それでは第14話どうぞ!!
「とりあえず今わかっていることは以上だ。また何かあったら必ずアイリスに伝えるよ。」
そう言いながら、くれめうはカバンに紙をしまった。
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「さてと、明日にはこの町を出るぞアイリス。明日もお前にはやってもらわないといけないことがあるからな。明日も朝が早い。もう寝て明日に備えよう。」
「分かりました。」
そう言って、二人はそれぞれのベットに入り、明かりを消す。周りの建物も徐々に明かりが消えていく頃アイリスはくれめうに声をかけた。
「あのくれめうさん。起きていますか?」
「……起きてるよ。もう寝ろ、明日本当に早いんだぞ」
「少しだけ待ってください。これ言ったらもう寝ますから。」
「分かったよ。…で、なんだ?」
アイリスは息を吐いて、吸い込みそして話し出した。
「改めてお礼を言います。くれめうさん本当にありがとうございます。私を助けてくれて、私の友人になってくれて、そして私の願いを一緒にかなえるのを手伝ってくれて本当にありがとうございます。」
アイリスは本当にこの少年に感謝していた。彼がいなかったら自分はいったいどうなっていただろう。一人でここまで絶対にこれなかったはずだ。そのさまざまな面から支えてくれるくれめうの存在は、アイリスに前を向く方向に導いてくれた。そのことにアイリスはくれめうに今、感謝を伝えきれずにはいられなかった。
そんなアイリスにくれめうはベットに横になりながら笑い、
「やめてくれアイリス。お前の感謝の気持ちはしっかり受け取った。でも俺に感謝するのは、ちと早いんじゃないか?」
「え?」
「まだ魔王軍を倒してもいないし、あんたの国も取り戻していない。まだ俺の役割は、全く完遂できていないんだよ。しっかり全て完遂されたときにあんたからたくさんの礼をもらう。」
「え、でもしかし「それに俺にも夢があるんだ」」
「俺の夢は自分の名を世界に広めるのもあるが、それ以上にこの世界の謎をすべて解き明かしたい。だから今あんたを護衛しているのも俺の夢のためでもある。もしあんたの願いをかなえられたら、俺に国の宝物庫や資料を見る権利を俺にくれ。」
「え?本当にそんなものでいいんですか?自分の地位を上げたいとかそういうのではなくて」
「ああ。俺にとっては身分なんてただの足かせだ。もっと俺は自由に生きたい。たくさんのことを見て回りたい。」
そう言うくれめうの言葉にアイリスは、お互い寝て顔は見えないけれど、きっと彼は今楽しそうに笑っているんだなと声音でそう感じた。その楽しそうな声に思わずアイリスも笑う。
「とても素敵な夢ですねくれめうさん。私にもいつかその話をしてください。」
「ああ。じゃあアイリスが一番最初に聞く人で決定だな。」
「本当ですか!!約束ですよ!!」
「ああ約束だ。よしそろそろ本当に寝よう。これ以上起きてたら俺も明日に響く」
「そうですね。じゃあくれめうさん。おやすみなさい。」
「ああ。おやすみ。」
そう言って二人は静かに夢の中に落ちていった。
日が昇り、また新たな日を迎えた。
「う~ん。」
ごしごしと目をこすって、アイリスは目覚めた。横を見ると、ベットにはくれめうはおらず、どこかに行っているようだった。机に置手紙があった。アイリスはベットから降りてその手紙を読む。
おはようアイリス。とりあえず目が覚めたら、すぐに出発の準備をしてくれ。朝早い内にやっておきたいことがあるから。それと今俺は、今後の食料とか道具を買いに出かけている。戻ってくるのは8時くらいになる。それまでに準備を終わらせておいてくれ。 くれめうより
