であっても罪悪感は少なからずあったのだ。
「そろそろつく。あけるぞ」
ウルキオラは黒膣を開き、その出口から出たのであった。
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ハルケギニア
この世界は平民と貴族とでその階級がことなる格差社会。人間の他にもエルフと呼ばれる種族も住み、魔法という概念が占める世界である。
今この世界ではアルビオンと呼ばれる国とトリステインの間で戦争が起きていた。戦況はトリステインが不利といったところだ。
「えぇぃ、ゲルマニアは何故動かん」
「マザリーニ枢機卿わかっていたことです。こうなることは」
「しかし、姫様。このままでは我が国は不利ですぞ」
「こうなってはもう奇跡を待つしかないのかもしれませんね」
姫様と呼ばれる人物は空を見上げとある貴族のお友達とその使い魔の姿を思い浮かべる。だがその空に違和感を感じた。
「マザリーニ枢機卿あれはなんでしょう?」
マザリーニは空を見る。周りの近衛兵たちも空を見る。そこには今まさに空にひびが入ったからだ。
それはアルビオン国も例外ではなかった。トリステインに攻め混むために作った飛行挺レキシントン号やその回りを飛ぶ飛行挺からもその異様な光景が目にはいる。
そして穴が空き、中から人と思われる二人組が出てきて空に立っている。
「なんだあれは、人なのか?エルフか?」
レキシントン号にのる指揮官オリヴァー・クロムウェルはその異景に警戒をする。
一方で外に出たウルキオラとシャルロットはまずは探査回路を広げ、辺りを確認する。
「どうやらこの世界は霊子濃度は低いみたいだな。そしてこれは戦争か?」
ウルキオラの目下にはたくさんの兵が何やら魔法のようなものを放ち戦っている姿が見えた。後ろには空飛ぶ船。前には城となんとも分かりやすい絵面が出来ていた。
「それでターゲットはどいつだ」
ウルキオラは横目でシャルロットに聞く。女神なんだから知ってるだろというニュアンスである。
「申し訳ございません。私にもそれはわかりません。ですが戦争ということはこれを解決すればそれなりに魂を救えるのではないでしょうか?」
シャルロットは膝をつき忠誠を誓う騎士のように頭を下げていた。そこには少し罪悪感もある。
「それもそうか。ならお前はあの船を片付けろ。俺は下のゴミどもを始末する」
ウルキオラは下に降りようとするがシャルロットがそれをとめる。
「ウルキオラ様お待ちを。むやみに殺してはなりませぬ。」
「破面とは思えない発言だな。そうか、女神だったな。すまない。忘れろ」
それにとウルキオラは下を見る
「片方の兵は生きておらん。あれは死体だ。理由はわからないがゾンビVS人間といったことか、ユグドラシルが見たら泣きそうな絵面だな」
そういうとシャルロットに目を向けず自由落下を始めたウルキオラ。その姿を見届けた後シャルロットはレキシントン号含むアルビオンの艦隊に目をやる
トリステイン軍率いるアンリエッタは今まさに自由落下してきた人物に注意する。
そして重力に逆らうようにきれいに着地した
「あなた様は」
「貴様らに話すことなどない。失せろ」
「貴様、姫様に向かって無礼な!?」
いきなりこの辺り一帯に重圧が降り注ぐ。近衛兵たちは耐えられなく膝をつく。マザリーニやアンリエッタも同様に。
「(俺の霊圧で耐えるとはこれはこいつらが強いのか、それとも恩恵とやらで俺が弱くなってるのか)不快だ」
それからというものの目の前の光景が嘘のように思えた。数多くいたゾンビ兵をあっという間に殲滅したのだ。たった一人で。
「やはり俺が弱くなっている。」
飛んできた風の魔法を察知し、手で押さえたがうっすらと傷が出来ていた。それもすぐに再生したが。
どうやらこの世界はあの箱庭と呼ばれる世界よりもレベルが相当低いようだ。ウルキオラは探査回路を広げこの先にいるゾンビ集団を殲滅しようと動く。
「俺は今非常に不快だ。貴様らで憂さ晴らしとしよう」
