第16話できました!それではどうぞ!
テレポートの移動が終了され、アイリスが目を開けると、赤い屋根に石のレンガが家の壁になっていて、ところどころに窓がある2階建ての家があった。先ほどアイリスが滞在していた町にも民家はあったが、それよりは少し大きめだ。
「ようこそ我が城に…」
そう言いながら、くれめうは家の前でポーズを決めた。
「私が思っていたのと違っていて、立派な家ですねくれめうさん!」
アイリスも初めて友人の家に来たのもあってか、とてもはしゃいでいた。アイリスの言葉に気をよくしたくれめうは
「この家には庭も小さいがあるからそこで好きに使ってくれてもいいぞ。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
「まあ家の前にいつまでもいるのもなんだし、中に入るか。」
「はい!」
くれめうは家の鍵を開け、ドアを開ける。
「じゃあどうぞ。」
「あっ。はい。お邪魔します。」
アイリスが中に入ってまず最初に気付いたのは、家の中がすぐに目でわかるくらい埃で充満しているところだ。いきなりパンチのきいた玄関に思わず、アイリスの笑顔もひきつる。
「あ、あのくれめうさん?このお家には、いつぶりに帰ったんですか?」
「え?う~~んいつなんだろうな。こうやってまともに玄関から入ったのは、もう半年ぶりくらいだな。」
「え!?そうなんですか!?あの玄関からまともに入ったとはいったいどういうことでしょうか?普通玄関から入るものじゃないんですか?」
「いや突然ひらめいたことや家ですぐ魔法の実験をしたいときは、わざわざ玄関から入るのは、時間がもったいないし、ドアを開ける拍子で忘れてしまうかもしれないだろ?だから直通で行くために研究室の窓は常に全開にして出るんだ。」
「な、なるほど。あまり理解ができませんが分かりました。」
とりあえず納得したと自分の中に強く言い聞かせて、玄関から続く廊下を歩き、くれめうがドアを開ける。
「ここが俺の家のリビングだ。普段はここかリビングで生活している。」
中に入ると、玄関以上の地獄がそこにはあった。魔法などを書かれた本や古い書籍、そういう価値のあるものから、おそらく食べたご飯の皿がそのままにしてあり、掃除もしていないせいか部屋の壁の角はクモの巣や虫が住みついている。少し移動してキッチンを見つけたが洗い物はしないで使った皿はそのまま流し台に置いて積み重なり、置けなくなった皿はコンロや調理する場所まで侵略している状態だった。リビングに置いてあるソファは、彼がいつも寝ているのもあるおかげかそこだけそんなに埃もかぶっていなかった。まあ彼女から言わせてみればそれもかなり汚いと言えるが。
「あのくれめうさん。あなたはこの家でたまにではあるが何もない日はここで過ごしてるんですよね?」
「ああそうだが。…どうしたんだアイリス?顔は笑ってるんだが目が全然笑っていなくて、少し怖いんだが。」
「今見た家の状態を見て、あなたは何も思わないんですか?町で泊まった宿の部屋とこの部屋を見比べて何か思うことはないんですか?」
「えっ?そりゃ、あるに決まっているだろ。」
アイリスの質問に対して、そう答えるくれめうに安心するアイリス。しかし次にくれめうの言う言葉でアイリスの安心は吹き飛んでいった。
「確かにあの宿の部屋よりは少し汚いかもな!」
「すこし?」
その言葉にアイリスは少し自分を抑えながら聞き返す。アイリスの様子が少しおかしいなと感じたくれめうは自分の言った言葉に何か問題があると思い、
「ま、まあ少し机とかの上が散らかっているが、ほら!こうして腕でどけてスペースを作ればちゃんと生活できるし。」
そう言って机の上の物をどけてスペースを作ろうとするが、あいにく机の上にものがありすぎて積み重ねてあった本が崩れる。地面に落ちた瞬間下の埃が巻き上がりアイリスが見えなくなる。
「ゴホッゴホッ!アイリス!悪いな。ちょっと埃が巻き上がっちまった。」
「………………」
「おいアイリス。…おーいアイリスさんやー。」
呼びかけても一向に反応をしてくれないアイリス。もう一度声をかけようとしたところで、アイリスの顔が見えた。しかし、いつものアイリスの元気な顔なんて面影がないくらい顔が無表情で何となくアイリスの目の輝きをみえないような感じがする。そんなアイリスがくれめうの方に手を向けた。
「お、おい。何するつもりなんだ?あんまりふざけたことはすんなよ…」
「ふざけたことはするな?……どっちがふざけてるんですか?」
アイリスの冷たい目がくれめうに突き刺さる。
(あ、あかん…これ。シャレにならんやつや…)
あまりのアイリスの変わりようにくれめうはテンパり頭の中の口調も変になっている。
「セイクリッド・ライトニングブレア」
アイリスから放たれた白い稲妻の魔法はくれめうの立っている床を吹き飛ばし、そのままそれより向こうの壁などもすべて粉砕し、書物や皿などが外に投げ出された。
「ぬおー!?」
どしゃっと外に吹き飛ばされたくれめうは起き上がると自分の体をペタペタ触り
「おっしゃあ!生きてたー!」
「……」
そう言って喜んでいるくれめうの真横に魔法を打ったアイリス。
「「………………」」
両者無言のままお互いの口を開かない。今でかつてないほどに追い詰められているくれめうは必死に思考をめぐらしていた。
(どうする!どうするどうする!?このまま次は俺めがけてあんなの打たれたらマジで死ぬ!理由もわからず死ぬなんて一番いやだ!)
必死に考えても全く思いつかないくれめうの様子にアイリスもあきれたのか、はあっとため息をついた。そしてくれめうを見て、
「あのくれめうさん。私思うんですけど誰かを自分の家など招待するときはある程度きれいにする必要があると思うんです。くれめうさんはこの部屋の状態を少し汚いと言いましたが、これは、一般的にはもう何年も使われていない空き家そのものです。だから、私がいいと言えるまで掃除を今からですがやりましょう。」
「今からって…正気か?もう夕方でもうすぐ夜だぞ。」
「あなたの魔除けの魔道具があればそんなの関係ないですよね?」
「ぐっ!?」
「それに女の子にこんなところって言ったら悪いんですけど、こんなところで寝かせるものではないと思うんです。これならまだ野宿の方がましですよ。でもそういうわけにもいかないなら掃除しかありませんよね?拒否権はないですから♪」
そういうアイリスの顔に今さっきのような無表情の面影は見えない。だが、断ったらどうなるかわかるだろうな?のような圧が今のアイリスから伝わる。今断ったら即殺されるとくれめうの鍛えられた直感が危険信号を出している。そんなアイリスに言われるがままに首を縦に振るくれめう出会った。
第16話お読みいただきありがとうございます!!
次回はもっと計画的に書いてきたいと思います!
それではまた第17話でお会いしましょう!!