その手紙を見て、まず壁に設置されている時計を見る。現在7時50分くれめうが来るまで、あと10分しかない。それを見たアイリスは急いで出発の準備を始める。もともと持っている荷物が少ない分、すぐに荷造はできた。準備ができて数分たった頃にくれめうが部屋に戻ってきた。
「あ。おはようアイリス。ちゃんと起きてるなんて偉いな」
「おはようございます。あとそれは馬鹿にしてるんですか?」
「いやいや素直に感心しただけだって。この時間に起きてるやつ意外と少ないもんなんだぞ。」
「そうですか?なら一応ありがとうと言っておきます。」
「準備終わってるならすぐ出発だ。行くぞアイリス。」
「分かりました。でもどこに?」
「冒険者ギルドだ」
冒険者ギルド
「さっ。こっちだアイリス。」
そう言ってアイリスの腕をつかんで、冒険者ギルドの受付のカウンターに向かう。
「待ってくださいくれめうさん!どうして冒険者ギルドに…」
「そんなの決まっているだろ。アイリスの冒険者カードを作るためだよ。」
「えっ!でも私はすでに冒険者カードは王都でつくりましたよ。」
「でも、今は持ってないんだろ?」
「は、はい。でも私、最初から覚えることができた強い魔法を持っていますよ。」
「それはあれだろ。多分、血筋によるものだろ?それにそれだけで戦うつもりじゃないだろうな。王族の魔法だから下っ端あたりなら簡単に倒せるかもしれないが、あんたの敵はその王族が負けた相手と戦うんだぞ。なら、それだけじゃ絶対にこの先行き詰まる。だから旅の中で俺はもちろんだがアイリスにも強くなってもらう。なんせかつての魔王を倒した勇者の血筋なんだからな。」
「分かりました。でもどうするんですか?冒険者カードは偽造できないようになっているので、私の名前ですぐに町中にばれてしまいますよ。」
「分かってる。だから人気の少ない早い時間に来たんだ。よし。俺たち以外まだ他の冒険者は来ていないな。行くぞアイリス。」
「は、はい」
二人で冒険者ギルドの受付のカウンターの前に着いた。
「おはようございます!本日はいったいどのようなご用件で?」
「ああ。この子の冒険者カードを作りたいんだが…」
「それでしたら手数料の1000エリスいただきます。」
「はいよ」
そう言って1000エリスを差し出すくれめう。ギルドの受付嬢が金額を確認し、
「はいちょうど1000エリスいただきました。それではあなたの名前と慎重、ご年齢などお書きください」
そう言って、アイリスの方に紙を渡す。アイリスはペンを受け取り書こうとした瞬間、くれめうは受付嬢に催眠魔法をかけた。その行動にびっくりして、アイリスはくれめうに声をかける
「ちょ、何やっているんですか!?くれめうさん!」
「何って?催眠魔法なんだが?」
「なんでそんなことするんですか!?」
「だって受付嬢に記憶を残らせないようにするにはそれしかないだろ。この様子は他の冒険者が見たら、明らかに不審がられる魔法なんだが今はいない。だから今のうちだ。さっさと書いてしまえ。」
「もう!分かりました!後で覚えておいてくださいね!」
そう言ってすごい勢いで書くアイリス。
「できました」
そう言って、受付嬢に紙を渡しそのデータを冒険者カードに入力し終え、冒険者カードと不思議な魔道具を出し、
「この魔道具に手をかざしてください。そうすれば今のあなたのステータスや職業などを選べるようになります。あと「もういいから、さっさと魔道具をこっちに出せ」はい」
くれめうの催眠で言う通りに動く受付嬢。その様子を見ていたアイリスは、ものすごい罪悪感にかられた。
(本当にすいません!!このお詫びはいつか必ずします!!)
