俺たちのSAO 作:ガンサマンサ
※和人視点
先程から草原に佇んでいるアナスは不敵な笑みを浮かべていた。まるで最初から敵対者だったかの様である。
「いきなり攻撃してくるなんてなんでよ!あんなに一緒だったのに!」
「キリト!それ以上はJASRA●に引っかかるで!!」
俺の問いかけにとアナスは笑みを絶やさない。そんなに笑うキャラだっけこの人。
「キリトくん…あなたと私、どちらが上か気になるわよねぇ?この際だから決着をつけましょうよ」
言うが早いか瞬足でこちらに踏み込んできた。
「キリトくん!反応が遅い!カドラプル・ペインッ!!」
「うおおおおおお!???」
稲妻のような速度でアナスの細剣から4連撃が放たれる。
俺は何とか4連撃を紙一重でかわせた。
「今のを避けるなんて、さすがSAO廃人のクソニートねぇ」
「ワァオ!全部避けたのに罵倒されるなんて特殊性癖に目覚めそうだゾ☆」
「うぉぉシノンはん今の一撃見えたか!?ワイはアナスのパンツしか目にいかなかったけども!」
「真面目にやれ」
視界の外でキバっちゃんがベルリンの赤い雨を食らっていたが俺は今そんな余裕はない。なぜアナスが敵サイドで攻撃をしてくるのか、それが一番の問題であった。
「アナス…どうしてなんだ…俺はまだ女の子とSAO(先走りアンアンオンオン)をやっていないというのに!!」
「?何を言ってるのキリトくん。早く殺し合いましょう!楽しみましょう!このデスゲームを!!」
「お前偽物だろ」
「!?ギクゥ全然本物のアナスでザマスよ?」
「口でギクゥとか言うんだな人って」
俺には1つ疑問点があった。アナスが俺の下ネタや浮気ネタをスルーしていることに違和感を覚えたからである。いつもの奴なら確実にそこを突っ込んでくるだろう。二重の意味で。
「クックックック…バレちまったら仕方ない…そうだよ開発者のチバちーだよ!」
「「な、なんだってーーーー!!!??」」
「…割とあっさり正体をばらすのね」
俺ら2人は死ぬほど驚いたがシノンだけが驚きがなかった。
「ふん、アナスのアカウントにハッキングしてキャラクターを引っ張ってくるのは苦労したぜぇ?ま、こいつはコピーキャラだがな」
「な、チバちーお前アナスはんを乗っ取って何が狙いや!?」
「バカキャラは黙ってろ」
「ハフーン」
「俺の狙い?ククク初めに言っただろう。お前たちが殺し合うさまが見たいんだよ!もっと争え!闘え!!」
「ちっこいつ完全にシリアルキラーみたいな思考じゃねえか」
「なるほど、コピーだったのね。それを聞いて安心した」
シノンが言い終わるより前にシノンの持っていたPGM ヘカートII 17口径スナイパーライフルの乾いた音が響いていた。
「ほう…?コピーとは言えアナスの頭を一瞬で撃ち抜くとは貴様かなりの手練だな?」
「ちっやはりチバちー本体にダメージはないか」
「おいお前なにアナス攻撃してんだ!!!??話聞いてんのか!?」
俺は慌てて銃を下ろした。いくら偽物のコピーと言えどアナスを撃つのは気が引ける。
しかしシノンは冷静に語り出した。
チバちーはこのゲームの開発者であり、プレイヤーではない。つまりチバちーが作り出したただのコピーNPCである。ならば遠慮する必要はないと。
そういえば運営はゲームの中にアバターとして存在するだけと言っていたな。
そしてシノンは再度躊躇なく引き金を引いた。
銃弾は真っ直ぐにチバちーの心臓を貫きポリゴンとなって消えていく。
その瞬間アナスが消えたと同時にチバちーの声も消滅した。ざまぁ
「しっかしチバちーは一体何がしたいんや?こんな大規模なテロ行為みたいなことをして奴になんのメリットがあるんやろな」
「それもそうね…こんな事して意味があるとは思えないし、それにSAOの運営がだいぶ時間が経っているのになんの声明も出していないのも気になるわ」
そういうキバっちゃんとシノンの言う事も一理ある、と思わされた。チバちーがいくら開発者の1人とは言えこんな大規模な事をしでかしてSAOの上の人間は何も対応しないものだろうか?
「もしかしてただのサイコパス野郎の犯行かと思ってたがとんでもないでかい組織が動いてるかもな…」
俺たちはなんとも言えぬ不安を抱えつつその場を後にした。