響転により相手の近くに現れ、手刀で切り裂き、全ての指から虚弾をだし風穴をあけ、遠くから狙ってきてたもの達は虚閃により消す。地上にいたゾンビ兵が全て殲滅されるのに10分とかからなかった。
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一方でシャルロットはあの船を壊すことに専念した。先のウルキオラの言葉がよみがえる。
破面とは思えない発言だな。
自分はどうしたいのか。設定は破面だ。破面No.44シャルロットだ。だが実際は女神候補生である。どちらの存在でいればいいのか本人もわからなくなっていた。悩みながらでも攻撃の手は緩めない。
船に向けて虚閃を放ち墜落させたり、虚弾により穴をあけたりしている。向こうの攻撃も風や炎、水、大砲などいろいろ飛んでくるが直線的な攻撃にあたるはずもなく、着実と艦隊はその数を減らしていた。
「報告致します。地上部隊全滅いたしました。このままでは我らも撃墜されます。クロムウェル閣下」
クロムウェルは悪夢でも見ているようであった。何故こうなったのかと
「く、このまま引き返せるか。この船ごと城に突っ込むぞ」
「なっ!?、気は確かかクロムウェル殿」
突如レキシントン号だけスピードを上げ、他の艦隊よりも前に出る。その光景によりシャルロットは自爆特効というイメージができた。
「させないわ」
シャルロットは手のひらをレキシントン号に向けて霊圧を収束させる。しかし
「なに!?」
突如ハンマーのような何かで横から殴られたような感覚があり気づけば横に飛ばされていた。
シャルロットはその原因を見る。そこにはワイバーンに乗り、こちらに杖を向ける男がいた。どうやら魔法かなにかで攻撃されたようだ
「君が何者かは知らないが邪魔はさせないよ」
男はワイバーンを華麗に操り、そして4人に分身した。
「へぇ、面白い技を使うじゃない」
シャルロットは斬魄刀を抜き、響転で近づき振り抜く
「エアハンマー」
「カッタートルネード」
「ライトニング」
四人中三人は魔法を放ちシャルロットを攻撃し行動を制限させる。残る一人は下から剣を抜き切り裂こうと迫っていた。
しかし相手は破面。その程度は問題なく対処できる
「なめるな」
魔法を全て斬魄刀で切り裂き、手をしたに向けて虚閃を放つ
さすがにあれを対処されると思ってなかったのか下から迫った男はあっけなく虚閃に飲み込まれた。そして1人姿が消えた。
「どうやら分身体のようね。でも残り3人。誰が本物かしら?(まずいわね。船を止めたいのに)」
男の名はワルド。レコンキスタの一員としてトリステインを敵としてワイバーンに乗り、空から攻めるという算段であったが空から現れた人物の対処にかりださられていた。
「君がエルフなのかは分からないがいきなり現れて邪魔をしないでくれるかい」
「あら、時間稼ぎかしら?その質問には答えないわ。すぐにでもどいてもらうわよ」
シャルロットは霊圧をさらに上げて響転のスピードをさらに上げる。いきなりスピードが上がったためワルドも対処が遅れる
「くそ、二人になったか。でも」
さらに分身体を消されたが挟み撃ちのように両隣からカッタートルネードをはなつ
「そんなもの」
斬魄刀を上に投げ、素手でカッタートルネードを抑える。
「両手が塞がってはどうもできまい」
ワルドはふたてに別れ、エアハンマーを前と後ろから放つ。
「あまい」
それすらも身体を捻ることで回避する
「けどその体制じゃもうかわせまい」
ワルドはさらに近づき剣を突き刺すようにする。これによりワルドは決まったと笑みを浮かべる
「えっ?」
だが現実は二人のワルドの腹に1本の刀が貫通していた。これにより最後の分身体も消え、本物ワルドも目を見開く
「私の斬魄刀の存在を忘れたの?ま、運がなかったわね」
シャルロットのすぐとなりで下に落下していくワルド。薄れゆく意識の中でシャルロットを見つめる。その目には何がうつっていたのか誰にもわからない。
「さて、あの船をとめなきゃね」