いくら世界のためといっても、やっていることはある意味強盗みたいなものだ。お金は払っているから、悪とかではないのだが、人に向かって魔法使うのは、重罪なのだ。ましてや人を操る魔法などさらに重い罪を課される。そのことを分かっているから、人のいない時なんだとアイリスも理解できた。
冒険者カードのステータスの入力が終わると、アイリスの個人の情報の神とカードを取り、
「よし行くぞアイリス。とりあえず職業選択はギルドの外でもできるから、まずはここから出よう。俺の魔法もそろそろ効果が切れる。」
「分かりました。行きましょう!」
そう言って、二人は冒険者ギルドを後にした
町の広場
くれめうとアイリスは町の広場にあるベンチに腰を掛けていた
「もう!くれめうさん!人に向かって魔法を打つことは、お互いの同意がないと基本いけないものなんですよ!分かっているんですか!」
「もちろん知ってるさ。だから朝早くに仕掛けたんだろうが」
「分かっていてするなんて…くれめうさんには、今度その辺の授業が必要でしょうか?私、王女なのでその辺の法律の勉強もしているんです。何時間も今さっきくれめうさんがやったことの意味がどういうことなのかたっぷりと教えて差し上げましょうか?」
「やめてくれ。俺って縛られるのが嫌な人間なんだ。それに今回はアイリスのためにやったことなんだ。アイリスも止めなかったし、お前も同罪だろ。」
「なっ!?それはおかしいです!」
「どこがおかしいんだ?俺のかけた催眠魔法は結構弱い魔法だぞ。それこそ体をゆすれば、すぐに解けるレベルだ。それでもお前は何もしなかった。それはそっちの方が都合がよかったからだろ?」
「っ……」
「沈黙は肯定と判断するぞ。だから、今さっきのことは全部忘れよう。俺たちは何も悪いことなんてしていない。ただ冒険者カードを作っただけだと。」
そう言うくれめうにアイリスは、はぁとため息をつき
「分かりました。そういうことにしましょう。ですが、もう2度とこんなことしないと約束してください。」
「ああ。多分、これからそんな場面に出くわさないと思うし、分かったよ。約束した。」
「本当に分かっているんですかね?」
そう言いながらおでこに手を当てるアイリス。
もうこの話は終わったとばかりにアイリスの冒険者カードの話題にくれめうは移す。
「さてアイリス。お前はどうするんだ?職業」
「私の今のステータスだと一応どの基本職はつけるんですが、上級職ならソードマスターですかね。王宮で剣のけいこも少ないがしていますし、」
「それならソードマスターにしておいた方がいいな。別にソードマスターだからって魔法が使えないわけじゃないからな。」
「分かりました。じゃあソードマスターにします」
そう言って、アイリスは自分の冒険者カードに自分の職業を選択した。
「よし!職業も決まったとこで、武器屋に行くか」
「はい!」
そう言って、武器屋に行き、まず防具を選び、そのあと店で一番いい剣を買い、アイリスの装備が終わったところでちょうど昼時になった。二人は近くのレストランに入り、料理を食べた。料理を食べ終わり、水を飲みながらアイリスは尋ねる。
「あのくれめうさん。この後どうするんですか?」
「ええっとな。まずアイリス、お前の国に直属に仕えていた貴族を教えてほしいんだが…」
「え?ああはい。分かりました。えっと私の護衛をしてくれていたシンフォニア家と王国の懐刀ともいえるダスティネス家でしょうか?ほかにも仲のいい貴族はいますが特に私が交流があるのはこの二つの貴族です。」
「そうか。なら、行く場所はとりあえずダスティネス家の近くにあるアクセルの街に行くとするか。魔王城から最も遠い街でもあるし、他の冒険者もそこに集まってる可能性が高い。」
「!そうしましょう!あそこには私の友人やお兄様もいるんです!」
「は?お前の兄はもう魔王軍に…」
「血はつながってないんですが、私に外の世界を教えてくれた人やその人のパーティーの人も私の友人なんです!その人たちもアクセルの街にいるんです!」
「そうか。なら迷う必要がないな。行き先はアクセルの街に決定だな。」
「はい!」
そう言って、二人の行き先も決まったところで、会計を済ませ、門の守衛の人にあいさつをして、ルンガの町を出た。
「あ。」
くれめうの何かに気付いた声に反応するアイリス
「どうしたんですか?くれめうさん。」
「どっちに向かえばアクセルに着くか分からないな…」
「えっ?どうしてですか!?」
「この町の守衛が言ってただろ地図にも載っていない町だって。この周辺の情報が全く分からないんだ。」
「でもくれめうさんの鳥の魔法なら…」
アイリスは言うが、くれめうは首を振り、
「あの魔法は自分が行ったことのある町や地域にしか行けないし、アクセルの街には、行ったことがあるから鳥はいるが、その魔力を追うなんてこと……いや待てよ………」
いきなり考え出したくれめうにアイリスは声をかけようとする
「あのくれめうさん?どうしたん「そうだ!!それだ!!」!!?」
「いい方法があったぞアイリス!」
「本当ですか!?」
「ああ!でもそれは、ここじゃあできない。とりあえず俺の家に行くか!」
「え?」
そういって、くれめうはまた違う方向に向かって歩き出した。
お読みいただきありがとうございます!!
ようやく新しいところに進めます。ここから魔法についてのことやいろいろ設定が入ってきたりする話も出てくるかと思いますが、皆様どうか応援よろしくお願いします!
それでは次の第15話でお会いしましょう!!