天職が決まってから数日がたった。あの日から俺は、そこまで変わらない生活を送っていた。しかし、母さんの顔が影があって暗い。まぁ、仕方がないか。息子が『遊び人』なんだからね。
それにしても、転生したから仕方がないが異世界文字が全くといって解らない。元々、英語のテストも点数低かったからなぁ。ここは息抜きとして、町の方に繰り出してみるかな?
「母さん、町の方に行ってくる。夕飯までには帰ってくるよ。」
「気を付けてね。あなたは、......何でもないわ。」
母さんが何か言おうとしていたみたいだが、言うのを止めたみたいなので気にしないようにした。
町に出てみると、多くの人で賑わっていた。出店が多いし当然かな?町を歩き回ってみると、路地裏で人影が見えた。気になったので気配を消して後を追いかけてみると、ボロボロなフード付きの布の服を着た女の子が壁際に追いやられ同じ年くらいの身なりのいい服を着た子供に石を投げられそうになっていた。
「今日もウサギ狩りは、俺達の勝ちみたいだな。」
「当たり前じゃん!『遊び人』と『戦士』じゃ、足の早さが違うっての!」
身なりのいい服を着た子供は、頭に当たるか当たらないかのギリギリに石を投げつける。女の子は頭を抱えて「ヒッ!!」と悲鳴をあげた。その様子を見ていることが出来なかった俺は、急いで彼らと女の子の間に入った。
「何してるんだよ!」
「ん?何だよ、折角良いところなのに。」
「あっ!こいつ、最近『遊び人』だってわかったユーキって奴だぞ!」
「それがどうした!」
「『遊び人』か、なら遊んでやろうぜ!狩に一人追加だ!」
そう言った彼らは、女の子から俺にターゲットを変えて石を投げつけてきた。突然の事だったので、反応が遅れて避けることもできずに頭と腕に直撃する。避けたら後ろの女の子に当たるので避けるつもりはなかったが、俺の頭からは血が出ていた。
「何だよこいつ、避けないし悲鳴1つ上げないぜ。」
「つまんない奴だな。何時も通り、あいつに投げようぜ。」
その言葉を聞いて、俺は女の子の手を取って逃げ出した。逃げる途中で背中や足に幾つか石を投げつけられたが、痛みを我慢して迷路のような町の中を駆け抜けた。
俺たちは、綺麗な水の流れる橋の下に身を隠した。かなり走ったが、彼らが追ってくる気配がない。何とか逃げ切れたようだ。多分、母さんが心配していたのはこの事だったのだろう。とりあえず、傷を水で洗う。
「あんたも石を投げられてできた傷があるなら、川の水で冷やした方がいいぞ。」
「・・・うん。」
そう言って女の子がフードを取ると、そこには銀があった。銀色の髪に痣だらけだが、シルクのような肌。琥珀色の女の子の瞳がこちらを見ていた。そして、ピョコンと2つの兎の耳が女の子の頭についている。嫌、兎の耳のカチューシャと言う方が正しいのだろうか?
この出会いが、ユーキの今生の運命に大きく影響を与える出会いとなった事を、彼は未だ知らない。
やっぱり、オリジナルは気楽に書けて良いわ。