その場を響転で後にし城に迫るレキシントン号に追い付く
「っち、ワルドのやつちっとも役に立たんではないか」
クロムウェルは地団駄をふむ
「それにしてもこの船はでかいわね。ま、やり方は変わらないけど」
シャルロットは手のひらを向けて虚弾を放つ。それによりレキシントン号は煙を上げながら墜落していく。中にいる人は殺してはいない。ウルキオラが見たら破面失格とでもいうのだろうか。だけどこれにより戦争は終わるだろうと
シャルロットは地上にいるウルキオラのもとへ急降下していった。
「ウルキオラ様。飛行挺と思われる艦隊の殲滅完了いたしました」
「こっちも終わった。これからどうする」
シャルロットが目を向けると人間の死体がごまんと転がっており地上部隊も全滅したものとしてとらえた。すると探査回路に引っ掛かる人物が
「誰だ貴様」
フードを深く被っており女性と思われるが何やら邪悪な気の持ち主であることはすぐにわかった。
「あなたたちに1つ相談したいことがあってね、どう?ついてくる気はない?」
「戯れ言を。貴様についていくメリットがない」
「じゃあこれならどうかな?」
謎の女は光る玉を見せる。ウルキオラは分からないがシャルロットはそれに見覚えがあった。
「なぜあなたがそれを!?」
いきなりシャルロットの表情が崩れたことでさすがのウルキオラもあれの存在がこの世界のものでないことを察する。
「知りたければついてきなさい」
ウルキオラは謎の女の正体も気になるためこの誘いに乗ることにした。
「いくぞ、シャルロット。どのみち他にやることもない」
「かしこまりました」
こうして彼らはこの場所から突如として姿を消した。余談だがゼロ戦に乗ってきた二人組が来るのが遅かったと追記しておこう。
これにより戦争は終わり、アルビオンは、レコンキスタは壊滅していったのであった。
「余のミューズよ。我をもっと楽しませてくれ」
「はい、次の手筈は整えてあります」
「そうか。それであの研究はどうなってる」
「えぇ、まもなく完成するかと」
「くくく、そうか。それは楽しみだ」
とある部屋で不気味に笑い出す男。それは悪魔のような笑い声であった。
謎の女についてきたウルキオラ達は見知らぬ洞窟の中に入っていた
「まずは自己紹介といこうかしら。私は地獄界出身の悪魔、リリス。簡単に言えばカオスの僕よ」
「そのカオスの僕がなんのようだ」
「あらつれないわね。せっかくいいことを助言して上げようと思ったのに。あなたたちと争そう気はないわ」
ウルキオラは謎の女の腹心を探る気でいたがやめた
「まずはこれ」
そういってウルキオラたちに光る玉をみせる。見ようによっては宝玉にもみえる
「これはね、魂の結晶と呼ばれる水晶よ。我が神カオスの涙からできた代物でね。死した魂の回収をしてくれる優れものよ。今この玉にはあなたが殺したたくさんの魂が入っているわ」
ウルキオラはその玉をみつめ、女の表情から嘘はついていないと感じた。シャルロットは警戒しているようだが
「それで、その玉を見せて何のつもりだ」
「あげるわ」
「なに!?」
「私の目的はあなたたちのサポート。ユグドラシルが死んではカオスもその存在を保てなくなる。だからあなたたちの協力者になってあげる。けどあなたたちと一緒にはいないわ。忙しいもの。だから今回は助言だけ」
「この戦争の原因はガリアという国にあるわ」
後は頑張ってね
魂の浄化者さん
気付けばあの女は消えていた。俺の手には魂の結晶と呼ばれる水晶があり、中には白い魂が無数に漂っているように見えた。
「ウルキオラ様。あのものを信用するのはどうかと」
しかしウルキオラの返答はシャルロットにはこたえた
「俺は貴様のことも信用はしてない。だが部下であることに変わりはないからかまっているだけだ」
そういうとウルキオラはガリアへ向かいだした。シャルロットは心の中がチクリと痛んだ。だが自分にはどうすることもできずただウルキオラの後を追いかけるのであった。
1つごとのシリーズは短く作っていきます。